和同開珎の種類別の価値を解説!買取価格も大公開!
日本で初めての流通貨幣として産声を上げた和同開珎(わどうかいちん)。ひょっとすると、こちらの古銭をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
だとすれば、このコインにどのくらいの価値があるのか気になってしまいますよね。
そこで、今回は和同開珎の種類ごとの価値・買取価格を中心に詳しくお届けします。
さらに、和同開珎よりもさらに古いとされる富本銭や皇朝十二銭の買取実績もご紹介していきます!
目次
「和同開珎」にはどのような価値があるの?
さて、まず和同開珎にはどのような価値があるのでしょうか。
ここでは、3つの観点から和同開珎の持つ価値について述べてみたいと思います。
- 「和同開珎」の価値は種類によって異なる!
- 「和同開珎」の高い歴史的価値
- 「和同開珎」は人気のコレクション
「和同開珎」の価値は種類によって異なる!
およそ50~80年間という長い期間にわたって作られてきた和同開珎には、さまざまな種類が確認されています。
そこからさらに素材が違ったり、デザインが違ったりで、細かく種類が分けられます。
基本的には古いものほど価値が高い傾向があります。
※古銭全種買取価格一覧表にも和同開珎の買取価格が掲載されています。
「和同開珎」の高い歴史的価値
やはり、日本で初めて政府が公に鋳造・流通させた貨幣である点は見逃せません。
それまでは、商取引といえば物々交換が当たり前でした。そこに貨幣を介在させようとした政府には、中国の唐王朝に追いつき追い越そうとする気概が見えます。また、輸入した銭貨ではなく、自前で鋳造したものを通用させた点も要注目です。これは、当時の日本が他国に頼ることなく、金属を鋳造して貨幣を作る能力があったことを示す証拠に他なりません。
いずれにしても、その歴史的価値は大きいといえるでしょう。
「和同開珎」は人気のコレクション
和同開珎は、コイン収集家の中でも人気の高いコレクションのひとつです。
発行されていた時期が52年間と比較的長く、後述する皇朝十二銭のなかでも2番目に現存数が多いのに、それなりのプレミアも付いています。これは、やはり我が国で最初に流通した銭貨であることが大きいのではないでしょうか。特にコレクター初心者の方は「和同開珎ぐらいはコレクションとして持っておきたい」という心理が働くものと推察されます。人気が出れば価値が高まるというわけです。
このように歴史的な面でもコレクターズアイテムの面でも、和同開珎は非常に高い価値を有しているといえるでしょう。
古和同、新和同で価値が大きく変わるので、まずは和同開珎の新旧の見分け方を解説します。
古和同と新和同の見分け方
初期に作られた古和同開珎は、まだまだ製造技術が発達しておらず、サイズや重さがバラバラで統一性がないのですが、以下のような特徴がある傾向があります。
- 見分け方① 新和同開珎に比べ、厚手
- 見分け方② 新和同開珎に比べ、古めかしい
- 見分け方③ 和同開珎の「和」の字に注目!
- 見分け方④ 和同開珎の「開」の字に注目!
- 見分け方⑤ 銀製だったら古和同!
見分け方① 新和同開珎に比べ、厚手
古和同開珎は、新和同に比べて厚手のものが多いです。
見分け方② 新和同開珎に比べ、古めかしい
要は”見るからに古そう”ってことです。
見分け方③ 和同開珎の「和」の字に注目!
ただ傾向としてこの特徴が多いというだけなので、他の見分け方も組み合わせて判断していきます。
見分け方④ 和同開珎の「開」の字に注目!
一方で、新和同は「開」の字の門構えの上部は開いています。
見分け方⑤ 銀製だったら古和同!
新和同は銅銭のみです。
ただ、古和同は「銀製」「銅製」の2パターンがあります。
それでは種類別に和同開珎の価値をご紹介していきます!
和同開珎の種類別の価値はどれくらい?
