5円玉は何種類ある? 5円玉に価値のある年号はあるの? レアな5円玉もお教えします!

5円玉って価値があるものなんですか?

はい。5円玉には価値のあるものはあります。
昭和27年のものは価値のある年号です。

古い5円玉で筆文字のものがあります。これも価値があるんですか?

フデ五」と呼ばれるものですね。昭和27年はこれに含まれます。
古銭鑑定士が、5円玉について解説します。

[監修:奥村 志門/執筆:増田 英明

5円玉の全種類と価値

ここでは5円玉の価値と、価値のある年号について解説します。
現在流通している5円玉は、全部で2種類あります。
買取価格、または小売の参考価格も掲載していますのでご覧ください。

5円黄銅貨(楷書体、昭和24〜33年)

5円黄銅貨(楷書体)表
5円黄銅貨(楷書体)裏

小売での参考価格

    • 昭和27年:100円〜

 

・素材(品位):銅600〜700/亜鉛400〜300
・重さ:3.75グラム
・直径:22.0mm

昭和24〜33年まで発行された5円玉です。書体(文字のデザイン)が筆文字のため、フデ五と呼ばれています。
発行枚数は多い年で1億枚を超えており、珍しいものではなく額面の価値しかありません。ですが発行枚数の少ない昭和32年(1,000万枚)、昭和27年(5,500枚)は、価値があるそうです。傷や摩耗のない未使品ですと、昭和27年のものは市場では10,000円以上の値段がつくこともあります。しかし5円玉は流通品であり、発行から年月が経過していることもあって、。状態が良いものはほとんどありません

▶︎5円黄銅貨(楷書体)についてはこちら

5円黄銅貨(ゴシック体、昭和34年〜現在)

5円黄銅貨(ゴシック体)表
5円黄銅貨(ゴシック体)裏

小売での参考価格

  • 平成22〜25年:300円〜

・素材(品位):銅600〜700/亜鉛400〜300
・重さ:3.75グラム
・直径:22.0mm

昭和34年から現在に至るまで発行されている5円玉です。文字が筆文字からゴシック体に変更されています。
多くの年で1億を超える発行枚数のため市場流通量は多く、額面の価値がほとんどです。
それでも発行枚数が少ない年(平成12年、平成17〜22年)で状態が良いものは、コレクターの間では多少の価値は認められているようです。

他の年号で気になるのは、元号の変わり目です。平成元年は発行枚数が9億枚以上あり、昭和64年は6,700万枚と少ないものの、今では額面以上は望めません。平成31年、令和元年は億単位での発行数ですが、まだ最近のもののため、状態が良ければ若干の価値があるそうです。

しかしこの5円玉、50円玉(50円白銅貨)と同じく流通不発行が存在します。平成22〜25年が5円玉の流通不発行の年号です。
この流通不発行というのは、市中の貨幣流通量を調整する目的で発行をしなかった年のことです。通常では手に入らないため、価値があると言われています。
とはいえ市場に流通していないものの、毎年、造幣局が製造しているミントセット貨幣セットプルーフ貨幣セットには収載されています。全く発行されなかったわけではありません。

▶︎5円黄銅貨(ゴシック体)についてはこちら

5円玉、穴のないものが存在します

5円玉は穴のあいたものだけだと思われていますが、実は他にもあるんです。
最初のものは明治時代に発行され、しかも金貨でした。
どんなものだったのか、見ていきましょう。

旧5円金貨・旧5円金貨(縮小)

旧5円金貨

明治3〜明治30年に発行されていた、額面5円の金貨です。
しかも明治3・4年の旧5円金貨と、明治5年以降のもので、少し大きさが異なります。
そのため明治5年以降のものは旧5円金貨(縮小)とも呼ばれます。

新5円金貨

新5円金貨

明治30〜昭和5年まで発行されたものが、新5円金貨です。
旧5円金貨に比べて小さく、重さも半分になっています。
昭和5年発行のものは市場では何百万円もするほど、非常に価値が高いものです。

