聖徳太子100円札の価値は?全4種類の見分け方と買取相場【2025年】

聖徳太子100円札には1次〜4次まで4種類があり、裏面の色やデザインで見分けることができます。
本記事では、それぞれの特徴と価値の違いを写真付きでわかりやすく解説します。
お持ちの100円札の価値と種類を知りたい方はぜひ参考にしてください。

聖徳太子100円札は4つも種類があるんです。

そんなに種類があるんですね。
見た目は違うんですか?

パッと見はどれも同じに見えると思います。
種類によって価値は異なるので、見分け方について解説していきます!
[監修/執筆:渡邉 博]
目次
聖徳太子100円札の価値一覧表
1次~4次の聖徳太子100円札の買取価格をまとめています。
未使用品、極美品以外のグレードの価格を知りたい方は、種別のリンクから買取価格詳細ページに移動してください。
| 種別 | 画像 | 価格(未使用品) | 価格(極美品) |
|---|---|---|---|
| 1次100円 (兌換券※100円) |
![]() |
8,000円 | 4,000円 |
| 2次100円 (不換紙幣100円) |
![]() |
7,000円 | 3,000円 |
| 3次100円 (改正不換紙幣100円) |
10,000円 | 5,000円 | |
| 4次100円 (日本銀行券A号100円) |
![]() |
500円 | 300円 |
3次100円(改正不換紙幣100円)の未使用品は額面100円の100倍の価値がついています。
聖徳太子100円札の種類
聖徳太子が描かれている100円札は1次~4次までの4種類あり、それぞれで価値も違います。
それぞれの種類の詳細は下記のとおりです。
| 通称 | 発行 | 廃止 |
|---|---|---|
| 1次100円 | 昭和5年1月11日 (1930年) |
昭和21年3月2日 (1946年) |
| 2次100円 | 昭和19年3月20日 (1944年) |
昭和21年3月2日 (1946年) |
| 3次100円 | 昭和20年8月17日 (1945年) |
昭和21年3月2日 (1946年) |
| 4次100円 | 昭和21年2月25日 (1946年) |
現行紙幣 |
この記事では呼び方を『1次100円』『2次100円』『3次100円』『4次100円』で統一します。
| 通称 (コレクター用語) |
正式名称 (日本銀行・財務省) |
分類・別名 (カタログ・法的性質) |
|---|---|---|
| 1次100円 | 日本銀行兌換券 乙百圓券 | 兌換券 |
| 2次100円 | 日本銀行券 い百圓券 | 不換紙幣 |
| 3次100円 | 日本銀行券 ろ百圓券 | 改正不換紙幣 |
| 4次100円 | 日本銀行券 A号百圓券 | A号券(新円) |
兌換券100円(1次100円)

「聖徳太子1次100円」として知られる日本銀行兌換券(乙百円券)は、1930年(昭和5年)に発行されたお札です。
聖徳太子が初めて紙幣の肖像として採用された記念碑的な存在であり、戦前の日本の技術の粋を集めた最高額紙幣でした。
基本情報
| 名称 | 日本銀行兌換券 乙百円券 |
|---|---|
| 通称 | 1次100円 |
| 発行期間 | 1930年(昭和5年)1月11日 ~ 1946年(昭和21年)3月2日 |
| サイズ | 縦93mm × 横162mm |
| 現在の価値 | 失効(お金として使用不可) |
デザインと特徴
イタリア人のキヨッソーネによる原図に頼っていた時代を脱し、デザインから彫刻まで全工程を日本人が手掛けた初の「純国産」紙幣です。
- 表面
- 笏を持つ聖徳太子と、法隆寺の夢殿。
- 裏面
- 法隆寺西院伽藍(金堂や五重塔)の俯瞰図。
- 透かし
- 鳳凰や高山植物を組み合わせた、非常に精巧な大型の透かし。
歴史的背景
表面に「此券引換に金貨百圓相渡可申候」とある通り、当時は金貨との交換が保証された「兌換券」でした。
当時の100円は家が建つほどの超高額な価値を持っていました。
このお札をひとことで言うと
「日本が自国の技術と歴史を誇るために、満を持して世に送り出した芸術品のような通貨」
すべてを日本人の手で、最も尊敬される聖徳太子ゆかりの品々で飾り立てたその姿は、当時の日本にとって特別な意味を持っていました。
不換紙幣100円(2次100円)

