慶長小判の価値と値段は?他の小判やレプリカとの見分け方もご紹介!
目次
慶長小判とは?
慶長小判は、江戸時代に日本で使用されていた金貨の1種です。
1601年(慶長6年)に発行され、江戸時代初期の財政を長く支えました。
上には「扇形の桐紋」と、額面を示す「壹两(いちりょう)」の文字が打たれています。下にも「扇形の桐紋」があり、添えられている花押(サイン)は金貨製造の責任者「光次」のものです。
裏面中央にも「花押」があり、実際に製造を担当した小判師や、製造所である吹所の「験極印」も打たれています。
慶長小判の基本情報
- 重さ: 17.78g
- 品位: 金861/銀139
- 発行年: 1714年(正徳4年)
慶長小判の買取価格
極美品 |
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120万円 |
※慶長小判の買取価格は、【全種】古銭買取価格一覧表でも公開しております。
元禄小判との違い
慶長小判が100年近く使われたあと、1695年(元禄8年)に新たに発行されたのが元禄小判です。
金の含有量を大きく減らし、代わりに銀を増やしてあります。
時代印とは、裏面に1文字で製造年代を刻むもので、元禄小判は「元」の字を使っています。
慶長小判だけの特徴「細目打ち」
慶長小判以外にも時代印を使っていない小判はあります。
そういった小判と見分ける際、慶長小判にしかない特徴の「細目打ち」が参考になります。
細目打ちは他の年代の小判には使われなかったため、慶長小判と断定する材料になります。お手持ちの小判を確かめる際には、時代印とござ目に注目しましょう。
慶長小判の偽物の見分け方
慶長小判は使われていた時期が長かったせいか、偽物が作られた数も多かったようです。
今も古銭取引市場では慶長小判の偽物が出回っています。トラブルを避けるためにも、慶長小判の偽物の見分け方を知っておきましょう。
知っておくべきポイントは以下の3つです。
- 重さを計る
- 極印を調べる
- 磁石に反応するかを調べる
それぞれ、どのように見分けるのか詳しく解説していきます。
重さを計る
慶長小判の偽物を見分けるには、まず重さの計測から始めましょう。
金属の含有量が変わらず、同じ大きさのものであれば当然重さも均一になります。
ですから、本来の重さと違っている小判は偽物です。偽物と判断するラインは1g以上ズレているかどうかです。
慶長小判の重さは、本物であれば17.73gになります。これより1g以上重かったり軽かったりすればほぼ偽物です。
ただし、重さが違う他の小判と混同している可能性は捨てきれません。
以下の数値を参考に、当てはまりそうな小判がないか確認してみてください。
- 駿河墨書小判:16.88g
- 武蔵墨書小判:17.80g
- 慶長小判:17.73g
- 享保小判:17.78g
- 元文小判:13.00g
- 文政小判:13.07g
- 天保小判:11.20g
- 安政小判:8.97g
- 万延小判:3.30g
もし、合致しそうな種類があれば、その小判の極印などから種類を見直してみましょう。
極印をチェック
重さを確認できたら、次は極印の数や種類を調べます。
小判の偽物のなかには、デザインをコピーしきれず極印の数が足りないものもあるからです。
ただし、注意したいのは慶長小判の裏面は刻印の数が定まっていません。数の違いだけでは100%偽物とは言い切れない点に注意しましょう。
上部には「扇型の桐紋」と額面を示す「壹两」の文字が打たれています。下部に打たれているのは「扇型の桐紋」と製造責任者「光次」の「花押」です。
裏面は中央に「花押」が刻まれています。その他に製造を担当した小判師と、製造場所となる吹所を示す「験極印」がひとつずつ打たれているのですが、慶長小判は小判師の印しかないことがあります。
なので、偽物を見分けるためには、表面の極印と裏の花押の有無を確認しましょう。
磁石に反応するかを調べる
偽物の小判は金や銀の使用量を減らしているものが多くあります。その分、鉄やニッケルといった安い卑金属を用いています。
慶長小判を高く売るためのポイント
慶長小判を高く売るためには、いくつか気を付けるべきポイントがあります。
それは以下の3点です。
- 古銭は絶対に磨かない
- 試金石の使用は厳禁
- 劣化させない保存法を用意
それぞれ、どのように気を付けるべきなのか解説していきます。
古銭は磨くと価格ダウン
古銭の価値を決めるうえでは、製造時の状態を保っているかどうかが重要です。
これは、ただ見た目が綺麗ならいいというわけではありません。加工が施されておらず、自然な状態で残っている必要があります。
手元の古銭が汚れていれば、磨きたくなる気持ちも分かります。ですが、どんなに丁寧に磨いたとしても見る人が見ればすぐにわかるものです。慶長小判を少しでも高く販売するためにも、磨かないよう心がけましょう。
試金石は絶対に使わない
当然のことながら、傷がついた小判は価値が下がります。なので、試金石は絶対に使ってはいけません。
空気に触れない保存法を用意
慶長小判の価値を保つためには、状態を劣化させないことが重要です。
古銭の状態が劣化する原因の多くは、空気に触れることによる酸化にあります。酸化を防ぐためには、古銭を密封可能な容器に保存しましょう。
