天保五両判金の価値は? 重さを使った偽物の見分け方
実家の蔵から小判が出てきたのですが、少し大きいのが混じっているんです。もしかして偽物ですか?
それは天保五両判金かもしれませんね。
五両判なんてものがあるんですね。他の小判よりも高いんでしょうか?
1両の小判よりも買取価格は高くなります。今回は天保五両判金について詳しく解説していきましょう。
目次
天保五両判金とは
小判は1両、大判は10両と決められているなか、5両分の判金として作られた特殊な貨幣です。
極印などのデザインは小判と共通です。
表は一面に「たがね打ちござ目」が並び、上部に「扇形の桐紋」、額面の「五两(ごりょう)」の文字、下部にも「扇形の桐紋」があり、その近くに「光次」の花押が打たれています。また、中央左右に「丸枠の桐紋」がありますね。
裏は中央に「花押」があり、左下には小さな「験極印」、右上には時代を示す「保」の字があります。
天保五両判金の基本情報
- 重さ: 33.75g
- 品位: 金842/銀158
- 発行年: 1837年(天保8年)
天保五両判金の買取価格
極美品 |
---|
100万円 |
本当の価値は五両以下?
名前の通り5両の価値がある金貨として作られたのが天保五両判でした。ですが、実際には5両分の金が含まれていなかったのです。
同時期に使われていた天保小判は重さ11.20gで、そのうちの56.8%が金ですから、6.2g程度の金が含まれています。
対して、天保五両判は33.75gのうち84.2%が金です。つまり、金の重さは28.3g程度ということになります。
1両で6.2gなら、5両で31gはないと計算が合いませんよね。
なぜこのようなズレが起きているのでしょうか?
五両判金のねらいは金の回収
天保五両判金が作られた本当の狙いは、小判として市場に出回っている金の回収でした。
小判5枚と天保五両判金1枚を交換した場合、五両判を渡した幕府が金を少し多めに手に入れます。このレートで交換を繰り返すことで金を回収するねらいがあったのです。
しかし、この目論見は失敗に終わりました。天保五両判金に5両分の価値がないと商人によって見破られてしまったのです。この事実に気付いてしまえば、天保五両判金を欲しがる人も当然いなくなります。
結局、天保五両判金は市場にほとんど出回ることなくその役目を終えました。
同時期に作られていた天保小判
金の使用量を増やすことなく品位を上げるために小型化されています。
裏面の時代印には「保」の字が使われており、「保字金」とも呼ばれます。
天保以前の小判は、金属を槌で叩いて伸ばしていましたが、天保小判はローラーで潰して伸ばすようになりました。
そのおかげで仕上がりは平坦で綺麗になり、品位の低さを感じさせない美しさになっています。
- 重さ: 11.20g
- 品位: 金568/銀432
- 発行年: 1819年(文政2年)
極美品 鑑定書あり | 極美品 鑑定書なし | 美品 |
---|---|---|
140,000円 |
135,000円 |
125,000円 |
天保五両判金の偽物の見分け方
天保五両判は高額な貨幣だっただけに偽物も多く作られました。
安全に取引を進めるためにも、偽物の見分け方を知っておきましょう。
天保五両判の偽物の見分け方は以下の通りです。
- 重さを計る
- 極印を調べる
- 磁石に反応するかを調べる
では、それぞれどのように調べるのか詳しく解説していきます。
重さを計測する
古銭の真贋鑑定においては重さを計るのが効果的です。
小判や大判は素材の量と重さを厳密に決めています。
天保五両判金も同様に重さは均一です。
本物であれば重さは33.75gになります。
微量の誤差はありますが、1g以上のズレがある場合は偽物の可能性大です。
極印の数を調べる
判金の偽物の中でも粗悪なもののなかには、極印の種類や数が異なるものがあります。
これらのデザインもしっかり確認しておきましょう。
天保五両判金の極印の数は表面に6つ、裏面にも4つで計10個です。
もし、ひとつでも少なかったり種類の違う極印があれば、その天保五両判金は偽物です。
磁石に反応するかを調べる
天保五両判は金と銀だけで作られています。
これらはどちらも磁石に反応しない金属です。
つまり、天保五両判は磁石がくっつかない硬貨ということになります。
ですが、偽物は高価な金銀を減らして他の金属を使います。
