1円札の価値はどれぐらい? 壹円紙幣全10種類をご紹介します‼️

古い1円のお札を持っています。これって価値があるものなんですか?

これは昭和の1円札ですね。描かれている人物は二宮尊徳です。
1円のお札は明治から昭和にかけて発行されました。なんと全部で10種類もあるんです!

そんなにあるんですね。ちなみに古い1円札に価値はあるんですか

はい、価値のある1円札もございます!
古銭鑑定士が、昔の1円札全種類について解説します。

[監修:奥村 志門/執筆:増田 英明

1円札の全種類と価値

それでは、明治・大正・昭和に発行された1円の額面の紙幣、1円札についてご紹介します。

1円札はこれまでに10種類、発行されてきました。

1円というとアルミ製の1円玉の印象が強いですよね。
それもそのはず。1円玉は戦後間もない昭和30年から今の硬貨のままです。
もう70年近くになるので、1円がお札だったと聞いてもイメージしづらいですよね。

そんな1円のお札には、どんな種類があるんでしょう。
ここでは、一番古い明治時代のものから最後の昭和のものまで、順番にご紹介します。
一緒に、価値の参考となるアンティーリンクでの買取価値、市場価値の情報もお伝えします。
もし1円札をお持ちでしたら、この記事で確認してみてください。

明治通宝1円

明治通宝1円表
明治通宝1円裏

本日の買取価格

  • 極美品:20,000円
  • 並品:5,000円

その他買取価格詳細は買取価格一覧表をご覧ください。

・発行年:明治5(1872)年4月
・廃止年:明治32(1899)年12月
・発行数:3,981万枚(ドイツ)/539万枚(日本)
・大きさ:113mm×71mm

最初に発行された1円札は、縦長の明治通宝1円札です。
明治通宝は100円から10銭まで、9種類が作られました。この頃ですと、文字を読めない庶民が多かったそうです。
そのため地紋の刷色を分けることで、額面の判別が簡単にできるようになっています。

この明治通宝は、当時広く流通していた藩札や太政官札などの紙幣を統一するため発行されました。
しかし日本の印刷技術が未熟だったため、製造はドイツの印刷会社に委託されました。
そのため明治通宝は「ゲルマン札」と呼ばれることもあります。

そんな「ゲルマン札」ですが、使われていた紙が湿潤な日本の環境には合わなかったようで、痛みや変色が発生したそうです。
そのため明治10年頃にはドイツから印刷機を仕入れ、1円札を含むいくつかの額面は国産化されました。
しかし明治通宝にはもう一つ、問題がありました。それは偽札の問題です。
紙幣そのものは偽造が難しいものでしたが、額面部分を改ざんした偽札が出回ったそうです。
明治通宝は額面の違いがわかるよう刷色は変えられますが、デザインは共通でした。ここに目をつけられてしまいました。

国産化によって紙幣の劣化については解決できたものの、偽造問題は未解決のまま、明治14年には役目を終えました。
とはいえ旧紙幣・藩札の回収率は100%に近く、紙幣の統一という本来の役目は十分に果たしたそうです。

明治通宝1円札のデザインですが、表面には「菊紋」と「鳳凰」、「竜」が描かれています。
裏面には地紋には、ルーペで見ないと判別できないほど「小さな動物」や「昆虫」が描かれています。
描かれているのは「トンボ(4匹)」、「孔雀(2羽)」、「千鳥(24羽)」、「ホタテ貝(14個)」です。
ちなみに5円以上の高額紙幣では、トンボの数が6匹になっているとか。

明治通宝1円は、状態の悪いものでも価値が付く紙幣です。
買取金額は並品ですと5,000円、状態のよい極美品ですと20,000円になります。未使用では、その倍以上の価値になります。
ですが100年以上も前のお札のため、現存するものは破れや痛みのある劣品、並品が多くなっています。

旧国立銀行券1円

旧国立銀行券1円表
旧国立銀行券1円裏

本日の買取価格

  • 美品:100,000円

旧国立銀行券1円の買取価格は【古銭全種】買取価格一覧表にも掲載されています。

・発行年:明治6(1873)年8月
・廃止年:明治32(1899)年12月
・発行数:483万枚
・大きさ:80mm×190mm
・銘版:CONTINENTAL BANKNOTE Co. NEW YORK
・図案:武将と軍船/蒙古襲来

次に発行された1円札は、明治6年に発行された旧国立銀行券1円札です。発行枚数は400万枚程度となっています。
この1円札は明治通宝と同じく、日本各地でバラバラであった紙幣を統一する目的で発行された紙幣です。しかし明治通宝とは異なり、金との交換が保証され価値の裏付けのある紙幣です。こうした紙幣は兌換紙幣(兌換券)と呼ばれています。

この旧国立銀行券は、明治4年にアメリカのコンチネンタル・バンクノート社に製造依頼されました。そのため銘版はコンチネンタル社の銘となっており、「アメリカ札」と呼ばれることもあります。
そして、この製造依頼をしたのが1,000円札の肖像でも有名な伊藤博文だそうです。

明治5年に「国立銀行条例」が制定され、この銀行が発行する券のみが政府公認の紙幣とされました。この時に初めて「銀行」という言葉が使われたそうです。
また条例の制定に併せて、日本各地に国立銀行が設立されました。その数は明治12年までで、153銀行にものぼります。
とはいえ名前は国立銀行となっていますが、すべて民間の私立銀行です。これは銀行創設の参考にしたアメリカのナショナル・バンク(制度)を「国立銀行」と誤訳したためとも言われています。ちなみに国立銀行は、現在の銀行の母体になったものが多く、さらに第四銀行(新潟県)などには、名前そのものも残っています。

