ホログラムのない一万円札は偽札?価値と役割を徹底解説

ホログラムのない一万円札は偽札?価値と役割を徹底解説
ホログラムが初めて採用されたのは、2004年(平成16年)に発行されたE号券からです。福沢諭吉の肖像画の右下にホログラムが導入され、偽造防止の手段として注目されました。

それ以降は一万円札と五千円札にホログラムが採用され、安全性が向上しました。

この記事では、ホログラムのない一万円札の価値や役割、新一万円札のホログラムについて詳しくご紹介します。

一万円札のホログラムとは

一万円札のホログラムとは

一万円札のホログラムとは

ホログラムとは、レーザーを使って立体的な画像を表示する技術です。見る角度によって違った模様が見えるため、偽造防止に有効とされています。

ここでは、一万円札へのホログラム導入経緯について詳しくご紹介します。

ホログラム導入の目的

ホログラムとは、レーザーを使って立体画像を記録する技術です。

ホログラムを導入する目的は偽造防止です。
技術の進化によって紙幣を印刷して偽装する手口が巧妙化したことで、偽装できない紙幣・硬貨の刷新が必要になりました。

ホログラムは、光の反射で見る角度によって色や模様が浮かび上がるため、コピー機やプリンターで再現することは不可能です。

2004年(平成16年)に発行された福沢諭吉1万円札に初めて導入されたホログラムは、下図のように見る角度によって3段階に画が切り替わります。

3段階切り替わるホログラム(福沢1万円)

3段階切り替わるホログラム(福沢1万円)

2024年の新札に3Dホログラムが導入

新しい一万円札は、20年ぶりに新しい紙幣として3Dホログラムが採用されました。

3Dホログラムは、見る角度によってデザインが立体的に動いて見える技術です。これにより、新札からは偽造を防止する効果がアップしました。

渋沢栄一肖像画と周りの装飾にホログラムが施されており、安全性が高まっています。

3Dホログラムの仕組み

2024年7月3日から導入された新しい一万円札は、世界で初めて銀行券に採用された3Dホログラムが使用されています。

先にご紹介したように、ホログラムはお札を傾けると肖像画が立体的に動いて見える仕組みです。肖像画以外のほかの模様も角度によって変わるため、偽造防止として安全性が大幅に向上しています。

ホログラム

新しい一万円札では、ホログラムの形状も変更されました。
紙幣を横長に持ったときに、上から下までつながるように幅12mmの細長いホログラムが配置されています。

一万円札の場合、ホログラムは紙幣の左寄りに配置されており、5000円札ではやや中央寄りに配置されています。このようなデザインの変更により、視覚的なインパクトが強くなり、一層の偽造防止の効果が期待できます。

ホログラムの役割

ホログラムの役割は、偽造防止だけではありません。
新しい一万円札にはユニバーサルデザインが施されており、ホログラムとすき入れの形や配置を券面ごとに変えているため、券種が識別しやすくなっています。

目の見えない方や高齢者の方でも紙幣の識別がしやすくなるため、利便性も向上しています。

コミケで「偽札騒動」!? ホログラムのない旧1万円札が原因だった

2013年12月29日から31日まで、東京ビッグサイトで「コミックマーケット85」(通称コミケ)が開かれました。その初日、ツイッターで「コミケで偽札が出回っている!」という情報が広まり、ちょっとした騒ぎになったことを記憶されている方も多いのではないでしょうか。

この騒動の発端は、ある人が2枚の1万円札の写真をアップして、「ホログラムがない1枚が偽札だ」といった投稿でした。

しかし、ネットでは「それは偽札じゃなくて旧1万円札じゃないの?」という意見も多く見られました。

福沢1万円札は2004年に新しくなり、ホログラム(角度を変えると光る模様)が追加されましたが、それ以前のお札にはホログラムがないのです。

そのホログラムのない古いお札も今でも使えますが、見たことがない人も増えているのが実状です。

今回の騒動は、そんなホログラムのない旧札を見たことがない人が「偽札かも?」とツイートしたことがきっかけでした。この情報が広まって「コミケに偽札があるらしい」と心配する人が増えたのです。中には「偽札が出たブースが警察に調べられるのでは?」と運営を心配する声もありました。

ただし、コミケの運営は「偽札が出たという事実はありません」と発表し、単なる勘違いであったことが分かりました。

今回の騒ぎは、ちょっとした誤解から広がったものでしたが、普段見慣れないお札でも焦らず確認することが大切ですね。

2種類の福沢諭吉1万円札

2種類の福沢諭吉1万円札

2種類の福沢諭吉1万円札

日本の紙幣は、発行順にAから始まるアルファベット記号で区別されています。現在流通しているのは「F券」で、その前に発行されていたのが「E券」です。

発行時期によってそれぞれ特徴を持っています。E一万円券は平成16年に発行され、D一万円券は昭和59年に発行されました。

ここでは、2種類の福沢諭吉一万円札について、特徴や違いをご紹介します。

平成16年に発行されたE一万円券

平成16年(2004年)に発行されたE一万円券は、表面に福沢諭吉の肖像画があり、裏面には鳳凰像が描かれています。

 

 

参考:福沢諭吉 新10,000円札(ホログラムあり) の買取価格

このデザインの紙幣は、偽造防止のためにホログラムが導入されており、光の反射により模様が見えるようになっています。
E一万円券はホログラムが施されたことによって以前よりもセキュリティが強化され、偽造が困難になっています。

昭和59年に発行されたD一万円券

昭和59年(1984年)に発行されたD一万円券は、表面に福沢諭吉の肖像画があり、裏面にはキジが2羽描かれています。

 

 

参考:福沢諭吉 旧10,000円札(ホログラム無し) の買取価格

当時はまだホログラム技術がなかったため、この紙幣にはホログラムが施されていません。
記番号は当初は黒色で印刷されていましたが、平成5年(1993年)12月以降は褐色で印刷されるようになりました。

一万円札はその後、E一万円札や現行の一万円札が導入されるとともにデザインやセキュリティが進化しています。

ホログラムのない福沢諭吉の一万円札の価値

ホログラムのない福沢諭吉の一万円札(D一万円券)は、一般的に旧一万円札と呼ばれ、コレクターの間では人気のお札として知られています。希少価値が高く、額面以上の価値が付くことも。

ホログラム付きの新券が発行されてから旧券の流通量が減少したため、手に入れることが難しくなり、価値が上がりました。そのため、保存状態が良い旧一万円札は、オークションやコレクターの間で高値で取引される傾向にあります。

まとめ

まとめ

ホログラムのない一万円札は偽札ではありませんが、価値や役割は時代によって変化しています。
昭和59年や平成16年に発行された福沢諭吉の旧一万円札は市場で高い人気があり、状態や価値が付く特徴を持つ場合には額面以上の値が付くことがあります。

ホログラムの導入によって、偽造防止の効果が上がり、セキュリティが大幅に向上しました。旧一万円札の希少価値が高まる一方で、新しい一万円札はより安全で使いやすくなっています。

新一万円札の登場によって旧一万円札を手に入れたい方や、持っている旧一万円札の価値を知りたい方は、ぜひアンティーリンクにご相談ください。
旧一万円札の販売状況やお持ちのお札の価値を鑑定・査定させていただきます。