なので、鉄のような強磁性の金属を使っている偽物は磁石で判別可能です。
磁石を近づけて反応するようであれば偽物で確定です。
天保五両判金を高く売るポイント
天保五両判を高く売るためには、古銭としての価値を下げないように注意しましょう。
そのためには、古銭を傷つけないことと、酸化を防ぐことが重要です。
五両判の価値を下げないために以下のポイントに注意してください。
- 古銭を磨かない
- 試金石は使わない
- 酸化を防ぐ
では、なぜこれらの行動に注意すべきなのか詳しく解説していきます。
古銭は磨くと価格ダウン
そのせいか、古銭を綺麗に見せるために磨く人もいますが、それは逆効果です。古銭の価値の判別基準は製造当時の状態を残しているかどうかです。
古銭を磨いてしまうと、加工された品物という扱いになってしまいます。
こうした磨きや洗浄の痕跡は、古銭に見慣れた人であれば必ずわかります。
買取価格は下がってしまうので磨きは厳禁です。
試金石は絶対に使わない
試金石というのは、金を傷つけて金メッキかどうかを調べるというものです。
傷がついた古銭の買取価格は、当然のことながら大きく下がります。
ちょっとした傷であっても見る人が見ればすぐにわかります。
どんなに小さい傷でも古銭鑑定に慣れた人の目はごまかせません。
金貨の真贋がわかっても買取価格が落ちては意味がないですよね?
空気に触れない保存法を用意
空気に触れることによって起きる酸化が古銭を劣化させるんです。
つまり、古銭を高く売るためには空気に触れないように保管しないといけません。
小判のように褒賞や贈答にも使われた古銭の場合、専用の桐箱に入っていることもあります。
もし箱があるのであればそのまま箱に入れておき、取引する際にも箱ごと売却しましょう。
箱が無い場合は、まず小判が割れないように厚紙やフィルムで補強してください。
さらに、ファイルや袋に入れてしっかりと封をしておきましょう。
長期間保管するのであれば、湿気によるカビを避けるためにも通気の良い暗所がおすすめです。
天保五両判金はどこで売るべき?
天保五両判を高く売るためには、どこで誰に売るのかも考えないといけません。
古銭取引でよく使われるのは以下のような方法です。
- ネットオークション
- フリマアプリ
- 古銭専門買取業者
では、それぞれのメリットとデメリットを解説していきましょう。
ネットオークション(ヤフオクなど)
100万円を超えるような高額商品の落札履歴も多く残っています。
貴重な古銭であれば高額でも入札してくれるコレクターが多く、少しでも高く売りたい人向けの方法です。
ただし、落札後に手数料を差し引かれる点は考慮しないといけません。
手数料は落札価格の10%程度のところが多く、高額商品ほど手数料も高くなる仕組みです。
今回解説している天保五両判であれば、手数料として10万円以上かかる可能性もあります。
せっかくの高額落札であっても、手数料を踏まえたら買取に出したほうが高かったというケースも少なくありません。
フリマアプリ(メルカリなど)
相場の価格に手数料の分を上乗せしておけば、損をすることはありません。
ですが、天保五両判金のような高額商品は買い手が付きにくい傾向があります。
元々、個人取引で商品を手ごろに手に入れたいユーザーが多く、値引き交渉も当たり前です。
そのなかで100万円を超えるような古銭はなかなか注目されづらいものです。
確実に利益は得られますが、売れるまでに時間と手間がかかるため、すぐに売りたいという人には向かない方法と言えます。
古銭専門買取業者
古銭専門をうたっている業者であれば、古銭の鑑定士も必ず所属しています。
そのため、査定の精度は高く、古銭の状態も踏まえた適正価格を提示してもらえます。
古銭を送ってしまえば査定から買取まで一任できるので手間もかかりません。
取引の手間を省きつつ、適正な値段で売りたい人向けの方法です。
天保五両判金を売るならアンティーリンクに
天保五両判金についての解説は以上となります。
記事内でも解説したように、通常の小判よりも大型の金貨として買取価格も高くなる古銭です。
状態が良ければ100万円近い価値がつく商品なので、リスクが高い個人での取引は極力避けることをおすすめします。
取引上のトラブルを避けるためにもプロの鑑定士を頼ってください。。
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