エラーコインの価値は高い?エラーコインの相場や種類、偽物について詳しく解説


昔の貯金箱から、穴のない50円玉が出てきました。これがエラーコインというものですか?

はい。エラーコイン(エラー硬貨)のうち、穴ナシエラーになります。
こうした穴がないものは、穴ずれのエラーより価値が高いものになります。

穴ナシや穴ズレの他にも、エラーコインってあるんですか?

エラーコインには穴なしや穴ずれ以外にも、たくさんの種類があります!
コイン鑑定のプロが、エラーコインの価値と種類についてご紹介します!
この記事でわかること
- エラーコインの種類
- エラーコインの価値
- エラーコインの偽物について
- エラーコインの売却方法と注意点
エラーコインの価値は高い?過去最高額はいくら?
そもそもエラーコインってどんなもの?
エラーコインとは、製造過程でのトラブルが原因で本来とは異なる形となってしまった硬貨です。
通常、こうしたものは製造不良として検品の段階ではじかれます。
そのため、流通品として市中に出回ることはありません。
ですが何らかの理由で、市中に出回ってしまったものがあります。
それが私たちが目にするエラーコインです。
エラーコインが出回る原因って?
検品を経ているはずなのに、なぜエラーコインが市中に出回るんでしょうか。
噂話程度のものであれば、諸説あります。
一般的に聞くものは、目視での検品がもれた、担当者が外部へ持ち出した…なんていう話です。
もちろん、これらの話には根拠はありません。
ですが微細なエラーであれば、検品で漏れて流通品にまざるということは考えられます。
過去には、昭和の貨幣セット(ミントセット)に、エラーコインが入っていたこともありました。
そうしたものが、市中に出回ったのかもしれませんね。
最高額のエラーコインは?
エラーコインの価値は種類によって様々ですが、中には100万円を超えるエラーコインも存在します。
特に有名なのが、1円アルミ貨ズレ打ちエラーで、なんと280万円という価格で落札されました。
ズレ打ちと言っても少しズレているという感じではなく、ほとんど原型がわからないようなズレ方をしていました。
これ以外に高額なものですと10円青銅貨のズレ打(変形あり)エラーが、230万円ほどで落札されています。
200万円を超えるような高額なエラーコインになると、過去を見ても数えるほどしかありません。
ですが、これらよりも遥かに高額になったエラーコインが存在するんです!
それが50円白銅貨(昭和51年)大穴ズレ、2つ穴エラーです。
このエラーコインはなんと、500万円で落札されました!
上記の図のように、真ん中は穴が開いておらず、左上と右下あたりに2つ穴が開いたエラーコインです。
このエラーコインは、スラブと呼ばれる鑑定会社のケースに入った状態で出品されていました。
こうした鑑定会社のお墨付きが付いたものは、安心感もあり、コレクターに好まれます。
そのため、オークションなどでの価格が上がりやすい傾向があります。
エラーコインは本物であれば、間違いなく額面以上の価値になります。
ですが、ここまで高額になるようなエラーコインが見つかることは稀です。
なにより本物かどうかを見極めるのは、専門家でも難しいことがあります。
エラーコインの種類
ここまで、エラーコインについてお伝えしてきました。
ではエラーコインには、どんな種類があるんでしょうか。
ここでは代表的なエラーの種類と、それぞれの価値について具体的に見ていきましょう。
またアンティーリンクでのこれまでの実績を元にした買取参考価格も併せてお伝えします。
ですので、そのエラーコインにどれぐらいの価値があるのか、一目で知ることができます。
穴ズレエラー
穴ズレエラーとは、穴の位置が本来の位置よりもズレてしまったエラーのことです。
比較的見つけやすく、エラーコインの代名詞とも言えるものです。
現在の硬貨で穴ずれが存在するのは、5円玉と50円玉です。
もし10円玉や100円玉に穴が空いていたら、それはエラーではありません。
穴ズレエラーは、穴のズレ具合によって価値が大きく変わります。
穴ズレの程度による価格の違いは、後ほど詳しくご紹介します。
穴ズレ50円白銅貨

