100円玉の記念硬貨に価値はある? オリンピック記念の100円玉は? 100円記念硬貨を全種紹介します!

2020年の東京オリンピックの100円記念硬貨って、プレミアがつくんですか?

こちらの100円記念硬貨は発行枚数がとても多く、残念ながら高い価値はありません。

では昭和の東京オリンピックを記念した100円はどうですか?

昭和39年の東京オリンピック記念した100円玉は、額面以上の価値があります!
古銭鑑定のプロが、100円記念硬貨について解説します。

[監修:渡邉 博/執筆:増田 英明

100円記念硬貨、全種類紹介します!

100円の額面を持つ記念硬貨は、昭和39年の東京オリンピックを記念したものが最初に発行されました。
しかし500円白銅貨が発行されてからは、記念硬貨は500円玉が中心になっています。

ここでは、これまでに発行された100円記念硬貨を全種類ご紹介します。
アンティーリンクでお買取のできるものは買取価格を掲載しました。
また買取をしていないものは、市場での販売価格を参考として掲載しています。
このリストを見れば、お手持ちの100円記念硬貨にどのぐらいの価値があるか、一目でわかります。

東京オリンピック記念100円銀貨

東京オリンピック記念100円銀貨

  • 素材(品位):銀600/銅300/亜鉛100
  • 直径:22.6mm
  • 重さ:4.8グラム
  • 発行年:1964(昭和39)年
  • 発行枚数:8,000万枚
  • 表面:額面と年号/裏面:五輪と聖火
本日の買取価格

オリンピック記念硬貨とは、オリンピックが開催された記念に発行される硬貨のことです。
東京オリンピックはもちろん、長野五輪や札幌五輪といった冬季五輪でも記念硬貨が発行されました。
日本で最初に発行された100円の記念硬貨が、この東京オリンピック記念100円銀貨です。
今の100円玉は白銅貨ですが、東京オリンピックの100円記念硬貨は、銀で作られているのが特徴です。

この100円記念硬貨は銀製のため、相場に合わせた価格で買取を行っているお店もあります。
銀相場に応じての買取ですと、額面以上の価値になります。
銀の素材でできている100円銀貨には、こちらのに「鳳凰100円銀貨」「稲100円銀貨」があります。
100円銀貨に少し遅れて、千円の額面を持つ東京オリンピック記念1,000円銀貨も発行されました。

100円銀貨は貨幣としての通用力があるため、現行の100円玉と同じように使用することができます。
ただ普通の100円と比べて形状や素材が違うため、自動販売機では使用できないようです。
またお店で使用することができますが、断られる可能性もあるのでご注意ください。

オリンピック100円銀貨については、特集記事で解説しています!


日本万国博覧会記念100円白銅貨

日本万国博覧会記念100円白銅貨

  • 材質:銅750/ニッケル250
  • 直径:28mm
  • 重さ:9グラム
  • 発行年:1970(昭和45)年
  • 発行枚数:4,000万枚
  • 表面:赤富士/裏面:EXPOのロゴ

小売での参考価格

  • 110円〜

昭和45年、大阪で開催された「日本万国博覧会」(大阪万博、EXPO’70)を記念し発行された記念硬貨です。東京オリンピック記念100円銀貨の次に発行された100円記念硬貨になります。
発行日は1970年3月10日ですが、人気があったため7月9日に追加発行されています。
こちらの硬貨は銀製ではなく白銅貨となり、直径も28mmと現在の500円玉よりも大型化されています。
硬貨のデザインには表面が葛飾北斎の赤富士、裏面は万博のシンボルマークである桜が採用されています。

万博ではこちらの記念硬貨のほかにも、銀製のメダル、メッキのものまで様々なものが販売されました。

また大阪万博といえば、芸術家、岡本太郎のデザインした「太陽の塔」が有名です。「太陽の塔」とは、過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギーの象徴を体現したものだそうです。こちらは現在でも、万博跡地を利用した万博記念公園で見ることができます。

