サイズ・重さ:不定
素材:銅、鉄
※裏面の絵柄は、画像のもの以外にも多数あります。
寛永通宝は100種類以上あるといわれ、数円のものから100万円を超えるものまで価値に大きな差があります。
値段を分けるのは、母銭かどうかと、通用銭の書体の違い(手変わり)の2点です。
この記事では、価値の高い寛永通宝の見分け方を写真つきで解説します。
この記事でわかること
- 古銭鑑定士
-
2012年、古銭買取専門店「アンティーリンク」を創業し、古銭の買取・販売を始める。
2022年、日本唯一の古銭鑑定機関「貨幣商協同組合」に加盟
現在は古銭鑑定士として、テレビ等メディア出演多数
▶︎詳しいプロフィール
- 2026年9月9日昭和100年記念硬貨
- 2025年1月19日100円銀貨の価値100円銀貨
- 2025年10月17日オリンピック記念東京オリンピック記念1000円硬貨(1964年)
- 2021年8月18日アメリカ貨幣アメリカ シルバーイーグル1ドル銀貨(United States American Silver Eagle 1 Dollar)
目次
価値の高い寛永通宝とは?
寛永通宝は一見どれも同じように見えますが、実は100種類以上あるといわれています。
価値のないものですと数円~数十円ですが、高いものですと100万円以上の価値になることもあります。
価値のあるものを見分けるためには、寛永通宝を分類する必要があります。
とはいえ、いきなり分類と言われても、何からしてよいか分かりませんよね。
まずは、寛永通宝の価値あるものについて確認をしましょう。
寛永通宝で価値があるものは、以下の2つに分類されます。
寛永通宝で価値の高いもの
- ①現存枚数が少ない通用銭
- ②母銭
ところで、この通用銭とか母銭とか、何をさすのでしょうか。
寛永通宝の価値を知る上で、この2つは重要なキーワードです。
ですので分類を始める前に、簡単に寛永通宝についてご説明いたします。
その中で、通用銭と母銭についてご説明いたします。
寛永通宝(寛永通寶)の基本情報

本日の価値
- 通用銭:1gあたり2.5円(1枚あたり平均10円)
- 母銭:5,000円~100万円※種類・状態による
寛永通宝は、江戸幕府が成立して間もない1626(寛永3)年から1868(明治元)年まで、約240年間にわたって発行されていました。
古銭の代名詞といっても過言ではないほど有名な古銭の1つといえるでしょう。
1668(寛文8)年までのものを古寛永、1669(寛文9)年以降のものを新寛永と呼んでいます。
江戸時代が終わるまで製造され、明治期まで広く流通していた貨幣です。
そのため、掲載写真のものに限らず、鋳造場所や時代によって字体や裏面の絵柄もさまざまです。
寛永通宝は小判金と異なり、流通を目的とした貨幣です。このような貨幣を通用銭と呼びます。
そして通用銭である寛永通宝は大量に製造されたため、ほとんどのものは価値がありません。

ですがこうした通用銭の中にも、書体やデザインが異なる”手変わり品“と呼ばれるものは残存枚数も少ないため価値があります。
手変わり品は、珍しいものだと数万円の市場価値になります。
寛永通宝の通用銭と母銭
以上が寛永通宝の基本情報についてでした。
ではこれらの通用銭はどのように作られるんでしょうか。
寛永通宝は流通を目的としているので、大量に作る必要があります。
そのために鋳型を作り、そこに金属を流しこんで作ることになります。
この鋳型を作るために使われるのが、母銭です。
簡単に言い換えると、通用銭を作るための元となったものが母銭です。
ちなみに通用銭は母銭から作られるため、子銭とも呼ばれています。
実はこの母銭、流通するお金ではないため、当時は価値のないものとして扱われていたそうです。
しかし現在では希少性の高さから、市場での価値は高くなっています。
母銭の価値は低くても5,000円ぐらい、高いものですと100万円以上の価値がつくこともあります。
見分けるときの手がかりになるのが、直径と重さです。
母銭は子銭よりわずかに大きく、重いという特徴があります。
| 種類 | 直径 | 重さ |
|---|---|---|
| 通用銭(子銭) | 約23.3mm〜26.6mm | 約2.2g〜5g |
| 母銭 | 約23.4mm〜28.2mm | 約2.4g〜7.0g |
材質は主に銅・鉄・真鍮です。
通用銭と母銭の見分け方や、種類ごとの実測値については、以下の記事で詳しく解説しています。
価値のある寛永通宝の見分け方(通用銭の手変わり)
ここからは、価値のある通用銭の見分け方について解説します。
見分けるポイントは、表面は「寛永通宝」の書体、裏面は記載された文字です。
寛永通宝の裏面にある文字(文や千など)は、鋳造された場所や鋳造された年代を示しています。