穴ナシ5円黄銅貨

穴ナシ5円黄銅貨
戦後から少しした昭和23年と24年に発行された穴ナシ5円玉です。
表面は国会議事堂、裏面は鳩と梅の花のデザインになっています。
この5円玉、実は今でも使えるそうです。

▶︎参考URL:財務省「昔のお金は使えますか

5円玉について簡単にまとめました

以上が現在の5円玉と価値のある年号、過去発行された古い5円玉についてです。
最初の5円玉が金貨だったなんて、驚きですね。
それでは忘れないうちに、5円玉についておさらいをしておきましょう。

  • 流通している5円玉は2種類、文字のデザインが異なっている
  • 5円玉の価値のある年号は昭和27年。未使用だと価値が高い
  • 平成22〜25年の5円玉は流通不発行のため価値がある

では価値のある年号の他に、5円玉で価値のあるものはないんでしょうか。
次の項目では、そんな問いにお答えします。

5円玉エラーコイン

価値のある年号以外にレアな5円玉、それはエラーコインです。
穴がズレている5円玉は価値が高い、なんて話を聞いたことがあるかと思います。
エラーコインとは、製造時のトラブルが原因で起こります。
検品で不良品として処分されず、なぜか市場に出回ってしまいました。
滅多にお目にかかることはないため、その希少性から価値が高いのです。
では一番有名な穴ズレエラーが順にご紹介します。

5円玉穴ズレエラー

5円玉穴ズレエラー
見ての通り、穴が中心からずれてしまったエラーです。穴のズレ具合が大きいほど価値があります。中心から少しズレただけのものも、穴ズレエラーには含まれます。ですので現物を見たことがある方も多いかもしれません。

5円玉穴ナシエラー

5円玉穴ナシエラー
本来あるべき穴が打ち抜かれなかった、穴ズレエラーの逆バージョンです。こちらの方が穴ズレよりも価値があるそうです。

5円玉傾打ちエラー

5円玉傾打ちエラー
5円玉の表と裏で、角度がズレてしまったものです。少しぐらいの傾きだと気づくことが難しいエラーです。傾斜エラーと呼ばれることもあります。傾きの角度がどれぐらいかで価値がかわってきます。

5円玉打刻ズレエラー


本来とは異なる位置に図案がプレスされてしまったものです。このように変形まで伴う場合、市場では100万円以上の値がつくことがあります。

5円玉陰打ちエラー

もう片面の図案がプレスされてしまったものです。本来のものと凹凸が逆になってしまっていることです。10円玉に多く見られるエラーです。裏写りや刻印ズレなど他のエラーと一緒に見られることが多いです。

5円玉ヘゲエラー

5円玉ヘゲエラー
刻印時の衝撃により、金属表面にシワがよったり、ささくれ状にむけてしまったエラーです。剥がれているものはメクレエラーや剥離エラーとも呼ばれています。めくれの度合いによって価値が変わってきます。

5円玉エラーは偽物に注意

ここで挙げたエラーの種類は、ほんの一例です。
詳細が不明なものも含めると、5円玉のエラーコインは他にも存在すると言われています。
もしかしたら、まだ知られていないエラーコインも存在するかもしれません。

ですがエラーコインは価値があるため、これを模した偽物も多く出回っています
偽物というのは、穴を開けたり、削ったりした加工品のことです。

例えばエラーの種類に、片面打ちエラーというものがあります。
これは片面だけが刻印されず、のっぺらぼう状態になっているエラーです。

実はこの片面打ちエラー、ヤスリなどを用いて片面を削った変造品がほとんどです。
現行貨幣の片面打ちは、本物とされる品が確認できていないとか。
ですので市場で見られる片面打ちは、まず加工品を疑った方が良いです。

もちろん5円玉を加工する行為は法律により禁止されています。
決して真似をしないようにしてください。

番外編:エラー以外で価値のある5円玉

エラーコイン以外にも、超希少で価値の高い5円玉が存在します。
この項目の最後に、番外編としてお伝えしておきます。

昭和26年の5円玉にアルミフデ5と呼ばれるものが存在します。
デザインはフデ5と同じなのですが、素材がアルミニウムになっています。
これは新しい貨幣を考案するために試作された貨幣で、試鋳貨と呼ばれています。

