慶長小判 価値と本物の見分け方
この記事では、小判の中でも特に問い合わせの多い、慶長小判をとりあげます。
アンティーリンクでは、これまで数多くの小判の査定を扱ってきました。
その実績をもとに、市場価値に基づいた買取金額、本物の見分け方を公開いたします。
慶長小判の基本情報
慶長小判は、慶長6(1601)年〜元禄8(1695)年にかけて発行された小判です。
基本情報は、以下の通りです。
重さ:17.73g
品位:金857/銀143
鋳造量:14,727,055両
慶長小判の価値
ここでは、慶長小判の価値に基づいた買取価格を公開します。
前 期 | 120万円(極美品) |
前 期(偶然大吉) | 200万円(極美品) |
後 期 | 50万円(極美品) |
慶長小判の製造時期(前期・後期)は、オモテ面にタガネで刻まれた槌目で判別できます。
・前期のものは槌目が細かいのが特徴(細目)。
・後期のものは槌目が粗い造りが特徴(粗目)。
※後期とは、明暦3(1657)年の大火(明暦の大火)以降に鋳造されたものを指します。
慶長小判の状態は、未使用/準未使用/極美品/美品/並品/劣品に分けられます。
市場では極美品のものが多く流通しているため、極美品の価格を掲載しています。
記事では、特に価値の高い年代のものをピックアップして紹介しました。
現存枚数は細目:粗目=7:3 程度です。
細目の方が現存数は多いものの、価値が高い傾向にあります。
また裏面の刻印の組み合わせ(大吉など)によっても、価値が変わります。
このように慶長小判は鋳造時期によって値段が異なります。
また価値が高いため、偽物も多く出回っています。
次の項目では、本物の見分け方を解説します。
慶長小判の真贋 本物の見分け方
慶長小判の本物と偽物を見分けるポイントは3つです。
・重さを計る
・肌(表面)を見る
・刻印を見る
この3つを押さえれば、慶長小判の本物を見分けられるようになります。
では実際に3つのポイントについて検証してみましょう。
重さを計る
まずは真贋確認の基本、重さを計ります。
こちらのサンプルで計測してみます。
本物の重さは17.73gとなっています。
およそ17.5〜17.9gの範囲であれば、本物だと判断できます。
サンプルは12.13gと本物に比べて明らかに軽いため、偽物だと判断できます。
それでは次に、慶長小判の肌(表面)を見ていきましょう。
肌(表面)を見る
重さの次は、小判の肌(表面)をチェックします。
業界では、古銭の表面のことを「肌」と呼んでいます。
ここでは、サンプルと本物を見比べてみましょう。
※本物画像は、同じような位置を同倍率で拡大したものです。
いかがでしょうか。
偽物の肌はざらっとして、ゴツゴツと荒い感じです。槌目は浅く、まばらになっています。
本物は肌が滑らかで、金属感があります。槌目は細かく、深く刻まれていますね。
以上のように、小判の肌(表面)の状態を観察することで、本物と偽物を見分けることができます。
では最後に刻印を見ていきましょう。
刻印を見る
最後のチェックは刻印です。
刻印とは小判のオモテ面、ウラ面に打刻されている様々な印のことを指します。
今回はウラ面、真ん中に打たれている花押(かおう)に注目します。
偽物は花押の線幅、外円、刻印の深さともに、きれいに整っています。
本物の方は線の太さ、刻印の深さは一定ではなく、まるで筆で書いたような味があります。
慶長小判が作られた時代を考えると、機械的な感じのする刻印は、逆に不自然ですよね。
このように、刻印に注目することで、本物と偽物を見分けることができます。
要点まとめ
以上が慶長小判の価値と本物の見分け方でした。
まとめると…
・慶長小判は前期・後期に分けられる。刻印によっても価値が異なる。
・慶長小判は前期(槌目が細いもの)が価値が高い。
・慶長小判の真贋は3ポイントで判別できる。
慶長小判は価値が高いため、偽物が多く出回っています。
熟練の鑑定士でも判断が難しい偽物も数多く存在します。
弊社では郵送買取のほか、LINEによる無料査定も行なっています。
慶長小判の真贋については、お気軽にご相談ください。
このほか、全12種類の小判の見分け方や、小判の真贋についての記事も公開しています。
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