南鐐二朱銀はなぜ作られた?現在の価値を歴史ふくめてご紹介!
「定常是銀座」「以南鐐八片換小判一兩」といった刻印があるなら、それは南鐐二朱銀かもしれません。
この記事では南鐐二朱銀がどういった経緯で作られたのか?その歴史や価値、種類、偽物との見分け方、現在の買い取り時における相場、買取の際の注意点などを解説します。
南鐐二朱銀に関する情報を詳しく把握できる記事です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
南鐐二朱銀とは
“二朱銀”の”朱”とは、金や銀の重さを表す単位です。一朱は約3.75グラムの重さです。そのため、「二朱」とは、その2倍、つまり約7.5グラムの重さを意味しています。
▲古南鐐二朱銀
南鐐二朱銀は「貮朱之歩判(にしゅのぶばん)」や、その略称で「貮朱判(にしゅばん)」が正式名称です。
一般には「南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)」や「南鐐二朱判(なんりょうにしゅばん)」と呼ばれます。
南鐐二朱銀は、銀純度98%と良質な銀でできた”名目貨幣”の銀貨です。
名目貨幣とは、金や銀がどれだけ入っているか?で価値が決まるのではなく、お金に刻まれた文字で価値が決められる貨幣のことです。
重さや品質がキッチリと定められた南鐐二朱銀を導入することで、当時さまざまなお金が全国各地で使われていたところ、公式に統一しようという試みでしたが、地域間での”お金の価値の差”を解消することはできず、貨幣制度の統一に向けて成功したとは言い難いものでした。
明和9年(1772年)に、田沼意次の命を受けて、勘定奉行の川井久敬によって計画され、初めての南鐐二朱銀が作られ始めたといわれています。
南鐐二朱銀 |
4,000~6,000円 |
---|
南鐐二朱銀は最初いつ作られた?
この南鐐二朱銀が最初にいつ作られたのか?については、大きく2つの異なる見解があり、「1695年(元禄8年)」とも「1772年(明和9年)」とも言われています。
一部の史料では、南鐐二朱銀が1695年に初めて鋳造されたと記されていますが、一方では1772年に初めて鋳造されたとされる記録もあるのです。
1695年には南鐐二朱銀と似た種類の貨幣が鋳造され、1772年にはそれが改めて「南鐐二朱銀」として公式に鋳造された可能性も考えられますが、いずれにしても南鐐二朱銀については、その鋳造が始まった正確な年については異なる見解があると理解しておいてください。
2種類の南鐐二朱銀
南鐐二朱銀には、大きく分けて2種類あります。
種類 | 詳細 | 表画像 | 裏画像 |
---|---|---|---|
古南鐐二朱銀 | 1772年~に作られたもの。 | ||
新南鐐二朱銀 | 1824年~に作られたもの。 |
古南鐐二朱銀は、現在では収集家の間で高い人気があり、新南鐐二朱銀よりも高い価値で取引されています。
新南鐐二朱銀は、江戸時代に発行された改鋳された新しい型二朱銀です。文政年間に改鋳され、古南鐐二朱銀に代わって流通しました。新南鐐二朱銀は、古南鐐二朱銀から重量を減らして鋳造・発行された点が特徴的です。
新南鐐二朱銀の価格は、その状態や希少性によって異なりますが、古南鐐二朱銀よりも低い相場で取引されることが多いです。
南鐐?二朱銀?ってどういう意味?