札幌冬季オリンピック記念100円白銅貨

札幌冬季オリンピック記念100円白銅貨

  • 材質:銅750/ニッケル250
  • 直径:30mm
  • 重さ:12グラム
  • 発行年:1972(昭和47)年
  • 発行枚数:3,000万枚
  • 表面:聖火/裏面:五輪マーク

小売での参考価格

  • 120円〜

昭和47年、札幌で開催された冬季オリンピックを記念して発行された記念硬貨です。
直径が30mmと、大阪万博の100円記念硬貨よりも2mmほど大型化しています。
こちらの記念硬貨も、現在の100円として使用できるとされています。
硬貨のデザインは、表面が聖火のマークで、裏面は中央に五輪マークと額面、その左右に初雪の雪紋が入っています。

記念硬貨だけでなく、昭和47年銘の硬貨とセットになった手帳型ミントセットも販売されました。
ちなみに手帳型ミントセットとは、ケースがパスポート風のデザインになっているミントセットのことです。中には記念硬貨の他に、100円、50円、10円、5円、1円が入っています。

この1972年の札幌オリンピックは、冬季オリンピックとしてはアジア圏で初の開催となりました。この競技大会で日本は、スキー70メートル級ジャンプ競技にて金メダルを獲得しています。

沖縄海洋博覧会記念100円白銅貨

沖縄海洋博覧会記念100円白銅貨

  • 材質:銅750/ニッケル250
  • 直径:22.6mm
  • 重さ:4.8グラム
  • 発行年:1975(昭和50)年
  • 発行枚数:1億2,000万枚
  • 表面:守礼門、穏やかな波/裏面:シンボルマーク、イルカ

小売での参考価格

  • 100円〜

昭和50年、沖縄で開催された国際海洋博覧会開催を記念した100円記念硬貨です。
国際海洋博覧会とは沖縄県の本土復帰記念事業として1975年7月〜1976年1月に行われた博覧会のことです。
「沖縄海洋博」、または単に「海洋博」の略称で呼ばれることもありました。
この博覧会には「海汰—その望ましい未来」をテーマとして、全部で36カ国、三つの国際機関が参加しました。

この硬貨のデザインですが、表面は沖縄のシンボルともいえる首里城の大手門である「守礼門」が中心になっています。その下に、紅型(びんがた)という染物に見られる波模様を参考にした「穏やかな波」のイメージが配されています。この紅型とは、沖縄を代表する伝統的な染色技法の一つです。
硬貨の裏面は、海洋博覧会のシンボルマークとマスコットマークであるイルカがデザインされたシンプルなつくりになっています。

国際海洋博100円記念硬貨は、他のものに比べて小型になっています。見た目や大きさから100円銀貨と間違われることも多いですが、こちらは白銅貨です。
また発行枚数も1億枚を超えているため、記念硬貨の中でも、比較的目にすることの多い硬貨です。

昭和天皇御在位50年記念100円白銅貨

昭和天皇御在位50年記念100円白銅貨

  • 材質:銅750/ニッケル250
  • 直径:30mm
  • 重さ:12グラム
  • 発行年:1976(昭和51)年
  • 発行枚数:7,000万枚
  • 表面:二重橋と皇居/裏面:菊の御紋と左右に鳳凰

小売での参考価格

  • 100円〜

この100円記念硬貨は、昭和51年の昭和天皇即位50年を記念して発行されました。
こちらは札幌オリンピック記念100円白銅貨と同じサイズ、同じ重さになっています。
また昭和52年にも追加で発行されており、総発行枚数は7,000万枚です。

硬貨の表面には二重橋と皇居が描かれています。皇居にある二重橋は、桜が満開の春の時期に訪れると、景色と橋が美しく見えるそうです。
裏面には菊の御紋章と左右に鳳凰が配されています。菊の紋を中心にしたデザインになっています。菊の御紋は、花の部分を中心にデザイン化した家紋のことで、天皇家の象徴でもあります。

昭和61年には、昭和天皇の御在位60年を記念した500円記念硬貨が発行されました。大きさや額面の書体などが似ているせいか、額面が500円であると間違えられることの多い記念硬貨です。

