寛永通宝の種類一覧表
寛永通宝は、大きく分けると寛文8年(1668年)までに作られた「古寛永」と、寛文8年以降に作られた「新寛永」に分けられます。
この記事では、古寛永8種類・新寛永10種類を、一覧表と画像付きで分かりやすく解説します。
寛永通宝をお持ちの方は、ぜひお手元にご用意のうえ、見比べながら確認してみてください。
- 古銭鑑定士
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2012年、古銭買取専門店「アンティーリンク」を創業し、古銭の買取・販売を始める。
2022年、日本唯一の古銭鑑定機関「貨幣商協同組合」に加盟
現在は古銭鑑定士として、テレビ等メディア出演多数
▶︎詳しいプロフィール
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目次
寛永通宝の種類一覧表
寛永通宝の主な種類を、古寛永と新寛永に分けてまとめました。
種類名をタップすると、画像付きの解説へ移動できます。
古寛永の種類一覧
古寛永は、長門銭や松本銭、吉田銭のように、作られた地名で呼ばれるものが多いのが特徴です。
| 種類 | 鋳造地 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| 長門銭 太細様 | 長門国(山口県) | 字の太さの違いで分けられる書体 |
| 長門銭 正字様 | 長門国(山口県) | 字の形が整った標準的な書体 |
| 松本銭 長宝 | 信濃国松本(長野県松本市) | 「宝」の字が縦に長い |
| 松本銭 幺永手 | 信濃国松本(長野県松本市) | 「永」の字の形に特徴がある |
| 吉田銭 狭永 冾水 塞頭通 | 三河国吉田(愛知県豊橋市) | 「永」の字が狭い。「通」の上部がふさがっている |
| 沓谷銭 大字 背偶然出来星 | 駿河国沓谷(静岡県静岡市) | 文字が大きい。裏面に偶然できた点(星)がある |
| 岡山銭 俯永 濶縁小字 大様 | 備前国岡山(岡山県岡山市) | 「永」が下向き。縁が広く、字は小さめ |
| 長門銭 異永 | 長門国(山口県) | 「永」の字が通常の長門銭と異なる |
新寛永の種類一覧
新寛永は発行枚数が特に多く、字の形や裏面の文字で種類が分かれます。
| 種類 | 鋳造地 | 見分けのポイント |
|---|---|---|
| 平野新田銭 白目中字 | 平野新田村(兵庫県西脇市) | 4文字が大きめ。全体が白っぽい。裏面は無背 |
| 延尾永小字 | ― | 「永」の最終画の払いが長く伸びる。文字は小さめ |
| コ頭通 背仙 | 仙台・石ノ巻(享保期) | 「通」の上部が「コ」の形。裏面に「仙」の字 |
| 不旧手 横大路銭 退永 異爪寛 | 山城国横大路(京都府南部) | 「永」が右寄りに下がる。「寛」の5画目が跳ね上がる |
| 低寛背一(一ノ瀬銭) | 一ノ瀬(和歌山県田辺市の西) | 「寛」が低く潰れた形。裏面に「一」の字 |
| 亀戸銭 四年銭 大様 狭足寛 | 亀戸(東京都江東区)、明和4年 | 「寛」の足が狭い。同種のなかではサイズが大きい |
| 高寛無背 | ― | 「寛」が高い形。裏面は無背 |
| 文銭 縮字欠叉文 | ― | 裏面に「文」の字がある文銭 |
| 文銭 正字背文 離点文 | ― | 裏面に「文」の字がある文銭 |
| 島屋無背 | ― | 裏面は無背 |
古寛永と新寛永の見分け方
まず、「古寛永」と「新寛永」の見分け方のポイントをお伝えします。
お手持ちの寛永通宝がどちらか分からない方は、以下のポイントを参考に判断してみてください。
- 全体的に「新寛永」は字が細い
- 全体的に「新寛永」は仕上がりがきれい(製造方法が進歩している)
- 「新寛永」の「寶」の「貝」の下部が、「ハ」のようになっている ※一部例外あり
- 「新寛永」の裏面は、並模様(波銭)があったり、「文」などさまざまな文字が書かれる。「無背」(なにも書かれていない)もある
- 「古寛永」の「寶」の「貝」の下部が、「ス」のようになっている
- 「古寛永」の裏面は、小さな点が打たれた「背星銭」、「三」や「十三」の文字が書かれたもの、その他「無背」もある

