竜50銭銀貨 本物と偽物の見分け方
こちらの記事では竜50銭銀貨の真贋について解説していきます。
前半部分では本物と偽物の主な違い、後半では色々な偽物を紹介します。
これを読めば、市場に出回っている竜50銭銀貨の本物と偽物を見分けられると思います。
竜50銭銀貨の真贋を判断する上で、参考になれば幸いです。
[監修/執筆:飛田 圭介]
本物と偽物の見分け方
竜50銭銀貨の真贋を見抜くには以下を確認します。
1.重さを量る。
2.デザインや色味を見る。
3.側面(エッジ)を見る。
重さを量ればほとんどの偽物は分かります。
本物の重さは13.48gですので、製造時の誤差と流通による摩耗を考えると
13.38~13.48gが本物の基準となります。
※あくまで指標の一つであり、重さがこの範囲に収まらない物は全て偽物というわけではありません。
重さで比較する
実際に本物と偽物の重さを比較してみましょう。
まず本物6枚の重さを量ります。
6枚全てが13.38~13.48gに収まっており、本物の基準を満たしています。
次に偽物6枚の重さです。
6枚全てが軽く、本物の基準を満たすものはありませんでした。
このように、重さを量るだけで本物か偽物かを概ね区別することができます。
デザインを見る
重さが本物の基準を満たしていましたら、次はデザインを見てましょう。
赤い丸印のある植物の葉脈部分は、細やかなデザインとなっています。
プレスで作られているため、凹凸もくっきりとしています。
偽物の葉脈は本物に比べ、少しぼやけているのがお分かり頂けるでしょうか。
凹凸が浅いため、輪郭も不鮮明になっています。
後述の偽物の紹介で拡大写真も掲載していますので、もっとよく見たいという方は確認してみてください。
周囲のギザギザは馬の歯と呼ばれ、本物と偽物を見分ける際の参考になります。
等間隔、そして同じ大きさでギザギザが刻まれています。
偽物は全体的にギザギザが小さく、右側に至っては薄っすらとしか見えません。
裏面には竜が描かれており、ウロコや顔がくっきりとしているのが特徴です。
偽物はウロコの凹凸が浅く、不鮮明なものが多いです。
竜の周りには点が打たれており、等間隔で並んでいます。
偽物は点の大きさや間隔がまちまちであったり、写真のように点が歪んでいるものまであります。
本物の側面は綺麗なギザギザになっています。
偽物はギザギザが斜めであったり、作りが甘くなっています。
ここまでに書いたポイントを確認して頂けば、竜50銭銀貨の真贋を見抜くことができると思います。
最後に、真贋確認で使える場面は少ないかもしれませんが、色味についても見てみましょう。
写真からもわかるように鮮やかな銀色です。
経年により黒ずんでいるものもありますが、この黒ずみも銀特有の色をしています。
また、こちらは磨きの際に使用された薬品が、経年により変色してしまったものです。
偽物の紹介
以下の6枚の偽物について、どこが本物と違うのか解説していきます。
Aから順番に確認していきましょう。
Aは偽物の中で一番軽く、一回り小さいです。
本物と比べると葉脈がつるつるしており、表面も少しざらついています。
裏面もざらついており、竜がくっきりと見えません。
側面にギザギザがなく、一目で偽物だと分かります。
Bは部分的に緑っぽく変色しています。
葉脈は不鮮明であり、「五十銭」の文字からも凹凸が浅いことが見て取れます。
偽物は中央が少し盛り上がっており、竜が消えてしまっています。
側面を少し掘ったようなギザギザになっており、本物との違いは明らかです。
次はCです。
偽物は凹凸が浅いため、葉脈が消えかかっています。
裏面も同様に、竜のウロコが消えかかっています。
ギザギザは両側から少しずつ掘るような形で、斜めになっています。
Dは茶色っぽく変色しており、色味からも偽物だと判断できます。
葉脈は薄っすらとしています。
竜の周りの点が、大きく歪んでいます。
側面のギザギザも浅く、消えかかっています。
続いてはEです。
全体的に凹凸が浅く、葉脈だけでなく馬の歯も不鮮明です。
本物と比較すると、偽物は裏面の文字の輪郭がぼやけています。
側面を少し掘ったようなギザギザになっており、溝も浅いです。
最後にFです。
偽物は外周から馬の歯までの幅にばらつきがあります。
最も細い部分と太い部分を見比べてみましょう。
赤丸で囲まれている箇所に注目すると、左の写真では細く、右の写真では太くなっているのが分かると思います。
裏面は凹凸が浅く、竜の顔が消えかかっています。
側面は少し掘ったようなギザギザになっています。
以上のように、重さだけでなく見た目などからも真贋を見抜くことができます。
最後に
竜50銭銀貨の真贋について、いかがでしたでしょうか。
偽物はルーペで隅々まで確認すると、何かしらの違和感があることが多いです。
重さだけで真贋を決めつけることなく、まずは細部まで見てみましょう。
この記事を読んでも真贋の判断が難しい物がありましたら、
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