慶長小判金の本物と偽物(レプリカ)の見分け方

慶長小判の真贋

慶長小判金は流通していた期間が長かった影響もあり、偽物(レプリカが作られた量も多いようです。
現在も古銭取引市場では慶長小判金の偽物)が出回っているのが実状です。
トラブルを避けるためにも、慶長小判金の偽物の見分け方を知っておきましょう。

知っておくべきポイントは以下の4つです。

  • 重さを量る
  • 極印を確認する
  • 肌(表面)を見る
  • 磁石に反応するかを調べる

それぞれ、どのように見分けるのか詳しく解説していきます。

重さを量る

慶長小判金の偽物を見分けるには、まず重さの計量から始めましょう。
金属の含有量が変わらず、同じ大きさのものであれば当然重さも均一です。
ですから、本来の重さと違っている小判は偽物です。
偽物と判断するラインは1g以上ズレているかどうかです。

慶長小判金の重さは、本物であれば17.73gです。
これより1g以上重かったり軽かったりすればほぼ偽物です。

ただし、重さが違う他の小判と混同している可能性は捨てきれません。
以下の数値を参考に、当てはまりそうな小判がないか確認してみてください。

もし、合致しそうな種類があれば、その小判の極印などから種類を見直してみましょう。

サンプル品の重さは?

では、実際にアンティーリンクで用意したサンプル品を計量してみます。

慶長小判金偽物の重さ

本物の重さは17.73gです。
およそ17.5〜17.9gの範囲であれば、本物だと判断できます。
サンプルは12.13gと本物に比べて明らかに軽いため、偽物だと判断できます。

極印を確認する

重さを確認できたら、次は極印の数や種類を調べます。
小判の偽物のなかには、デザインをコピーしきれず極印の数が足りないものもあるからです。
ただし、注意したいのは慶長小判金の裏面は刻印の数が定まっていません。
数の違いだけでは100%偽物とは言い切れない点に注意しましょう。

慶長小判金の表面は「たがね打ちござ目」がびっしりと並んでいます。
上部には「扇型の桐紋」と額面を示す「壹两」の文字が打たれています。
下部に打たれているのは「扇型の桐紋」と製造責任者「光次」の「花押」です。
裏面は中央に「花押」が刻まれています。
その他に製造を担当した小判師と、製造場所となる吹所を示す「験極印」がひとつずつ打たれているのですが、慶長小判金は小判師の印しかないことがあります。
慶長小判と各極印

ですので、偽物を見分けるためには、表面の極印と裏の花押の有無を確認しましょう。

(前略)縦書きで上に「一両」、下に「光次」という文字、上下の端に桐の紋が見えます。(中略)裏面は、中央に「光次」の印、左下の方に小さな丸い印が打刻されています。

出典:ColBase 慶長小判

刻印をサンプル品と比較

アンティーリンクで用意したサンプル品の極印を比較してみます。
今回はウラ面、真ん中に打たれている花押かおうに注目します。

慶長小判金裏面花押比較

偽物は花押の線幅、外円、刻印の深さともに、きれいに整っています。
本物の方は線の太さ、刻印の深さは一定ではなく、まるで筆で書いたような味があります。
慶長小判金が作られた時代を考えると、機械的な印象を受ける刻印は不自然に感じます。

肌(表面)を見る

小判の肌(表面)をチェックします。
古銭の世界では、古銭の表面のことを「はだ」とよびます。

こちらでは、アンティーリンクが用意したサンプル品と本物を見比べてみましょう。

慶長小判金肌の比較

いかがでしょうか?
偽物の肌(表面)はざらっとして、ゴツゴツと荒い感じです。
槌目は浅く、まばらになっています。

本物は肌が滑らかで、金属感があります。
槌目は細かく、深く刻まれています

このように、小判の肌(表面)の状態を観察することで、本物と偽物を見分けることができます。

磁石に反応するかを調べる

偽物の小判は金や銀の使用量を減らしているものが多くあります。
その分、鉄やニッケルといった安い卑金属ひきんぞくを用いています。

金や銀は磁石にくっつきませんが、鉄やニッケルは強磁性です。
つまり、偽物の小判は磁石にくっついてしまうことがあるんです。
もし磁石を近づけたときに引き寄せられるようであればそれは偽物です。