新1円銀貨の価値は年代が決め手!偽物の見分け方を徹底解説!!

新1円銀貨とは?

新一圓銀貨おもて
新1円銀貨(新一圓銀貨)とは、明治7年(1874年)に製造を開始した貨幣です。
表面には皇室の紋章である十六弁八重表菊紋と額面の一圓の文字が書かれています。
新一圓銀貨うら
裏は、宝珠を握った龍を中心に「大日本」、「製造年」、「ONE YEN」、「900」、「416」といった文字で囲んでいます。
「900」は銀の品位(含有率)、「416」は量目(重さ)をグレーンという単位で示した数です。

重さ/品位/発行年

  • 直径: 3.858cm
  • 重さ: 26.96g
  • 品位: 銀900/銅100
  • 発行年: 1874年(昭和7年)

生まれ変わった一圓銀貨

一圓銀貨自体は明治4年(1871年)から作られ始めました。
しかし、貿易のために製造したはずのこの一圓銀貨が海外の流通に失敗します。それを理由に、明治5年に製造が中止されてしまいました。

このとき製造が中止されたものを「旧1円銀貨」と呼ばれます。
そして、明治7年から製造されたものが今回解説している「新1円銀貨」です。

新1円銀貨は旧1円銀貨よりも出来が良く貿易銀として海外でも受け入れられました。

また、新一円銀貨と同じく、海外との交易用に製造された貿易銀も存在します。貿易銀については、こちらの記事で解説しています。

種類の見極めはプロでも一苦労

新1円銀貨の特徴として、種類が多いことが挙げられます。
長く作られていた硬貨なので、年代で分けるだけでも多くなります。さらに、一部の年代は彫りの深いもの浅いものがあったりします。
大きさが違うものもあり、それぞれ価値も違うんです。

なかには、古銭のプロでも見分けるのが難しいものもあります。
非常に鑑定の難易度が高い古銭のひとつです。
その分、個人間での取引のハードルも高いことを覚えておきましょう。

新1円銀貨の価値はいくら?

新1円銀貨は、日本の近代銀貨としてはかなり高額な商品です。
年代による価格差大きいので、しっかりと製造年と照らし合わせて確認しましょう

【年代別】新1円銀貨の買取価格一覧

本日の買取価格

並年 未使用:20,000円
美品 8,000円
並品 6,000円
磨きあり 5,000円
並年(打刻あり/修正品) 美品 3,800円
並品 3,000円
明治7年 前期(美品) 180,000円
中期(美品) 230,000円
後期(美品) 100,000円
明治7年 後期深彫 美品 160,000円
明治8年 美品 700,000円
明治11年 美品 60,000円
明治11年 深彫 美品 120,000円
明治12年 美品 200,000円
明治13年 美品 14,000円
明治14年 美品 18,000円
明治14年 降四 美品 200,000円
明治15年 美品 9,000円
明治16年 美品 10,000円
明治17年 美品 16,000円
明治18年 美品 9,000円
明治19年 美品 9,000円円
明治19年 小型 美品 220,000円
明治20年 大型 美品 18,000円
明治20年 小型 美品 10,000円
明治25年 前期 美品 30,000円

新1円銀貨の価値はなぜ高い?

新1円銀貨は、発行された年によっては製造枚数がとても少なかったのです。
そのため、プレミア価値が付加されて高額になるものがあります。そのため、古銭の収集家の間でも人気がある高額商品として扱われています。
プレミアが付けば10万円を超えることもあり取引は活発です。

特に高い種類とその理由は?

特に高い値段で取引されるのは、明治7年8年12年に作られたものです。
これらの美品であれば、買取価格が10万円を超えるほどの価値があります。また、これらの年代以外でもプレミア価値が付くものもあります。
それは、通常のデザインとは異なる「手変わり品」のことです。

手変わりはエラーではなく、デザインが異なる別バージョンのような扱いになります。

硬貨における手変わり(てがわり)とは、図案が(ほぼ)同じもので硬貨の何かしらが異なるものをいう。

例として重さ、径、厚み、図案などが挙げられる。連年発行されている通常貨に刻印される年銘は当然ながら毎年変わるが、基本一回しか発行しない記念硬貨については年銘が異なるものが存在するときも手変わりに分類する。

手変わりは公式な機関が公表するものではなく、コレクターや民間企業などが大量の硬貨を見て発見するものがほとんどである。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

