旧10円金貨を徹底解説!レアな年号からレプリカの見分け方まで

こちらの旧10円金貨は650,000円で買取させていただきました。

旧10円金貨 明治4年
<買取実績:2023/06/05>

綺麗な金貨ですね。いかにも高そうです!

そうですね、今回は旧10円金貨の種類ごとの価値や偽物の見分け方を解説していきます。買取実績やスーパーコピーもご紹介していきます。

旧10円金貨はどんなコイン?

旧10円金貨オモテ旧10円金貨ウラ
旧10円金貨とは、日本で発行された金貨の一種です。
1871~1880年(明治4年~明治13年)の間で、4回に分けて発行されました。金の含有量が90%もあることから上質な金貨として評価されています。明治3年から明治4年の間に作られた金貨はこれだけではありません。
「旧20円」、「旧5円」、「旧2円」、「旧1円」の金貨も作られました。
これらをまとめて明治金貨近代金貨と呼んだりします。1876年(明治9年)からは、直径がほんの少し小さくなっています。
この直径が短いものは「縮小」と呼ばれます。

旧10円金貨の基本情報

  • 直径:2.942cm(縮小:2.939cm)
  • 重さ:16.66g
  • 品位:金900/銅100
  • 発行年:1871年(明治4年)

旧10円金貨の買取価格

旧10円金貨の当時の価値はどれぐらい?

10円=20万円!?
明治初期の10円は、現在の10円と異なり大変高額な値です。
現在の価値になおすと、およそ20万円程度に相当します。この数値は、教員の初任給を基準にして割り出されました。
明治時代小学校の教員の初任給は大体9円ほどだったといわれています。
現在の初任給はおよそ20万円程度だそうです。
この金額差を比べて、明治の1円は現代の約2万円に当たるというわけです。ですから、明治時代の10円金貨を現代にあてはめると20万の価値ということになります。
小学校の教員の初任給は9円!?

つまり、明治の10円硬貨は金貨でないと務まらない高額貨幣だったのです。

明治金貨は共通のデザイン

龍
明治時代の金貨は他にも「20円」、「5円」、「2円」、「1円」の4つが作られました。
それぞれ、額面の金の価値が釣り合うように、コインの大きさを変えてあります。デザインは共通しており、表面の中央には「龍図」が彫られています。
周囲には「大日本」、「二十圓」、「製造年」の文字が刻まれました。裏に描かれているのは「菊紋」、「桐紋」、「日章」、「桐枝」、「日月旗」、「八稜鏡」といった図柄です。

ひとつだけ例外となるのが1円金貨です。

1円金貨はかなりサイズが小さくなるため、表面に竜図を描けませんでした。
代わりに、表面の中央に大きく「一圓」と額面を彫ってあります。

1円金貨

有輪と無輪の違いは何?

旧10円金貨は、裏面のデザインで「有輪」と「無輪」に分けられます。
注目するのは裏面の中央に描かれている「日章」です。

有輪と無輪の違い

有輪と無輪を比較してみました。なんとなく分かりますでしょうか。

日章の縁取りの線がはっきりと描かれているものは「有輪」。
線が無かったり、彫りが浅くうっすらとしたものが「無輪」に分類されます。

線だけで判別するのは難しそうですね…。

実は、このふたつは買取価格に大きく影響されないため、見分けがつかなくてもさほど問題はありません。参考程度にして見てください。

旧10円金貨の買取価格はいくら?

旧10円金貨の買取価格は以下の通りです。

本日の買取価格
未使用 美品
明治4年

65万円

42万円

明治9年

要査定

1,000万円

明治10年

要査定

1,100万円

明治13年

要査定

1,200万円

こうして並べてみると、旧10円金貨のなかでも買取価格に違いがありますね。

この価格差にもちゃんとした理由があるんです。

価格差の理由は製造枚数にあり

価格差の理由は?
旧10円金貨の買取価格は作られた年数によって違います。
そのワケは、年ごとに製造された枚数が違うからです。製造枚数が極端に少ない年のコインは、現存する枚数も少なくなります。
そのため、古銭市場でも見かける機会が少なくプレミア価値が高まります。
なので、製造枚数の少ない年数のコインの方が買取価格が高くなりやすいのです。

特に買取価格が高いのは明治13年

贈答
旧10円金貨のなかでも特に買取価格が高いのは明治13年製のものです。
明治13年の製造枚数はとても少なく、136枚だったと記録に残っています。これほど枚数が少ないのは、そもそも流通が目的ではなかったからだと言われています。では、何の目的で作られていたかというと、贈答や賞与のためという説が一般的です。実際、この年に作られた10円金貨はプルーフ加工されたものばかりでした。
贈答用に作っていたからこそ、見た目を綺麗にするための加工をしていたのでしょう。

製造枚数が一番少ないのは明治10年?

