鳳凰100円銀貨ってどんなもの?価値はある?

今回は、鳳凰100円銀貨についてです。現在はどれだけの価値があるのか、また古銭は手替わりといって“細かなデザイン違い”があると価値が高まることがありますので、そうした手替わりについてもご紹介していきます。

鳳凰100円銀貨って?

鳳凰100円銀貨は、日本初の100円硬貨として発行された旧100円玉です。
鳳凰と桜が描かれた特徴的なデザインから人気を集めています。

章を中心に桜花4輪でそれを 囲み、記年と共に価額をローマ字で記してあります。
価額のローマ字表記は、明治三十一年 から発行された稲一銭銅貨以来のことで、 現行通常貨では唯一のものであります。
以下は、鳳凰100円銀貨についての基本情報です。

鳳凰100円銀貨鳳凰100円銀貨

  • 直径: 2.26cm
  • 重さ: 4.8g
  • 品位: 銀600/銅300/亜鉛100
  • 発行年: 1957(昭和32)年

鳳凰100円銀貨の価値は?

鳳凰100円銀貨にはどのような価値があるのでしょうか。
発行量が多いため古銭としての希少価値はなく、銀地金の価値となります。

まず、銀地金の価値とは銀の含有量に基づく価値です。
発行当時よりも現在の方が銀の価値が高いため、鳳凰100円銀貨には額面以上の価値があります。
ですが市場での銀の価値に影響されるため、銀相場によって鳳凰100円銀貨の価値も変動します。

一方、古銭としての価値は、希少性などによって左右されます。
未使用品など状態の良い品は、コレクターの間で高い評価を受け、プレミア価格がつくこともあります。

市場での価値についてはこちらの記事で解説しています。
詳しく知りたい方は是非ご覧ください。

実際の買取価格は?

買取業者は鳳凰100円銀貨を地金の価値で取引します。そのため、銀相場に合わせて買取価格も変わります。
弊社では状態に関係なく、右記の金額で買取しています。
本日の買取価格

銀なら溶かした方が高い?

鳳凰100円銀貨に含まれている銀の価値について考えてみましょう。
1枚4.8gですので、その60%である2.88gが鳳凰100円銀貨に含まれる銀の量となります。
2024年11月現在、銀価格は1gあたり170円前後です。
【2.88g × 170円 = 約489円】となり、銀相場のみで考えると489円の価値があることになります。

先述の買取価格と比較して、なんでそんなに価格差があるの?と思った方もいるでしょう。

日本では、貨幣損傷等取締法という法律が存在し、貨幣を無断で損傷することや溶かすことは禁じられています。
したがって、鳳凰100円銀貨を溶かして銀の地金として売ることは法律違反となります。

また、地金の価値は銀相場によって変動するため、溶かすことで得られる金額が常に高いとは限りません。
そして鳳凰100円銀貨には銀以外の素材も含まれているため、単純に銀地金として取り扱えるわけではありません。
上記のような理由もあって、買取価格と銀地金としての価格に差があるんですね。

鳳凰100円銀貨の手替わりやエラーコイン

通常の鳳凰100円銀貨の場合には、地金相場に連動して価値が決まることになりますが、手替わり(些細なデザイン違い)やエラーコインの類は、地金価値以上の価値がつけられることになります。

串刺し

鳳凰100円銀貨で確認されている手替わりの1つに「串刺し」というものがあります。

硬貨の裏面の旭日の光線部分をルーペなどで拡大して見てみてください。

鳳凰100円銀貨の手替わり 串刺し

青線で目立たせましたが、いかがでしょう?光線が串刺しになっているようなデザインになっていますね。

こうしたデザインは通常品では見られません。

傾打ちエラー、角度ずれエラー

鳳凰100円銀貨のオークション落札価格で最も高額なものは、この傾打ちエラー、角度ずれエラーです。

これは表面と裏面の角度が一致せず、どちらか一方の面のデザインだけ、ずれた状態のものをいいます。

さきほどの串刺しよりはかなり細かく確認する必要がありますが、このエラーはひっくり返すだけで判別可能なので、わかりやすいかもしれません。

他の100円銀貨と何が違うの?