新寛永と古寛永
一番分かりやすい違いは字の細さです。
字の細さとあわせて「寶」の字の「貝」を確認すると、見分けられるかと思います。
古寛永の種類を画像で確認
古寛永は、長門銭・松本銭・吉田銭・沓谷銭・岡山銭など、作られた場所ごとに呼び名があります。
実際の画像を見ながら判別していきましょう。
長門銭 太細様
長門国(現在の山口県)で作られたとされる古寛永です。
「太細様」は、長門銭のなかで書体の違いによって分けられる種類のひとつです。


長門銭 太細様のサイズと重さ



長門銭 正字様
長門国(現在の山口県)で作られたとされる古寛永です。
「正字様」は、字の形が整った標準的な書体のグループです。


長門銭 正字様のサイズと重さ



松本銭 長宝
信濃国松本(現在の長野県松本市)で作られたとされる古寛永です。
「長宝」は、「宝」の字が縦に長く見えることに由来する呼び名です。


松本銭 長宝のサイズと重さ



松本銭 幺永手
信濃国松本(現在の長野県松本市)で作られたとされる古寛永です。
「幺永手」は、「永」の字の形に特徴がある書体のグループです。


松本銭 幺永手のサイズと重さ



吉田銭 狭永 冾水 塞頭通
三河国吉田(現在の愛知県豊橋市)で作られたとされる古寛永です。
「狭永」は「永」の字が狭いこと、「塞頭通」は「通」の字の上部がふさがっていることを表しています。
「冾水」も、「永」の字の形に由来する呼び名です。


吉田銭 狭永 冾水 塞頭通のサイズと重さ



沓谷銭 大字 背偶然出来星(偶然背星)
駿河国沓谷(現在の静岡県静岡市)で作られたとされる古寛永です。
「大字」は文字が大きいこと、「背偶然出来星」は、裏面に偶然できた小さな点(星)があることを表しています。


沓谷銭 大字 背偶然出来星(偶然背星)のサイズと重さ



岡山銭 俯永 濶縁小字 大様
備前国岡山(現在の岡山県岡山市)で作られたとされる古寛永です。
「俯永」は「永」の字が下を向いたような形、「濶縁」は縁が広いこと、「小字」は文字が小さいことを表しています。
「大様」は、同じグループのなかでサイズが大きいものを指します。


岡山銭 俯永 濶縁小字 大様のサイズと重さ



長門銭 異永
長門国(現在の山口県)で作られたとされる古寛永です。
「異永」は、「永」の字が通常の長門銭と異なる形をしていることを表しています。


長門銭 異永のサイズと重さ



新寛永の種類を画像で確認
新寛永は、寛永通宝のなかでも特に発行枚数が多く、種類もたくさんあります。
続いて、新寛永の種類を画像付きで解説していきます。
平野新田銭 白目中字
新寛永の平野新田銭 白目中字です。
江戸時代の平野新田村(現在の兵庫県西脇市)で製造が行われたと考えられており、この地域は銭の鋳造が盛んに行われていた場所の一つでした。
「寛」「永」「通」「宝」の4文字すべてが大きめで、大字というものもあるのですが、こちらの画像のものは、中字となります。
また、「白目」とは、全体的に白みを帯びていることが由来の用語となっています。


平野新田銭 白目中字のサイズと重さ
こちらの画像の平野新田銭の重さは、3.3gでした。


直径は、23.7mmでした。
また、白目中字の平野新田銭がこのほかにも2つ見つかったので一緒に紹介しておきます。
重さは、それぞれ3.5g、3.0gでした。


裏面はすべて無背です。

寛永通宝の発行の経緯や、当時の価値については、以下の記事をご覧ください。
延尾永小字
新寛永通宝の延尾永 小字です。
延尾永(えんびえい)とは、画像をご覧のとおり「永」の字の最終画の払いが伸びるように長いという特徴です。
小字は、その名のとおり、文字が小さく刻まれているという特徴です。


延尾永小字のサイズと重さ
こちらの品物の場合は、直径は22.7mmで、重さは2.8gでした。


少し近づいた写真も1枚載せておいたのと、このほかにも延尾永小字があったので、重さと一緒に記載しています。


裏面はこんな感じです。

コ頭通 背仙
1716年から1736年までの期間(享保期)に作られた仙台・石ノ巻銭のコ頭通 背仙です。
コ頭通とは、「通」の字の上部の「マ」が「コ」になっているという特徴があります。
背仙は、裏面に「仙」の字があるということですね。
また、「仙」の字の最終画が跳ねているので、「跳ね仙」と呼ばれることもあります。