ただし、寛永通宝は種類が多く、正確に見分けるのは非常に難しいので、手っ取り早く価値があるか知りたい方は、弊社の無料ライン査定をご利用ください。
画像を送るだけで、価値があるかどうか鑑定士が査定いたします。
島屋文
まず初めにご紹介するのは島屋文です。
1668年に江戸亀戸村で鋳造が始まった島屋文は、彫りの深さと「ユ」頭通に代表される特徴的な書体で人気を集める寛永通宝のシリーズです。
島屋文は、正字文という価値のない通用銭とよく似ています。
以下が島屋文と正字文の比較写真です。
画像のように、彫りの深さで判断する方法もありますが、実際には摩耗で分かりづらい場合も多いです。
その場合は、以下の3点に注目して確認してみましょう。
通の字を確認する
まず一つ目は「通」の字です。
注目するのは通の字のマの部分です。ここがユであれば島屋文、コであれば正字文です。

永の字を確認する
続いて「永」の字を見ます。

非常にわかりにくいですが、4画目の「く」の字上部のハネ具合を確認してみましょう。
寶の字を確認する
最後は寶の字です。

こちらもわずかな違いです。
一番わかりやすいのは「通」の字ですので、まずはそこを確認してみましょう。
島屋文の無背と背文
続いては島屋文の中の無背と背文の見分け方を紹介します。
島屋文(無背)は弊社で取り扱う場合、美品で6,000円ほどの価値が付きます。
下記の画像を見ていただけると分かるかと思いますが、名前のとおり裏面に何も書かれていないのが特徴です。
続いて、島屋文(背文)ですが、こちらは美品の場合10万円以上の価値になる場合があります。
背文は、裏面に「文」の字が入っているのが特徴です。

もし島屋文が見つかった場合は、裏面を確認してみましょう!
十万坪
続いては十万坪の見分け方を紹介します。

十万坪は表面の縁に「十」の刻印があるのが特徴です。
ですが、十万坪と呼ばれるものの中には、この刻印のないものもあります。
さらに「十」の刻印はあるが、十万坪ではないものも存在します。
こちらのものをご覧ください。

「十」の刻印が裏面に打刻されていますね。
しかも、よく見ると「十」が○で囲まれています。
また、通常「十」の刻印は表面に打刻されますので、これは十万坪ではありません。
ちなみにこの寛永通宝は、通用銭に加工を施した、神社の上棟式にて投げられたものと言われています。
「福銭」とか「上棟銭」と呼ばれるものになります。縁起物ですね。
二水永

続いては、二水永の見分け方を紹介します。
二水永は1626(寛永3)年に鋳造されたものです。
最初に水戸(現在の茨城県)で作られた寛永通宝とされています。
二水永という手替わりは「永」の字が特徴的です。
漢字の「二」と「水」に見えることから、二水永と呼ばれています。
そして他の通用銭と比較してみると、「寛永通宝」の文字が太く、力強い印象です。
これだと、見た目の印象でも分かりやすいですね。
また、裏面に「・」「三」のような文様があるものもあります。

こうした手替わり品(デザインが珍しい品物のこと)も加わると、無背(文様がないもの)に比べて価値が上がります。
宝連輪

宝連輪は、「寶」字の貝画の爪が、外輪と接しているものです。
貝の一番下の横棒(爪)がはみ出て、外輪にくっついています。

この宝連輪は、初期の寛永通宝に見られる手替わりと言われています。
中にはたまたま鋳だまりができて、外輪とくっついているだけのものもあります。
ですので、見分けるのが難しい手替わりの一つです。
幻足寛

