宝福局 当百
素材:銅
量目:213.44g
直径:71.7mm
宝福局 当二十
素材:銅
量目:36.74g
長径:45.45mm
咸豊通宝 の買取価格
咸豊通宝の買取実績
咸豊通宝 宝福局 当五十 「仙台市のお客様から」
咸豊通宝とは
「咸豊通宝」とは、清代の銭幣の一つで、清の文宗である咸豊年間（1851年-1861年）に鋳造された貨幣です。咸豊は清の文宗の年号です。
咸豊年間には、財政難や太平天国の乱などの影響により、貨幣制度が混乱しました。清政府は、従来の制銭（小平銭）に加えて、財政危機を乗り切るために高額面の貨幣を相次いで発行しました。
額面の種類
これらの咸豊年間に発行された主要な制銭には、以下の七種類の額面がありました。
- 小平（1文相当）
- 当五（5文相当）
- 当十（10文相当）
- 当五十（50文相当）
- 当百（100文相当）
- 当五百（500文相当）
- 当千（1000文相当）
このうちの小平銭の面文に「咸豊通宝」と記されました。つまり「咸豊通宝」という名称は小平銭（1文相当の貨幣）を指すのが一般的です。
小平銭の直径は2.2～2.8cm、重さは2.4～4.2g程度です。
ですが、この時期のものは質が悪く、規定の重さよりも軽いもの（鵝眼銭※）や、粗悪なものが多く存在します。
材質は銅、鉛、鉄などがありました。
高額面貨幣は、一般的に名称が区分されていました。当五・当十・当五十の額面は「咸豊重宝」、当百・当五百・当千の額面は「咸豊元宝」と称されるのが通常です。
宝福局は例外的な存在だったとされています。
宝福局で鋳造されたものの中には、当十から当百の額面を持ちながら「通宝」と称するものがあったとされています。
最も珍稀な例として「咸豊通宝 背大清壹百」（当百）が挙げられます。
宝局
「宝局（ほうきょく）」とは、清の時代に、政府の管理下で銭貨（銅銭）を鋳造していた機関、すなわち「鋳銭局（ちゅうせんきょく）」のことを指します。
咸豊通宝の背文には、鋳造を行った各宝局の名称が満州文字で記されています。
宝局の数は以下の30近い宝局が確認されています。
- 宝泉局（量が多く、版式も多様。母銭や鉄母、雕母も存在。）
- 宝源局（小平銭が確認されており、母銭、鉄母、雕母も存在）
- 宝直局（咸豊元年より小平銭の鋳造を開始）
- 宝蓟局（小平銭は極めて稀少）
- 宝德局
- 宝河局（小平銭は鉄銭が多い）
- 宝济局（稀少。分“尔”宝と“缶”宝が存在）
- 宝晋局
- 宝陕局
- 宝巩局
- 宝苏局（省局の他に分局も在り）
- 宝浙局（流通銭としては小平と当十のみ鋳造）
- 宝昌局
- 宝福局
- 宝台局（流通銭は小平銭のみで非常に稀少）
- 宝武局
- 宝南局
- 宝广局（流通銭は小平銭のみ）
- 宝桂局
- 宝川局
- 宝云局
- 宝东局
- 宝州局（小平銭のみ確認）
- 宝黔局（流通銭として小平銭と当十が存在）
- 宝伊局
- 阿克苏局
- 喀什噶尔局
- 叶儿羌局
- 库车局
これらの多くの宝局で、咸豊通宝（主に小平銭）が鋳造されました。特に宝台局・阿克苏局・宝通局・宝济局で鋳造されたものは稀少とされています。
咸豊通宝の読み方
咸豊通宝の読み方は「かんぽうつうほう」です。
「咸豊」は、清朝の第9代皇帝である清文宗（咸豊帝）の年号（1851年-1861年）です。
「通宝」は、文字通り「流通する宝」という意味で、清朝で広く用いられた貨幣の種類の名称です。
面文は「咸豊通宝」で、多くは楷書体で上から下に読みます。背文には、左右に満州文字で鋳造を行った各宝局名が記されています。
咸豊通宝は小型でかつ薄く粗悪に作られたものは大量にありますが、当百のように大型のものは希少性が高く、買取価格が高額です。