旧国立銀行巻は兌換券として発行されました。しかし金価格の高騰が予想以上に進んだことから、実際には金と交換のできない不換紙幣となってしまいました。
さらに価値の裏付けのない不換紙幣である明治通宝の乱発、変造紙幣問題などもあって、市中での紙幣に対する不信も強まっていました。
そんな理由から、明治9年頃には市中では姿を見ることはほとんどなくなったそうです。

紙幣のデザインは表面に左右に武将と軍船、中央に兌換についての文言が入っています。
この図は古代の武将である田道(たじ、上毛野田道)公が蝦夷の奇襲攻撃を受けている図とされています。
実はもう一説あり、源為朝(源頼朝の叔父)が、敵方の工藤茂光の軍船を迎え撃つ図、とも言われています。源為朝は平安末期の武将です。
紙幣裏面は蒙古襲来の絵図と偽造を禁止する文言になっています。左右には同額の金貨と交換できることを示すため、旧一円金貨の図案が配されています。
海外製造の紙幣のためか、人物の顔や図案にどこか違和感を感じると言われています。

旧国立銀行券1円札は、汚れや折れのある状態の悪い物でも値段がつきます。
ほとんどが回収されてしまったため現存数が少なく、保存状態の良いものを目にすることはほとんどない、まさにレア紙幣です。
買取金額は美品ですと10万円、状態によってはそれ以上になります。

新国立銀行券1円(水兵1円)

新国立銀行券1円表
新国立銀行券1円裏

本日の買取価格

  • 美品:100,000円
  • 並品:60,000円

旧国立銀行券1円の買取価格は【古銭全種】買取価格一覧表にも掲載されています。

・発行年:明治10(1877)年12月
・廃止年:明治32(1899)年12月
・発行数:800万枚
・大きさ:74mm×155mm
・銘版:大日本帝國政府大藏省紙幣局製造
・図案:大蔵卿印と水兵/恵比寿

旧国立銀行1円札に変わって発行されたのが、新国立銀行券1円札です。
新国立銀行券は全部の額面でリニューアル予定でしたが、高額券はあまり需要がなかったそうです。そのためこちらの1円とかじや5円のみが発行されています。
新国立銀行券は明治10年に1円札、翌年に5円札が発行されています。
そして新国立銀行券は旧国立銀行券と異なり、発行当初から金貨との交換のできない不換紙幣と呼ばれるものでした。

明治10年は日本最後の内戦である西南戦争の勃発した年です。その戦費調達のため、政府には大量の紙幣を発行する必要がありました。
しかし新たな紙幣を準備する時間はないかったため、設立準備中の第十五銀行で発行予定だったものを、そのまま新紙幣とすることにしたそうです。そのため現存する新国立銀行券のほとんどが第十五銀行のものになっています。
ちなみに第十五銀行の創設を企画していたのは500円札で知られる岩倉具視です。

紙幣のデザインですが、表面は右側に水兵、左側に大蔵卿印が配されています。
左側の大蔵卿印とは、紙幣発行の責任者である大蔵省長官の印のことです。この頃はまだ大蔵省に大臣は存在しなかったため、大蔵卿になっています。
右側の水兵の像は、明治政府のスローガンである富国強兵にちなんで採用されたそうです。実は水兵ではなく水夫(戦闘員ではない船員)ではないか、とも言われています。また中央の菊紋の背後には船から見た遠景が描かれています。灯台は三浦半島にある観音崎灯台がモデルとも言われています。
裏面には七福神の一人である恵比寿様が採用されました。周囲にはシンボルである釣り竿と鯛、そろばんなど商売に関係する持ち物が描かれています。

紙幣の肖像は政府のお雇い外国人、イタリア人のエドアルド・キヨッソーネの手によるものです。
このキヨッソーネとは、紙幣のほかに切手や証券など数多くの肖像やデザインを手掛け、近代日本紙幣の進歩に尽力した人物です。
ちなみに現行の500円札で採用された岩倉具視の肖像は、彼の作った原画が元になっているそうです。

新国立銀行券1円札は旧国立銀行券1円札よりも少し価値が下がるものの、状態が悪くてもプレミアが付く紙幣です。
また発行銀行がどこかによって、同じ程度の状態でも評価が変わることもあります。
買取金額は折れ目のある並品で60,000円、状態によっては10万円を超える価格になります。

改造紙幣1円(神功皇后1円)

改造紙幣1円表
改造紙幣1円裏

本日の買取価格

  • 極美品:65,000円
  • 並品:15,000円

その他買取価格詳細は買取価格一覧表をご覧ください。

・発行年:明治14(1917)年2月
・廃止年:明治32(1899)年12月
・発行数:4,564万枚
・大きさ:77mm×131mm
・銘版:大日本帝國政府大藏省紙幣局製造
・図案:大蔵卿印と神功皇后/大蔵省

4番目の1円札は、日本の紙幣で初めて単独の人物像を配した改造紙幣1円札、神功(じんぐう)皇后1円札です。
新国立銀行券が発行された明治10年、「新紙幣」と呼ばれていた明治通宝も国産化され、発行は続いていました。
しかし明治通宝は国産化によって紙にまつわる問題はクリアできたものの、変造対策は不十分でした。そこで発行されたのが、神功皇后1円札を含む改造紙幣シリーズです。
この改造紙幣に使われている「改造」という言葉、一般的には何かを加工したり、付け加えたりする時に使われます。
ですが改造紙幣の「改造」は、それまでの紙幣を改(あらた)めるため造(つく)られた紙幣、という意味を持つそうです。