買取参考価格
60,000円
穴ズレ菊50円ニッケル貨

買取参考価格
35,000円
穴ズレ5円黄銅貨

買取参考価格
7,000円
穴ナシエラー
5円玉や50円玉に本来あるはずの穴が開いていないエラーのことです。
穴ナシエラーは、エラーコインの中でも特に人気が高いコインです。
先にもお伝えしたように穴ズレエラーより、穴ナシエラーの方が価値は高いです。
ちなみに昭和24年以前の5円玉と昭和33年以前の50円玉は、元から穴のないデザインとなっています。
穴ナシエラーは、おもにコインの状態や年号で価値が変わります。
穴ナシエラー50円白銅貨

買取参考価格
600,000円
穴ナシエラー5円黄銅貨

買取参考価格
95万円
傾打エラー(角度ズレエラー)
傾打エラーは表面または裏面のデザインの角度がずれているエラーのことです。
傾打エラーは硬貨の額面に関係なく、よく見かけるエラーです。
角度ズレエラーと呼ばれることもあります。
傾打エラーは特に昭和40年代までの10円玉で多いと言われています。
表裏をしっかり見ないと分からないため、市場で流通してしまっている可能性が高いです。
傾打エラーは傾き度合いが大きいほど価値が高くなります。
特に100度以上表裏がズレていると、高値が付く傾向にあります。
傾打エラー1円アルミ貨

買取参考価格
4,000円
傾打エラー10円青銅貨

買取参考価格
24,000円
傾打エラー菊穴なし50円ニッケル貨

買取参考価格
32,000円
傾打エラー100円白銅貨

買取参考価格
50,000円
傾打エラー500円白銅貨

買取参考価格
39,000円
ズレ打ちエラー(刻印ズレエラー、打刻ズレエラー)
ズレ打ちエラーとは、硬貨のデザインが本来の位置(中央)からずれて刻印されてしまったエラーのことです。
ズレ打ちエラーは刻印ズレエラー、打刻ズレエラー、単にズレエラーなど、さまざまな呼び方をされています。
硬貨のプレスは両面同時に行われるため、両面ともにデザインがズレているのが特徴です。
またズレて刻印されてしまったことで、変形も同時に発生することがあります。
ズレ打ちエラーはデザインのズレ具合が大きいほど、価値が高くなります。
また市場にも出回っていないため、希少性が高く、100万円を超える額になることもあります。
ズレ打ちエラー5円黄銅貨

買取参考価格
720,000円
ズレ打ちエラー10円青銅貨

買取参考価格
1,400,000円
陰打ち(影打ち)エラー
陰打ちエラーは、片面は正常で、もう片面には同じ絵柄が左右反転した状態で刻印されているエラーのことです。
例えるなら、鏡に映した時と同じように、反転した状態で刻印されています。
このエラーは一度プレスした硬貨の上に別の硬貨が重なり、再度プレスされることで発生します。
そのため、陰打ち面は正常なものと凹凸が逆になっています。
特に10円玉に多く見られるエラーです。
よく「影打ち」と記載されていることがありますが、正しくは「陰打ち」です。
陰打ちエラーはデザインの全体が陰打ちされていると価値が高くなります。
陰打ちが一部分だけだったり、薄いものは価値が下がります。
陰打ちエラー10円青銅貨(10円年号面)

買取参考価格
400,000円
陰打ちエラー10円青銅貨(平等院鳳凰堂面)

買取参考価格
250,000円
裏写りエラー
裏写りエラーとは表面と裏面のデザインが重なるように刻印されたエラーのことです。
裏写りエラーは、明治銀貨などでも見られる有名なエラーです。
現在の貨幣ですと、10円玉に多く見られます。
また裏写りエラーは、紙幣によく見られるエラーです。
こちらのエラーは、裏写りの度合いによって価値が変わります。
一部分だけのものより、全体的に写っているものの方が価値が高いです。
裏写りエラー100円白銅貨

買取参考価格
45,000円
裏写りエラー10円青銅貨

買取参考価格
180,000円
ヘゲエラー/メクレエラー
ヘゲエラーとは製造時の衝撃で硬貨の一部がめくれてしまったり、素材の塊などがくっついたりしたエラーです。
めくれているものは、メクレエラーと呼ばれることもあります。
小さいものであれば、比較的よく目にすることがあります。
ですが見た目があまり良くないため、市場での人気はイマイチのようです。
また平成以降のものには、ほとんど見られなくなりました。
ヘゲエラーは硬貨のめくれ具合が大きいほど、価値が高くなります。
ヘゲエラー5円青銅貨