専用の箱が残っていなければ、段ボールなどの厚紙で挟んで補強してください。それを、ファイルなどにしまって空気が入り込まないように封をしておきましょう。
これだけでもかなり空気を遮断できます。
慶長以外の小判と買取価格
小判は、慶長以外にも様々な時代で作られていました。
そのなかから、買取価格の高いものや、慶長小判と似ているものを解説します。
元禄小判
デザインはほぼ共通ですが、裏面に時代印を刻むようになりました。元禄小判では、「元」の字が使われています。
慶長小判は100年近く使われていくなかで摩耗してしまい、品位が落ちてしまっていました。そのため、新たな小判に改鋳する運びとなったのです。
しかし、その頃の日本では金の産出量が減り始めていたため、金の含有量を減らすことで製造枚数を多くするという手段がとられました。
- 重さ: 17.81g
- 品位: 金564/銀436
- 発行年:1695年(元禄8年)
極美品 |
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1,300,000円 |
正徳小判
当時、小判の品位が落ち続けることに民衆は不満を爆発させていました。これに対し幕府は、金の含有量を増やした「正徳小判」発行での解決を計ります。
しかし、金の産出量が少なくなっているなかで品位をふやしたため、正徳小判の製造枚数は少なすぎました。そのため、市場に十分な数が出回らずに貨幣不足となり、デフレを引き起こしてしまったのです。
たったの半年程度で新たな小判に差し替えられる運びとなり、小判のなかでも残存枚数が少ない種類となっています。こうした理由からプレミア価値が高く、買取価格も高い小判です。
時代印が無いため慶長小判と混同しそうですが、正徳小判は「光次」の「光」の6画目と「次」の4画目が重なる「重光次」という特徴を持っています。
- 重さ: 17.72g
- 品位: 金857/銀143
- 発行年: 1714年(正徳4年)
極美品 |
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1,800,000円 |
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1819年(文政2年)にも、金の含有量を56%程まで下げた「文政小判」があらたに発行されています。
裏面の右上に時代印として「文」の字が打たれています。
この文の字が草書体になっていることから「草文小判」とも呼ばれます。
- 重さ: 13.07g
- 品位: 金559/銀441
- 発行年: 1819年(文政2年)
極美品 |
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140,000円(鑑定書あり) |
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慶長小判を高く取引するためには、どこで売るのかも考えないといけません。
高額な古銭を売るのであれば、以下のような方法がオススメです。
- ネットオークション
- フリマアプリ
- 古銭専門買取業者
ネットオークション
古銭コレクターの利用者も多く、古銭取引も盛んに行われています。入札によって価格が上がっていくため、思いがけない高額が付くこともあります。
ただし、落札価格から手数料を引かれることは計算に入れておきましょう。
例えば、ヤフオクだと最大で落札価格の10%が手数料として差し引かれます。100万円で売れたなら、手数料は10万円です。
このように、高額であればあるほど手数料も高くなってしまいます。手数料の分を踏まえると、相場価格より少し安くなってしまう可能性はあります。
フリマアプリ
ただ、取引に関する作業はすべて自分で行わないといけないため手間はかかります。
フリマアプリでは値下げ交渉も頻繁に行われるため、連絡が煩雑になりやすいという一面もあります。
また、今回解説している慶長小判のような高額商品は、少々買い手が付きにくいです。
リーズナブルな商品を求める客層が多く、古銭コレクターもいるにはいますが、100万円を超えるような商品にはなかなか買い手がつきません。
古銭専門買取業者
商品を発送してしまえば、古銭の鑑定から買取まで一括で依頼できるので手間がかかりません。買取価格についても相場通りの値段を提示してもらえるうえに、かかる費用はせいぜい送料ぐらいです。
取引の手間の少なさと手数料がかからないという点は買取業者のメリットです。
注意しておきたいのは、買取業者を選ぶ際に古銭専門の業者を選ぶことです。
古銭を専門に扱っていない企業だと、査定の精度がどうしても下がってしまいます。古銭専門の鑑定士がいる企業であれば、必ず相場に見合った金額を提示してもらえます。
慶長小判を売るならアンティーリンクに
慶長小判についての解説は以上となります。
改鋳による鋳つぶしを免れたものは少なく、残存枚数は決して多くありません。そのため、小判の中でも高額な商品であり、個人での取引はハイリスクです。
古銭売買の経験が浅いうちは個人の取引は避け、プロの鑑定士を頼ってください。
もし手元に売りたい古銭がございましたら、ぜひともアンティーリンクにご相談ください。
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