改造紙幣は最初に1円札が発行され、次いで改造紙幣10円改造紙幣5円が発行されました。どの額面でも神功皇后の肖像が採用されていますが、すべて彫り直されているため、顔の印象が微妙に違います。1円札の肖像は西洋人風の顔つきですが、5円札、10円札になるほど、日本人的な柔らかい表情になっていると言われています。

改造紙幣はこの他に、大蔵卿50銭大蔵卿20銭も発行されています。こちらの小額紙幣は大蔵卿の印影のみで、人物の肖像は描かれていません。

紙幣のデザインですが、表面は神功皇后と大蔵卿印、そして様々な装飾が施されています。
対して裏面は中央に大蔵省という大きなマーク、その左右に蜻蛉(かげろう)というシンプルなデザインになっています。

ところで、神功皇后とはどんな人物なのでしょうか。
神功皇后は、夫である仲哀天皇(第14代)の崩御後、応神天皇(第15代)即位の時まで、約70年間も摂政を務めた人物とされています。
古事記や日本書紀によれば、熊襲討伐や三韓征伐をなしとげた人物とされています。
神功皇后が肖像に採用された理由ですが、はっきりとはしていません。政府は明治天皇を肖像にしたかったそうですが、天皇自身はそれを認めなかったそうです。そのため、すでに公債に使用されていた神功皇后が紙幣の肖像に選ばれた、とも言われています。

この神功皇后の肖像も、水兵1円札と同じくキヨッソーネによる作品です。
神功皇后は日本神話に登場する人物のため、その姿を記した資料はありません。そのため紙幣局に務めていた女性を神功皇后のモデルにして肖像を起こした、という逸話が伝わっています。

改造紙幣1円札は明治初期の紙幣としては現存数も多く、比較的目にすることができる紙幣です。
そのため買取金額は、折れや汚れのある普通品(並品)で15,000円ほど、極美品で65,000円になります。
折れや汚れのない準未使用以上ですと、その価値は倍以上になります。この価格差は、保存状態の良いものがいかに少ないかを示しています。

旧兌換銀行券1円(大黒1円)

大黒1円表
大黒1円裏

本日の買取価格

  • 極美品:70,000円
  • 並品:15,000円

その他買取価格詳細は買取価格一覧表をご覧ください。

・発行年:明治18(1885)年9月
・廃止年:未定(支払停止は昭和33年)
・発行数:4,511万枚
・大きさ:78mm×135mm
・銘版:大日本帝國政府大藏省印刷局製造
・図案:大黒像と一円銀貨/彩紋と罰則文言

大黒1円札は、日本銀行券として初めて発行された紙幣です。
明治15年に日本銀行が創設されたものの、市中では未だ改造紙幣や国立銀行券、明治通宝などが混在している状況でした。
これらを完全に一元化するため、日本銀行券を発行しました。それが大黒1円札です。
大黒札は、1円札他に、100円札10円札5円札が発行されています。デザインはほぼ同じですが、5円札のみ大黒天の肖像が裏面になっています。

大黒1円札は兌換銀行券として新一円銀貨との交換が可能とされていました。
それまでは紙幣は金貨と交換することで価値の保証がなされてきました。しかしこの頃には金価格上昇の影響で、すでに旧一円金貨は発行停止になっていました。そのため大黒1円札は、新一円銀貨と交換可能とすることで紙幣価値を裏付けていました。

紙幣のデザインですが、表面はにこやかな笑顔の大黒天、中央上部に光線を放つ日輪が描かれています。裏面はシンプルに彩紋と 額面が紙幣中央に配されています。
この紙幣もキヨッソーネによる作品です。大黒一円札では、これまでの紙幣が偽造に悩まされていたこともあり、今まで以上に精巧なデザインになっています。
それを象徴するのが日輪の光線部分です。光線の一本一本が、よく見ると「NIPPON GINKO」と「壹圓兌換銀券」という文字になっています。
これは現在の紙幣でも見られるマイクロ文字と呼ばれるもので、偽造対策の一つです。

次に特徴的なのは、デザインではなく紙幣そのものにあります。
大黒1円札は紙幣の強度を増すため、なんとコンニャクが混ぜ込まれていました。
この発想、紙幣の強度を高めるためには良かったのですが、大きな欠点もありました。
ネズミや「紙魚」という紙を食べる虫が、コンニャク好きだったそうです。そのため紙幣が食べられてしまったそうです。
ですので保管しておくと、大黒1円札は穴だらけになってしまったとか。

もう一つの特徴は紙幣の刷色です。少し緑がかった青色は浅葱色と呼ばれ、日本の伝統色としても知られています。
この色ですと当時の技術では複写が難しいことから、偽造対策として導入されました。
ですが、この偽札対策も裏目に出てしまいます。
インクの顔良に含まれた成分が、空気中の成分と反応して黒色に変色してしまうそうです。
当時は変色の理由は分からなかったため、警察に偽造紙幣を疑われて通報される、といった事件も多々あったとか。
また黒色であれば複写による偽造も可能になることから、明治19年頃から偽札が見られるようになったそうです。
そんな理由もあって、早くも明治21年には製造中止となってしまいました。

大黒1円札は今でも手に入りやすく、市場では見かけることの多い1円紙幣です。
買取金額は並品のもので15,000円、極美品になると70,000円になります。
素材のせいもあって、現存するもので状態の良いものは少ないです。そのため未使用品ですとかなりの高額が期待できます。

ちなみに大黒1円札とそれ以降の1円札は、現在も通用力のある(=現金として使える)紙幣です。
▶︎財務省「昔のお金は使えますか」
ですがボロボロでも額面以上の価値があります。銀行で1円として交換したり、使うのはもったいないですね。