びっくり
買取価格が一番高いのは明治13年ですが、製造枚数が一番少ないのは明治10年でした。
この年はたったの36枚しか作られていません。明治13年と比べて100枚も少ない枚数しか作られていなかったのです。
それなのに、なぜ明治13年の方が価値が高いのでしょうか?それは、製造枚数ではなく残存枚数が関係しています。例え製造枚数が多かったとしても、そのすべてが現在まで残っているわけではありません。
破損や紛失など、様々な理由で残存枚数は減っていきます。旧10円金貨も、作られた枚数が少ない明治10年より、明治13年の方が市場に出回りにくくなっています。つまり現代においては、明治13年製の方がレアなのです。
それが理由で、明治13年製の買取価格の方が高くなっています。

枚数は多くても高い明治4年

ポイント
現在、古銭の市場で出回っている旧10円金貨のほとんどが明治4年製です。この年の製造枚数は186万7,032枚だったと記録に残っています。
ですから、旧10円金貨の99.9%が明治4年製です。
それだけあれば、明治4年製ばかりが出回るのも納得ですね。本来、流通用の硬貨は数千万単位で作られることもあります。
それを考慮すると、旧10円金貨は決して製造枚数が多い方ではなく、充分プレミア価値のある古銭です。
純度の高い金貨であることもあって、海外からも人気があります。こうした理由から、明治4年製も高い価格で取引されているのです。

旧10円金貨の買取価格と発行枚数まとめ

発行枚数だけをみると、”明治10年の旧10円金貨”が最も希少価値が高いのですが、現存枚数が最も少ない”明治13年の旧10円金貨”が最も高い価値が付けられます。

買取価格(美品) 発行枚数
明治4年

42万円

186万7,032枚

明治9年

1,000万円

1,925枚

明治10年

1,100万円

36枚

明治13年

1,200万円

136枚

発行枚数が少なく、とても希少価値の高い金貨だと言うことがわかりますね。

その他の近代金貨の買取価格一覧表もあわせてご確認ください。

新10円金貨と旧10円金貨との違い

新10円金貨オモテ新10円金貨ウラ
10円の金貨は、旧10円金貨以外にも作られました。
それが「新10円金貨」と呼ばれるものです。
この金貨は、1897~1910年(明治30年〜明治43年)に作られました。

新10円金貨の基本情報

  • 直径:2.121cm
  • 重さ:8.33g
  • 品位:金900/銅100
  • 発行年:1897年(明治30年)

新10円金貨の買取価格

旧10円金貨より直径が8mmも小さくなり、かなり小型化していますね。
10円に限らず明治30年以降に製造された金貨はどれも小型化されているのです。

次にデザインを見比べてみましょう。

旧10円金貨

旧10円金貨オモテ旧10円金貨ウラ

新10円金貨

新10円金貨オモテ新10円金貨ウラ

ご覧の通り、デザインが全く違っていますね。
新10円金貨の表面には竜図がなく、大きく額面の「十圓」が刻まれています。

これだけ見た目がちがえば見間違えることもありませんね。

旧10円金貨のレプリカに注意!

旧10円金貨のような高額貨幣は、贋作の標的になりやすいものです。
例にもれず、旧10円金貨にも偽物が存在しています。古銭市場にも出回っており、取引の際には注意が必要です。もし、手元の古銭が偽物だったとして、それに気付かず取引してしまったら?
理由はどうあれ相手に偽物を売りつけてしまったことになってしまいますね。
頭を抱える

そうならないよう、レプリカを見分けるポイントをおさえておきましょう。
そのポイントとは、以下の4点です。

POINT

  1. 大きさを計る
  2. 重さを計って比べる
  3. デザインを細かく確認する
  4. 磁石で調べる

大きさを計る

大きさを計る
最初に、お手元の旧10円金貨の直径から調べてみましょう。
旧20円金貨の直径は、明治4年製が2.942cmです。
明治9年、10年、13年は縮小なので2.939cmになります。この頃の硬貨は、型どおりに均一化された作り方をしています。
大きさに誤差がでることはまずありません。2.9cmを下回ったり、3cmを超えているようなものは間違いなく偽物です。