旧100円玉は、鳳凰100円銀貨以外にもあります。他の100円銀貨と比べて何が異なるのでしょうか?
以下にその特徴を説明します。

鳳凰100円銀貨はデザインが特徴的であり、その美しさからコレクターに人気があります。
他の100円銀貨と比べても、鳳凰100円銀貨は戦後初の銀貨という歴史的な背景を持っています。
発行枚数も比較的少ないものの、市中での通用目的で作られたため、状態の良いものはあまり見かけません。

稲穂

稲穂100円銀貨稲穂100円銀貨

鳳凰100円銀貨の発行開始から2年後の1959(昭和34)年、量目・品位はそのままで、デザインのみ稲穂に変更されました。
表面には稲穂、裏面には図案化された分銅型に重ねて「100」の数字が表記されています。
製造期間は100円銀貨の中で最も長く、1966(昭和41)年まで発行されました。
稲穂100円銀貨は発行数が多いため、古銭としての希少性はありません。

オリンピック

東京オリンピック記念100円銀貨東京オリンピック記念100円銀貨

1964(昭和39)年に開催された東京オリンピックに合わせて、記念貨幣として発行されました。
稲穂100円銀貨から一部デザインのみを変更し、表面は聖火と五輪になりました。
通常の100円硬貨としての製造計画の枠内で発行されたため、なんと8,000万枚も発行されました。
こちらは記念貨幣として発行されたため、保管状態が良いものが多いです。
しかし発行枚数が多かったため、未使用品でもプレミアが付きにくい傾向にあります。

鳳凰100円銀貨に偽物はあるの?

鳳凰100円銀貨にも、偽物は存在します。
偽物の鳳凰100円銀貨を見分けるためには、以下の3つのポイントに注意する必要があります。

デザインの確認

偽物は、本物と比べてデザインの細部や文字の彫りが浅い場合があります。
特に文字の端や細かい模様に注目してみましょう。

重さとサイズ

偽物には鉄や鉛などの卑金属が使われていることが多いため、本物よりも軽かったり、サイズが異なります。
正確な重さとサイズを確認することで、偽物を見抜くことができます。

磁石の反応

鳳凰100円銀貨は銀と銅、亜鉛でできているので、磁石にはくっつきません。
磁石に引き寄せられるような反応がある場合は偽物の可能性が高いです。

鳳凰100円銀貨の本物と偽物を見分けるためには、デザインの確認や重さとサイズ、磁石の反応に注目する必要があります。
偽物を避けるためには、信頼できる販売業者や専門家に査定を依頼するのが一番です。

鳳凰100円銀貨を高く売るには?

鳳凰100円銀貨を高く売るためには、注意することが3つあります。

  • 業者の信頼性や評判
  • 銀相場の動向
  • 鳳凰100円銀貨の状態

まず買取業者を選ぶ際には、信頼性や評判を確認しましょう。
信頼できる業者は、公正な査定を行い適正な価格を提示してくれる可能性が高いです。

次に価格に直結する、銀相場の動向を注視しておきましょう。
銀相場が上がっている時に売ることで、より高く買取してもらえます。

最後に、鳳凰100円銀貨の状態も重要です。
鳳凰100円銀貨の未使用品はコレクター需要もあるため、プレミア価格がつくことがあります。
フリマサイトやオークション等では1枚1,000円以上になることも。

しかしフリマサイトやオークションでは大量に捌けない、売るのに手間がかかる、というデメリットもあります。
多くの買取業者が地金価格で取引をするのはこのためです。
余裕がある方はご自身で分類し、フリマサイト等で売却するのが良いかもしれません。

鳳凰100円銀貨を高く売るためには、信頼できる買取業者を選び、銀が高いタイミングで売却することが重要です。
また、未使用品はプレミア価格がつくことを活かせれば、より良い取引ができるでしょう。

アンティーリンクでは、鳳凰100円銀貨だけでなく、その他の古銭もお買取しています。
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