500円玉に価値のある年号はある? 令和3年はレアなの?まとめてお答えします!

500円玉の種類ってどれぐらいあるんですか?

500円玉は全部で3種類あります。最近では令和3年に改鋳がありました。

500円玉に価値のある年号はありますか?

ございます!
昭和62年の500円玉は市場では額面以上の価値があります。
古銭のプロが、500円玉の価値を分かりやすく解説いたします。

[監修:奥村 志門/執筆:増田 英明

500円玉全3種類と価値

ここでは、500円玉全3種類の価値と、価値のある年号について解説します。
500円玉は他の硬貨と異なり、偽造対策のため3回デザインが変わっています。
小売での参考価格も載せていますので、価値が一目でわかります。

500円白銅貨(昭和57年〜平成11年)

500円白銅貨表
500円白銅貨裏

小売での参考価格

  • 昭和62年:800〜1,000円
  • 昭和64年:500〜600円

・素材(品位):銅750/ニッケル250
・重さ:7.20グラム
・直径:26.5mm

昭和57年、500円紙幣(岩倉具視 新500円札)にかわって、最高額硬貨として発行されました。
昭和60年には500円紙幣が発行停止になったため、500円の額面を持つものは、この硬貨のみになりました。
そして平成12年、2代目500円であるニッケル黄銅貨が発行されたのちは、これと区別するために旧500円と呼ばれるようになりました。
素材は銅とニッケルが使用されています。発行枚数は、初年の昭和57年が300,000,000枚と、相当な流通量になっています。そのため額面以上の価値として取引されることはありません。
ですが昭和62年は2,775,000枚と極端に少なくないため、ネットなどでは額面以上で取引されることもあります。一般的なイメージでは価値がありそうな昭和64年は、発行枚数は16,042,000枚と一週間しかなかった割に多いです。こちらも額面以上の価値はほとんどありません。
ちなみに昭和62年は造幣局発行のミントセットプルーフ貨幣セットであれば、額面以上の買取価格になります。
▶︎500円白銅貨についてはこちら

500円ニッケル黄銅貨(平成12〜令和3年)

500円ニッケル黄銅貨表
500円ニッケル黄銅貨裏

小売での参考価格

  • 令和元年:500〜600円
  • 令和3年:500〜600円

・素材(品位):銅720/亜鉛200/ニッケル80
・重さ:7.00グラム
・直径:26.5mm
多発する偽造や変造被害の対策として、平成12年に改鋳された500円玉です。素材は銅、亜鉛、ニッケルの合金で、黄身がかっているのが特徴です。デザインはほとんど変更なしですが、偽造防止技術が駆使されています。発行枚数は最も少ないのが令和元年の76,956,000枚で、それ以外の年では1億枚を超えています。
また従来の500円と区別するため新500円と呼ばれることもありました。ですが令和3年のバイカラー・クラッド貨幣が発行されたことで、その座を譲り渡しています。
流通量の多さから、どの年も額面以上の価値はありません。そして平成最後の平成31年、元号の変わり目である令和元年、改鋳前の令和3年額面以上の価値は期待できません。
500円玉単体ではほとんど価値はありませんが、造幣局発行のミントセットプルーフ貨幣セットであれば、平成31年/令和元年は若干のプレミアがつきます。
▶︎500円ニッケル黄銅貨についてはこちら

500円バイカラー・クラッド貨幣(令和3年〜現在)

500円バイカラー・クラッド貨幣表
500円バイカラー・クラッド貨幣裏

小売での参考価格

  • 令和3年:500〜600円

・素材(品位):銅750/亜鉛125/ニッケル125
・重さ:7.10グラム
・直径:26.5mm
異なった金属板をサンドイッチするクラッド技術、それを金属リングにはめ合わせるバイカラー技術を併用した、令和3年に改鋳された500円玉です。
また縁のギザギザが等間隔ではなくなりました。その他、ゼロの中にある潜像、日本国の周囲にある微細線模様など、偽造対策も多く盛り込まれています。実はバイカラー・クラッドの技術、改鋳に先駆けて、地方自治法施行60周年記念の500円記念硬貨で採用されています。
今はまだ市中で見ることも少なくレアなものとして、一部では額面以上の価値があるとも言われています。しかし初年の発行枚数は1億枚以上あり、市中の流通する量が増えれば、価値は額面になると思われます。
令和3年のミントセットプルーフ貨幣セット改鋳前のものとセットであればコレクションとしての価値があります。
▶︎500円バイカラー・クラッド貨幣についてはこちら

