

重さ: 17.72g
品位: 金857/銀143
180万円(税込)
150万円(税込)
重さ: 17.72g
品位: 金857/銀143
※享保小判金との違いは、「光」と「次」が繋がっている(正徳)か、離れている(享保)かです。
実家の押し入れから小判が出てきたのですが、これって売れるんでしょうか?
まずは種類をはっきりさせましょう。
裏面の中央左あたりに文字はありますか?
いいえ。何も書かれていません。
もしかすると貴重な正徳小判金かもしれませんね。
今回は正徳小判金の価値や見分け方を解説していきましょう。
目次
正徳小判金は、江戸時代に鋳造された金貨のひとつで、古銭市場において非常に高い価値が認められている希少品です。
この金貨の価値の根拠は主に以下の3点に集約されます。
江戸中期、幕府は財政難を背景に、たびたび貨幣の改鋳※を行いました。
改鋳貨幣 | 金含有率 | 備考 |
---|---|---|
慶長小判金(初期) | 85.7% | 高品位な基準貨幣 |
元禄小判金(1695年) | 56.4% | 品位が大幅に低下 |
宝永小判金(1706年) | 83.4% | 金含有率は上がるも、金の量は慶長比で半減 |
正徳小判金(1714年) | 85.7% | 品位回復を目的に発行 |
低品位な元禄小判金・宝永小判金の発行により、市場では物価が高騰(インフレーション)し、米や綿などの生活必需品の価格が急上昇。
貨幣の信用が低下し、経済は不安定化していました。
この混乱を収めるため、幕府は正徳4年(1714年)に貨幣制度の立て直しを図り、正徳金銀の鋳造を行いました。
これは通貨の信頼を取り戻すための大規模な金融改革の一環であり、正徳小判金はその象徴といえる存在です。
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正徳小判金の価値が高くなっているのは、残存枚数が少ないためです。
古銭というものは、残存枚数が少なければ少ないほどプレミア価値も高まります。
正徳小判金は、民衆の支持を得るために金の含有量を増やして作られた小判でした。
しかし、その含有量は過去に使われていた慶長小判金より少なく、民衆からは不評に終わってしまいます。
正徳小判金への交換を渋る人が多いために流通は上手くいかず、半年もしないうちに新しい小判が発行されました。
正徳4年5月から8月までの約4カ月という短い期間しか製造されなかったため、現存枚数が少なく高額の買取価格が付けられます。
金の含有量を増やすために製造枚数を減らしたこともあり、正徳小判金はもともと枚数が少ない小判だったのです。
そのため、現代に残っている枚数も当然少なくなり、正徳小判金にはプレミア価値がついています。
品位とは、貨幣に含まれる金や銀の割合(純度)を指す専門用語です。
当時の公式発表では、正徳小判は「慶長小判と同等の品位」とされていましたが、後年の研究(田谷博吉博士)により、実際の金含有率はやや劣ることが判明しました。
しかし、以下の比較表にある通り、元禄・宝永期に比べて大幅な改善がなされたのは明白です。
小判の種類 | 発行年 | 品位 | 金含有量 | 備考 |
---|---|---|---|---|
慶長小判金 | 1601年 | 85.7% | 15.19g | 初期の基準 |
元禄小判金 | 1695年 | 56.4% | 10.04g | 品位低下 |
宝永小判金 | 1710年 | 83.4% | 7.79g | 金の含有量がさらに低下 |
正徳小判金 | 1714年 | 85.7% | 15.19g | 品位、金の含有量が回復 |
正徳小判金の極印の数は表に4つ、裏に3つです。
極印の数が合わないものは正徳小判金ではありません。
小判の種類を調べる際には、重さの計量が有効です。
同種の小判は、厳密に同じ量の金属を使って作っています。
つまり、重さもほぼ均一です。
正徳小判金は重さは17.72gになるように作られています。
1g以上の誤差がでれば別の小判、もしくは偽物を疑いましょう。
参考までに他の小判の重さは以下の通りです。
もうひとつ、他の小判と正徳小判金を見分けるポイントとして、正徳小判金にしかない特徴があります。
それは、表面の「光次」に現れる特徴です。
正徳小判金の真贋や価値を見極めるには、以下の要素を総合的に判断することが求められます。
正徳小判金は、鋳造期間が短く現存数も限られているため、希少価値が非常に高い金貨です。
『日本貨幣カタログ2025』によると、正徳小判金の評価価格はおよそ310万円前後です。
鋳造量 上 中 下 213,500両 4,000,000 3,000,000 2,300,000 偶然大吉 ※ ※ ※ 出典:日本貨幣カタログ2025 P53
以下は、代表的な江戸期小判金の市場評価額です。(※参考価格ベース)
小判の種類 | 鋳造期間(年) | 参考価格 | 備考 |
---|---|---|---|
慶長小判金 | 1601-1695 | 約234万円 | 初期基準貨幣 |
元禄小判金 | 1695-1710 | 約267万円 | 品位低下期の貨幣 |
宝永小判金 | 1710-1714 | 約190万円 | 品位が最も低下 |
正徳小判金 | 1714 | 約310万円 | 品位回復の象徴 |
安政小判金 | 1859 | 約107万円 | 幕末期、発行枚数が少ない |
正徳小判金は、ほかの小判金と比べて高く評価されています。
偶然大吉小判や献上大吉小判、慶長小判金の古鋳や元禄小判金の短元など特に希少な例を除くと最も高い評価を得ています。
正徳小判金は市場に出回る数が限られており、主に以下の場での取引が一般的です。
また、信頼できる鑑定書付きの個体を選ぶことが、資産価値を保つうえで非常に重要です。
正徳小判金は、江戸時代中期の金融改革を象徴する金貨であり、その品位の回復・歴史的背景・希少性によって、古銭市場では一貫して高い評価を受けています。
収集家や投資家にとって、正徳小判金は単なる金貨以上の価値を持つ、歴史の証人ともいえる逸品です。
A.信頼性の高い古銭専門店、もしくはオークションでの売却が一般的です。
A.はい、精巧な模造品が存在します。
専門鑑定書付きか、専門店で鑑定してもらいましょう。
A.非常に大きな影響があります。
傷や摩耗が少なく、鑑定書付きの個体ほど高値で取引されます。
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