「寛」字の足、右側ハネ部分が途中で止まっているものです。
あるいは、ハネ部分の上部が凹んでいる(陰起)ものを言います。
また幻足寛の見られるものは、通常の一文銭より直径が大きいことが多いです。
この幻足寛という呼び名は、古銭を拓本(銭に墨を塗って形状を写し取る手法、魚拓のようなもの)する際、ハネの先が凹んでいるため写しとれなかったことが由来だそうです。

天狗寛永

天狗寛永は「通」字の頭が、天狗の鼻のように上を向いているのが、天狗寛永です。
天狗寛永は、この「通」字以外にも表面、裏面に特徴があります。

表面には、特定の3箇所に「星」(鋳だまり)が出現します。
裏面は「文」字に特徴があります。こちらも鼻のように見えますね。
このすべての特徴を備えたものが、天狗寛永と呼ばれます。
これらの特徴がなく、「通」字のみの手替わりは小天狗とも呼ばれ、価値はありません。
古寛永の異永
異永は寛永通宝の永の字にご注目ください。
3画目と4画目のそれぞれの折れ曲がった部分に大きなズレがあることがお分かりいただけるかと思います。

古寛永の異永
この異永(いえい)と呼ばれる特殊な書体のものだと珍しさがあるため、価値が付けられますので、こちらもよく観察するようにしましょう。
松本銭
松本銭は、信濃松本(現在の長野県松本市)で鋳造された古寛永の一種です。
鋳造されたのは1636年から1659年までの24年間だけで、300年以上発行され続けた寛永通宝のなかでは現存枚数が少ない部類に入ります。
見分けるポイントは「寶」の字です。

松本銭 ス寶

新寛永 ハ寶
「寶」の足の部分が「ス」の形になっているものを「ス寶」と呼び、松本銭を含む古寛永に共通する書体です。
新寛永は同じ部分が「ハ」の形になるため、まずここで古寛永かどうかを絞り込めます。
そのうえで「寶」の字が斜めに傾いている(斜寶)ものは、松本銭の可能性が高くなります。
買取価格は通用銭の美品で1,000円ほど、母銭であれば1万円を超えることもあります。
背一

裏面に「一」の漢字があるものを背一と呼びます。
こちらは素材が銅、鉄のものが存在し、どちらの素材でも価値があります。
背一は一ノ瀬銭とも呼ばれ、紀伊国(現在の和歌山県)で作られました。
一ノ瀬銭には背一の他に、絵柄のない無背というものもあります。
背星

裏面に「・」のような文様の入っているもので、背星と呼ばれます。
この背星は古寛永のうち、二水永と呼ばれるタイプのものに多くみられます。

しかし中には、こんなに星模様のあるものがあります。

こちらのものは大小、さまざまな星ができています。
これは鋳だまりで、流し込んだ金属が偏ってしまうことでできたものです。
何より位置が、本来の背星とは異なります。
こうしたものは背星ではなく、ただの鋳だまりで価値のないものです。
背仙

裏面に「仙」の字が刻まれているものです。
これは仙台石ノ巻(現在の宮城県)で鋳造された寛永通宝です。
こちらの背仙は石ノ巻銭と呼ばれています。
石ノ巻銭には、仙の他に「千」の漢字が配されたものがあります。
こちらは通用銭が鉄銭になっています。
もし銅のものがあれば、母銭の可能性が高いです。
裏面が波模様の寛永通宝
寛永通宝の表面には大きなデザインの違いが見られませんが、裏面はさまざまなデザインが確認されています。
たとえば、こちらの画像をご覧ください。

裏面にそれぞれ波が描かれていますが、波線の数が左右の画像で異なっています。
画像左の寛永通宝は「21波」、画像右は「11波」と呼ばれています。
こうした波模様の寛永通宝、見た目は綺麗ですが、裏面に文字が書かれていないものは基本的に価値のない通用銭です。
ただし21波には「長尾寛」というレアな手替わりも存在します。
裏面が「小」「長」「元」「足」の寛永通宝
寛永通宝の裏面には、さまざまな文字が刻まれます。
こちらの画像をご覧ください。「小」「長」「元」「足」と、色々な文字がありますね。

