中国硬貨「光緒元寶」とは? 種類と買取価格を一挙に紹介!
祖父の遺品から古いお金らしきものが出てきたんです。「光緒元寶」と書いてあるのですが、なんて読むんですか?
それは「こうちょげんぽう」と読みます。中国の古銭ですね。今は使えませんが、価値ある古銭として日本でも取引されていますよ。
そうなんですね。どれぐらいの価値があるんでしょうか?
光緒元寶は、種類や状態次第で大きく価値が変わります。ひとつずつ紹介しながら買取価格についてもお知らせしていきますよ。
光緒元寶とは?
19世紀末、外国との取引をするための硬貨として作られました。
この際に「圓」という金額の単位も生まれています。「寶」の字は見慣れない方も多いと思います。
これは中国語の繁体字で「宝」のことで、日本の旧字体でも使われていました。なので、光緒元宝と書いても意味は変わりません。この光緒元寶が生まれる以前、中国は銅貨が主流となっている国でした。
しかし、外国は貿易用に銀貨を作っていたため中国もその波に乗ったのです。表面の中央には「光緒元寶」の文字、外周に発行元となる省の名前が刻まれています。
そして、裏面には「龍」が描かれています。
光緒元寶の種類の見分け方
銀貨の光緒元寶の重さには七銭二分、三銭六分、一銭四分四厘、七分二厘、三分六厘の5種類があります。銅貨の額面は主に、二十文、十文、五文の3種類となっていますが、一部例外となるものもあります。光緒元寶の種類は表面に書かれた文字で判別可能です。
表面の上部にはそれぞれの見分け方があり、「~~造」という文が何省になっているかを見るだけです。
上記の製造省と合わせて確認し、光緒元寶の種類を特定しましょう。
あの、「七銭二分」ってお金の単位としては、とても中途半端じゃないですか?
この「銭」はお金の単位ではなく、重さを示しているんです。
当時の中国には、銀10銭に相当する銀1両という単位がありました。
しかし、銀1両はメキシコドルの1ドル銀貨と比べて銀の量が多かったのです。
そこで、銀の流出を防ぐために1ドル銀貨と同じ重さの銀貨を作りました。
その重さが七銭二分だったというわけです。
これに、秤での計測を意味する「庫平」を付けて「庫平七銭二分」となります。
光緒元寶の種類と買取価格
光緒元寶の買取価格は、作られた省と硬貨の重さによって異なります。
表面の下部には、重さも記されているので種類は判別しやすくなっています。
銀貨と銅貨をそれぞれ確認していきましょう。まずは銀貨です。
北洋造
銀貨
表面の上部に「北洋造」と記されているものです。
北洋省のみ、省の字は書かれません。
また、裏面には北洋を意味する「PEI YANG」と英語で刻まれています。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
25,000円 |
三銭六分 |
40,000円 |
一銭四分四厘 |
40,000円 |
七分二厘 |
12,000円 |
三分六厘 |
10,000円 |
※古銭買取価格一覧表にも光緒元寶(北洋造)の買取価格が掲載されています
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
十文 |
2,500円 |
二十文 |
6,000円 |
湖北造
銀貨
表面の上部に「湖北省造」と記されているものです。
裏面には湖北省の英名「HU-PEH PROVINCE」が刻まれています。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
57,000円 |
三銭六分 |
86,000円 |
一銭四分四厘 |
20,000円 |
七分二厘 |
18,000円 |
三分六厘 |
28,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
十文 |
4,000円 |
江南省造
銀貨
表面の上部に「江南省造」と記されているものです。
裏面に刻まれた「KIANG NAN PROVINCE」が江南省の英名です。
50セントにあたる三銭六分はありません。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
64,000円 |
一銭四分四厘 |
7,000円 |
七分二厘 |
5,700円 |
三分六厘 |
158,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
十文 |
4,500円 |
廣東省造
銀貨
表面の上部に「廣東省造」と記されているものです。
裏面には英語で「KWANG-TUNG PROVINCE」が刻まれています。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
40,000円 |
三銭六分 |
53,000円 |
一銭四分四厘 |
15,000円 |
七分二厘 |
40,000円 |
三分六厘 |
53,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
十文 |
3,000円 |
四川省造
銀貨
表面の上部に「四川省造」と記されているものです。
裏面には「SZECHUEN PROVINCE」
10セントにあたる七分二厘がありません。
美品 | |
---|---|
三分六厘 |
10,000円 |
七銭二分 |
40,000円 |
三銭六分 |
50,000円 |
一銭四分四厘 |
57,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