改造兌換銀行券1円(漢数字1円)

漢数字1円表
漢数字1円裏

本日の買取価格

  • 極美品:25,000円
  • 並品:5,000円

その他買取価格詳細は買取価格一覧表をご覧ください。

・発行年:明治22(1889)年5月
・廃止年:未定(支払停止は昭和33年)
・発行数:1億3,500万枚
・大きさ:85mm×145mm
・銘版:大日本帝國政府大藏省印刷局製造
・図案:菊紋・武内宿禰/新一円銀貨・兌換文言

欠陥があった大黒1円は発行後、4年で製造終了となりました。これに変わって発行されたのが改造兌換銀行券1円です。
紙幣の記号が漢数字になっており、後のアラビア数字のものと区別するため「漢数字一円」と呼ばれています。
改造兌換券のシリーズは、漢数字1円のほかに分銅5円札表いのしし10円札めがね100円札が発行されています。
大黒1円札と同じく、こちらも現在使用可能な1円札です。

紙幣のデザインは、表面右側に武内宿禰の肖像、左側に透かしの入るスペース、中央には額面と菊紋が描かれています。
大黒1円札は菊紋が採用されませんでしたが、この当時は国粋主義の進展もあって、菊紋が再び採用されました。
紙幣の裏面には、新一円銀貨が大きく描かれています。その横に、兌換銀行券として新一円銀貨と交換できることを英語で記してあります。

そして表面ですが、シークレットマークと思われる箇所が存在します。
肖像の周囲にあるスペードの囲み部分と、紙幣輪郭部にある細線です。
兌換券シクレ
スペードは真ん中が丸く白抜きになっていますが、1つだけ塗りつぶされています。
細線は、黒ベタ三角形の脇の部分が、わざと切れています。

ところで武内宿禰、どういう人物かご存知ですか。
景行天皇から仁徳天皇までの5代に仕えたという、古代の伝説上の武人です。
改造紙幣1円札に採用されている神功皇后と同時代の人物になります。
彼の功績としては熊襲、近江、因幡の平定、三韓征伐が伝わっています。
そして蘇我氏、紀氏など、歴史の授業で聞いたことのある豪族の祖であるとも言われています。

漢数字1円札は市場でも比較的多く見られる紙幣です。ですが経年によるダメージを受けたものが多くなっています。
そのため並品でも5,000円、比較的状態の良い極美品で25,000円の買取価格となっています。未使用品ではその倍の50,000円です。
この後に発行されたアラビア数字とよく間違えられることが多いので、分類の際には注意してみてください。

大正兌換銀行券1円(アラビア数字1円)

アラビア数字1円表
アラビア数字1円裏

本日の買取価格

  • 極美品:100円
  • 美品以下:まとめ買取

その他買取価格詳細は買取価格一覧表をご覧ください。

・発行年:大正5(1916)年8月
・廃止年:未定(支払停止は昭和33年)
・発行数:2億6,400万枚
・大きさ:85mm×145mm
・銘版:大日本帝國政府大藏省印刷局製造
・図案:菊紋・武内宿禰/新一円銀貨・兌換文言

大正に入ると、1円札は漢数字1円札のデザインを踏襲し、記号がアラビア数字に変更されました。そのためアラビア数字1円札と呼ばれます。
アラビア数字1円札も兌換券となっていますが、交換できるはずの新一円銀貨はすでに発行停止となっていたため、実質は不換紙幣でした。
このアラビア数字1円札に漢数字1円札を合わせると、なんと54年間も市中で使われたことになります。もちろん令和の現代でも、1円札として使用可能です。日本で最も長く使用された紙幣と言えるでしょう。

アラビア数字1円札と同時期の兌換券には、同じく武内宿禰が肖像の大正武内5円札左和気10円札横書き20円札があります。

紙幣のデザインは、漢数字1円札と同じ構図です。表面には漢数字1円と同じ場所にシークレットマークが存在します。
ですが、武内宿禰の肖像は新たに彫り起こされました。
以前のデザインはキヨッソーネがデザインしたため、どこか西洋人風な顔つきでした。これがアラビア数字1円札では、日本人に近い顔つきになっています。
この変化は、紙幣の肖像を日本人が彫り直したことに加え、国粋主義の高まりという社会風潮の影響があったと考えられています。

一番の特徴といえば、記番号がアラビア数字に変更されたことです。
組番号は漢数字1円札からの続きのため、151から始まっています。最終は記録上では446まであるそうですが、確認されているのは445までです。

実は、記番号のアラビア数字化と肖像の変更時期には少しズレがあります。
そのため100番台の初期のものの中には、漢数字1円札(キヨッソーネによる肖像)にアラビア数字が入っているものが存在します。
武内1円札
左から漢数字1円、アラビア数字1円(初期・キヨッソーネ版)、アラビア数字1円(彫直し版)です。
左側の2つ、キヨッソーネ版の肖像は鼻筋から眉間にかけての影が深く見えませんか?
こうして並べてみると、西洋人風と日本人風の違いがなんとなく感じられます。

またアラビア数字1円札、もちろん漢数字1円札にも使用されている透かしは「黒透かし」と呼ばれる技術です。
光に透ける部分を厚くして、黒く浮き立たせる手法です。古くは大黒10円札にも採用されています。
この「黒透かし」は、透けた部分が明るく見える「白透かし」よりも技術的に難しいものだとされています。
さらに「黒透かし」、明治の頃から民間での使用が禁止されていました。現在でも「すき入り紙製造取締法」によって規制されています。
そのため市販品の便箋やノートなどに入っている透かしは、ほぼ、白透かしになっています。
この透かし技術も、キヨッソーネの指導によって向上したものでした。