重さを計って比べる

計り
次に重さで比べてみましょう。
同じ素材で作っている以上、重さもほとんど誤差がでません。旧10円金貨の重さは16.66gです。もし、1g以上の誤差がでるようであれば偽物と言えます。
金は特に重い金属です。そのため、他の金属を使っていると露骨に軽くなります。
こちらの画像は偽物を実際に計ったものです。旧10円金貨の偽物は、軽すぎるものが大多数です。
偽物は軽い

デザインを細かく確認する

大きさや重さが同じならば、あとはデザインで判断しましょう。
下の画像は左が本物で右が偽物です。

表面に書かれた「十圓」の文字にフォーカスしてみましょう。
本物の字は、幅広で平面的になっています。
対して、偽物の字は若干細くて立体的ですね。

一見すると偽物の方がはっきりしていて綺麗に見えますね。

ですが、この不自然な作りこみが偽物の特徴なのです。
続けて、裏面も確認してみましょう。

こちらは御旗のデザインに注目してみます。
本物の旗は、模様の線と線の隙間が広くてくっきりして見えますね。
一方で、偽物の方は線と線の隙間が狭いうえに、歪んでいるように見えます。

こうした細かい図柄までは完璧に真似れない偽物がほとんどです。

また、今回の偽物は表面に「明治三年」と彫ってあります。
ですが、明治3年はテストのために作られた試鋳貨幣しかありません。
明治3年のものが市場に出回ることはないので、すぐに偽物と判断できました。

磁石で調べる

もうひとつ、金貨や銀貨で使える判別方法として磁石があります。
金や銀は磁石に反応しない貴金属です。そのため、磁石に近づけても引き寄せられません。ですが、偽物は高い貴金属の代わりに安い他の金属を使います。
それらの安い金属が磁石に反応してしまうのです。大きさや重さを知らなくても、磁石だけでできる簡単な方法です。
真贋確認の際にはぜひ活用してみてください。

旧10円金貨のスーパーコピー

「スーパーコピー」とは”本物に限りなく似た偽物”のことです。そんな本物そっくりの旧10円金貨が近年よく確認されていますので紹介いたします。以下の特徴を持った旧10円金貨を見つけたらスーパーコピーかもしれません。

いかがでしょうか?実はこちら、重さも、素材も、本物と同じなんです。見た目もほとんど本物と変わらないほど精巧な偽物です。では、なぜ偽物と言えるのか?それは“同じ特徴を持ったもの”がいくつも確認されたからなんです。

龍が描かれた面を見ましょう。龍のお腹あたり赤丸で示したところに傷があることが確認できるかと思います。

これと同じ傷を持った”旧10円金貨”を少なくとも3つは確認されています。なぜこんなことが起こるのか?これはおそらく本物そっくりに作られた1つの”型”で、いくつものスーパーコピーが作られているからであると考えられます。

同じような特徴を持った”旧10円金貨”を見かけた際には、スーパーコピーかどうか疑ってみることをおすすめします。裏面や側面の画像も載せておきます。

こちら旧10円金貨のスーパーコピーを偽物と見破れるのか?鑑定士が挑戦した動画もありますので、ぜひご覧ください。

旧10円金貨の買取実績

旧10円金貨は明治4年銘の買取実績です。買取価格に差があるのは、基本的には状態です。どれだけ綺麗に保存されているかということですね。中には加工品のものもありました。これはペンダントにするために、金の上塗り等の加工が見られたため、買取価格を下げさせていただきました。

旧10円金貨の買取実績
買取価格 買取日
旧10円金貨 明治4年 加工品

125,750円

2022/10/31

旧10円金貨 明治4年

650,000円

2023/06/05

旧10円金貨 明治4年

530,000円

2023/11/18

旧10円金貨を高く売るためには?

皆さんが一番気になることと言えば、やはり古銭を高く売る方法ですよね。
ここからは、旧10円金貨を高く売るためのポイントを解説していきます。
そのポイントは以下の3つです。

POINT

  1. 金貨を磨かない
  2. 酸化させないための保存方法
  3. 試金石で素材確認をしない

これらのポイントは、コインの価値を下げないためにとても重要なことです。

では、それぞれなぜ重要なのか解説していきましょう。

コインを磨かない

まず絶対に守ってほしいポイントが、コインを磨かないことです。状態を良く見せたいがために、ついつい磨いてしまう人がいらっしゃいます。
ですが、これは絶対にやってはいけないことなんです。古銭の状態の良し悪しは、加工されずに自然な状態であるかが大事です。
できる限り製造された状態のまま残っているのが理想的です。これに対し、古銭を磨くという行為は一種の加工にあたります。
つまり、磨いてしまった時点でそのコインは手を加えられた商品として扱われます。
そのせいで、買取価格が下がってしまうのです。古銭の取引に慣れた人であれば、磨きの痕跡はすぐに分かります。
ですので、コインは磨かずに保管しておきましょう。