500円玉全3種類の価値ある年号まとめ

ここまで500円玉の価値と、価値のある年号について見てきました。
簡単にまとめてみましょう。

  • 500円玉は全部で3種類ある
  • 500円玉は流通量が多く、額面の価値がほとんど
  • 昭和62年の500円玉は、小売では額面以上の価値がある

巷では、発行枚数が少ない年は価値のある年号だと言われています。
しかし現実には、毎年1億超の発行枚数のある500円玉ですので、希少性が高いレアコインとは言えません。
そんな価値のある年号でなくとも、何十倍もの価値になることがあります。
それが500円玉エラーコインです。
では次に、価値の高い500円玉エラーコインについて見ていきましょう。

500円玉エラーコインの種類

エラーコインは高額で売却できる、という話は有名だと思います。
そもそもエラーコインとは、製造時のトラブルが原因でできてしまった硬貨です。
厳しい検品を抜けて市場に出回ったもののため、希少性が高いレアコインとして知られています。

500円玉のエラーコインは希少

500円玉が製造されたのは昭和57年です。
この頃になると、昭和40年代に比べ鋳造技術や検品精度もぐんと高くなりました。
そのためエラー発生の頻度が減ったことから、市中に出回る数が少ないと考えられます。
また100円玉に見られるヘゲエラーや打刻ズレエラーなども、あまり出回っていません。
では、500円玉エラーコインの代表的なものをご紹介します。

500円玉エラー:傾打エラー

500円傾打エラー
初代500円(500円白銅貨)に多いエラーです。傾斜エラーとも呼ばれます。
表裏のデザイン角度がズレてしまっているエラーです。
両面の傾き度合いが大きいほど、価値があります。ぱっと見ただけでは分かりづらいので、ひっくり返す様子を動画で撮影するといいです。

500円玉エラー:バリ取りエラー

縁に製造時のバリが残ったまま出荷されたものです。手で触るとひっかかりがあるため分かりやすいです。
500円ニッケル黄銅貨幣によく見られるエラーです。地味なので、そこまで価値のあるエラーとはされていません。

500円玉エラー:その他のエラーと加工品

これらの他にも、年号打刻抜けなどのエラーが存在します。
もちろん、まだ見ぬエラーも存在しているかもしれません。
しかしエラーコインは価値が高いため、これを模した加工品が多く出回っているのが現状です。
精巧な加工品ですと、両面が同じ絵柄になっているものもあるそうです。
エラーコインだと思っていたものが実は加工品だった、なんてことも。

ちなみに通貨を加工することは「貨幣損傷等取締法」によって禁止されています。
▶︎参照:財務省「硬貨に穴を開けても良いですか」

エラーかどうかわからない場合は、一度コイン専門の鑑定士に査定してもらうのも手です。

500円玉、どうするのがいい?

500円玉、残念ながら価値のある年号が少ないのは分かりました。
では価値が低い500円玉、どうするのがいいんでしょうか。
ここでは500円玉の処分方法を一緒に考えていきましょう。

500円玉はやっぱり貯金がいい?

500円玉貯金、されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
500円玉貯金であれば20枚で1万円になるし、貯め甲斐もありますね。
でも貯めた500円玉、財布に何十枚も入たらパンパンで不恰好です。
使うにしてもレジ前で枚数を数えたり、迷惑がかかりそうです。
じゃあ両替はどうでしょう。紙幣にすれば解決しそうです。
ですが両替も、窓口に並んだり、いちいち書類を書いたり、手間がかかります。
ATMで入金も考えられますが、枚数によっては手数料をとられます。
最悪、機械を詰まらせるトラブルも起こりえます。
趣味でなければ、500円玉貯金はやめておいた方がよさそうです。

500円玉はお店で使うのがいい?