和同開珎を現在買取に出したら、いったいどのくらいの値段が付くのでしょうか。
同じ和同開珎でも、古和同と新和同、銀銭か銅銭か、手替わりの種類によっても価値は変化します。
それぞれの種類別にまとめてみましたので、ご覧ください。現存枚数の多い新和同開珎の種類からご紹介していきます。
※火中品(火事などで焼けた古銭)などで、以下で紹介していく買取価格相場よりも下振れすることも多いです。
新和同開珎(中字)
そのため、和同開珎の中では最も価値としては低いものとなります。
<特徴>
- この後紹介していくような特徴が見られません。
- 素材:銅
新和同開珎(中字) |
10,000~250,000円程 |
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新和同開珎(短和・降和)
そのため、和同開珎の中では価値としては低いものとなります。
<特徴>
- 「和」の字の位置が低い
- 「珎」の”王”の字が大きい
- 「同」の”口”の字が大きい
- 素材:銅
新和同開珎(短和・降和) |
10,000~1,300,000円程 |
---|
新和同開珎(小珎)
価値としては和同開珎の中で低い部類です。
<特徴>
- 「和」の”口”の字が右上方向に伸びがある
- 「珎」の”尓”の字が左寄り
- 素材:銅
新和同開珎(小珎) |
10,000~100,000円程 |
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新和同開珎(ノ木)
価値としては和同開珎の中で中程度の部類です。
<特徴>
- 「和」の”禾”の字の5画目が長い
- 「珎」の”尓”の字も長い
- 素材:銅
新和同開珎(ノ木) |
30,000~120,000円程 |
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新和同開珎(長珎)
価値としては和同開珎の中で中程度+αの部類です。
<特徴>
- 「和」の”禾”の字の2画目の位置が低い
- 「和」の”禾”の字の3画目の位置が低い
- 「珎」の”尓”の字が長い
- 素材:銅
新和同開珎(長珎) |
30,000~170,000円程 |
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新和同開珎(四ツ跳)
価値としては和同開珎の中で中程度+αの部類です。
<特徴>
- 「和」「同」「開」「珎」の4字すべてに”跳ね”がある
- 全体的に文字が小ぶり
- 素材:銅
新和同開珎(四ツ跳) |
100,000~600,000円程 |
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新和同開珎(三ツ跳)
<特徴>
- 「和」「同」「珎」の3字に”跳ね”が見られる
- 全体的に文字が大ぶり
- 素材:銅
新和同開珎(三ツ跳) |
50,000~600,000円程 |
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さて、ここからは「古和同」の種類別の紹介となります。
古和同開珎(隷開・銅銭)
古和同のなかでは最も価値が低いといえど、和同開珎全体のなかでは中程度の価値があります。
<特徴>
- 「同」の”口”の字が左寄り
- 「開」の門構えが開いている
- 素材:銅
古和同開珎(隷開・銅銭) |
10,000~2,000,000円程 |
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古和同開珎(隷開・銀銭)
もちろん、和同開珎全体のなかで上位の部類の価値があります。
<特徴>
- 「同」の”口”の字が左寄り
- 「開」の門構えが開いている
- 素材:銅
古和同開珎(隷開・銅銭) |
200,000~1,600,000円程 |
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古和同開珎(縮字・銀銭/銅銭)
「古和同開珎(隷開・銀銭)」よりもさらに希少価値は高まります。
和同開珎全体のなかで上位の部類の価値です。
<特徴>
- 「珎」の”尓”の字の四画目が短い(点に見えるくらい)
- 素材:銀 or 銅
古和同開珎(縮字・銀銭/銅銭) |
200,000~1,600,000円程 |
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古和同開珎(大字/小字・銀銭/銅銭)
「古和同開珎(縮字・銀銭/銅銭)」同程度か、少しだけ希少価値が高まります。
和同開珎全体のなかで上位の部類の価値です。
<特徴>
- 「和」の字全体が縦に長い印象
- 「開」の字全体が大きい※”小字”の場合には小さい
- 素材:銀 or 銅
古和同開珎(大字/小字・銀銭/銅銭) |
200,000~1,350,000円程 |
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古和同開珎(笹手・銀銭/銅銭)
古和同はもちろん、和同開珎全体のなかで最も価値が高いです。
<特徴>
- 文字全体の末端が細くなっている
- 「同」の”口”の字の位置が低い
- 素材:銀 or 銅
古和同開珎(笹手・銀銭/銅銭) |
300,000~1,800,000円程 |
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そういえば、和同開珎よりも前の古銭として「富本銭」も有名ですよね!
