天保一分銀と安政一分銀 本物と偽物の見分け方
こちらの記事では天保一分銀と安政一分銀の真贋について解説していきます。
これを読めば、市場に出回っている
天保一分銀と安政一分銀の本物と偽物を見分けられると思います。
天保一分銀と安政一分銀の真贋を判断する上で、参考になれば幸いです。
本物と偽物の見分け方
天保一分銀と安政一分銀の真贋を見抜くには以下2点を確認します。
1.重さを量る。
2.色味や表面、側面を見る。
重さを量ればほとんどの偽物は分かります。
本物の重さは天保一分銀8.66g、安政一分銀8.63gですので、
製造時の誤差と流通による摩耗を考えると
8.58~8.71gが本物の基準となります。
※あくまで指標の一つであり、重さがこの範囲に収まらない物は全て偽物というわけではありません。
重さで比較する
実際に本物と偽物の重さを比較してみましょう。
1枚目が本物で、2枚目が偽物です。
また、本物は上3つが天保一分銀、下3つは安政一分銀です。
【↓本物↓】
【↓偽物↓】
本物も多少バラツキはあるものの、8.5~8.9gに収まっています。
それに対して偽物は明らかに軽い物が多いですね。
このように、重さを量るだけで
本物か偽物かを概ね区別することができます。
本物の特徴
次に本物の特徴について挙げていきます。
写真からもわかるように鮮やかな銀色です。
経年により黒ずんでいるものもありますが、
この黒ずみも銀特有の色をしています。
表面に注目すると、縦線のような凹凸があります。
側面には3つの刻印が打たれています。
また、天保一分銀と安政一分銀は
やすりがけの有無で区別することができます。
天保一分銀はやすりがけのない滑らかな側面となっており、
安政一分銀は斜めにやすりがけがされています。
「一分銀」の文字には様々な書体で作られた物が存在しますので、文字だけで真贋を見抜くことは難しいです。
偽物の特徴
重さ以外でどのように偽物と判断できるかを説明していきます。
初めに紹介した偽物について、それぞれ確認していきましょう。
A~C.これらの表面には本物のように凹凸がつけられています。
Bは良く再現できていますが、A,Cの表面は縦線ではなく鱗のようにも見えます。
次に側面を見てみます。
偽物には3つの刻印がありません。
また、Bはやすりがけをされていますが、
本物より鋭く彫られたような跡になっています。
これらのことから、偽物であることが分かります。
Dは表面に縦線のような凹凸がなく、
色味も本物と異なるため、一目で偽物と判断できます。
側面に3つの刻印はありますが、白く変色しています。
また、本物より厚みがあるのが見て取れます。
Eは色味から偽物であると分かりますが、表面に注目してみましょう。
縦線のような凹凸は一見、本物と遜色がありません。
次に側面です。
Eには刻印2つと両端にやすりがけがしてあります。
本物は全体に満遍なくやすりがけされていますので、
このことからも偽物と判断できます。
ちなみにこちらの偽物。こちらはただの偽物ではなく、「別座」と呼ばれるものになります。
別座とは、幕末・維新期に財政難となった諸藩などが、流通させる目的で鋳造した偽物のことです。
「本座」(幕府の貨幣鋳造機関である)で作られたものではいないので、別座と呼ばれています。
別座のものは本物に比べて銅の含有量が多く、同じ重さを再現するために分厚いものがあります。
別座の一分銀は重さが、8.0g前後のものが多いです。
また側面のヤスリや極印が雑にされている、という特徴もあります。
Fは一分銀の偽物として作られた物でなく、
京都の今宮神社で土産物として売られていた物です。
よく見ると文字が「銀」でなく「今宮」と書かれています。
裏面右上には「銀」でなく「錺」、左下には「是」でなく「店」と書かれています。
以上のように、重さだけでなく見た目などからも真贋を見抜くことができます。
最後に
天保一分銀と安政一分銀の真贋について、いかがでしたでしょうか。
偽物はルーペで隅々まで確認すると、何かしらの違和感があることが多いです。
重さだけで真贋を決めつけることなく、まずは細部まで見てみましょう。
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ここでは真贋の見分け方についてお伝えしました。 一分銀の価値のある手替わりなどについては、こちらの記事にて詳しくご紹介しております。
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