どの500円玉も、買い物で使うことができます。
ですが自販機での使用は注意が必要です。
飲み物を買おうとして、500円玉が何度も戻ってきた経験、ありませんか。
初代500円玉(500円白銅貨)、今では自販機で使えないことがほとんどです。
偽造・変造対策として、自販機の側も色々を工夫をしてきた経緯があります。
そのためもあって、古い500円玉ははじかれてしまうのです。
令和3年改鋳の500円玉も一部では使えるそうですが、全国対応には時間がかかりそうです。
意外と知られていないですが、実は一度に使える硬貨は20枚までという制限があります。
大量に使おうとすると、お断りされる可能性があります。
ただしお店側がOKでしたら、もちろん20枚を超えても大丈夫です。
▶︎参照:財務省「お金には使用できる枚数の制限があるのですか」
500円玉が多くなってきたら、こまめにお店で使うのが一番のようです。

価値ある500円玉やエラーコインは換金がいい

何度もお伝えしてきましたが、500円玉は価値のある年号は少ないです。
こまめにお店で使っていくのが、基本的な処分方法になります。
とはいえ価値のある年号の500円玉やエラーコインであれば話は別です。
お店で使っても、家に置いたままでも、500円としての価値でしかありません。
何らかの方法で換金することで、初めて額面以上の価値になるのです。
最後の項目では、500円玉のお得な換金方法を検討します。

500円玉のお得な換金方法は?

いざ換金するにしても、色々な方法があります。
ここでは価値のある年号の500円玉やエラーコインの、お得な換金方法をご紹介します。

オークションやフリマサイトに出品

オークションやフリマサイトであれば、自分の望む価格で取引できます。
出品も、スマホで手軽にできるようになりました。
昭和62年の500円玉であれば、額面以上での換金が期待できます。
しかしデメリットもあります。
売れた後のやりとりは、すべて自分でやらなければなりません。
価格によっては、送料や手数料を引くと額面を割る可能性もあります。
いつまでも売れない場合、値下げが必要になります。

街の買取店に依頼する

近くに店舗があれば、買取店に直接持っていくのも良い方法です。
対面取引で安心ですし、すぐに換金してもらえます。
ですが500円玉は価値のある年号の少ないため、買取不可のことが多いです。
査定をしてもらっても額面以下、ということもありえます。
昭和62年の500円でも、小売相場を考えると高価換金は難しいです。

郵送買取店に依頼する

急がないのであれば、郵送買取に出す方法もあります。
それに郵送専門店には、古銭を専門で取り扱う店舗も多いです。
専門店ならエラーコインについても正しく見定め、高価買取が期待できます。
ですが対面での買取店と違い、換金までに時間がかかります。
買取不可であった場合、返送になることもあります。
昭和62年の500円玉も、買取店と同様の結果が予想されます。

500円玉によって、お得な換金方法は違う

以上、500円玉のお得な換金方法をご紹介しました。
今までの内容をふまえ、用途別にまとめるとこんな感じです。

  • 普通の500円玉は自分で使った方がいい
  • 昭和62年の500円玉は、フリマやオークションがいい
  • エラーコインであれば、古銭専門業者に査定してもらう

いかがでしょうか。
500円玉を換金するにしても、色々と方法がありますね。
また持っている500円玉の種類によって、換金や処分の方法も違っています。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、最適な方法を選ぶのが高価換金のコツです!

本記事では、500円玉(現行の500円硬貨)のみをとりあげました。
500円硬貨には、各種イベントを記念して発行された、記念硬貨も数多く存在します。
500円記念硬貨は、こちらの記事にて、全種類を公開しています!
プレミアのつく500円記念硬貨についても紹介しています!
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