今紹介したアルミフデ5以外にも、試鋳貨はいくつか存在するようです。
試鋳貨は門外不出のものですが、何らかの理由で持ち出され市中に出回ったようです。
流通品ではないため希少性が高く、価値があります。まさにレアコインですね。

5円玉エラーコインや試鋳貨は、プロに見てもらう

以上、5円玉エラーコインと、希少性の高い試鋳貨についてご紹介しました。
先ほどもお伝えした通り、5円玉エラーコイン市場で高額となるため、偽物が多く出回っているのが現状です。そして本物か偽物かの判断には、非常に多くの知識と経験を必要とします。

ですのでレアな5円玉を見つけたら、古銭の専門家に鑑定を依頼するのがいいですね。

▶︎5円玉エラーコインの買取価格についてはこちら

2024年10月12日 「5円玉が3万8000円で落札された」というニュースについて

2024年10月12日のオークションで、「5円玉がなんと3万8000円で売れた!」という驚きのニュースがありました。普通なら5円の価値しかない硬貨が、なぜこんなに高くなったのでしょうか?その理由をわかりやすく説明します。

今回、高値で落札された5円玉は「昭和28年」に作られた「筆五(ふでご)」と呼ばれるタイプです。この5円玉は、表面の文字が楷書体(かいしょたい)という書体で書かれていて、今の5円玉とは少し違う雰囲気があります。この時代の5円玉はお釣りや貯金箱からも見つけられることが多いですが、特別な「エラー」があると一気に価値が高くなります。

この5円玉が高くなった理由は「穴ズレエラー」にあります。5円玉の真ん中には穴が開いていますが、この穴が本来の位置からズレているのです。しかも、ズレが大きいほど「珍しい!」とされ、コレクターからの注目度も上がります。また、発行年が新しいものほどエラーが少ないため、たとえば「平成」や「令和」時代の5円玉で穴ズレが見つかるとさらに高い値がつくかもしれません。

こうしたエラーのある5円玉は、もしかするとみなさんの家にある貯金箱やお釣りの中にもあるかもしれません。見つけるコツは、穴がきちんと真ん中にあるかどうかを確認することです。エラーコインを探すのは運も必要ですが、興味があればぜひお釣りや古い硬貨をチェックしてみてください。

5円玉はどうするのがお得?

ここまでで、価値のある年号の5円玉やエラーコインなどを見てきました。
じゃあ5円玉、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

価値のない5円玉は、色々試してみましょう

5円玉のほとんどが、額面の価値しかないものです。
5円玉では貯金には向きませんし、自動販売機でも使えません。
お店で少しづつ使う以外に、何かないでしょうか。
そこで、価値のない5円玉の有効活用法を考えてみました。

きれいにして財布に入れる

5円玉といえば、「ご縁」とひっかけた縁起物として知られています。
お賽銭といえば、まず5円玉を思いつきますね。

せっかくなので、5円玉をピカピカにするのはどうでしょうか。
これを財布に入れておけば、ご利益がありそうです。

5円玉の素材は黄銅と呼ばれ、主成分はです。
クエン酸など酸性のものできれいになります。
きれいにする方法は、同じ銅を使用した10円玉に似ています。

以前、銅である10円玉をきれいにする実験をしました。
気になる方はぜひチェックしてみてください。

ですが、5円玉をきれいにする際の注意です。
価値のある年号の5円玉はきれいにしないでください。
人の手できれいにしたものは、価値がぐんと下がってしまいます。
作業をする前に、5円玉の年号を必ず確認しましょうね。

工作や手芸に使う

先ほどお伝えしたように5円玉は縁起物でもあります。
組紐を使い5円玉を亀の形に組み上げた置物、見たことありませんか。
5円亀
こんな風に5円玉は昔から手芸の材料として使われてきました。
5円玉と亀、という組み合わせは万年長寿を願うにふさわしい縁起物です。

他にも、5円玉レンズというものがあるそうです。
穴の部分に水をつけると、レンズのようになります。
その5円玉を使って太陽光を集め、黒い紙を発火させるとか。
虫メガネを使った理科の実験を思い出します。
実際に挑戦する場合、危険を伴うので安全な場所で行いましょう。