「和同開珎」よりも古い銭貨があるって本当?
和同開珎が日本で最初の流通貨幣であることは疑いようがありません。
ところが、それよりも古い時代に富本銭(ふほんせん)と呼ばれる貨幣が存在したことはご存じでしょうか。
ここでは、富本銭の基本的な情報と現在の買取価格について解説していきます。
「富本銭」が日本最古の銭貨とされる
ただし、実際に広く流通した貨幣としては、今でも和同開珎は最古の貨幣です。
写真:Wikipedia
無文銀銭について
この貨幣には、「和同開珎」や「富本」などの文字が入っていません。
写真:Wikipedia
また、和同開珎や富本銭と違い、鋳造された規格品ではなく銀板を叩いて成形したものだとされます。
現存数も非常に少なく、実際に貨幣としてどのくらいの枚数が流通していたのかなど、まだまだ不明な点が多いのも特徴です。
「富本銭」の現在の買取価格は?
もし、富本銭を買取依頼に出したら、どのくらいの価格が付くのでしょうか。
正直なところ、富本銭は現存数が極めて限られているため、個人のお客様が業者に持ち込むケースはほとんどないものと考えております。したがって、買取価格の相場を述べるというのはなかなか難しいのが実情です。
これは、さらに古いとされる無文銀銭も同様で、一般の古物市場にはめったなことでは出回らないものだと考えております。
つまり、こちらも値のつけようがありません。
「和同開珎」を含む皇朝十二銭の価値・買取実績
皇朝十二銭とは、皇朝つまり日本で独自に発行された12種類の銭貨を意味します。これらは、奈良時代の直前から平安時代の半ばまで発行されました。
それぞれを発行順に買取実績をご紹介していきます。
1.和同開珎【わどうかいちん】(708年)
和同開珎の「和同」は「和銅」にちなんだのではないのかというわけです。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
和同開珎 |
120,000円 |
2024/04/13 |
2.萬年通宝【まんねんつうほう】(760年)
ところが、和同開珎の10倍の価値を持たせようと画策したためにインフレを招き経済が混乱。たったの5年で鋳造が中止されてしまったのだとか。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
萬年通宝 |
35,000円 |
2021/05/08 |
3.神功開宝【じんこうかいほう】(765年)
都よりはるかに遠く、オホーツク文化圏の遺跡でも出土した点にも注目されています。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
神功開宝 |
12,000円 |
2023/12/20 |
4.隆平永宝【りゅうへいえいほう】(796年)
はじめは、これまで発行された3種の貨幣10枚に対して隆平永宝1枚という交換比率が定められましたが、旧貨幣はついぞ廃止されることはありませんでした。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
隆平永宝 |
27,000円 |
2023/07/13 |
5.富寿神宝【ふじゅしんぽう】(818年)
国内経済の発展につれて銭貨の需要も高まったものの、素材となる銅の産出量は年々減るばかりでした。そんなわけで、銅の純度も量目も下がった銭貨が作られるようになったのがこの時代です。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
富寿神宝 |
27,000円 |
2023/07/13 |
6.承和昌宝【じょうわしょうほう】(835年)
量目は先代からさらに減らされ、2.5gになりました。また、日本で初めて年号が銭名に刻まれた例としても知られています。
この銭貨も旧銭10枚に対して新銭1枚というレートで交換されました。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
承和昌宝 |
42,000円 |
2023/07/13 |
7.長年大宝【ちょうねんたいほう】(848年)
この頃になると、ときの政府は激しいインフレを抑える目的と原料になる銅を改鋳で補うために短い期間に何度も新貨を発行するようになります。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