五文 |
70,000円 |
十文 |
7,000円 |
二十文 |
14,000円 |
吉林省造
銀貨
表面の上部に「吉林省造」と記されているものです。
画像では不明瞭ですが、裏には「KIRIN PROVINCE」と記されています。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
60,000円 |
三銭六分 |
25,000円 |
一銭四分四厘 |
10,000円 |
七分二厘 |
20,000円 |
三分六厘 |
20,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
十文 |
40,000円 |
二十文 |
50,000円 |
福建省造(福建官局造)
銀貨
表面の上部に「福建省(福建官局造)」と記されているものです。
裏には「FOO-KIEN PROVINCE」と記されています。
七銭二分や三銭六分といった大きなサイズが存在しません。
美品 | |
---|---|
一銭四分四厘 |
4,000円 |
七分二厘 |
3,000円 |
三分六厘 |
4,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
五文 |
17,000円 |
十文 |
3,500円 |
二十文 |
25,000円 |
奉天省造
銀貨
表面の上部に「奉天省造」と記されているものです。
裏には「FUNG-TIEN PROVINCE」と記されています。
サイズは2種類と少なめです。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
150,000円 |
一銭四分四厘 |
10,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
十文 |
70,000円 |
二十文 |
50,000円 |
雲南省造
銀貨
表面に「雲南省造」と記されているものです。
裏には「YUN-NAN-PROVINCE」と記されているものと、記されていないものがあります。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
10,000円 |
浙江省造
銀貨
表面の上部に「浙江省造」と記されているものです。
裏には「CHEH-KIANG PROVINCE」と記されています。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
8,600,000円 |
三銭六分 |
1,300,000円 |
一銭四分四厘 |
140,000円 |
七分二厘 |
200,000円 |
三分六厘 |
9,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
十文 |
30,000円 |
二十文 |
130,000円 |
安徽省造
銀貨
表面の上部に「安徽省造」と記されているものです。
裏には「AN-HWEI PROVINCE」と記されています。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
200,000円 |
三銭六分 |
100,000円 |
一銭四分四厘 |
25,000円 |
七分二厘 |
20,000円 |
三分六厘 |
50,000円 |
銅貨
こちらも銀貨と同様のデザインになります。
美品 | |
---|---|
五文 |
90,000円 |
十文 |
20,000円 |
二十文 |
200,000円 |
台湾省造
銀貨
表面の上部に「台湾省造」と記されているものです。
裏には「TAI-WAN PROVINCE」と彫られています。
一銭四分四厘
150,000円
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
340,000円 |
七分二厘 |
140,000円 |
三分六厘 |
200,000円 |
東三省造
銀貨
表面の上部に「東三省造」と記されているものです。
裏面には「YEAR OF KUANG HSU」と記されています。
5セントにあたる三分六厘はありません。
美品 | |
---|---|
七銭二分 |
170,000円 |
三銭六分 |
290,000円 |
一銭四分四厘 |
25,000円 |
七分二厘 |
8,600円 |
新疆省造
銀貨
デザインや重さが全くちがっていますが、これも光緒元寶の一種です。
よく見ると、表面に「光緒」という文字が入っているのがわかります。
重さは五銭、三銭の2種類です。
表面の「光緒銀圓」という文字の横に、「五銭」もしくは「三銭」と記されます。
美品 | |
---|---|
5銭 |
30,000円 |
3銭 |
18,000円 |
銅貨
表面の上部に「新省」と記されているものです。
こちらも銀貨と同様に、裏面の英語表記はありません。
新疆省造と呼ばれはしますが、新疆省造と表記されることはありません。
美品 | |
---|---|
2分5厘 |
10,000円 |
1分5厘 |
2,500円 |
江蘇省造
銅貨
表面の上部に「江蘇省造」と記されているものです。
裏面には「KIANG-SOO」と記されているものです。
美品 | |
---|---|
五文 |
28,000円 |
十文 |
2,000円 |
二十文 |
10,0000円 |
※中国銀貨の買取価格一覧表もあわせてご確認ください。
光緒元寶は偽物に注意!