価値のある年号の5円玉は換金がおすすめ

先に、価値のない5円玉の使用方法について見てきました。
では価値のある年号の5円玉やエラーコインはどうすればいいんでしょうか。
こうしたものは、なんらかの方法で価値を換金するのが良さそうです。
財布に入れたままでは、ただの5円玉ですからね。

ですが一言で換金といっても、いくつかの方法があります。
最後の項目では、5円玉のお得な換金方法について見ていきましょう。

5円玉のお得な換金方法

価値のある年号の5円玉、エラーコインを換金する方法は、大きく分けて2つです。
・自分で直接取引する
・買取店に査定依頼する

また買取店には、街中にある対面型のお店と郵送専門買取店があります。
それぞれの方法について、良い面と悪い面も含めてご紹介していきます。

自分で直接売買する

自分で直接売買する方法といえば、古くはヤフーオークションが中心でした。
最近ではメルカリ、ラクマといったフリマサイトも充実してきました。
こうした所に出品し、自分で取引をする方法です。

この方法ですと、自分で値段を決めることができます。
また相手と直接会うことなく取引を進められるのが良い点です。

悪い点としては、PCやスマホ操作が必須なこと、発送やクレーム対応は自分で行う必要があることです。
また売り上げがポイント制だったりと少し複雑になっており、即換金ができません。

買取店に査定依頼をする

自分でやりとりをする手間は省くなら、買取専門店がおすすめです。
対面型のお店なら、商品を持ち込めば鑑定士が査定をしてくれます。
支払いも現金で受け取れることもあり、即換金が可能です。

ただ、フデ五などの5円玉は、買取不可の可能性があります。
また買取店は扱う品物も多く、鑑定士が古銭に詳しいとは限りません。
なにより近くに店舗がなければ、直接持ち込むのも一苦労です。

ですが最近は出張買取のほかに、SNSを使った事前査定もあります。
事前査定をお願いして、納得がいったら実際に足を運ぶということも可能ですね。

郵送買取専門店と対面買取店はどう違う?

さきほど、買取専門店には店舗型と郵送専門の2つがあるとお伝えしました。
郵送専門の買取店の場合、対面型の買取店どう違うのでしょうか。

同じ点は、査定してもらい納得がいったら売却する、というところです。
そして鑑定士が査定を行ってくれるのも同じです。

異なる点は、まず郵送をしなければならないこと。
荷造りをして発送する作業が必要になります。

次に店舗型と異なり、相手の顔を見ることができません。
ですので、お店選びは口コミや広告をよく吟味する必要があります。

支払いが現金ではなく振込のため、すぐ換金できません。
査定結果が出た時間によっては、翌日以降になってしまいます。

どうしても店舗型に比べてデメリットや不安が目立ってしまいますね。
ですが、郵送買取専門店にはそれを上回るメリットがあるんです。

郵送専門買取店のメリットは高価買取

これこそが、郵送専門買取店のメリットです。

というのも買取専門店は、店舗の維持費用やチラシ、接客人員など、店舗の維持管理に多くのコストがかかります。
しかし郵送専門買取店は対面店舗が不要なため、その分のコストを圧縮できます。
つまり、その分を買取金額に反映することができるんです。
結果として、対面型の買取店よりも、高価買取ができるのです。

5円玉の換金は納得のいく方法を選ぼう

以上、価値のある5円玉やエラーコインなどの換金方法をご紹介しました。
方法別にまとめると、こんな感じです。

  • リスクも全部自分で受けるのであればオークションやフリマサイト
  • 手軽に即換金を希望するなら対面の買取専門店
  • 少し時間はかかるけど高価換金するなら郵送専門買取店

いかがでしたか。
どの方法を使うかで、それぞれに良い面と悪い面があります。
大切なのは、良い面と悪い面を理解したうえで、自分で納得のいく方法を選ぶことです。

もし換金を希望するなら、この記事を参考に、自分に合った5円玉の換金方法を選んでください。