新1円銀貨の本物と偽物の見分け方【3ポイント】

こちらの記事では新1円銀貨の本物と偽物の見分け方について解説していきます。
アンティーリンクでは毎日のように新一円銀貨を鑑定していますので、プロ目線で、効率的に、かんたんに真贋を見分けることができる鑑定方法を解説いたします。

結論から言いますと、着眼点は3ポイントのみです。

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[監修/執筆:飛田 圭介

 

偽物の見分け方【3ポイント】

新1円銀貨の真贋を見抜くには以下の3ポイントを確認します。

1.重さを量る

2.デザインを見る

3.側面を見る

それでは順番に見ていきましょう。

重さを測る

重さを量ればほとんどの偽物は分かります。
本物の重さは26.96gですので、製造時の誤差と流通による摩耗を考えると

26.86~26.96gが本物の基準となります。

※あくまで指標の一つであり、重さがこの範囲に収まらない物は全て偽物というわけではありません。

 

実際に本物と偽物の重さを比較してみましょう。
まず本物6枚の重さを量ります。

6枚全てが26.86~26.96gに収まっており、本物の基準を満たしています。

次に偽物6枚の重さです。

本物の基準である26.86~26.96gに収まるのは右下の1枚だけでした。
残りの5枚は本物の基準から乖離しており、即座に偽物だと判断できますね。
このように、重さを量るだけで本物か偽物かを概ね区別することができます。

 

デザインを見る

重さが本物の基準を満たしていましたら、次はデザインを見てましょう。

赤い丸印のある植物の葉脈が描かれている部分は、
細やかなデザインとなっています。

プレスで作られているため、凹凸もくっきりとしています。

偽物の葉脈は本物に比べ、少しぼやけているのがおわかり頂けるでしょうか。

後述の偽物の紹介で拡大写真も掲載していますので、もっとよく見たいという方は確認してみてください。

 

周囲のギザギザは馬の歯と呼ばれ、本物と偽物を見分ける際の参考になります。
等間隔、そして同じ大きさでギザギザが刻まれています。

偽物は上部と下部を見比べてみると、ギザギザの大きさが違っています。

 

裏面には竜が描かれており、ウロコがくっきりとしているのが特徴です。

偽物はウロコの凹凸が浅く、不鮮明なものが多いです。

 

竜の周りには点が打たれており、等間隔で並んでいます。

偽物は点と点に隙間がなく、ぎゅっと詰まっています。

 

側面を見る

デザインを見ましたら、次は側面(エッジ)を見てましょう。

本物の側面は綺麗なギザギザになっています。

偽物はギザギザが斜めになっていたり、作りが甘くなっています。

 

ここまでに書いたポイントを確認して頂けば、新1円銀貨の真贋を見抜くことができます。

おまけ:色味を見てみる

最後に、真贋確認で使える場面は少ないかもしれませんが、色味について見てみましょう。

写真からもわかるように鮮やかな銀色です。

 

経年により黒ずんでいるものもありますが、この黒ずみも銀特有の色をしています。

 

また、こちらの新1円銀貨は磨きの際に使用された薬品が、経年により変色してしまったものです。

 

偽物6枚の紹介と解説

以下の6枚の偽物について、どこが本物と違うのか解説していきます。

 

Aから順番に確認していきましょう。

Aは表面がざらついており、ぱっと見ただけでも偽物であることは明らかです。

偽物は鋳造であることが多いので、葉脈が不鮮明です。

凹凸が浅いため、竜のウロコもわかりにくいです。

側面を見るとギザギザが斜めになっている箇所があり、作りの甘い偽物であると分かります。

 

B,Cは類似の偽物なので、まとめて確認します。

Bは表面がざらついているのが見て取れ、
Cは葉脈がつるつるしています。

竜のウロコではそこまで大きな差異は見られません。
竜の周りの点に注目してみましょう。
本物は点と点の間に少し隙間があるのに対し、
偽物はビッシリと詰まっています。

側面には縦にラインが入っており、鋳造であることが分かります。

 

次はDです。

葉脈が全体的にぼやけています。これも鋳造であるためです。

竜のウロコも凹凸が浅く、ぼやけているように見えます。

側面には大きな差異は見られませんでした。

 

続いてEを見ていきましょう。

鋳造の偽物であるため、葉脈が部分的に不自然な消え方をしています。

竜が持っている玉のことを宝珠と言います。
本物は宝珠の渦が綺麗な曲線を描いていますが、偽物はカクカクしています。

側面のギザギザは、本物と比べると少し間隔が広くなっています。

 

Fはよくできた偽物で、見た目では摩耗した本物と見間違えてしまうほどです。

葉脈は少し凹凸が浅いですが、摩耗も考慮するとあまり違和感のない出来となっています。

竜のウロコにもあまり大きな差異は見られません。

側面のギザギザについても、摩耗を考えると大きな差異はないと言えるでしょう。

決定的に違うのは大きさです。
本物と並べると偽物の方が大きいことが分かります。

以上のように、重さだけでなく見た目などからも真贋を見抜くことができます。

 

最後に

新1円銀貨の真贋について、いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した3ポイントは、貿易銀や中国銀貨などの鑑定にも共通していますので、応用が効きやすいです。

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