新幹線鉄道開業50周年記念100円クラッド貨

新幹線鉄道開業50周年記念100円クラッド貨

  • 材質:銅875/ニッケル125
  • 直径:22.6mm
  • 重さ:4.8グラム
  • 発行年:2015〜2016(平成27〜28)年
  • 発行枚数:各230万〜300万枚
  • 表面:新幹線/裏面:0系新幹線(共通)

小売での参考価格

  • 100円〜

日本の発展を象徴する新幹線鉄道が、平成26年10月1日に開業50周年を迎えたました。
その新幹線鉄道の開業50周年を記念して、平成27〜28年に発行された100円記念硬貨です。

表面には東海道、山陽、東北、上越、北海道、九州、秋田、山形、北陸の各路線を代表する新幹線車両、計9種類がデザインされています。裏面は各種共通で、新幹線の代名詞とも呼べる0系新幹線の正面の姿が採用されています。

コイン単品だけでなく、新幹線記念硬貨をセットにした貨幣セットや地図型のコイン収納ケースなど、コレクターを意識したアイテムも販売されました。
鉄道をテーマにした記念硬貨には、新幹線鉄道開業50周年記念1,000円銀貨があります。こうした鉄道を扱ったデザインのものは、発行から年月が経っても根強い人気があることで知られています。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会記念100円クラッド貨

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会記念100円クラッド貨

  • 材質:銅875/ニッケル125
  • 直径:22.6mm
  • 重さ:4.8グラム
  • 発行年:2018〜2020(平成30〜令和2)年
  • 発行枚数:各394.8万枚程度
  • 表面:各種競技/裏面:大会エンブレム

小売での参考価格

  • 130円〜
    ※競技によって異なる

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を記念して発行された100円記念硬貨です。
競技大会は新型感染症の影響で2020年の開催は延期されましたが、2021年に開催されました。

硬貨は表面が各競技、また東京2020五輪のマスコットキャラクターがデザインされたものがあります。
硬貨の図柄はオリンピック13種類/パラリンピック7種類、計20種類となっています。

2020年東京オリンピック100円記念硬貨は、1次から4次の順に発行されました。
1次(2018年):フェンシング、2次(2019年):空手/スケートボード/スポーツクライミング/サーフィン/ウエイトリフティング、3次(2019年):アーチェリー/カヌー/自転車競技、4次(2020年):サッカー/テニス/バレーボール/ミライトワ

2020年東京パラリンピック100円記念硬貨も、1次から4次の7種類が発行されています。
1次(2018年):ボッチャ、2次(2019年):ゴールボール、3次(2019年):アーチェリー/陸上競技、4次(2020年):自転車競技/車いすラグビー/ソメイティ

記念硬貨は100円玉だけでなく、500円記念硬貨もセットになったコンプリートセット、東京2020オリンピック競技大会記念1,000円銀貨東京2020パラリンピック競技大会記念1,000円銀貨も発行されています。さらに豪華なケースに収納された東京2020オリンピック1万円金貨東京2020パラリンピック1万円金貨と、まさに競技メダルのように金・銀・銅(貨幣)が勢ぞろいしています。

100円記念硬貨まとめ

以上、今までに発行された100円記念硬貨とその価値をお伝えいたしました。
今では記念硬貨といえば500円玉が主流ですが、この先100円記念硬貨が発行されることはあるかもしれません。
では、100円記念硬貨のポイントをまとめてみました。

  • 昭和39年のオリンピック100円記念硬貨は銀貨で、プレミアがつく
  • 昭和39年のオリンピック100円記念硬貨以外は、プレミアはほとんどつかない

100円記念硬貨はほとんどが額面の価値ですが、昭和のオリンピックのものは銀貨です。
この硬貨は銀が含まれているため、額面以上の価値があるんですね。

100円記念硬貨は、どうするのがお得?

