二千円札の裏に何が書いてある?源氏物語「鈴虫」の詞書と和歌を解説

二千円札の裏に書かれているのは、和歌そのものではなく、『源氏物語絵巻』第三十八帖「鈴虫」の詞書の冒頭です。
左側には「鈴虫」第二段の絵、右側には『紫式部日記絵巻』に描かれた紫式部の姿が配されています。
詞書の場面には和歌を交わすくだりがありますが、紙幣に印刷されているのは和歌ではありません。
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目次
二千円札の裏に何が書いてある?
二千円札の裏面は、『源氏物語』と紫式部に関係する3つの図柄と文字で構成されています。
「和歌が書かれている」と紹介されることがありますが、正確には物語本文である詞書の一部です。
| 場所 | 内容 | 何を表すか |
|---|---|---|
| 左側の絵 | 『源氏物語絵巻』「鈴虫」第二段 | 光源氏と冷泉院が向かい合う場面 |
| 絵に重なる文字 | 「鈴虫」第一段の詞書の冒頭 | 物語の本文を写した文章 |
| 右側の人物 | 『紫式部日記絵巻』の紫式部 | 『源氏物語』の作者を表す図柄 |
二千円札の裏面に描かれた人物の位置や、紫式部・光源氏・冷泉院の関係は、2000円札に描かれた人物で詳しく解説しています。
2000円札の裏の文字は『源氏物語』「鈴虫」の詞書
紙幣に使われた詞書は、『源氏物語絵巻』「鈴虫」第一段の冒頭部分です。
紙幣の絵は「鈴虫」第二段から選ばれています。
同じ「鈴虫」の帖から、文章と絵を組み合わせた構成です。
| 種類 | 出典 | 紙幣での使われ方 |
|---|---|---|
| 文章 | 「鈴虫」第一段の詞書 | 冒頭部分を絵の上に重ねて印刷 |
| 絵 | 「鈴虫」第二段 | 左側の場面として使用 |
| 人物図 | 『紫式部日記絵巻』 | 右側に紫式部の姿として使用 |
「鈴虫」は、八月十五夜の夕暮れに、女三の宮のもとを光源氏が訪れる場面から始まります。
女三の宮が仏に祈り、周囲の尼たちが花や水を供える中で、光源氏は庭に聞こえる虫の音を話題にします。
その後、二人は簡単には断ち切れない思いを和歌に託して交わします。
物語の場面や登場人物の動きを伝える詞書です。
紙幣には詞書の上部だけが使われている
二千円札には、詞書全体ではなく上部だけが印刷されています。
紙幣に見える文字だけを続けて読んでも、文章としては完結しません。
国立国語研究所は、二千円札の本文には詞書の途中までしか載っていないと説明しています。
冒頭は、八月十五夜の夕暮れに女三の宮が仏前で読経している場面です。
二千円札には何と書かれている?

二千円札に使われた『源氏物語絵巻』「鈴虫」第一段の詞書を、紙幣に近い表記で掲載します。
太字は、二千円札の裏面に実際に印刷されている箇所です。
十五夜のゆふくれに佛のおまへ
に宮おはしてはしちかくなかめ
たまひつゝ念誦したまふわかき
あまきみたち二三人はなたてま
つるとてならすあかつきのおとみつ
のけはひなときこゆるさまかはりたる
いとなみにいそきあへるいとあはれな
るにれいのわたりたまひてむしのね
いとしけくみたるゝゆふへかな
とて我もしのひてうちすんし給へる
紙幣では図柄の上に重ねて印刷され、文章全体を読める形ではありません。
二千円札と『源氏物語』「鈴虫」の和歌の意味
二千円札に印刷されているのは和歌ではなく、「鈴虫」第一段の詞書です。
「鈴虫」の場面では、女三の宮と光源氏が2首の和歌を交わします。
この2首は、紙幣の詞書の内容を理解するための背景となる和歌です。
女三の宮の和歌
秋をば憂しと
知りにしを
ふり捨てがたき
鈴虫の声
女三の宮は、秋の「秋」と、源氏が自分に「飽きた」のではないかという思いを重ねています。
鈴虫の声は、飽きたと思われる相手への思いをなお捨てられない気持ちも表します。
光源氏の和歌
草の宿りを
厭へども
なほ鈴虫の
声ぞふりせぬ
光源氏は、出家した女三の宮への思いが今も変わらないと返します。
鈴虫の声は、秋の夜の静けさだけでなく、二人の距離や言葉にしにくい感情を映す役割を持っています。
二千円札の裏に『源氏物語』「鈴虫」が選ばれた理由
二千円札に採用されたのは上の2首の和歌ではなく、「鈴虫」第一段の詞書です。
大蔵省は1999年、裏面を「鈴虫」第二段の絵と同帖の詞書、紫式部の絵で構成すると正式に決定しました。
財務省の過去の説明として紹介されている内容では、『源氏物語』が日本を代表する古典文学であることに加え、採用した詞書が「鈴虫」の冒頭で「すずむし」の文字を含み、文字の美しさでも評価が高いことが理由とされています。
選定対象は和歌ではなく、「鈴虫」第一段の詞書です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 決定時期 | 1999年10月29日 |
| 左側 | 『源氏物語絵巻』第三十八帖「鈴虫」第二段の絵の一部 |
| 重ねた文章 | 同帖の詞書の冒頭部分 |
| 右側 | 『紫式部日記絵巻』に描かれた紫式部の絵 |
| 発行開始 | 2000年7月19日 |
表面の守礼門と、裏面の詞書・絵巻をあわせた二千円札全体の図柄は、2000円札の守礼門と首里城でも確認できます。
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よくある質問
二千円札の裏に書いてあるのは和歌ですか?
『源氏物語絵巻』「鈴虫」第一段の詞書の冒頭部分です。
「鈴虫」の物語には和歌を交わす場面がありますが、紙幣に印刷されているのは和歌ではありません。
二千円札の裏に描かれている絵は何ですか?
右側には『紫式部日記絵巻』に描かれた紫式部の姿が使われています。
二千円札の「鈴虫」は虫の絵ですか?
紙幣の左側には、鈴虫の音が聞こえる秋の夜を背景にした物語の場面が描かれています。
二千円札の表面と裏面には何が描かれていますか?
裏面は『源氏物語絵巻』「鈴虫」の絵と詞書、そして『紫式部日記絵巻』の紫式部です。
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