記念金貨の市場価値を解説


どうして記念金貨って、高い価値がつくんですか?

記念金貨は正直、額面の価値よりも純金としての価値の方が高いんですよ。

確かに記念金貨の素材は純金ですもんね…。

では、今回は日本の”記念金貨の市場価値”についてご説明いたします!
[監修/執筆:渡邉 博]
目次
そもそも日本の記念金貨ってなに?
記念金貨とは、国家的な行事や、皇室の慶事の際に発行される、金を素材とした貨幣のことです。
様々な種類の記念金貨が発行されておりお金としての価値があります。

普通に”お金”ってことですよね?あんまりピンと来ないです…。

近年だと、お金としての通貨の目的よりも、純金の資産としての面が強くなっていますね。
記念金貨3種の本日の価値
まずは代表的な記念金貨3種の本日の価値を見てみましょう。額面の金額(10万円)よりも価値が高いことが分かります。

天皇陛下御即位記念10万円金貨
直径: 3.3cm 重さ: 30g
品位: 金1000
本日の買取価格
平成2年(1990年・御即位2年目)に平成天皇のご即位を記念して、造幣局より発行された額面10万円の記念金貨です。
表には鳳凰と瑞雲、裏には菊花紋章と桐と唐草が描かれています。

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨
直径: 3.0cm 重さ: 20g
品位: 金1000
本日の買取価格
昭和天皇の在位60年を記念して、1986年(昭和61年)に発行されました。
日本で初めて発行された記念金貨でもあります。
表には鳩と水、裏には菊花紋章が描かれています。

皇太子殿下御成婚記念5万円金貨
直径: 2.7cm 重さ: 18g
品位: 金1000
本日の買取価格
1993年(平成5年) 9月9日に皇太子殿下御成婚記念として日本造幣局より発行された5万円金貨です。
皇太子の婚約を詠う和歌にちなんで表面に瑞鳥の鶴2羽と波、裏面には皇室の御紋章である菊花紋章と皇太子殿下のお印である梓が描かれています。
なぜ記念金貨には額面以上の価値があるの?
記念金貨の価値を上昇させる要因は3つあります。
特に①の「素材が純金」であることが記念金貨の価格を大幅に上昇させています。
記念金貨はその名の通り金で製造されています。そして、その素材である金は、製造された当時よりも価格が上がっているのです。
以下ではその解説をしていきます。
金としての価値は?
金は、元々資産として所有することが主な目的でしたが、近年ではスマートフォン・パソコン・精密機械などの素材としての需要が高まり記念金貨の値段が値上がりし続けています。
需要が高まったことによりそれに比例し、投資商品としての取引が活発になったため、金の価格は年々右肩上がりになっているのです。
また、金は世界中の市場で取り扱われており、安全・安心・安定した資産になります。

2022年4月18日には、金の国内公表価格が【8,843円/1g】を記録し、歴代最高値を更新しました。
※金の価格推移
コレクター品としての価値は?
記念金貨は、特別なイベント時のみに発行されます。発行枚数が多いため、コレクター品としての希少性よりは金資産としての人気が高いでしょう。
記念金貨は換金しないほうがいい理由

例えば10万円金貨を銀行に持っていけば、10万円に換金してもらえるんですよね?

もちろん換金してもらえますよ。ただ、前述のとおり、記念金貨には金としての価値があるので換金するのはお勧めしません。
「換金できるならしようかな」と思っている方……
ちょっと待ってください!
記念金貨には額面以上の価値があるため、額面通りに換金してしまうのはもったいないことなのです!
もちろん記念金貨は、今でも額面通りのお金として使用できることが財務省から認められています。
ただ、記念金貨に対応している自動販売機や自動レジは存在しないため、実際に使用したい場合は銀行などで現行貨幣に換金していただくことになります。
参考(※別サイトに飛びます。):財務省質問ページ「過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか」
つまり換金してしまえば、額面での価値(10万円金貨の場合、ただの10万円)になってしまいます。
もう皆様お分かりかと思いますが、記念金貨は、お金としてではなく金資産として持っておくほうが良いのです!
【昔と今】金相場を比較してみよう
ここからは、御在位10万円金貨が発行された1986年と、現在(※2022年4月18日時点)の1gあたりの金相場を比較してみましょう。
なお、その他の金貨も数字が違うだけで同じ内容となります。
1986年 | 2,044円/1g |
---|---|
現在 | 8,843円/1g (※2022年4月18日時点) |

発行された当時と比べて、金の価格が上がっているのが一目瞭然ですね。

金相場で考えると、あきらかに価値が上がっていますよね。

御在位10万円金貨
直径: 3.0cm 重さ: 20g
品位: 金1000
重さに注目してください。
御在位10万円金貨は、1枚あたり20gです。
上記の通り、発行年の1986年には1gあたり約2,000円でした。
そのため当時は、
1986年
【 20g × 2,000円 = 約40,000円 】
という計算になります。当時の金には4万円の価値しかありませんでした。
ところが、2022年において金相場は1gあたり約8,000円前後です。
2022年
【 20g × 8,000円 = 約160,000円 】
単純に計算しただけでも、現在で10万円金貨には約16万円の価値があることになります。
まとめ
それでは簡潔にまとめましょう。

記念金貨をお金として使用する場合は、銀行で換金するしかないんですね。

ただ、記念金貨の素材である金の相場は年々上がり続けているため、実際には額面以上の価値があり、金資産として所持するのが良いでしょう。
注意:記念金貨は貨幣として認められているため、溶かしてインゴットにしたり潰したりすると貨幣損傷等取締法が適用されます。
溶かすことはダメですが、記念金貨として金資産を所有するコレクターの方々からすると希少価値の高いものになります。
- 金としての価値
この要素によって市場価値が高くなるのです。
発行年と金相場の比較
それぞれの記念金貨が発行された時点での金価格を以下にまとめました。
1986年 | 2,044円/1g (御在位60年記念 10万円金貨) |
---|---|
1991年 | 1,609円/1g (御即位記念 10万円金貨) |
1993年 | 1,328円/1g (御成婚記念 5万円金貨) |
1997年 | 1,337円/1g (長野オリンピック記念 1万円金貨) |
2002年 | 1,385円/1g (FIFAワールドカップ 1万円金貨) |
2009年 | 2,584円/1g (御在位20年記念 1万円金貨) |
2015年 | 4,842円/1g (東日本大震災復興事業記念 1万円金貨) |
2019年 | 4,845円/1g (御在位30年記念 1万円金貨) |
2022年4月8日時点 | 8,843円/1g |
以上の表をグラフにすると以下のようになります。
それぞれの記念金貨発行時点より現在の価格が大幅に上昇しています。
ちょっとした余談
御在位・御即位・御成婚の3つの金貨は、全てブリスターパックというものに入れられて発行されています。(※プルーフは除く)

ブリスターパックとは
透明のプラスチックを成形し、封をしたものです。片面は少し厚みのあるプラスチックになっています。

プルーフとは
貨幣を美しく見せるため、打刻を繰り返し行い、表面を鏡のように磨き上げた観賞用の貨幣です。
金の買取は相場価格で公正に
弊社、アンティーリンクでは、日本の記念金貨各種の買取金額を日々変動する市場に合わせて設定をしております。
買い取り金額の相場に合わせ、推移も公開しております。
記念金貨以外の地金相場に基づくコインの価格推移は下記からご覧いただけます。
コインの価格推移はこちら
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