これまで、100円記念硬貨の全種類をご紹介しました。
ではこうした100円の記念硬貨、どうすればいいんでしょうか。

すでにご紹介した通り、100円記念硬貨は通貨としてお店で使うことができます。
ですがお店からすれば、100円記念硬貨を使われても扱いに困るのではないでしょうか。
なにより、それが記念硬貨であることを知らない場合も考えられます。
そして100円記念硬貨は大きさ、素材ともに様々なので、自販機での使用もできません。
ですので100円記念硬貨を実際に使用するというのは、現実的な方法ではありません。

どうやら100円記念硬貨は、何かしらの方法で換金する必要がありそうです。
では100円記念硬貨の換金方法として、どんな方法があるのかを見ていきましょう。

銀行へ持参し換金する

銀行で換金をお願いする方法、これが一番確実だと言えます。
現行の100円玉への両替はもちろん、口座に入金することもできます。
しかし確実な方法ではありますが、銀行での換金は額面での交換です。
また銀行によっては、換金する枚数によって手数料がかかることもあります。
ですので、100円銀貨のような額面以上の価値になるものは、銀行換金はもったいないです。

フリマサイトやオークションで換金する

ではフリマサイトやオークション等で、自分で直接売買する方法はどうでしょうか。
スマホで簡単に出品、購入ができるため、身近な方法ですね。
これだと自分で値段を決められるし、取引相手とのやりとりも手軽にできます。

ですが、100円記念硬貨はほとんどが額面か、少しプレミアがつく程度です。
そして発行枚数が多いため、状態の悪いものはプレミアはつきません。
出品手数料や送料によっては、額面を下回る可能性があります。
オークションなどでは、額面を割った落札価格になっているものも散見されます。
何より現行貨幣類の出品を禁止している場合もあるので注意が必要です。

買取専門店で売却する

3つ目として、街でよく見かける買取専門店に持ち込むという方法があります。
買取店では、すぐに見積もりを出してもらえます。
支払いも現金で受け取れることも多いので、即換金が可能です。
また100円銀貨であれば額面以上の買取価格になる所もあります。

ですが100円記念硬貨の場合、買取は額面通り、また買取を断られる場合があります。
せっかく遠くまで足を運んだのに、無駄足になってしまうことも考えられます。
中には手数料を取られてしまい、結果として額面以下になることもあるとか。
100円記念硬貨は買取店に持ち込む場合、事前にお店に確認をした方がよさそうですね。

買取店には郵送専門店もある!

買取専門店には、郵送での買取を専門に行うお店も存在します。
こうした郵送専門店でも、銅製の100円記念硬貨は額面通りか、買取不可のことが多いです。
ですが東京オリンピック記念100円銀貨であれば、店舗型の買取店よりも高価が期待できます。

郵送専門店では、店舗の運営や広告宣伝費などのコストが店舗型に比べて抑えられるため、その分を買取金額に還元することが可能です。
それが店舗型の買取店よりも高価で買取ができる理由なんですね。
それに郵送であれば、近くに店舗がなくても買取を依頼することができます。
買取を検討するなら、郵送専門店を選択肢に入れるのも良いですね。

100円記念硬貨は種類によって換金方法を選ぼう

100円記念硬貨の換金方法を3つ、ご紹介いたしました。
どうやら100円記念硬貨は種類によって向いている換金方法が異なるようです。
ここでは今までの情報を参考に、100円記念硬貨の換金方法をまとめてみました。

  • ほとんどの100円記念硬貨は銀行で換金するのがいい
  • 東京オリンピック記念100円銀貨は買取店で換金するのがお手軽
  • 額面割れリスクも考慮すれば、オークションやフリマサイトでの換金も可能

以上が100円記念硬貨の換金方法になります。
ぜひ本記事を参考に、ご自身の都合に合わせた換金方法を見つけてください。

またアンティーリンクでは、LINEを使用したオンライン査定を行っております。
100円記念硬貨に限らず、お手持ちの古銭や古札など、お気軽に査定依頼くださいませ。

最後に、この記事では100円の記念硬貨をとりあげました。
普通の100円玉については、こちらの記事にてご紹介しています。こちらもぜひご覧ください!