紙幣の状態の分類について


買取価格一覧の紙幣でよく見る「極美品」「美品」「並品」って、どうやって判断したら良いんですか?


では今回は、紙幣の状態の等級付けについて解説をしていきたいと思います。


助かります〜!


査定や買取の際に、参考にしていただければ幸いです。

※国際的な定義を参考にして作成した記事のため、弊社独自の基準ではありません。また他社様などではこの限りではない場合もございます。あらかじめご了承ください。

[監修/執筆:渡邉 博

実際に写真で見比べてみよう

紙幣は、状態の良しあしが価値に直結します。

コインと比べると紙幣は文字通り素材が紙ですから、劣化もしやすいです。そのため、状態の良い紙幣には高い価値がつくのです。

実際に、板垣100円札を状態別に見比べてみましょう。

未使用品

板垣100円札 未使用品


こちらは「未使用品」を光に透かしたものです。

紙幣の状態は、光に透かすことでよりわかりやすくなります。

未使用品はその名前の通り、誰にも使われたことのない状態のことで、発行機関・銀行・公衆などが取り扱った形跡が一切ありません。

光に透かしているので、わかりづらいかもしれませんが、紙の変色汚れも一切なく紙質もしっかりとしています。
角の部分も丸くなっておらず、ふちも鋭利になっています。

POINT

  • 紙の変色がない
  • 汚れがない
  • 紙質がしっかりしている
  • 紙のふちが鋭利になっている

準未使用品

板垣100円札 準未使用品


こちらは「準未使用品」を光に透かしたものです。

板垣100円札 準未使用品


赤い丸印のところを見てください。紙幣の中央に、折り目があるのがわかりますか?


本当だ!中央に折り目がありますね。

準未使用品は若干の使用感はありますが、ほぼ未使用品に近い紙幣です。
銀行で枚数を数える際の折り目が角にあるか、中央に薄い折り目がひとつだけある状態のことを指します。
紙も元の明るい光沢があり、シワや汚れもありません。角やふちも鋭利でくっきりとしています。

POINT

  • 折り目がひとつだけ
  • 紙の変色や汚れがない
  • 紙質がしっかりしている
  • 紙のふちが鋭利になっている

ただし、角と中央の折り目が両方ある場合は、「極美品」となります。
中央の折り目が濃い場合も「極美品」となります。

極美品

板垣100円札 極美品


こちらは「極美品」を光に透かしたものです。

板垣100円札 極美品


赤い丸印のところを見てください。


これは縦の折り目が、3本ありますね!

極美品は多少の使用感はありますが、かなり綺麗な状態の紙幣です。
複数の軽い折り目があるか、またはひとつの強い折り目がある場合があります。

紙の変色や汚れも一切なく、紙質もしっかりとしています。
角の部分も丸くなっておらず、ふちも鋭利になっています。

POINT

  • 折り目が複数ある
  • 紙の変色や汚れがない
  • 紙質がしっかりしている
  • 紙のふちが鋭利になっている

美品

板垣100円札 美品


こちらは「美品」を光に透かしたものです。

板垣100円札 美品


今までのものと違い、折り目がたくさんあるのが見てわかると思います。


折り目がかなり目立ちますね…。

美品の紙幣の場合、状態は良いのですが、摩耗や取り扱いの跡が多くあります。
折り目は垂直方向と水平方向に複数ある場合があります。
紙の汚れや色の滲みは最小限で、そこまで目立ちません。

紙自体はまだ比較的しっかりしていて、へろへろではありません。
ふちはわずかに摩耗していますが、裂け目はありません。
角の部分にも若干の摩耗がありますが、完全な丸みはありません。

POINT

  • 目立つ折り目が複数ある
  • 摩耗や取り扱いの跡が多いが、汚れはあまりない
  • 紙質はヘタっていない
  • 紙のふちはわずかに摩耗している

並品

板垣100円札 並品


こちらは「並品」を光に透かしたものです。


先ほどの美品よりも、ランダムに多くの折り目が入っていますね。

並品は多くの折り目、ヨレ、シワがある、流通していたことを示す紙幣です。
過度に汚れてはいませんが、多少の柔らかさがある場合があります。

板垣100円札 並品


赤い丸印をご覧ください。小さな破れがあります。

ただし、裂け目がデザイン面まで到達はしていません。
過度の折り、たたみによっては折り目中央に小さな穴ができますが、それはありません。
色ははっきりとはしていますが、少し色褪せていて、あまり明るくはありません。
保管時のホッチキス穴が、1~2個ほど開いている場合もあります。

POINT

  • 多くの折り目、ヨレ、シワがある
  • 摩耗や取り扱いの跡が多い
  • 紙質が柔らかくなっている
  • 紙に小さな破れがある

劣品以下

板垣100円札 劣品以下


こちらは「劣品」を光に透かしたものです。


良くない状態なのが一目瞭然ですね…。

板垣100円札 劣品以下


赤い丸印をご覧ください。


小さな穴が複数と、かなり破れちゃってますね。

紙幣中央付近に、小さな穴が3つ並んでいます。これは過度の折りたたみによってできた、小さな穴です。
そして紙幣下部には、裂け目があり、デザイン面まで到達しています。

紙の変色がはっきりと見られ、目立つシミや汚れがあります。
紙質はかなりへろへろになっていて、角の部分にも多くの摩耗と丸みが見られます。

破れがあっても、完全に紙が千切れていないものは劣品ですが、千切れて分割されているものは劣品以下という扱いになります。
また、テープなどで修正しているものも劣品以下となります。

POINT

  • 多くの折り目、ヨレ、シワ、穴がある
  • 破れがデザイン面まで到達している
  • 紙質がヘタっている
  • 紙のふちに丸みがある

まとめ

最後に、全体の要点をおさらいしていきたいと思います。

まずは光に透かして、状態を確認する。

  • 未使用品…一切のシワやヨレなどのないピン札
  • 準未使用品…中央に薄い折り目がひとつだけある
  • 極美品…中央に濃い折り目がひとつか、薄い折り目が複数
  • 美品…垂直か水平方向に折り目が複数あるが、紙のふちがくっきり
  • 並品…折り目も多数あり、破れもあるが、破れがデザイン面まで到達していない
  • 劣品(以下)…見るからに色褪せていて状態も悪く、破れがデザイン面まで到達している

なお、もっと細かく分類される場合などはこの限りではありません。
あくまでも参考にしていただければ幸いです。

紙幣の状態は様々ですので、個別のお問い合わせがありましたら、LINEでの無料査定も随時承っております。