新1円銀貨の手変わりの見分け方

一言に手変わりといってもいくつか種類があります。
ここからは新1円銀貨の価値が上がる手変わりについて解説します。

大型・小型

新1円銀貨は、直径38.1mmの「小型」と、直径38.6mmの「大型」があります。

明治20年以降から、新1円銀貨は一斉に小型化されました。
その境目となる明治19年明治20年は、小型と大型が混在します。

なかでも、明治19年に作られた小型の新1円銀貨非常にレアです。
そのため、美品であれば20万円を超えるほどの価値がついています。

▶️新一円銀貨の大型、小型については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

深彫・浅彫

明治7年明治8年明治11年は、模様の彫りの深さが異なる深彫っと浅彫があります。
名前の通り、彫りの深さが違うという手変わりです。

ただ、この2種類は並べてみても違いがわからないほど微妙な差しかありません。
以下に、裏面を比較した参考画像を用意しています。

深彫と浅彫

このふたつだと特に分かりやすいのが左下の葉です。

深彫の方がはっきりと浮き上がっていて影もしっかり見えます。
葉脈も1本1本はっきりと彫られていますね。

これだけはっきりとした写真を並べればわかりますが、単品での判断は困難です。
浅彫、深彫の判断は専門家を頼りましょう。

明治14年 降四

明治14年にのみ存在するのが降四という手変わりです。

表面の外側に彫られた「明治十四年」の「」が他の文字よりも外側に寄っています。

明治14年の降四

硬貨を回して文字の上下を合わせたとき、「」が一段落ちているように見えますね。
そのため、降四と呼ばれています。

明治25年 前期/後期

明治25年には、前期後期の2種類があります。
どのような違いがあるのか、以下の画像をご参照ください。

明治25年の前期・後期比較

1円銀貨 明治25年
前期と後期の、竜図部分を重ねて見ましょう。
右上のトゲ部分と、中央下の宝珠部分に、違いがあるのが分かります。

明治25年 前期はトゲが4本宝珠の渦が上向きに対して、後期はトゲが3本宝珠の渦が下向きなのが特徴です。
ちなみに、希少性は前期の方が高いです。

新1円銀貨の真贋の見分け方

見分け方
現在、古銭市場で出回っている新1円銀貨にも偽物が存在します。
取引をする際には真贋にも気を付けましょう。ここからは、手元にある新1円銀貨の真贋を見分けるポイントを解説していきます。

重さを測る

古銭の真贋を確かめ方としてよく用いられるのが重さの計測です。
硬貨は、素材と大きさが厳密に決まっているので重さもほぼ均一になります。そのため、本来の重さと差がある場合は偽物の可能性が高いです。

新1円銀貨の重さは26.96gあります。
これより0.1g以上の誤差があるなら偽物を疑いましょう。

こちら画像は、本物の新1円銀貨の重さを計測したものです。

こちらの画像は偽物の新1円銀貨の重さを計測しています。

ほとんどの偽物は明らかに重さが違っていますね。
パッと見ると重さが近いものもありますが、それも0.1g以上の差があります。

このように、重さを計測してみるだけでもかなりの数の偽物を判別することが可能です。

デザインを見る

次に、デザインをよく確認してみましょう。
偽物は彫りが浅くて平坦になっているものが多いです。
また、図柄が簡略化されていたりもします。

以下の画像は、本物と偽物の表面です。

本物と偽物

偽物の方は、明らかに図柄が簡略化されています。
そのせいか見た目がスカスカな感じがしますね。

ただ、デザインだけを見て判断するのは少々危険です。
できる限り、他の新1円銀貨と見比べるようにしましょう。

側面を見る

表面や裏の図柄だけでなく、側面も判断材料になります。
偽物の硬貨は、本物と厚みが違うことがあるからです。

また、硬貨の側面がギザギザなものは彫りの深さも気にしましょう。

こちらの画像は、左が本物右が偽物新1円銀貨です。
右の偽物のほうがわずかに薄く彫りも浅くなっています。

この調べ方も偽物1枚だけを見て判別するのは難しいです。
複数枚の新1円銀貨がある際に試してみましょう。

新一円銀貨の真贋については、こちらの記事で特集しています。
ぜひご参考ください!

新1円銀貨は修正品に注意

新1円銀貨には、削り取ったり金属で穴埋めする修正が施されたものがあります。
このように加工されたものが修正品です。

修正品大きく価値が落ちるため、買取価格も安くなってしまいます。
しかし、なぜそのような修正をする必要があったのでしょうか?