アラビア数字1円札は長く流通していたため、現存数も多く、ありふれた紙幣です。
折れや汚れのない極美品以上ではじめて個別に値段がつきます。ですが極美品で100円、未使用でも300円です。
市場では組番号100番台のものに若干価値があるそうです。ですが市中で見かけるものは、ほとんどが200番以降のものになっています。

不換紙幣1円/改正不換紙幣1円(中央武内1円)

不換紙幣1円表
改正不換紙幣1円裏
不換紙幣1円裏

本日の買取価格

  • 極美品:150円
  • 美品以下:まとめ買取

その他買取価格詳細は買取価格一覧表をご覧ください。

・発行年:昭和18(1943)年12月
・廃止年:未定(支払停止は昭和33年)
・発行数:3,000万枚/3,168万枚(改正)
・大きさ:70mm×122mm
・銘版:大日本帝國印刷局製造
・図案:菊紋・武内宿禰/宇倍神社拝殿

アラビア数字1円の次に発行された1円札は、紙幣中央に武内宿禰の肖像があることから、中央武内1円札とも呼ばれています。
太平洋戦争勃発後、日本では兌換銀行券の発行を取り止めました。そのため兌換銀行券と書かれていた1円札を新しく製造する必要がありました。
そのため肖像は竹内宿禰のまま、紙幣のサイズを小さくした、不換紙幣が発行されました。
ちなみに不換紙幣とは、金や銀と交換ができないため、発行主体への信用で価値の裏付けがされている紙幣です。今使われている紙幣も、この不換紙幣です。

中央武内1円札は製造時期によって、不換紙幣1円札(写真上)と改正不換紙幣1円札(写真中央)に分類されます。ちなみに裏面は共通です。
紙幣は二つ折りにされることが多いため、肖像は真ん中を避け、左右に配置されるのが通常です。
そのため中央に肖像かきている紙幣は、明治時代の中央武内5円、次シリーズのろ号券である4次10円3次100円ぐらいです。現代でも、中央に肖像を配した紙幣は聖徳太子5,000円のみとなっています。

この中央武内1円札は、い号券と呼ばれるシリーズです。い号券は中央武内1円札以外に、2次100円札2次10円札/3次10円札2次5円があります。

紙幣のデザインですが、表面は中央に竹内宿禰の肖像と菊紋、裏面は竹内宿禰を祀った宇倍神社(鳥取県)の拝殿が、八稜鏡の中に描かれています。
戦時中という時勢もあってか、表面、裏面のどこにも英語表記は全くありません。

中央武内1円札は戦中の短い時期に発行されたものではありますが、現存数も多く、よく見かける紙幣です。
買取金額は折れや汚れのない極美品で150円程度、未使用だと500円になります。
希少性は低い紙幣のため、折れや汚れが少しでもあると重さでのまとめ買取になります。状態のよいものでなければ買取価格に期待はできません。

中央竹内の分類方法

この中央武内1円札は、製造時期によって不換紙幣1円札、改正不換紙幣1円札とに分類されます。
さらに改正不換紙幣1円札は、2つの時期に分けることができます。
これらを通して不換紙幣1円札を前期、改正不換紙幣1円札を中期・後期と分けることもあります。
この記事では、全体を中央武内1円札として、前期・中期・後期という分け方で解説していきます。

製造時期の違いは、記番号、また紙幣の透かしで見分けることが可能です。
一番最初に、分かりやすいの記号部分で見ていきます。
中央武内記番号部分
写真右側、左上に6桁の記番号が入っているものが不換紙幣1円札(前期)です。括弧囲みの数字は右下にあります。
写真左側、左上が{00}という括弧囲みの数字になっているは改正不換紙幣1円札(中期・後期)です。

改正不換紙幣1円札の製造時期は、透かしの模様で見分けられます。
中央武内透かし
写真は上が中期、下が後期になっています。
中期のものは、桐の葉が細かく描かれていますね。
後期のものは、簡略化された桐紋が左右に入っています。
戦争が深刻化する中、製造の手間を省くために簡略化されたそうです。
ちなみに不換紙幣1円札(前期)は、中期のものと同じ、桐の葉が細かい透かしになっています。

ですが、実は{00}の数字を見れば、もっと簡単に見分けることができるんです。
カッコ内の番号が1〜34のものは前期、35〜47は中期、48・49が後期になります。
サンプルのものですと{45}なので改正不換紙幣1円札の中期と分類できます。
ちなみに後期のものは、小売ですと少しだけ価値があるとされています。

日本銀行券A号1円(二宮1円)

二宮1円表
二宮1円裏

本日の買取価格

  • まとめ買取(1gあたり1円)

日本銀行券A号1円(二宮尊徳一円札)の買取価格は【古銭全種】買取価格一覧表にも掲載されています。

・発行年:昭和21(1946)年8月
・廃止年:未定(支払停止は昭和33年)
・発行数:57億7,100万枚(62億7,815万枚)
・大きさ:68mm×124mm
・銘版:なし
・図案:菊紋・二宮尊徳/彩紋

終戦後、恐慌対策として新円の発行が計画されました。それに併せて1円札も改刷されました。
新1円札には二宮尊徳が肖像に採用されたため、二宮1円札と呼ばれます。肖像に民間人が採用された、初めての紙幣です。
発行枚数は約58億枚と言われていますが、62億枚という説もあり、いずれにしても相当な発行枚数になっています。

二宮1円札はA号券と呼ばれるシリーズです。これまでは「甲乙丙」や「いろは」が使用されてきましたが、戦後はアルファベットに変更されました。ちなみに2023年現在の紙幣はF号券になります。
A号券は二宮1円札のほかに、4次100円札(聖徳太子100円)議事堂10円札彩紋5円札鳩10銭札梅5銭札があります。