「聖徳太子2次100円」として知られる「い百圓券」は、第二次世界大戦中の1944年(昭和19年)に発行されたお札です。
1次100円のデザインを踏襲しつつも、戦時下の物資不足により大幅な簡略化が行われました。
基本情報
| 名称 | 日本銀行券 い百圓券 |
|---|---|
| 通称 | 2次100円 |
| 発行期間 | 1944年(昭和19年)3月20日 ~ 1946年(昭和21年)3月2日 |
| サイズ | 縦93mm × 横163mm |
| 現在の価値 | 失効(お金として使用不可) |
デザインと特徴
戦局の悪化に伴い、コスト削減と製造効率の向上が優先されました。
- 表面
- 1次100円と似ていますが、地模様が簡略化されています。
- 裏面
- 英語の文章がすべて削除され、簡易な凸版印刷に変更されました。
- 変更点
- 「兌換」の文字が消え、単なる「日本銀行券」となりました。
歴史的背景
金本位制の廃止により、金貨との交換を保証しない「不換紙幣」として発行されました。
印刷のズレや滲みが目立つものも多く、戦時下の余裕のなさが現れています。
このお札をひとことで言うと
「戦火の中で、美しさを削ぎ落としてまで実用性を優先せざるを得なかった、悲運の最高額紙幣」
かつての豪華で緻密な装飾を保つ余裕が失われていった当時の世相を、その簡素な姿が如実に物語っています。
改正不換紙幣100円(3次100円)

「聖徳太子3次100円」として知られる日本銀行券「ろ百圓券」は、終戦直後の1945年(昭和20年)8月、混乱の最中に発行されたお札です。
歴代の聖徳太子100円札の中で、最も品質が低く、特殊な仕様を持っています。
基本情報
| 名称 | 日本銀行券 ろ百圓券 |
|---|---|
| 通称 | 3次100円 |
| 発行期間 | 1945年(昭和20年)8月17日 ~ 1946年(昭和21年)3月2日 |
| サイズ | 縦93mm × 横162mm |
| 現在の価値 | 失効(お金として使用不可) |
デザインと特徴
敗戦直後の物資不足に対応するため、異例の製造方法が採られました。
- 表面
- 聖徳太子の肖像が中央に配置されているのが最大の特徴です。
- 印刷
- 簡易なオフセット印刷のため、肖像が黒く潰れて不鮮明です。
- 番号
- 手間を省くため通し番号がなく、赤色の組番号のみが印刷されています。
歴史的背景
猛烈なインフレに対応するため、質より量を優先して大量生産されました(粗製濫造)。
紙質も非常に悪く、発行からわずか半年後の「新円切替」により役目を終えました。
このお札をひとことで言うと
「満身創痍の国家が、崩壊を食い止めるために急造した、悲鳴のような通貨」
芸術的な緻密さは見る影もなく、ただ「100円」という機能を果たすためだけになりふり構わず作られたその姿は、当時の日本の困窮を象徴しています。
日本銀行券A号100円(4次100円)

