天保通宝の母銭の見分け方を解説!

日本を代表する古銭の天保通宝は、現存する枚数が多いため高い価値は付きません。
しかし、母銭になると話が変わります。
母銭は現存する枚数が少ないため、高い価値が付きます。
天保通宝の母銭は、側面の刻印・文字の彫り・穴の仕上がり・大きさの4点で見分けます。
この記事では、その4点を写真付きで1つずつ解説します。
お手元の天保通宝を並べながら読んでみてください。
なお、天保通宝の価値や歴史については「天保通宝の買取価格表」のページで紹介しています。
この記事でわかること
目次
側面の刻印で、天保通宝の母銭を見分ける
天保通宝の母銭には、基本的に側面の刻印がありません。
母銭と通用銭を見比べてみると、側面の様子が大きく違います。
写真の左側が母銭、右側が通用銭です。


なぜ母銭には刻印がないのでしょうか。
理由は、母銭が通用銭として世の中に出回っていなかったからです。
この刻印は、一種の本物保証という役割をしていました。
そのため、流通するはずのない母銭には刻印を打つ必要がなかったのです。
通用銭でも刻印が消えていることがある
下記写真の4枚のうち、母銭は一番左だけで、残りの3枚は通用銭です。

この3枚は、長い年月のあいだに側面が少しずつ削られ、刻印が消えています。
このように、側面だけでは母銭かどうかを判断できないこともあります。
そのため、側面だけで判断せず、次に紹介する見分け方もあわせて確認してください。
文字の彫りと書体で、天保通宝の母銭を見分ける
天保通宝に刻まれた文字の深さや大きさを見ることでも、母銭を見分けられます。
母銭は彫りが深いと言われています。
とはいえ、彫りが深いと言われても、実物を見ないと分かりにくいものです。
写真で比べてみましょう。

右が天保通宝の母銭です。
少しわかりにくいですが、よく見ると全体的に字が細く、書体がしっかりしています。
さらに、肌(古銭の表面)の細かい凹凸も少なく、とてもきれいです。
裏面を見ると、違いはさらに分かりやすくなります。

右側が母銭
母銭のほうが書体がきれいに残っているのがわかると思います。

特に裏面の下にある花押が、母銭では細部まではっきりしています。
やすりの仕上がりと大きさで、天保通宝の母銭を見分ける
天保通宝の母銭を鑑定するときは、さらに細かい部分も確認します。
母銭と通用銭は、中央の穴の仕上がりと大きさにも違いがあります。
中央の穴の側面がきれいかどうか
母銭は通用銭と違って、穴の側面がとてもきれいに仕上げてあります。

細かいところまでやすりをかけて仕上げていたことが、写真から分かります。
母銭は通用銭より少し大きい
天保通宝の母銭は、通用銭より少し大きくなっています。
母銭を型にして通用銭を作っていたため、通用銭は母銭より小さく仕上がります。

大きさで母銭かどうかを判断することもできます。
ただし、天保通宝は江戸時代当時に作られた偽物が多いため、大きさだけで決めるのは避けてください。
ここまでの4点をあわせて確認すると、母銭かどうかを判断しやすくなります。
【番外編】明らかに異質な天保通宝の錫母銭(すずぼせん)

天保通宝の母銭には、明らかに異質なものがあります。
それが錫母銭で、名前と見た目のとおり錫(すず)でできた母銭です。
錫母銭は、普通の母銭より6倍も高く取引されています。
江戸幕府は、天保通宝を次の順番で作っていました。
- 木を彫ってデザインを決める(彫母銭)
- 錫製の天保通宝を試作する(錫母銭)
- 問題がなければ、銅で母銭を作る(銅母銭)
- 銅母銭をもとに、通用銭を大量に作る(通用銭)
つまり錫母銭は、ここまで紹介した母銭のもとになる「母銭の母銭」です。
さらにその前には、木を彫って作った彫母銭があります。
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