コ頭通 背仙のサイズと重さ
エッジの部分もご確認いただきましょう。
重さも計っています。
3.9g。


サイズは直径24.4mmでした。
また、ほかにも仙台・石ノ巻銭のコ頭通 背仙が見つかったのであわせて載せています。
青背景の数字は、それぞれの重さです。


裏面の写真です。
どちらも跳ね仙ですね。

不旧手 横大路銭 退永 異爪寛
不旧手 横大路銭 退永 異爪寛と、特徴が盛りだくさんの新寛永通宝です。
まず不旧手とは、長崎屋不旧という人物が書いたとされる書体を持つ銭貨のグループを指して、元禄期から元文期(1688-1741)にかけて鋳造されたと考えられています。
また、横大路銭は、不旧手の中でも、山城国(現在の京都府南部)の横大路で作られたとされる寛永通宝です。
退永は、「永」の字が通常よりも後ろに下がったように右側に配置されている特徴を指します。
異爪寛(いそうかん)とは、「寛」の字の「見」の部分の5画目が上に飛び跳ねているような書体になっています。
↓の画像のものはかなり太くハッキリとしているので分かりやすいですね。


不旧手 横大路銭 退永 異爪寛のサイズと重さ
重さは2.7gでした。


直径は22.4mmでした。

低寛背一(一ノ瀬銭)
新寛永通宝の低寛背一です。
低寛とは、「寛」が下に潰れたように低くなっているという特徴です。
座っているみたいだということで、「座寛」とも呼ばれます。
また、裏面に「一」の文字があるから「背一」ですが、これは和歌山県田辺市の西に位置する一ノ瀬(市ノ瀬)で作られた寛永通宝の特徴と考えられており、「一ノ瀬銭」とも呼ばれます。


低寛背一(一ノ瀬銭)のサイズと重さ
こちらの画像のものは、重さ2.7gでした。


直径は、22.9mmでした。
他にも一ノ瀬銭 低寛背一が見つかったので、あわせて重さを計ってみました。
どれも3g前後ですね。


すべて裏面に一文字です。

亀戸銭 四年銭 大様 狭足寛
新寛永通宝の亀戸銭 四年銭 大様 狭足寛です。
東京都江東区の亀戸で作られた寛永通宝を亀戸銭といいますが、なかでも明和4年(1767年)に鋳造されたものは「四年銭」と呼ばれています。
「大様」とは同じグループのなかでサイズの大きいものをいい、「狭足寛」は「寛」の字の足が狭く見えることを指し、特に最終画が同種のなかで短いものとなります。


重さは2.8gです。


亀戸銭 四年銭 大様 狭足寛のサイズと重さ
この写真のものは、直径22.9mmでした。

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高寛無背


高寛無背のサイズと重さ



文銭 縮字欠叉文


文銭 縮字欠叉文のサイズと重さ



文銭 正字背文 離点文


文銭 正字背文 離点文のサイズと重さ



島屋無背


島屋無背のサイズと重さ





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寛永通宝を売却する方法
寛永通宝の通用銭は発行枚数が多いため、あまり価値はつきません。
| 状態(グレード) | 買取価格の目安 |
|---|---|
| 普通品 | 1gあたり2.5円 |
ただし、なかには高い価値がつく寛永通宝もあります。
価値の高い寛永通宝については、以下の記事にまとめてあります。
寛永通宝の発行の経緯や、当時の価値については、以下の記事をご覧ください。
寛永通宝の種類と特徴まとめ
古寛永と新寛永の違い
古寛永は寛文8年(1668年)までに作られたもので、字が太く、「寶」の「貝」の下部が「ス」の形をしています。
新寛永は寛文8年以降に作られたもので、字が細く仕上がりがきれいです。「貝」の下部が「ハ」の形で、裏面に「文」や「仙」などの文字や波模様があります。
代表的な種類
- 古寛永:長門銭・松本銭・吉田銭・沓谷銭・岡山銭など、作られた地名で呼ばれる
- 新寛永(書体に特徴があるもの):平野新田銭・延尾永
- 新寛永(裏面の文字で判別できるもの):背仙(仙台銭)・背一(一ノ瀬銭)
- 新寛永(大量に作られたもの):亀戸銭・文銭
価値と対応
一般的な寛永通宝は現存数が多いため、価値は控えめな傾向にあります。
ただし、書体のわずかな違いや珍しい種類(レアな母銭や特年など)には、高値がつく可能性があります。
ご自身での判別が難しい場合は、古銭買取専門店などのプロに査定を依頼することをおすすめします。
| 寛永通宝に関する記事一覧 |
|---|
| 🔗寛永通宝の買取価格表 |
| 🔗新寛永の種類一覧 |
| 🔗古寛永の種類一覧 |
| 🔗島屋文の見分け方 |





