A号券は、印刷局だけでなく民間の印刷会社でも製造され、デザインも民間の印刷会社(凸版印刷)が担当しました。
これは旧紙幣と切り替えることになるので、デザインも旧札と見分けがつきやすいものが求められたため、民間に委託したそうです。
ですが本当の目的は、紙幣の製造を民間に移譲する計画をテストするためであったと言われています。

紙幣のデザインですが、表面には二宮尊徳(たかのり)と菊紋、他に鶏や麦、稲など、生活に関わる食品が描かれています。裏面は彩紋と額面のみのシンプルな構図です。
肖像は当初、武内宿禰を採用する予定でした。しかし軍国主義色が強いとしてGHQの許可が出なかったため、二宮尊徳に変更されたそうです。
二宮尊徳は写真などが残っておらず、紙幣の肖像は何を参考にしたものかわかっていません。昔の百科事典を参考にした、あるいは報徳二宮神社の記念品の絵図を元にしたなど、複数の説があります。

二宮1円札ですが、昭和23年には1円黄銅貨が発行されたため製造中止となりました。
そして二宮1円札は、令和の今でも1円として使用できることになっています。

二宮1円札に印字されている数字は1枚1枚に割り振られた通し番号ではなく、4桁〜6桁で構成される記号になっています。そのため同じ番号のものが複数枚存在します。
この組番号は、先頭の1桁が日銀券を示す「1」で、1〜4桁のロット番号、下2桁が製造工場を示す番号になっています。
ロット番号は1〜1156まであり、1ロットで紙幣500万枚分となっているそうです。

試しに、サンプルの画像をチェックしてみましょう。画像のものですと印刷された番号は「175416」となっています。
「1」は政府紙幣、「754」が組み番号、印刷所を示す「16」に分けられます。この「16」は、東京証券印刷王子工場で製造されたものとされています。
この工場と番号の割り振りですが、情報や記録の信憑性は低く、実際には異なる可能性があるとも言われています。

ところで、肖像の二宮尊徳とは、どんな人物なんでしょうか。

昔、学校に、薪を背負いながら書を読む少年の銅像があったのを覚えていらっしゃるかもしれません。
この銅像は二宮金次郎像と呼ばれています。二宮尊徳は幼名を金次郎といい、この銅像は彼をモデルにしたものです。
働きながらも勉学に励む姿が昭和初期の学校教育にふさわしいとして、各地の学校に建立されました。

二宮尊徳は1787(天明7)年、小田原の裕福な農家に生まれました。
しかし幼い頃に洪水によって財を失い、その後は農業をする傍ら、勉学に励んだそうです。
この幼い頃の逸話を元に、金次郎像が作られました。

大人になった後は小田原藩の家老であった服部家に仕え、「五常講」と呼ばれる金融互助制度を創設。その功績もあり、小田原藩以外でも財政再建・農村復興に取り組むことになったそうです。晩年には幕臣に取り立てられ、各地の復興支援に取り組んだそうです。
二宮尊徳は1856(安政3)年、70歳で亡くなりました。また明治時代に入ってから、従四位が贈られています。

ちなみに二宮金次郎の銅像ですが、戦中の金属供出、戦後の軍国主義への批判から多くが撤去されてきました。
それでも多くの学校に銅像が残っていたため、学校の銅像といえば二宮金次郎、というイメージが定着したのだと考えられます。
しかし近年では、この姿が今の時代にそぐわないという理由から、撤去されることもあるそうです。

二宮1円札ですが、発行枚数は60億万枚前後もあって残存枚数多く、古銭としての価値はほぼありません。
買取の場合、1gあたり10円でのお買取となります。1枚およそ0.5g前後ですので、5円ほどの買取金額です。
そんな二宮1円札でも、日本銀行から発行された当時の姿(100枚帯封、1,000枚官封)のものであれば、プレミアが付きます。
二宮1円札はほとんどが市中で流通してしまったため、帯封や官封を見かけることはほとんどありません。まさにレアものですね。

その他、近代紙幣の買取価格一覧もあわせてご確認ください。

他に1円札ってあるの?

ここまで、明治から昭和まで、歴代の1円札を見てきました。
ここで紹介した以外に、1円札はないんでしょうか。

実は、すでに紹介した1円札そっくりなものが存在します。
それはどのようなものなんでしょうか。早速、見てみましょう。

日華事変軍票乙号券・丙号券1円

乙1円表
乙1円裏
丙1円表
丙1円裏

本日の買取価格

  • まとめ買取(1gあたり1円)

見た目はアラビア数字1円札にそっくりな紙幣ですが、赤い文字で「軍用手票」と記載されています。
また日本銀行兌換券の文字などが、打ち消し線で消されています。
これは軍用手票というもので、主に占領地や軍隊で使用されていた紙幣の代用品です。軍用手票を略し、業界では「軍票」と呼ばれています。
写真上の方が乙号券と呼ばれるもので、下の方が丙号券です。併せて2,200万枚ほど発行されたそうです。

こうした流通紙幣を流用した軍票は他にも存在します。
乙号・丙号券としては2次100円1次10円1次5円を、1円札と同じように改造したものが存在します。

乙号はアラビア数字1円札の文字を赤線で打ち消しただけのものでした。あまりに手抜きであったためか現地で不評だったそうです。そのため数ヶ月後には、アラビア数字1円札をベースに文字を追加した丙号に変更されました。

