

重さ:112.4g
品位:金344/銀639/雑17
特徴:ござ目がたがね打 or のしめ打
200万円(税込)
175万円(税込)
重さ:112.4g
品位:金344/銀639/雑17
特徴:ござ目がたがね打 or のしめ打
目次
万延大判金は1860年(万延元年)に江戸幕府が発行した最後の大判金貨です。
幕末の貨幣制度改革「万延の改鋳」によって新たに鋳造されました。
この金貨は、それまでの大判金とは異なり、実際に流通を目的とした実用的な貨幣として作られたのが大きな特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
発行年 | 万延元年(1860年) |
発行者 | 江戸幕府 |
発行枚数 | 17,097枚 |
通用価値 | 10両 |
品位 | 金344/銀639/雑17(従来の大判より金の品位が低い) |
重量 | 約112.4g |
用途 | 実用的な大判金(贈答用ではない) |
墨書き | 第十七代後藤典乗による |
これまでの大判金とは違った経緯で製造された万延大判金ですが、その背景を見ていきましょう。
江戸幕府は1858年の日米修好通商条約の締結を機に、外国と本格的な貿易を開始しました。
しかし当時の日本では、金1に対し銀5の比価(1:5)が採用されており、欧米諸国の比価(1:15前後)と比べて大きな差がありました。
このため、外国商人は銀を持ち込んで安く金を入手でき、日本から大量の金貨が流出する事態となりました。
この金の流出に対応するため、幕府は金貨の含有金量を減らす=実質的な通貨価値を下げるという改革を実施します。
これが「万延の改鋳」と呼ばれる通貨制度の見直しです。
万延大判金はその一環で鋳造されたもので、金の含有量は従来の大判の約3分の1に減らされました。
種類 | 発行年 | 金の品位 | 量目 | 金の含有量 |
---|---|---|---|---|
天正大判金 | 1573年 | 730 | 165.2g | 120.6g |
慶長大判金 | 1601年 | 672 | 164.7g | 110.7g |
元禄大判金 | 1695年 | 521 | 164.5g | 85.7g |
享保大判金 | 1725年 | 676 | 164.5g | 111.2g |
天保大判金 | 1838年 | 674 | 165.2g | 111.3g |
万延大判金 | 1860年 | 344 | 112.4g | 38.7g |
万延大判金は現存数が極めて少ないため、骨董品・収集品として非常に高い価値があります。
保存状態や製造元の刻印(銘)によっては、数百万円から1,000万円以上の価格が付くこともあります。
大判の鑑定や評価においては、その墨書きの状態が非常に重要視され、価値も大きく変わります。。
大判の裏面に記された墨書は、その大判がたどってきた所有者の変遷、すなわち「伝来」を示す貴重な情報源となることが多く、古銭収集家にとっては歴史を物語る重要な要素です。
万延大判金の表面には、独特の「ゴザ目」と呼ばれる地模様が施されています。
たがね打ちとのし目打ちの比較
このゴザ目の加工方法には大きく分けて「鏨打ち」と「熨斗目打ち」の2種類があります。
「たがね打ち」は、鏨という鋭利な工具を用いて、職人が手作業で細かい線を刻み込む方法で、打ち込みの角度や深さに個体差が見られるのが特徴です。
一方、「のし目打ち」は、金槌のような道具で表面全体を軽く叩き締め、均一な模様をつける方法で、整った仕上がりが得られます。
第17代後藤典乗の花押(署名代わりの記号)から、たがね打ちが前期、のし目打ちが後期に鋳造されたと推測されています。
前期のたがね打ちの大判の現存数が少ないため、取引額が1~2割ほど高い傾向にあります。
万延大判金の背面(裏面)の「座人印」「棟梁印」が「吉」「安」「大」の組み合わせのものは献上判といわれる希少な大判です。
取引価格も通常の座人印のものより、1.5倍ほど高額です。
大判は一般の流通を想定したものではありませんが、仮に市中に出回っていたらいったいどのぐらいの価値があったのでしょうか。
大判1枚の当時の価値を、お米1kgの値段で換算してみましょう。
大判1枚に10両の価値があるとして、現在のお米10kgの値段はおよそ4,000円ですから、次のような計算式が成り立ちます。
ここで10両あれば、お米を10石(1,500kg)買えたそうですから、
つまり、お米の値段で換算した場合の大判1枚の価値は、約60万円だといえそうです。
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