







※中国古銭(穴銭)は同種のものでもサイズ違いがあり、重く大きいほど価値が高まります
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要査定
※中国古銭(穴銭)は同種のものでもサイズ違いがあり、重く大きいほど価値が高まります
咸豊元宝は中国の清朝時代、咸豊帝の年代(1851年~1861年)に発行された貨幣の一種です。
この時代は、太平天国の乱をはじめとする大規模な反乱が起こり、清朝にとって非常に困難な時期でした。
咸豊元宝は、まさにそんな清朝末期の混乱を映し出すかのような、波乱に満ちた歴史を持つお金なのです。
日本の古銭界では一般的に「かんぽうげんぽう」と読まれます。
つまり、「咸豊元宝」の文字の意味は「咸豊」という時代の「元宝」という高額面の貨幣という意味です。
咸豊帝が即位した頃、清朝は深刻な財政難に陥っていました。
反乱鎮圧のための軍費は増大する一方、各地で戦乱が起こり税収は減少するばかり。
さらに、貨幣の材料だった雲南省産の銅が、道路の寸断によって都に運べなくなるという問題も発生しました。
このような状況を打開するため、清政府は「通货膨胀(インフレーション)」政策に頼らざるを得なくなりました。
その一環として、咸豊3年(1853年)に発行されたのが「咸豊大銭」と呼ばれる高額な額面の貨幣でした。
「咸豊元宝」は、この咸豊大銭の中でも特に高額な額面の貨幣(当百、当五百、当千など)に付けられた名称です。
高額貨幣を発行することで、少ない材料で多くの額面の貨幣を作り、財政を補おうとしたのです。
この政策は事実上、国民の富を収奪する手段でもありました。
咸豊帝の時代に発行された貨幣には、主に以下の3つの種類がありました。
他にも、地域によっては当四、当二十、当三十、当八十、当二百、当三百、当四百といった額面も発行されました。
ただし一部の鋳銭局では、当百未満の貨幣でも「元宝」の名称が使われるなど、厳密に名称の区分がされていたわけではなかったようです。
材質も多様で、銅(黄銅、紅銅、青銅、白銅)のほか、鉄や鉛で作られたものもあります。
新疆など一部の地域では、「新疆紅銭」と呼ばれる赤みを帯びた銅銭も発行されました。
上下に額面が記載
「咸豊元宝」にあたる当百以上の貨幣として発行された具体的な額面には、以下のようなものがあります。
币值复杂,有当四、当五、当八、当十、当二十、当三十、当四十、当五十、当八十、当百、当二百、当三百、当四百、当五百、当千十五种
清朝具体钱币介绍(中国政府の公式ウェブサイト)
横方向に満州文字で宝局名が記載
一般的に咸豊元宝と称される、当百(100文に相当)以上の額面の銭貨を鋳造した鋳銭局は、以下のとおりです。
咸豊元宝をはじめとする咸豊大銭は、発行当初から不評でした。
最も大きな理由は、額面どおりの価値がない「虚値」貨幣だったことです。
例えば、額面が「当千(1,000文に相当)」の咸豊元宝でも、実際の銅の価値わずか38文程度しかないこともあったようです。製造コストを計算しても、当千の貨幣の原価は約114文程度だったとされています。
このように、額面と素材の価値が大きくかけ離れる「虚値」現象が起きてしまいました。
また、意図的な材料の減量により、同じ額面でも重さが規定より大幅に軽かったり、小さい額面の貨幣のほうが大きな額面の貨幣よりも重いといった逆転現象も起こりました。
重量变化大,因不断减重而造成轻重倒置 ,最大的“元宝”达2.9公斤(江苏宝苏局),最小的“通宝”形似鹅服,不足1克。当五十的重于当百的,当百的轻于当五十的。
清朝具体钱币介绍(中国政府の公式ウェブサイト)
人々は、当千の貨幣を700~800文、時には500~600文の価値としか見なかったそうです。
当五百の貨幣も、500文ではなく300~400文の価値でしか通用しなかったようです。
このように、額面の大きな貨幣を受け取ると損をするため、割高にして取引したり受け取りを拒否したりしました。
政府は強引に流通させようとしましたが、私鋳銭※(偽物)も横行し、ますます市場の混乱を招きました。
この結果、物価は高騰(インフレ)し、多くの人々の生活が苦しくなりました。
多くの不評と混乱を受け、咸豊元宝を含む高額な額面の咸豊大銭は次々と発行停止に追い込まれました。
最終的に、北京周辺では当十の銅大銭だけが流通を続けましたが、その価値も2~3文程度にまで暴落してしまいました。
「咸豊元宝」の発行は、清朝の財政危機を一時的にしのぐための「苦肉の策」でしたが、国民生活に大きな混乱をもたらし、失敗に終わった政策といえます。
当時の人々には嫌われ、価値が暴落した咸豊元宝ですが、現代では古銭収集家・古銭コレクターの間で高い人気があります。
特に、希少なものや保存状態が良いものは、数万円から数百万円以上もの高値で取引されることもあります。
また、試作されただけで公式には発行されなかった試鋳貨も、非常に希少価値が高いとされています。
古銭の価値は、必ずしも年代の古さだけではなく、「現存する数」と「状態の良さ」によって大きく左右されます。
咸豊元宝は種類が非常に多いこと、そして波乱の時代に発行されたことから、希少なものが多く存在するため、大きな注目を集めているのです。
「咸豊元宝」は、単なるお金としてだけでなく、中国の激動の時代を知る貴重な手がかりといえるでしょう。
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