「聖徳太子4次100円」として知られる日本銀行券A号100円券は、戦後のインフレ対策として行われた「新円切替」に伴い、1946年(昭和21年)に発行されたお札です。
聖徳太子の100円札の中で、現在も唯一お金として使える紙幣です。
基本情報
| 名称 | 日本銀行券A号100円券 |
|---|---|
| 通称 | 4次100円 |
| 発行開始 | 1946年(昭和21年)3月1日 |
| サイズ | 縦93mm × 横162mm |
| 現在の価値 | 有効(額面通り100円として使用可能) |
デザインと特徴
急ごしらえであったため、戦時中の「2次100円」のデザインが流用されました。
- 新円標識
- 旧紙幣と区別するため、表面中央下に赤色の「瑞雲と桜花」のマークが追加されています。
これが4次100円の目印です。 - 印刷
- 民間の印刷会社でも分散して製造されたため、インクの色や紙質にバラつきがあります。
歴史的背景
預金封鎖と新円切替という混乱期に、国民の生活費として供給されました。
4種類の中では唯一現在も法律上は有効ですが、自動販売機などでは使えないため、銀行窓口での交換が推奨されます。
このお札をひとことで言うと
「間に合わせで旧モデルの金型を使い、特別な認証スタンプを捺して出荷された、復興期の緊急車両」
戦時中のデザインを受け継ぎつつも、戦後の混乱と再生という時代の荒波を象徴する姿をしています。
軍用手票(軍票)の聖徳太子100円札
通常の紙幣とは違う、戦地でつかわれた軍用手票(軍票)にも聖徳太子100円札が存在します。
| 名称 | 画像 |
|---|---|
| 日華事変軍票 乙号100円 | ![]() |
| 日華事変軍票 丙号100円 | ![]() |
| 日華事変軍票 丙号異式100円 | ![]() |
聖徳太子100円札の見分け方
聖徳太子100円の1次~4次までの見分け方について解説をしていきます。

裏面の色で見分ける
4種類の100円札は、裏面を見ていただくと簡単に見分けることができます。
デザインはそれぞれ違いますが、描かれているのは全て法隆寺です。
1次100円

1次100円札の裏面は中央が茶色で、周りが淡い緑色になっています。
2次100円

2次100円札の裏面は全体的に赤っぽいです。
3次100円

3次100円札の裏面は全体的に緑色です。
上の画像のようにかなり黒に近いような暗い色のものから、下の画像のように緑色が鮮やかなものまで、個体差が結構あります。

色以外にも印刷位置が一定でないのも、印刷技術が今より進んでいなかったためであると考えられます。
4次100円

4次100円札の裏面は全体的に青っぽいです。

上記のように、裏面を見ていただくのが最も簡単に区別をする方法です。
紙幣の状態が悪く色味が判別しづらい場合は、以降の項目をご覧ください。
表面の聖徳太子の位置と組番号の色で見分ける
ここからは細かい見分け方になるため、補足のようなものとお考えください。
表面を確認する場合、まず初めに見る部分は聖徳太子の位置です。
3次100円

3次100円札のみ、聖徳太子が中央に印刷されています。
また、左上と右上にある組番号(上の画像では「39」)が赤色です。
それ以外の3枚はどれも聖徳太子が右に印刷されています。

表面の「百圓の下の模様」と「組番号の桁数」で見分ける
先ほどのよく似た3枚の中で、4次だけ中央の「百圓」の下に赤い模様が入っています。

4次100円

「百圓」の下の赤い模様以外にも、4次100円には他3枚との違いがあります。
それが「組番号」と「通し番号」です。

対角線で同じ番号になっており、2種類の番号が書かれているのはわかりますでしょうか?
赤で書かれているのは全ての4次100円に振られている通し番号で、
青で書かれているのは組番号と、印刷会社や工場が確認できる番号です。
青の番号「1167432」について、見方を解説します。

まず7桁の番号を、「上1桁」「真ん中4桁」「下2桁」に分けます。
1167432であれば、「1」「1674」「32」です。
頭の数字は「1」であれば日銀紙幣、「2」であれば政府紙幣であることを示しています。
日銀紙幣は日本銀行が発行したものです。
政府紙幣は 財政難や補助貨幣不足を補うために政府が直接発行し、国によって強制通用力が与えられた紙幣で、一部の少額紙幣にあります。
番号の下2桁は、印刷会社・工場がどこであるかを示しています。
「32」は印刷局の静岡工場で発行されたことを表す番号です。
他の番号がどこを表しているかは、この記事の最後におまけとして🔽印刷所・工場の番号一覧表を用意しています。
それ以外の間の4桁は、組番号を表しています。
表面の「夢殿の上の文字」と「中央上部の文字」で見分ける
下の画像は上から1次100円、2次100円の表面です。
左下に描かれているものは、夢殿と呼ばれる建物です。
聖徳太子を追慕して創立された、法隆寺東院の中心建物です。
そっくりな2枚ですが、違いを解説していきます。