どんな修正が行われていた?

修正品は、硬貨に入れられた刻印金属を流し込まれています。
その後に彫り直しているため、デザインも微妙に変わってしまうのです。

こちらの画像は、実際に打たれた刻印が残っている新1円銀貨の画像です。
こちらの画像は、金属を流しこまれたあとの修正品になります。
パッと見ただけではわかりにくいですよね。
そこで、次の画像は修正された箇所をアップにしてみました。
」の字の上の「」をよく見ると、右がやたら尖っていますね。
これは金属を流し込んだあとに削りそこねたのでしょう。
このように、修正品は細かな部分でデザインに違いが出てきます。

次に、裏面の「」ののアップを確認してみましょう。

こちらは本物の画像です。「」のがキレイに浮き上がっていますね。

偽物の方は彫り方が荒く、龍の顔がわかりにくいですよね。

また、彫った跡が少し黄色いのがわかりますか?
これは、不純物の多い金属を流し込んだために変色してしまったのです。

なぜ刻印を入れられた?

そもそも修正が必要になった経緯は、中国との両替にあります。
中国では硬貨の両替をした際に、品位の証明として刻印を打っていました。
こうした刻印に対して金属を流し込んで修正をしていたのです。一度修正が入った硬貨は、再び中国との取引に回されました。
その度に刻印を打たれるため、修正痕が複数あるものもあります。

価値に変化が少ない丸銀打ち

修正品のなかで少々特殊なのが丸銀打ちです。
こちらの画像のように、丸で囲われた銀の字が打たれたものを指します。

明治30年に貨幣法を制定した際、日本は1円銀貨の通用を停止しました。
ところが、すでに海外に流通してしまっていたためにすべてを使用禁止にはできませんでした。
そのため、特例として海外で使えることを意味する丸銀の刻印をしました。

ですが、丸銀の意味は市場にはしっかりと伝わらずに混乱を招いてしまいます。
結局、丸銀の制度は半年もしないうちに取りやめになりました。

丸銀の刻印の有無は、現在の買取価格にはほとんど影響がありません。

新1円銀貨の売却方法

新1円銀貨売却する方法はいくつかあります。
それは以下の3つです。

  • ヤフオクなどのオークションサイト
  • メルカリなどのフリマアプリ
  • 古銭専門の買取業者

それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。

ヤフオクなどのオークションサイト

オークションサイトでは、コレクター同士が競り合ってくれるため高値がつくことがあります。
注目度の高い商品であればあるほど、落札価格も上がっていきます。ただし、商品を注目させるには正確な情報が必要になります。
そのためにも、新1円銀貨に関してしっかり調べておきましょう。

落札後には、落札者とのやり取りが発生したり、発送にも手間はかかります。
また、落札価格の8.8%が手数料としてとられてしまうのもネックです。
落札価格が高ければ高いほど手数料も多くなることは忘れないようにしましょう。

メルカリなどのフリマアプリ

メルカリのようなフリマアプリなら、出品者が販売額を決められます。
相場に合った値段設定ならばすぐに買い手もつくでしょう。損をしないためにも、商品の相場は入念に調べておきましょう。
また、相場を超えすぎる値段では買い手が付きません。
高すぎず安すぎず、絶妙な価格帯に設定する必要があります。

値段設定だけで言えば、オークションサイトよりも慎重さが求められます。
古銭の状態確認も含めて、すべてを自分で判断できるだけの知識が必要です。

古銭専門の買取業者

もうひとつの売却方法は、古銭専門の買取業者への依頼です。
古銭専門の買取業者には鑑定士も所属しています。
そのため、査定の精度が高くなります。また、自分で真贋を確認する必要が無いので一番手軽に利用できます。
古銭の数が多かったり、他の古銭もまとめて売りたい場合に一括で依頼できる点もメリットです。
安心して取引したい、手間をかけずに取引したいのであれば買取業者を利用しましょう。

新1円銀貨を売るなら買取業者の利用がおすすめ

新1円銀貨についての解説は以上となります。
この硬貨は、種類を見分けるだけでもかなりの経験が必要です。
種類や見分け方を紹介しましたが、素人判断での取引にはリスクが伴います。

買取価格を調べるためにも、まずは買取業者の査定を利用することをおすすめします。
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