現在も古銭の市場には偽物の光緒元寶が出回っています。元々の種類が多いこともあり、見極めるのは非常に困難です。
特に見た目だけで判断するのは、プロの見識が無いと危険すぎます。以下では、実際に本物と偽物の画像を比較しているのでぜひ参考にしてださい。
真贋の見極めは重さに注目
光緒元寶の見分け方を知るために、まずは光緒元寶の本物と偽物を見比べてみましょう。
こちらは表面の画像です。続けて裏面の画像を比べて見ましょう。
最後に側面の画像です。
いかがでしたか?見た目では、違いがほとんど分かりませんでしたよね。
このように精巧な偽物も多く出回っているため、見た目で判断するにはかなりの経験が必要です。
どうしても自分の目で見極めたいというのであれば彫りの深さや図柄の立体感に注目しましょう。
偽物は彫りが浅くて立体感に欠けるものや、文字がはっきりとしていないものが多いです。
しかし、そんな苦労をせずにすぐに判断できる方法もあります。
それがコインの重さの計測です。
例えば、七銭二分の銀貨であれば重さは約27gです。
この数値から1g以上の誤差があれば偽物と思って問題ありません。
こちらは光緒元寶の各銀貨の重さ一覧です。
- 七銭二分:約27.0g
- 三銭六分:約13.5g
- 一銭四分四厘:約5.4g
- 七分二厘:約2.7g
- 三分六厘:約1.35g
続いてこちらは光緒元寶の各銅貨の重さ一覧です。
- 二十文:5.3g
- 十文:2.7g
- 五文:1.3g
ただし、なかには材質や重さも真似た高度な偽物も存在します。
重すぎたり軽すぎる場合は偽物と言えますが、適正な重さだから必ず本物とは言えません。
判別できないものは鑑定士を頼る
そのためには、光緒元寶の本物も偽物もたくさん見る必要があります。
そうでなければ、そもそも違いがわからないからです。残念ながら、経験のない人が真贋を完璧に見分けるのはほぼ不可能でしょう。真贋を判別できない古銭が手元にあるなら、専門の鑑定士を頼りましょう。
厳正な査定をもとに、真贋だけでなく適正な価格を提示してもらえます。
買取実績から見る光緒元寶の価値
それでは続いては、実際にアンティーリンクで買取させていただいた直近の実例をもとに光緒元寶の価値をお伝えできればと思います。
綺麗な状態で残っていれば当然価値は高くなりますし、そうでなければ価値は高まりません。これまでご紹介してきた通り、細かな種類が数多くあり、それぞれ価値が異なります。
買取日 | 買取価格 | |
---|---|---|
北洋造 光緒元寶 34年 |
2023/09/01 |
15000円 |
江南省造 光緒元寶 |
2023/09/25 |
15000円 |
光緒元寶(北洋造) |
2023/11/08 |
25000円 |
光緒元寶(北洋造)34年 |
2023/12/22 |
28000円 |
四川省造(七銭二分) |
2024/04/01 |
20,000円 |
広東省造(七銭二分) |
2024/04/07 |
15,000円 |
広東省造(七銭二分) |
2024/04/17 |
10,000円 |
江南省造(七銭二分) |
2024/05/29 |
35,000円 |
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中国古銭の種類と買取価格一覧から、真贋までまとめてご紹介! 漢字で書かれていて中国の古銭のようですが、価値はありますか? 中国は長い歴史のなかでたくさんの古銭があります。数百、数千 ...光緒元寶は磨かない!
ですが、これは古銭取引においては完全に逆効果で、価値を下げてしまう行為なのです。古銭の価値基準は、発行当時の状態を保っているかどうかです。つまり、磨いてしまった時点で手を加えた状態となってしまいます。
それは自分の手で古銭の価値を落としてしまうということです。お手元の古銭が汚れていたとしても、絶対に磨かないでください。古銭を保管するときは、なるべく空気に触れないような容器や袋に入れましょう。
そして、余計な手を加えずに保持しておくことが重要です。
光緒元寶の売却方法
光緒元寶を売却するにあたって、方法は大きく2つに分かれます。
ひとつは、ネットオークションやフリマアプリを使うことです。
そしてもうひとつが、古銭買取業者に依頼すること。
それではこの2つのうち、光緒元寶を売るならどちらがいいのでしょうか?
メリット、デメリットとともに解説していきます。
個人間での取引(ヤフオク、メルカリ)
値段を自由に設定できるため、思いがけない利益を得られるかもしれません。ただし、個人間での取引である以上は自己責任となる点に注意しましょう。
適正な価格で売却できるか、間違って偽物を売ってしまわないか……。とてもリスキーな取引になることは間違いありません。
古銭の取引をあまりしたことがないのであればおすすめできない方法です。
買取業者に依頼する
もうひとつの売却方法は専門の買取業者への依頼です。
古銭専門の買取業者であれば古銭の鑑定人が必ずいます。
そのため、お手持ちの古銭の価値を正しく査定してくれるでしょう。
光緒元寶のような真贋の鑑定が難しい古銭も任せられるので、安心して取引できるはずです。
ただ、古銭を店まで持ち込んだりするのは面倒である点はデメリットかもしれません。
アンティーリンクでは、LINEで写真を送っていただくだけで無料査定をいたします。
さらに買取方法は郵送でOK!来店の必要はありません!
光緒元寶の他にも、古いお金や紙幣があれば、一括で査定をお引き受けします。
もし、売りたい古銭が手元にございましたら、まとめてアンティーリンクにお任せください。
「光緒元寶」は清朝時代(1875年 – 1908年)に発行された硬貨でしたが、1912年の中華民国成立後に発行された「中華民国壹圓」があります。
こちらも高価なものになりますので、あわせてチェックしてみてくださいね。
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