※中国古銭(穴銭)は同種のものでもサイズ違いがあり、重く大きいほど価値が高まります
こちらでは咸豊重宝の価値と買取価格を中心に、種類や書体など、詳しく解説します。
咸豊重宝をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
咸豊重宝の価値
近年、実際に取引された咸豊重宝の中から、特に高値で取引されたケースをご紹介します。
| 種類 | 取引時期 | 取引額(当時のレート) |
|---|---|---|
| 咸豊重宝 背當五十(宝河局) | 2013年6月 | 約2,100万円 |
| 咸豊重宝 背當五十(宝公局) | 2023年6月 | 約3,860万円 |
| 咸豊重宝 背當百(宝公局) | 2023年6月 | 約8,630万円 |
| 咸豊重宝 背當十寶折(宝折局試鋳 満漢文) | 2010年 | 約340万円 |
| 咸豊重宝 背當五十(宝昌局) | 2023年6月 | 約8,040万円 |
| 咸豊重宝 背一百 五両計重(宝福局) | 2018年 | 約1,460万円 |
| 咸豊重宝 背一百 計重五両(宝福局) | 2022年4月 | 約1億5,000万円 |
咸豊重宝(威豊重寶)とは?
咸豊重宝とは、清王朝の咸豊帝の年代(1851年~1861年)に財政難対策として発行された中国古銭貨幣の一種です。
全国各地の鋳銭局から混乱した状況下で鋳造されたため、種類や個体差が多いのが特徴です。


咸豊重宝の読み方
咸豊重宝の読み方は「かんぽうじゅうほう」です。
重宝という名称は主に当五・当十・当五十の額面の貨幣に使用され、咸豊3年(1853年)から鋳造が始まりました。
咸豊重宝よりも額面が小さい小平銭※には「咸豊通宝」、当百以上の額面には「咸豊元宝」の名称が使用されました。
咸豊重宝の種類
「咸豊重宝」には非常に多くの種類が存在します。
混乱した状況下で鋳造されたという背景があり、多くの要素で違いが生まれました。
また、虚値大銭※としての側面も特徴です。
額面

上下に額面が記載、当五十と読む
「咸豊重宝」という名称が主に記されたのは、以下の額面の貨幣です。
- 当五
- 5文の価値、小平銭(1文銭)の5倍の価値
- 当十
- 10文の価値
- 当五十
- 50文の価値
特に「当十」の「咸豊重宝」は多くの鋳銭局で鋳造され、鋳造量も多かったとされています。
一部の銭局では「重宝」の名称が当百以上の貨幣に使われたり、あるいは本来「重宝」とされる額面に別の名称が使われたりするなどの例外が見られました。
素材による違い
咸豊重宝に使用された主な素材は、以下の通りです。
- 銅銭
- 一般的な黄銅紅銅が使用されました。新疆で鋳造された「紅銭」は、紅銅を原料としており、これには当五十、当百といった額面の貨幣が鋳造されました。
他にも青銅や紫銅も使用された記録があります。 - 鉄銭
- 銅銭の不足を補うために鋳造されました。
- 鉛銭
- 鉄銭と同様に、銅以外の素材として使用されました。
材料复杂,有青铜、黄铜、红铜、紫铜、铁、铅等
また、試鋳貨※には象牙や木製のものもあったとされています。
鋳銭局(宝局)

横方向に宝局名が満州文字で記載
「咸豊重宝」にあたる当五・当十・当五十を鋳造したと記されている鋳銭局は以下のとおりです。
- 宝泉局
- 北京の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造
当五、当四十は試鋳貨とされる
咸豊3年から大銭の鋳造を開始 - 宝源局
- 北京の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造
当四は試鋳貨と考えられる
宝泉局と同様、咸豊3年から大銭を鋳造
- 宝直局
- 直隷省保定府の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造
当五十は非常に希少 - 宝薊局
- 直隷省薊州の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造
当五は非常に希少 - 宝德局
- 直隷省熱河承徳の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造 - 宝河局
- 河南省開封府の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 宝济局
- 山東省済南府の鋳銭局
咸豊4年(1854年)に鋳造を開始
当十が鋳造されたと考えられ希少 - 宝晋局
- 山西省太原府の鋳銭局
当十を鋳造 - 宝陕局
- 陝西省の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 宝巩局
- 甘粛省蘭州の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造 - 宝苏局
- 江蘇省蘇州府の鋳銭局
当五、当十、当二十、当三十、当五十を鋳造
当五十以下の貨幣には「尔」宝と記載
鉄銭も鋳造 - 宝昌局
- 江西南昌の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 宝福局
- 福建省の鋳銭局
当五、当十、当二十、当五十を鋳造 - 宝武局
- 湖北省武昌府の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造 - 宝南局
- 湖南省長沙府の鋳銭局
当十、当五十の祖銭・試鋳貨の記録あり - 宝桂局
- 広西省の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 宝川局
- 四川省成都府の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 宝云局
- 雲南省の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 宝東局
- 雲南省東川府の鋳銭局
当十を鋳造 - 宝黔局
- 貴州省貴陽府の鋳銭局
当十を鋳造 - 宝迪局
- ウルムチの鋳銭局
当八、当十の「咸豊重宝」を鋳造 - 宝伊局
- イリ・カザフの鋳銭局
当四、当十、当五十、当五百、当千を鋳造 - 阿克苏局
- アクス地区の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造 - 喀什噶尔局
- カシュガル市の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 叶尔羌局
- ヤルカンド市の鋳銭局
当十、当五十を鋳造 - 库车局
- クチャ市の鋳銭局
当五、当十、当五十を鋳造
これら以外にも、分局や臨時に設立された鋳銭局でも鋳造されました。
重さ
鋳造開始当初、当十銭の重量が「六銭」と規定されていました。また、当五十銭は一両八銭、当百銭は一両四銭、当千銭は二両と規定されていました。
| 単位 | 換算 | グラム換算(おおよそ) |
|---|---|---|
| 銖 | 基本単位 | 約0.625g |
| 分 | 10銖 = 1分 | 約6.25g |
| 錢(銭) | 10分 = 1銭 | 約3.125g |
| 兩(両) | 10銭 = 1両 | 約37.5g |
| 斤 | 16両 = 1斤 | 約600g |
咸豊重宝にあたる当十と当五十の重さは下記のとおりです。
- 当十:約18.75g
- 当五十:約62.5g
規定はされていたものの、深刻な財政危機と銅不足により、貨幣の規定重量が短期間に繰り返し減らされました。
実際の鋳造においても「同一の鋳銭局内での鋳造時でさえ、大きく異なっていた」状況だったようです。
そのため、実際に鋳造された多くの当十銭がこの規定重量を下回っているおそれが非常に高いと考えられます。
また、「額面の大きさと重さが逆転する」現象まで発生していたとのことです。
書体の違い
咸豊重宝の書体には大きな違いがありました。北京の宝泉局や宝源局だけでなく、各省の鋳銭局がそれぞれ独自の書体で鋳造を行っていたことが記録されています。
鋳造された場所(鋳銭局)や時期によって、楷書、宋体、隷書など様々な書体が用いられており、そのスタイルや字数も個々の銭貨によって大きく異なっていました。
咸豊重宝の買取実績
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