長年大宝 |
52,000円 |
2023/07/13 |
8.饒益神宝【にょうえきしんぽう】(859年)
例によって旧貨10枚をもって新貨1枚を交換するという手法が用いられました。量目も旧貨の2.5gから2gに減らされている点もポイントです。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
饒益神宝 |
450,000円 |
2021/12/01 |
9.貞観永宝【じょうがんえいほう】(870年)
量目は2gと旧貨と変わらないものの、銅の品位は50%強まで下がってしまいました。代わりに鉛が成分の3分の1を占めるなど、もろくて崩れやすい粗悪な銭貨だったといえます。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
貞観永宝 |
27,000円 |
2023/07/13 |
10.寛平大宝【かんぴょうたいほう】(890年)
時代は、藤原氏による摂関政治が始まった頃。この辺りから律令政治は形骸化し、政府の権威をバックに発行されていた銭貨は、ますますその信用性を疑われるようになりました。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
寛平大宝 |
25,000円 |
2023/08/26 |
11.延喜通宝【えんぎつうほう】(907年)
この頃には原料となる銅の確保すらままならず、成分の半分が銅というもはや銅貨ではなく合金というレベルまで下がってしまっています。むろん、市民からの信用など得られるはずもありませんでした。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
延喜通宝 |
12,000円 |
2023/07/13 |
12.乹元大宝【けんげんたいほう】(958年)
もはや、中央政府の権威は失墜し、銭貨にも大した価値はありませんでした。藤原氏による実効支配はますます進み、国産の銭貨はしばらくの間、姿を消す運命をたどります。
買取価格 | 買取日 | |
---|---|---|
乹元大宝 |
72,000円 |
2023/07/13 |
※皇朝十二銭を含む日本の穴銭の買取価格をこちらにまとめておりますのでご参考にしてください。
皇朝十二銭の終焉
当時の先進国であった唐王朝を見倣って始まった貨幣の公鋳ですが、12番目の乾元大宝の発行をもって長い休眠期間に入ることになります。
理由は、中央政府が発行する貨幣の品質が悪いため、人々がそっぽを向いたからだそうです。
銭貨がなくなった後は、元の物々交換だったり中国から輸入した宋銭や元銭、明銭などを使用して取引を行っていたと伝わります。
その後、国産の貨幣は、江戸時代に寛永通宝が登場するまで作られることはありませんでした。
皇朝十二文銭については「皇朝十二文銭は買取ってもらえるの?価値はどのくらい?」の記事もご参照ください。
現代ではとても高い価値が付くことがわかった!
じゃあ、当時はどのくらいの価値があったのかなぁ?
「和同開珎」1枚で当時は何が買えたの?
ここでは、和同開珎の当時の価値について考察していきます。
この銭貨は当時、いったいどれくらいの価値があったのでしょうか。
「和同開珎」1枚でお米が現在の4合分
とはいえ、この時代の1升は現代の4合程度であることは考慮しておかなければなりません。
仮に現代のお米10kgが4,000円程度だとすると、次の式が成り立ちます。(お米1合は約150gとして計算)
10,000g(=10kg):4,000円 = 600g(=4合):x円
この比例式の解は、x=240です。つまり、和同開珎1枚で約240円になるといえます。
「和同開珎」1枚で労働者の給料1日分
一方、和同開珎が1枚あれば労働者1人分の日給を賄えたとする資料もあります。
現代の工夫の日当を仮に12,000円だとすると、当時もそれと同等の価値があったといえるのでしょうか。
これにはさすがに疑問符を付けざるを得ません。むしろ、日当がお米4合程度と同じくらいだったと考えるのが妥当ではないでしょうか。
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