南鐐二朱銀とは?種類別の買取価格と偽物の見分け方を解説

「常是」「以南鐐八片換小判一兩」と刻まれた長方形の銀貨をお持ちなら、それは南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)かもしれません。
南鐐二朱銀は、明和9年(1772年)から江戸時代の終わりごろまで使われた銀貨です。
作られた時期によって古南鐐二朱銀と新南鐐二朱銀に分かれ、買取価格は種類と保存状態で変わります。
この記事では、南鐐二朱銀の買取価格、種類ごとの特徴、偽物の見分け方、高く売るための注意点を、アンティーリンクが解説します。
この記事でわかること
目次
南鐐二朱銀の買取価格
南鐐二朱銀の買取価格は、古南鐐二朱銀か新南鐐二朱銀か、そして保存状態で決まります。
アンティーリンクの本日の買取価格は以下のとおりです。
| 種類 | 状態 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 古南鐐二朱銀 (明和・寛政) |
美品 |
6,000円 |
| 並品 |
4,000円 |
|
| 新南鐐二朱銀 (文政) |
美品 |
4,000円 |
古南鐐二朱銀のほうが、新南鐐二朱銀よりも高い価格で取引されています。
古南鐐二朱銀は銀の量が多く、収集家からの人気も高いためです。
なお、古南鐐二朱銀には明和南鐐二朱銀と寛政南鐐二朱銀の2つがありますが、アンティーリンクでの買取では同じ区分として扱っています。
詳しい見分け方については、下で解説します。
南鐐二朱銀とは
南鐐二朱銀は、江戸時代に流通した銀貨の一つです。
「朱」は江戸時代の貨幣単位で、1両の16分の1が1朱にあたります。
二朱はその2倍、つまり1両の8分の1の価値を表しています。

古南鐐二朱銀
正式名称は「貮朱之歩判(にしゅのぶばん)」で、略して「貮朱判(にしゅばん)」とも呼ばれます。
一般には「南鐐二朱銀」や「南鐐二朱判(なんりょうにしゅばん)」という呼び方が使われます。
南鐐二朱銀は、銀の純度が98%と高い「名目貨幣」の銀貨です。
名目貨幣とは、金や銀がどれだけ含まれているかではなく、貨幣に刻まれた文字で価値が決まる貨幣のことをいいます。
重さと品質をきちんと定めた南鐐二朱銀を広めることで、幕府は全国でばらばらだったお金を統一しようとしました。
ただし、地域ごとの価値の差までは解消できず、貨幣制度の統一という点では成功したとはいえません。
南鐐二朱銀は、明和9年(1772年)に田沼意次の命を受け、勘定奉行の川井久敬が計画して作られ始めたといわれています。
南鐐の意味
南鐐とは、純度が高いという意味です。
南鐐二朱銀は銀の純度が98%と高いことから、この名が使われています。
なお、南鐐は「南挺」と書かれることもあります。
表面に刻まれた「以南鐐八片換小判一兩」は、この8枚で1両という関係を示した文言です。
読み方は「なんりょうはっぺんをもってこばんいちりょうとかえる」で、南鐐銀8枚をもって小判1両と交換します、という意味になります。
裏面の「定 銀座常是」の意味
南鐐二朱銀の裏面には、分銅の形と「定」「銀座常是」の文字が刻まれています。
「常是(じょうぜ)」は、江戸時代の銀座役人が代々受け継いだ名前です。
常是役所(じょうぜやくしょ)では、銀貨の鋳造と極印打ち、包封が行われていました。
そのため「常是」は銀貨の発行所である銀座の俗称としても使われ、銀座が発行した銀貨の極印に用いられました。
「銀座(ぎんざ)」は、銀地金の売り買いと、銀地金への極印打ち、つまり貨幣の鋳造を担った場所の呼び名です。
はじまりは、大坂に堺と京都の銀吹屋20人を集めて設けられた「常是座(じょうぜざ)」でした。
南鐐二朱銀は「常是」と「銀座」の刻印が押されて「銀座常是」となり、これは「銀座包」と呼ばれます。
南鐐二朱銀のサイズと重さ
南鐐二朱銀のサイズと重さは以下のとおりです。
| 古銭の種類 | サイズ | 重さ |
|---|---|---|
| 古南鐐二朱銀 | 縦 27.0ミリ前後 横 15.4ミリ前後 |
10.19g |
| 新南鐐二朱銀 | 縦 27.0ミリ前後 横 15.4ミリ前後 |
7.53g |
古南鐐二朱銀より、新南鐐二朱銀のほうが軽いです。
幕府が財政難を解決するため、1枚あたりの重さを軽くして、限られた銀でより多くの貨幣を作ろうとしたためです。
南鐐二朱銀が作られた目的
江戸時代の日本では、さまざまな種類のお金が使われていました。
これらは重さや形、価値がばらばらで、物を売り買いするときに混乱が起きやすい状態でした。
南鐐二朱銀は、この混乱を減らして経済をなめらかに動かすために作られました。
南鐐二朱銀が広まると、お金の形と重さがそろい、金額の計算が簡単になります。
取引をしやすくするための重要な一歩で、商取引を活発にする助けになりました。
秤量貨幣と計数貨幣の違い
秤量貨幣(しょうりょうかへい)は重さで価値が決まる貨幣、計数貨幣(けいすうかへい)は枚数で価値が決まる貨幣です。
南鐐二朱銀は、このうち計数貨幣にあたります。