買取参考価格
4,000円
ヘゲエラー10円

買取参考価格
4,000円
ヘゲエラー穴なし50円

買取参考価格
14,000円
ヘゲエラー菊50円ニッケル貨

買取参考価格
4,500円
ヘゲエラー50円

買取参考価格
4,000円
ヘゲエラー100円

買取参考価格
7,000円
製作不良エラー(裁断エラー)
これは金属板からコインのベースを打ち抜く時(裁断時)に発生するエラーです。
必要部分まで切り落とされてしまったり、一部分が削れてしまっているエラーです。
特に硬貨の端をクリップではさんだような痕が残っているエラーは、リムクリップエラーとも呼ばれています。
このエラーは裁断されている部分の大きさによって価値が変わってきます。
他のエラーに比べ知名度が低く、見た目が良くないこともあり、コレクターも少ないそうです。
また加工したものとの区別がつかないため、鑑定会社の認定があるものが好まれる傾向にあります。
製作不良エラー10円青銅貨

買取参考価格
160,000円
その他のエラー
エラーコインの種類は、これら以外にも多く存在しています。
ですが、そのほとんどは加工品が疑われるものです。
そして、エラーコインとして知られているものの中にも、実は加工品ではないかと言われているものもあるんです。
ここではエラーとして知られているものの、その存在が疑われているものを3点ほどご紹介します。
両面打ちエラー
まずは両面打ちエラーと呼ばれるものです。
これは同じ図案が両面に刻印されてしまっているものです。
100円玉ですと両面桜エラーなどと呼ばることがあります。
実はこのエラー、うまく2枚の硬貨を貼り合わせた加工品であることが多いそうです。
また、現在の製造工程から考えると、このエラーの発生は考えにくいとも言われています。
そのため両面打ちエラーは、専門家やコレクターの間では存在が疑われています。
片面内エラー
次に片面打ちエラーをご紹介します。
これは片面だけが刻印されず、のっぺらぼう状態になっているエラーです。
このエラーは明治の銀貨や銅銭などでよく見られるエラーです。
ですが現行貨幣の片面打ちは、本物とされる品が確認できていないそうです。
現行貨幣のものはほとんどはヤスリなどを用いて片面を削った変造品と言われています。
縁盛り上がりエラー
最後は縁盛り上がりエラーです。
こては硬貨の縁が、通常よりも盛り上がっているエラーです。
最近、一般的なオークションサイトやフリマサイトで見かけることのあるエラーです。
しかしこのエラー、硬貨になんらかの力を加え縁を盛り上げたのではないか、と疑われているそうです。
そのためか、コレクター向けのオークションではお目にかかることがありません。
以上のように、エラーコインとして存在が知られているものの中にも、加工が疑われているものも数多く存在します。
古銭の専門家の意見には、出回っているエラーコインのほとんどが加工品である、とする方もいるほどです。
もしお手持ちの硬貨にエラーと思われるものがあれば、まずは専門家に査定を依頼するのがおすすめです。
穴ずれエラーはどれぐらいのズレ?
さて、エラーの中で最も知名度が高い穴ズレエラーですが、実際どれぐらいズレていれば穴ズレエラーになるのでしょうか。
ちなみに、穴の位置がほんの少しズレている程度では、ほとんど価値がつきません。
ここでは50円玉を参考に、穴のズレ具合を小、中、大と分類して解説していきます。
それでは具体的に見てみましょう。
穴ズレ(小)
穴の大部分が、中央縁の中におさまっています。
このぐらいのズレ幅ですと、穴ズレエラーとして市中で見かけることは多いものになります。
これぐらいのものですと、硬貨の状態にもよりますが10,000円〜20,000円ぐらいが市場相場になります。
穴ズレ(中)
穴の半分以上が、中央縁の外側に出ています。
これぐらいズレていると、硬貨の状態にもよりますが80,000円〜200,000円ぐらいが市場相場になります。
もちろん硬貨の状態や年号によっても価格が変わってきます。
穴ズレ(大)
穴が、ほぼ中央の縁の外にあります。
穴がここまでズレているものを見かけることはほとんどありません。
ここまでズレているものですと300,000円、あるいはそれ以上の価値があります。
しかしこれほどのエラーであっても、穴ナシの方が価値が高い傾向にあります。
穴ズレ(特年)
写真のものは穴のズレは小さいですが、価値の高い穴ズレエラーもあります。
この50円玉の年号に注目してみてください。
昭和62年の50円玉は流通不発行と呼ばれる年号です。
流通不発行とは、生産調整のために流通用の硬貨が製造されなかった年のことを指します。
そのため、コイン単体でも元々価値があるものです。
過去、価値ある年号でエラーコインのもので200万円に近い値が付いたこともあります。
こうした価値のある年号のエラーコインになると、同種のエラーコインよりも価値が高くなります。
エラーコインは、年号をチェックするのも忘れないようにしましょう。
エラー以外で価値が上がる要因
昭和62年の50円玉のように、特年と呼ばれる価値が高くなる年号って実は結構存在するんです。
現行硬貨の特年については、以下の記事に詳しく書いてありますので、気になる硬貨がある場合是非参考にしみてください。
エラーコインは偽物に注意
これまで、エラーコインの種類と価値について見てきました。
エラーコインであれば、額面以上の価値があることはお分かりいただけたかと思います。
ですが、エラーコインは価値あるために、偽物も多いとお伝えしました。
エラーコインの偽物とは、人為的に加工をくわえたコインで、加工品とも呼ばれます。
加工品とは名前の通り、コインに道具などを用いて加工を加えたものになります。
ここではエラーコインの偽物と、その危険性についてお話しいたします。
コインの加工は犯罪!?
硬貨に傷をつけたりするのは犯罪、ということを聞いたことがあるかと思います。
実はコインを加工する行為、本当に法律で禁止されているんです。
これは「貨幣損傷等取締法」という法律に定められています。
▶︎参照:財務省「硬貨に穴を開けても良いですか」
1円玉エラーはほぼ加工品!?
エラーコインのうち、1円玉は、コレクター向けのオークションではあまり見かけることがありません。
この理由として1円玉は製造過程でエラーが起きにくいことが原因とも言われています。
また1円玉の材料であるアルミは、加工がしやすい材質とも言われています。
そのため専門家の間では、世の中に出回っている1円玉エラーはほとんどが偽物という厳しい意見もあります。
こんな事情があるため、1円玉のエラーコインを見つけたら、まずは加工を疑ってみた方が良いかもしれません。
エラーコインの売却は、どうするのがいい?
最後にお伝えするのは、エラーコインの売却方法です。
まず一つの方法として、銀行に持っていくという方法があります。
ですが、銀行に持っていった場合は額面での交換になります。
そのためおすすめは出来ません。