酸化させないための保存方法

硬貨の状態が悪くなるのは、酸化が原因です。
それを避けるためには、なるべく空気に触れさせないことが大事です。そのためには、密閉された容器や袋を用意しましょう。
コイン専用のパックやアルバムも販売されているので、そういったグッズを買うのもおすすめです。もう少し手軽なものがよければ、ジップロックでも構いません。
コインを入れるときは、中の空気をしっかり抜いてから閉じてください。あとは、直射日光による日焼けやサビも警戒しましょう。
日の当たらずに乾燥している、もしくは風通しの良いところを探してください。

試金石で素材確認をしない

試金石イラスト
金貨がメッキかどうかを確かめるために試金石を使う方もいます。
ですが、これはコインに傷を付ける調べ方なので絶対にやってはいけません。硬い金属で傷をつけることで、金の下に他の金属がないかを調べるというものです。
当然、目で見てわかるような傷が付きます。
傷が付いた商品は買取価格が下がるのは当たり前の話ですね。なので、試金石は絶対に使わないようにしましょう。

旧10円金貨はどこで売ればいい?

高く売るために気を付けるポイントもわかったところで、次は売却方法を確認していきましょう。
旧10円金貨を取引するのであれば、以下のような方法があります。

POINT

  1. ネットオークション(ヤフオクなど)
  2. フリマアプリ(メルカリなど)
  3. 古銭専門の買取業者

それぞれのメリット、デメリットも確認しておきましょう。

ネットオークション(ヤフオクなど)

ネットオークション
ネットオークションでは、古銭の売買も盛んに行われています。
コレクターもよくチェックしているため、買い手は付きやすいです。コレクターに注目してもらうためには、商品の情報は明確でないといけません。
古銭の種類や真贋にまつわる情報はもちろん、それを視認できるような画像も必要です。
情報が欠けている怪しい商品はなかなか買い手が付きません。
手元の古銭が魅力的な商品であると見せるためには、知識や技術が必要です。競りによって思わぬ高額がつくことはネットオークションの魅力です。
しかし、落札時に手数料がかかることは忘れてはいけません。例にあげたヤフオクであれば、最低でも8.8%が差し引かれてしまいます。
つまり、手数料の分だけ相場より高い価格で落札されないと、結果的に損をしていることになりかねません。
結果的に相場で買い取ってもらった方がお得だったなんて話はよくあることです。

フリマアプリ(メルカリなど)

フリマアプリであれば、最初から価格を決められるのがメリットです。
こちらも手数料がかかってしまうことは変わりません。
ですが、その分を上乗せした金額で出品しておけば、損をすることはありませんね。問題は、相場よりも高くなった商品に買い手がつくかという点です。
特に、旧10円金貨は元々が高額な商品なだけに買い手側も慎重になります。
早く売りたいのであれば、やはり価格は下げざるを得ません。高すぎず安すぎず、双方が納得できる金額設定にするのはなかなか難しいです。
上手に売り抜けるためには、知識も時間も必要になるためお手軽とは言いづらい方法になります。

古銭専門の買取業者

最後に紹介するのは、古銭専門の買取業者の利用です。古銭を専門に扱っている買取業者には、必ずと言っていいほど鑑定士が所属しています。
プロの鑑定士による丁寧な査定を通して、適正な買取価格を提示してもらえます。真贋のチェックや状態確認といった作業も必要なく、手軽に利用できる点もメリットです。
知識や経験が必要な部分をすべてカバーしてくれるので、古銭取引初心者にもおすすめできます。個人での取引に少しでも不安を感じるのであれば買取業者を検討してみましょう。

旧10円金貨を売るなら買取業者がおすすめ

旧10円金貨の解説は以上となります。
安いものでも数百万円以上という超高額な商品であることがわかりましたね。
そのため、取引に慣れていない人が自力で売買するのは非常に危険な品物でもあります。

取引でのトラブルや損失を避けるためにも、プロの鑑定士を頼ることをおすすめします。
弊社アンティーリンクでは、古銭の画像をLINEで送っていただくだけで鑑定士による無料査定を実施しております。

友だち追加

旧10円金貨以外の古銭があれば、まとめて画像を送っていただければ一括で査定が可能です。
お手元に売りたい古銭がございましたら、ぜひともアンティーリンクにお任せください。