| 項目 | 秤量貨幣 | 計数貨幣 |
|---|---|---|
| 価値の決まり方 | 重さと銀の純度 | 刻まれた額面と枚数 |
| 取引のしかた | そのつど量って調べる | 枚数を数えるだけ |
| 江戸時代の代表例 | 丁銀、豆板銀 | 小判、一分判、南鐐二朱銀 |
| 主に使われた地域 | 関西(銀遣い) | 関東(金遣い) |
秤量貨幣は、たとえば銀1gあたりの相場を決め、取引に使う銀貨の重さと純度から価値を計算します。
そのつど重さと純度を調べる必要があり、手間がかかる点が難点でした。
計数貨幣は、現代のお金と同じように1枚あたりの価値が決まっています。
そのため、枚数を数えるだけで取引できました。
計数銀貨とは
計数銀貨とは、計数貨幣のうち銀で作られたもののことです。
江戸時代の銀貨は、もともと丁銀や豆板銀といった秤量貨幣でした。
最初に作られた計数銀貨は、明和2年(1765年)の五匁銀です。
ただし五匁銀は広まらず、銀貨の計数貨幣化が実現したのは明和9年(1772年)の南鐐二朱銀からとされています。
南鐐二朱銀は、金貨の単位である「朱」を額面に使った計数銀貨です。
これによって銀貨が金貨の補助貨幣として使われるようになり、江戸時代の貨幣制度は金貨を中心とした形へ進んでいきました。
南鐐二朱銀の種類と特徴
南鐐二朱銀は、大きく分けて古南鐐二朱銀と新南鐐二朱銀の2種類です。
| 種類 | 詳細 | 表画像 | 裏画像 |
|---|---|---|---|
| 古南鐐二朱銀 | 1772年から作られたもの | ![]() |
![]() |
| 新南鐐二朱銀 | 1824年から作られたもの | ![]() |
![]() |
古南鐐二朱銀は、さらに明和南鐐二朱銀と寛政南鐐二朱銀に分かれます。
新南鐐二朱銀は文政南鐐二朱銀とも呼ばれ、以下でそれぞれの特徴を解説します。
明和南鐐二朱銀

