天保通宝の種類について解説
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古銭といえば、天保通宝ってくらいには有名ですよね!
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骨董市などでよく見かけますよね。
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と言うことは、あまり価値はないんでしょうか?
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ほとんどの場合、そこまで大きな価値はありませんが、物によってはレアな物がありますよ。では今回は、天保通宝の種類とそれぞれの価値について解説していきましょう。
[監修/執筆:渡邉 博]
目次
そもそも天保通宝とは?
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江戸時代末期から明治にかけての日本で流通しました。
※なお、明治に入ってからは約80文で通用。
見た目は、小判型の中央に正方形の穴を開けた、銀製の穴銭です。表面には「天保通寳」裏面には「當百」という文字が刻まれています。
天保通宝自体、価値が高いものではありませんが、製造された年代や地域で少しずつデザインの特徴が違い、種類によっては高額での取引になります。
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ただし、幕府が公式に発行した天保通宝はそのうち4種類のみです。
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いったいどういう事ですか?
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ここからは順を追って、天保通宝の種類をそれぞれご紹介いたしましょう。
希少価値のある母銭と、幕府が発行した4種類
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本座とは、幕府が公式に製造したものであることを示します。
母銭とは、銭貨を製造する際、型を取るための元(見本)となるもので、通常銭に比べるとわずかに大きく文字も鮮明という特徴があります。
また、希少価値があるため買取額が高いことで有名です。
本座長郭(ほんざちょうかく)
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製造年:1835年(天保6年)
長郭は、中央にある穴の形が縦長です。
刻まれている天保通寶の文字の、【天】が右寄りです。また、【通】の【甬】部分と、【寶】の【貝】部分の横幅が狭く書かれています。
本座細郭(ほんざさいかく)
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製造年:1835年(天保6年)
細郭は、穴の縁が細く、ほぼ正方形です。
【通】の【甬】部分と、【寶】の【貝】部分がやや横長で、【當】の【田】部分がやや小さいです。
本座広郭(ほんざこうかく)
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製造年:1845年(弘化2年)
広郭は、穴の縁が広く、一番太いです。
文字の特徴は長郭と同じです。
本座中郭(ほんざちゅうかく)
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製造年:1866年(慶應2年)
中郭は、穴の縁が少し太いです。
文字の特徴は長郭と同じです。
本座中郭の母銭は存在している数が少なく、たいへん希少です。
以上この4種類が、幕府が公式に製造した天保通宝になります。
次に、当時の各藩が、幕府の目を盗んで密造した20種類をまとめました。
各藩で密鋳された天保通宝
本来、貨幣は江戸幕府のみ鋳造することができたのですが、当時の各藩は、幕府の目を盗み密造を行っていました。
各藩でつくられた偽物は、「密鋳」と呼ばれています。
藩による天保通宝の鋳造は幕府から禁止されていましたが、水戸藩は幕府に認められ、鋳造を行なっていたとされています。
そのため、水戸藩鋳銭は、江戸幕府から正式に鋳造が認められた天保通宝です。
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しかし、実際に高値で取引をされているのは偽物たちなのです!
それでは、それぞれの各藩が密鋳した天保通宝を解説をしていきます。
水戸藩鋳銭 水戸大字
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【當】の【ツ】の部分がすべて冠に接しています。
水戸藩鋳銭 水戸短足寶
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【寶】の【ハ】部分が丸く短くなっています。
水戸藩鋳銭 水戸濶字退寶
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【寶】が右へ退いています。
薩摩広郭
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【通】の【辶】部分がやや角度をつけて伸びています。
薩摩短尾通横郭
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文字が大きく立派で【通】の【辶】部分が短めです。
高知額輪短尾通
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【通】の【辶】部分が短めです。
なお、「額輪」とは、輪と郭の高さが字の彫りよりも高いという意味をさしています。
秋田広郭
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文字が縦長で、花押が大きいです。
秋田長郭
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南部銅山手
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【通】の【用】部分の角が大きく、【寶】は縮んでいるように見えます。
盛岡銅山富百文の通字に似ているため、銅山手の名が付きました。
南部小字
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南部大字
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会津広郭長足寶
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【寶】の【ハ】部分が長い。
会津長貝寶
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【寶】の【貝】部分が縦に長いです。
山口大字平通
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山口方字
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山口曳尾
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花押しが左下にやや下がっています。
福岡離郭
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【百】が尻すぼみになっています。
岡痩通
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特に【通】が痩せていて、狭いです。
おまけ:盛岡銅山
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鋳造数が少なく、希少価値の高いものになります。
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以上が、各藩でつくられた天保通宝になります。
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もしお手元に天保通宝があれば、査定依頼に出してみることをオススメします!
買取をしてもらうための注意点!損しないためには?
種類によっては高い価値の望める天保通宝ですが、損しないために、これだけは知っておいてください!
研磨剤、ブラシなどで磨かない
これは天保通宝に限った話ではありません!
高温多湿の場所に置いておくと、劣化してしまいます。
できる限り素手で触らずに、ケースなどに入れて保管しておきましょう。
また、古銭は洗う必要はありません。
下手に綺麗にしようとすると、古銭に傷がついてしまい価値が大幅に下がってしまいます。
そのままの状態にしておきましょう。
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以上、天保通宝の種類について解説しました!
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▶︎天保通宝と同じく、江戸時代に広く使われていた寛永通宝については、こちらで特集しています。
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