ただし、もし偽物と判明している場合は銀行に持っていき相談しましょう。
では高い価値で売るにはどうしたらいいでしょうか?
ここでは2つの方法をご紹介します。
オークション、フリマサイトに自分で出品する
まずはオークションやフリマサイトに出品する方法です。
スマホの登場以来、個人取引もだいぶ身近になりました。
ただし、エラーコインを自身でオークションサイトやフリマで売却する際は注意が必要になります。
まずひとつが出品先のサイトのルールです。
出品先によっては現行貨幣が出品禁止になっている場合があります。
そのため、出品ルールにつていはよく確認する必要があります。
そして最も注意が必要なのは、自己判断でエラーコインを出品した場合です。
査定を経ていない品物を出品した場合、万が一偽物だった場合取引後にクレームが発生する可能性があります。
さらに硬貨の加工が法律で禁止されているため、最悪ご自身で行ったわけでないとしても、クレームだけでは済まないリスクも潜んでいます。
もしこの方法で売却する際は十分に注意しましょう。

もし本物かわからない場合はどうしたらいいですか?

その場合は買取店での売却がおすすめです。
買取専門店に持ち込んで買取依頼する
買取専門店の強みは対面でのやりとりができ、安心感があるところです。
本物かどうかわからない場合でも、安心して相談することができます。
ただ実は買取店の多くは、古銭を専門にしているケースはあまり多くありません。
そのため、査定員がエラーコインについて詳しい知識がなく、買取金額が相場より非常に安い金額になってしまう場合がございます。

ではどうしたらいいでしょうか?

事前に相見積もりを取ることがおすすめです
近年ラインやメールなどで、手軽に査定依頼を行えるようになりました。
そのため、複数の店舗で査定をお願いし、値段の高い店舗で売るのがおすすめです。
弊社でもラインやメールを使った無料査定サービスを行っております。
また、売却の際も実際に店舗に来ていただかなくても、郵送での買取も可能となっております。
- 査定だけお願いしたい
- 真贋を見てほしい
- エラーコインじゃないんだけど・・・
という場合でも、問題ありませんので、是非お気軽にご利用ください。
TEL:☎03-6709-1306(営業時間 11:00~18:00)
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