明和南鐐二朱銀とは、古南鐐二朱銀のうち、明和年間(1764〜1772年)に作られたものです。
南鐐二朱銀が登場するまでは、西日本では丁銀や小玉銀、東日本では小判や一分判といったお金が使われていました。
しかし、これらの価値は安定していなかったため、幕府はお金の基準を小判や一分判といった金貨にそろえようと考えます。
そこで最初に作ったのが五匁銀という銀貨でしたが、商人には受け入れられませんでした。
さらに幕府は、金貨と価値を結び付けた銀貨として南鐐二朱銀を作りました。
金貨と銀貨の交換比率を固定し、お金を統一しようとしたためです。
寛政南鐐二朱銀

古南鐐二朱銀のなかでも、改良品として作られたのが寛政南鐐二朱銀です。
明和南鐐二朱銀は商人や両替商に受け入れられず、抵抗されました。
そこで幕府は、南鐐二朱銀を使う人を優遇したり、無利子で貸し付けたりと、さまざまな工夫をします。
それでも西日本ではなかなか広まらず、銀の価値が上がってしまいました。
このため、幕府は寛政12年(1800年)に南鐐二朱銀の鋳造を再開します。
このとき作られたものは、のちの新南鐐二朱銀に外見が似ており、寛政南鐐二朱銀と呼ばれます。
明和南鐐二朱銀と寛政南鐐二朱銀を合わせて、古南鐐二朱銀と呼ぶこともあります。
文政南鐐二朱銀(新南鐐二朱銀)

新南鐐二朱銀(文政南鐐二朱銀)は、古南鐐二朱銀を文政7年(1824年)に改めたものです。
銀の品位は978、銅の品位は22で、重さは7.53gと、前の銀貨より軽くなりました。
幕府は新しい銀貨で流通をなめらかにしようとしましたが、本当のねらいは財政の立て直しでした。
当時の幕府はお金に困っており、新しい銀貨を作ることで通貨の量を増やそうとしていたのです。
ただし、これは日本が鎖国している間だけ通用する政策でした。
開国後は、金が国外へ流れ出す問題を招く原因にもなりました。
南鐐二朱銀の偽物の見分け方
南鐐二朱銀には、残念ながら偽物も多く出回っています。
確認したいのは「見た目」「重さ」「銀の含有量」の3点です。
刻印と外観で見分ける

上記画像のように、偽物は彫りが浅く、外周の点もほぼわかりません。
また、文字の書体も違うのがわかります。
ただし、刻印だけで本物かどうかを決めるのは難しいため、併せて重さも確認しましょう。
重さで見分ける
重さで見分けるときは、古南鐐二朱銀と新南鐐二朱銀の標準重量と比べます。
- 古南鐐二朱銀:10.19g
- 新南鐐二朱銀:約7.4〜7.53g
標準重量から大きく外れている場合は、偽物の可能性を疑います。
判断に迷うときは買取店に相談してください。
アンティーリンクでは画像を送るだけで査定ができるサービスがございますので、真贋や価値が気になった際はぜひお気軽にご利用ください。
南鐐二朱銀と同じ時代に使われた古銭の買取価格は、以下からご確認いただけます。
南鐐二朱銀を高く売る方法
アンティーリンクでは、店頭買取だけでなく、郵送買取、出張買取も行っております。
| 買取方法 | 特徴 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|
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全国どこからでも買取することができます。
また、事前に価値が知りたい場合いや、買取に対して相談したいことがある場合は、ライン査定やコンタクトからお問い合わせください。
南鐐二朱銀に関するよくあるお問い合わせ
南鐐二朱銀かどうかわからないのですが、買い取ってもらえますか?
事前に真贋を知りたい場合はライン査定をご利用ください。
汚れていた場合洗ったり磨いたりしたほうがいいですか?
洗ったり磨いたりすると、逆に価値が下がってしまいますので、そのままの状態で保管するのが最善です。
ボロボロの南鐐二朱銀でも買い取ってくれますか?
状態によって買取価格は変わりますが、汚れていたり傷がついていても買取は行っています。



