この軍票は、昭和13年から中国大陸で使用されました。しかし軍票は紙幣の代用品、しかも通貨に交換できないものです。発行元である日本が敗戦国となった後は、ただの紙切れとなってしまいました。

日華事変軍票乙号券・丙号券1円札は、今でも古い紙幣の中に混ざっていることがあります。
交換もできなかったため、そのままになっていたことが多いのではないでしょうか。そのため状態も悪いものが多いです。
希少価値があるものではないため、市場での価値はほとんどありません。買取価格は1gあたり10円でのおまとめ買取となっています。

その他、軍用手票(軍票)の買取価格一覧もあわせてご確認ください。

 

1円札の価値まとめ

以上、明治から昭和にかけて発行された1円札とその価値についてお伝えしました。
1円札として発行されたものは、全部で10種類ということになります。

最後に、1円札の価値について簡単にふりかえってみましょう。

POINT

  • 明治の1円札(明治通宝〜漢数字1円札)は、価値がある
  • 大正〜昭和の1円札(アラビア数字1円札〜中央武内1円札)は状態が良いと価値がある
  • 二宮1円札は、100枚帯封や1,000枚官封であれば価値がある

明治時代の1円札であれば、状態が悪いものでも額面以上価値が期待できます。
それ以降の大正から昭和の1円札ですと、状態が良いものであれば価値がある、ということがわかりました。

ですが、そんな価値の低い1円札であってもプレミアがつく場合があります。
それがエラー紙幣です!

エラー紙幣には、なんと1枚で10万円以上の価値になるものもあります。

次の項目では、そんな価値のあるエラー紙幣をご紹介します。

価値ある1円札エラー紙幣

価値あるコインとして有名なものに「エラーコイン」があります。
これは製造時で発生した不良品で、本来であれば処分されるコインのことです。
もちろんコインだけでなく紙幣にも製造不良は起こります。
それが何らかの原因で市中に出回ってしまったものが、エラー紙幣と呼ばれています。

市中で見かける1円のエラー紙幣は、大正時代以降のものがほとんどです。
コインと異なり、紙幣は紙でできているため劣化が早いです。また火事や戦火などでの焼失もあり、現存数が少ないと考えられます。
1円札で最も多く見かけるエラー紙幣は、二宮1円札です。
これは戦後であったため現存数が多いこと、また民間の印刷会社で製造されたことが影響していると言われています。

ここでは、そんな価値の高いエラー紙幣を見ていくことにしましょう。

福耳エラー

アラビア福耳表
アラビア福耳裏

まずは福耳エラー紙幣です。これは仕上断裁の際、不要部分が切り取られずに残ってしまったものです。この残ってしまった部分を耳たぶにたとえ、福耳と呼んでいます。
福耳が大きいもの、カラーバーやトンボなどの印刷情報が残っているものは、価値が高まります。
見た目にもエラーとわかりやすく、希少度も高いため、他のエラー紙幣よりプレミアがつく傾向にあります。

サンプルのアラビア数字1円札ですと、福耳も大きく、裏面には印刷のためのマークが残っていますね。そして紙幣も綺麗な状態です。
このぐらいの福耳ですと、コレクター市場では170,000円ほどの値がつきました。

ズレエラー

二宮位置ズレエラー表
二宮位置ズレエラー裏

ズレエラーとは、券面が正常な位置からズレてしまっているエラーです。ズレの起こった原因によって、断裁ズレエラーや印刷ズレエラーとも呼ばれます。
ズレエラーは、券面のズレ具合が大きいほど価値があります。
また印刷ズレの場合、片面だけがズレていることが多いです。少しズレているぐらいだと、気が付かないこともあります。

サンプルのものは断裁によるズレエラーです。一緒に印刷されていた隣の券面まで入り込んでいます。
ここまでズレているものですと、100,000円以上の値がつくこともあります。

印刷写りエラー

1円札印刷写りエラー表
1円札印刷写りエラー裏

印刷写りエラーとは、反対面の絵柄が入り込んでしまっているエラーです。裏写りエラーなどとも呼ばれ、コインでも見られるエラーです。
写り込みが多く、鮮明なほどに価値は高くなります。サンプルは中央武内1円札ですが、裏面に、表面にあるべき番号と印影が入っていますね。
このような状態のもので、過去50,000円前後の価値になったことがあります。

ヌケエラー

1円ヌケエラー表
1円ヌケエラー裏

ヌケエラーは、印刷時の不具合によって一部の絵柄が欠けてしまったり、印刷されなかったエラーのことです。
アミヌケエラー、欠けエラーなど、エラーの状態によって様々な呼び方がされているエラーです。

サンプルはアラビア数字1円札で、よく見ると印影や番号がごそっとぬけてしまっています。
ここまでの抜け落ち具合、そして紙幣の状態も良いため、過去に180,000円ほどの値がついたこともあります。
価値の低いアラビア数字1円札も、エラー紙幣ですと価値が高くなりますね。

裏白エラー

1円裏白エラー表
1円裏白エラー裏

裏白エラーというのは、片面がまったく印刷されていない状態のものです。こちらはヌケエラーの一種で、コインにも存在します。
お札は何枚かを同時に印刷するため、片面のないものが1枚あれば、他にも数枚存在することになります。

こちらは普通の二宮1円札ですが、裏白のものは100,000円近い価格で取引された実績があります。

ちなみに裏が白かった銀行券は実在します。日本銀行兌換券200円(裏白200円)というものです。しかしこちらは発行後すぐに回収されてしまったため、幻の紙幣になっています。

エラー紙幣か知りたい時は、査定を依頼しよう!

ここまで、価値のあるエラー紙幣についてご紹介してきました。
二宮1円札など、価値のない紙幣でもエラー紙幣であればプレミアがつくこともあります!