これらの文字が背中にある寛永通宝は、通用銭であればレア度としては低く、価値も低いものです。
寛永通宝を分類していると、比較的よく目にするものです。
模様やどんな文字が書かれているかで見分けられるので簡単ですよね!
裏面に「長」と書かれた寛永通宝の値段は?
裏面に「長」と書かれた寛永通宝は、「長崎銭(ながさきせん)」と呼ばれます。この銭貨は長崎で鋳造されたことを示しています。正確な鋳造年はわかっていませんが、江戸時代中期から後期にかけて作られたと考えられています。
長崎は江戸時代、唯一の開港地として重要な貿易港でした。この銭貨は、長崎の経済活動を支えるために作られたと考えられており、ほかの寛永通宝と比較すると希少性が高い部類です。
そのため通用銭であれば価値は低いのですが、母銭だと1.5万円~3.5万円ほどの値段が付けられます。
裏面が「文」「佐」の寛永通宝
裏面に「文」や「佐」といった文字が書かれた寛永通宝もあります。

背中に「文」字があるものを3つ表示しています。「文」の字の書体が微妙に異なり、こうした些細な違いでも種類が分けられますが、どれもレアなものではありません。
裏面に「佐」と書かれた寛永通宝の値段は?
裏面に「佐」と書かれた寛永通宝は「享保佐渡銭(佐渡銭)」と呼ばれています。この銭貨は享保2年(1717年)に、新潟県佐渡市にある佐渡相川で作られました。その特徴的な要素として、硬貨の裏面に「佐」の文字が刻まれており、佐渡で作られたことを示しています。
享保の改革の一環として、地方での銭貨鋳造が行われた時期に作られたため、他の寛永通宝と比較して比較的希少性が高く、母銭だと1.2万円~18万円ほどの値段が付けられます。
鉄銭の寛永通宝
寛永通宝の多くは、銅で作られていますが、下の画像のものは、鉄で作られています。
見分け方は簡単で、色が赤茶色で、錆びやすいためボロボロの状態になりやすいです。
こうした鉄製の通用銭は、銅銭に比べるとレアなものは少なく、価値は低い傾向があります。
しかし、四文銭の背ア(安芸藩)、水戸逆トなど、価値のある鉄銭も存在するので、鉄銭=価値が低いわけではありません。

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寛永通宝についてのよくある質問
寛永通宝は価値がありますか?
寛永通宝は種類によって価値が大きく変わります。中には数万円~数百万円になるものもございます。
種類の見分け方がわかりません。どうすればいいですか?
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汚れている寛永通宝はどうしたらいいですか?
磨いたり洗ったりすると、価値が落ちてしまうため基本的にはそのままの状態にしておくことがベストです。ただし、ほこりや水分などが付いてしまった場合は柔らかい布などで優しくふき取ってください。
寛永通宝の分類について、おさらいしましょう
以上、寛永通宝の分類についてお伝えしてきました。
最後にもう一度、それぞれの項目を振り返ってみましょう。
POINT
- 現存枚数が少ない、書体の違う通用銭は価値が高い
- 寛永通宝の母銭は、すべて価値が高い
- 1626年から1868年まで大量に発行されたため、ほとんどの通用銭は価値が付かない
まず寛永通宝は、通用銭と母銭とに分けられます。
通用銭は基本的にほとんど価値は付きませんが、一部の手変わりは高い価値が付く場合があります。
なお、この記事では通用銭の分類を中心にお伝えしました。
母銭の見分け方は、「寛永通宝の母銭の見分け方」でくわしく解説していますので、あわせてご覧ください。
寛永通宝の分類は、ここでご紹介したもの以外にも数多く存在します。
この記事では、そのごく一部、特に分かりやすいものに絞ってご紹介しました。
また、寛永通宝の歴史や、当時の価値について知りたい方は以下の記事がおすすめです。
寛永通宝の売却などに関しては、LINE査定やメールなどからお気軽にお問い合わせください。
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