1次100円と2次100円の違い

「1次100円」は夢殿の上に文字が書いてあり(赤枠)、百圓の上に「日本銀行兌換券」という字が弧を描くように書かれています(青線)。
「2次100円」は夢殿の上に文字がなく、百圓の上に「日本銀行券」という字が真っ直ぐに書かれています(青線)。
以上が、100円札4種類を表面から見分ける場合のポイントです。
聖徳太子100円札を査定の様子を大公開!
古銭買取専門業者のアンティーリンクでは、聖徳太子100円札をこれまで数多く査定・買取させていただいております。
この度、様々な種類の聖徳太子100円札についての査定・買取をご依頼いただけましたので、その様子を動画にしております。
ぜひ参考にしてください。
聖徳太子百円紙幣の買取実績
アンティーリンクでは、聖徳太子100円札の数多くの買取実績があります。
その一部を紹介させていただきますので、ぜひ価値のご判断基準としてご参考ください。
| 種類 | 買取日 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 3次100円(極美品) | 2023年4月26日 |
5,000円 |
| 1次100円(極美品) | 2023年5月15日 |
4,000円 |
| 4次100円(美品) | 2023年7月31日 |
150円 |
| 4次100円(極美品) | 2023年10月2日 |
300円 |
| 4次100円 福耳エラー | 2023年11月2日 |
30,000円 |
| 4次100円(シワエラー) | 2023年12月4日 |
5,000円 |
| 2次100円(美品-) | 2023年2月2日 |
2,000円 |
| 3次100円(美品-) | 2023年2月2日 |
2,500円 |
| 2次100円(極美品) | 2024年4月9日 |
6,000円 |
| 4次100円(福耳エラー) | 2024年4月17日 |
3,000円 |
| 1次100円(並品) | 2024月4月24日 |
1,000円 |
上記の表のとおり、紙幣の状態(シワやシミの数、紙の張り等)によって価値は変わることになります。
見分け方まとめ
裏面の色を確認
- 中央の法隆寺が茶色で、周りが淡い緑色であれば「1次100円」
- 全体的に赤っぽければ「2次100円」
- 全体的に緑色(濃さに個体差あり)であれば「3次100円」
- 全体的に青色であれば「4次100円」
表面の聖徳太子の位置を確認
- 聖徳太子の絵柄が中央であれば「3次100円」
百圓の下の赤い模様を確認
- 模様があれば「4次100円」
夢殿の上の文字、中央上部の文字を確認
- 夢殿の上に文字があり、「日本銀行兌換券」と弧を描いて書かれていたら「1次100円」
- 夢殿の上に文字がなく、「日本銀行券」と真っ直ぐ書かれていたら「2次100円」
4次100円の戦後発行紙幣の印刷所・工場ごとの番号一覧表
| 印刷所 | 工場 | 番号 |
|---|---|---|
| 印刷局 | 滝野川 | 12 |
| 酒匂 | 22 | |
| 静岡 | 32 | |
| 彦根 | 42 | |
| 凸版印刷 | 板橋 | 13 |
| 富士 | 23 | |
| 大阪 | 33 | |
| 大日本印刷 | 市ヶ谷 | 14 |
| 秋田 | 24 | |
| 新発田 | 34 | |
| 榎町 | 44 | |
| 共同印刷 | 小石川 | 15 |
| 東京証券印刷 | 王子 | 16 |
| 小田原 | 26 | |
| 武生 | 36 | |
| 帝國印刷 | 芝 | 17 |
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これまで4種類の聖徳太子100円札について解説してきました。
この紙幣は種類や状態によって価値が大きく変わります。
また、聖徳太子100円札はコレクターの間で人気があり、種類や状態次第で高い価値が付くことがあります。
「これ、いくらくらいになるの?」と思ったら、まずは査定を受けてみるのがおすすめです。
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