しかし、ご注意を。
紙幣そのものの偽物は少ないですが、エラーを模した紙幣は市中に出回っています。
流通する中でついた汚れや欠損、あるいは意図的に加工をしたものが、エラー紙幣として出回っています。

エラー紙幣かなと思ったら、古銭の専門店に相談してみるのはいかがでしょうか。
古銭専門のお店であれば、エラー紙幣に詳しい担当が在籍していることもあります。
エラー紙幣と思われる1円札は、古銭の専門店に査定を頼んでみましょう。

古い1円札、どうするのがいい?

ここまで1円札の種類と価値、そして価値のあるエラー紙幣についてお伝えしました。
1円札でも、思わぬ高額になったりするんですね。

ですが、価値ある1円札も、持っているだけではただの紙切れです。
銀行で換金できるものもありますが、1円にしかなりません。

1円札の持っている価値を最大限に引き出すには、どうするのがいいんでしょうか。
最後の項目では、1円札のお得な換金方法を見ていきましょう。

1円札のお得な換金方法

誰でも簡単にできる1円札の換金方法は、ずばりこの2つです!

  • ネットオークション・フリマサイトで売却する
  • 買取専門店に売却する

銀行での換金も可能ですが、それでは1円にしかなりません。
ですので換金方法はネットオークションやフリマサイト、買取専門店の2つになります。

ここからは、1円札のお得な換金方法を具体的に見ていきましょう。
それぞれの良いところ、気になるところも併せてお伝えします。

ネットオークション・フリマサイトで売却する

最初の方法は、ネット上のオークションやフリマサイトで売却する方法です。
日常でお使いになっている方も多いのではないかと思います。

この方法の良いところ・気になるところを簡単にまとめました!

【良いところは?】
・パソコン、スマホがあれば出品できる
・自分で集客せずに売却することができる
・匿名でやりとりができる

【気になるところは?】
・出品、発送作業を全部自分でやらなければならない
・クレームなどが発生すると、対応に時間がかかる
・オークションだと、低価格で終わってしまうこともある。

全国のユーザー相手に取引できるのがオークション、フリマサイトの魅力です。
でも、その対価としてシステム利用料や売却手数料などが余計にかかります。
売れた金額から、だいたい1割ぐらいが引かれることが多いです。
オークション形式でしたら1円からスタートができます。
しかし自分で値段を決める場合は、手数料を含めた価格にする必要があります。
またフリマサイトですと、送料もこちらで負担するのが慣例になっています。

そして紙幣を個人売買でやりとりする時は、注意が必要です。
発送の時に汚損や折れ曲がりが発生すると、トラブルに発展するケースが多々あります。
個人取引には、こうしたリスクも存在します。

買取専門店に売却する

ネットでの売買は良いところも多いですが、手間もかかることが分かりました。
では街の買取専門店に持って行って売却する方法はどうでしょうか。

買取専門店の良いところ・気になるところはこんな感じです!

【良いところは?】
・対面でのやりとりのため、安心感がある
・現金買取のところが多く、換金がスピーディ
・出張買取もあるで、近所に店舗がなくても売却できる

【気になるところは?】
・お店によって査定金額に差がある
・値段のつかないものは、無料引取になることがある
・担当者が古銭について詳しいとは限らない

買取専門店ですと、古銭に限らず様々なものも一緒に買取をしてもらえます。
手間をかけずに売却したい方にはオススメの方法ですね。

ですが、お店の担当者が古銭に詳しいかどうかは分かりません。
中には古銭の買取はしていない店舗もあります。
それに古銭は専門性が高く、査定金額が適正かどうかもわかりません。
納得のいくまで、いくつかの店舗をハシゴすることになるかもしれません。

古銭専門の買取店に郵送する

ここでもう一つ、提案があります。
それが、古銭の専門店で、郵送買取をしているお店です。

古銭を専門に扱うお店は、そのほとんどが大都市に集中しています。
ですが郵送買取であれば、お店が近くになくても大丈夫。
しかも古銭の専門家に査定を依頼することができるんです。

【良いところは?】
・全国どこにお住まいでも、買取依頼ができる
・古銭を専門に扱っているため、高価買取が期待できる

【気になるところは?】
・郵送のため、地金のような価格変動のある品物は注意が必要
・現金ではなく振込のため、即換金ではない

郵送専門のお店の良いところは、高価買取に一番のメリットがあります。
店舗を持たないため、路面店に比べ店舗や人件費などの運営コストを抑えることができます。
またインターネットでの情報発信が中心なので、TVCMや新聞広告のようなコストもかかりません。
その分、路面店に比べて買取金額を高く設定できるそうです。

ですが郵送ですと、対面と違い相手の顔が見えません。
「ちゃんと査定をしてくれるのか」「振込はされるのか」などなど、不安はありますよね。

郵送専門の買取店では、LINEなどのSNSでの査定を実施しています。
またネット上の口コミなども、参考になると思います。
まずは荷物を送る前に、こうしたサービスを利用してみてはいかがでしょうか。

価値のある1円札は、古銭の専門店へ!

最後の項目では、1円札のお得な換金方法についてご紹介しました。

ついつい良いところばかりに目がいってしまいますね。
ですが、どの方法にも気になるところも存在します。
この記事を参考に、自分とってのお得な換金方法を検討してみてください。

古銭の郵送買取専門店アンティーリンクでは、買取金額をホームページに掲載しております。
またLINEでの無料査定も行なっています!
スマホさえあれば、手軽に1円札の査定依頼ができます。

もちろん1円札以外にも古いお金のことでしたら、ぜひアンティーリンクにご相談ください!