南鐐(なんりょう)とは、「純度が高い」という意味です。南鐐二朱銀は銀純度98%と良質な銀でできた名目貨幣の金貨であることから使用されています。
二朱銀は、日本における銀貨の分類の1つです。形状は長方形で、2枚ワンセットで銀貨1枚分の価値に相当し、8枚が小判1両に相当します。江戸時代の貨幣制度において重要な位置を占めていました。
南鐐二朱銀のサイズ、重さ
南鐐二朱銀のサイズと重さは以下のとおりです。
古銭の種類 | サイズ | 重さ |
---|---|---|
古南鐐二朱銀 | 縦 27.0ミリ前後 横 15.4ミリ前後 |
10.19g |
新南鐐二朱銀 | 縦 27.0ミリ前後 横 15.4ミリ前後 |
7.53g |
南鐐二朱銀より、新南鐐二朱銀の方が重量は軽いです。
これは、徳川幕府が、財政的な問題を解決するために、お金の重さを軽くすることで、限られた銀の量でより多くのお金を作ることができるからです。こうして、経済を支えるための資金を得ることを狙ったのです。
使っていた時代、当時の価値
南鐐二朱銀のなかでも古南鐐二朱銀は、明和9年(1772年)から文政7年(1824年)までの期間に使用されています。
新南鐐二朱銀の使用されていた期間は文政7年(1824年)から天保元年(1830年)までですが、当時はどれだけの価値があったのでしょうか。
秤量貨幣と、計数貨幣
秤量貨幣とは、重さにより貨幣の価値を決定しているものです。
たとえば銀1gに対してレートを決め、取引の際に使用する銀貨の重さや純度によって価値が決まります。
秤量貨幣は取引のたびに貨幣の重さや純度を調べなければならず、手間がかかる点がデメリットですね。
計数貨幣は銀貨や金貨、現代の貨幣制度のように貨幣の数に応じて価値が決定します。銀貨を例にとれば、1枚あたりの価値が決まっているため、枚数を数えるだけで取引可能です。
南鐐二朱銀は、計数貨幣の銀貨として取引された代表例に挙げられます。
南鐐二朱銀が作られた目的
江戸時代の日本では、さまざまな種類のお金が使われていました。これらのお金は重さや形、価値がバラバラで、人々が物を買ったり売ったりするときに混乱が生じやすかったんです。南鐐二朱銀は、このような混乱を減らして、経済をもっとスムーズに動かすために作られました。
また、 南鐐二朱銀の導入によって、お金の形や重さが統一されました。これは、お金の計算を簡単にし、取引をしやすくするための重要な一歩で、これによって、商取引が活発になる助けになったのです。
南鐐二朱銀の種類別の買取価格一覧
南鐐二朱銀は種類により価値が異なります。以下は種類別の買取価格の相場です。
種類 | 相場 |
---|---|
古南鐐二朱銀 (明和南鐐二朱銀) |
美品:6,000円 |
並品:4,000円 |
|
古南鐐二朱銀 (寛政南鐐二朱銀) |
美品:6,000円 |
並品:4,000円 |
|
文政南鐐二朱銀 (新南鐐二朱銀) |
美品:4,000円 |
【古銭全種掲載】買取価格一覧表にも掲載しております。新南鐐二朱銀、古南鐐二朱銀。
各種の相場を把握することで、適正価格で売買しやすいです。以下でそれぞれの特徴を解説します。
明和南鐐二朱銀
明和南鐐二朱銀とは、古南鐐二朱銀のなかでも、明和年間(1764~1772年)に作られたものです。南鐐二朱銀が登場する明和年間までは、西日本では丁銀や小玉銀、東日本では小判や一分判といったお金が使われていました。
しかし、これらのお金の価値は安定していなかったため、幕府はお金の基準を金貨(小判や一分判)に統一しようと考えました。
そこで、最初に五匁銀という銀貨を作ったのですが、これは商人たちには受け入れられませんでした。
さらに幕府は、金貨と同じ価値の銀貨、南鐐二朱銀を作りました。これによって、金貨と銀貨の価値を固定し、お金を統一しようとしたんです。
明和南鐐二朱銀は、前の五匁銀がうまくいかなかったことを考えて、銀の純度を高くして、銀の重さではなくいわゆる”額面”で価値を示しました。
しかし、これまで通り、実際の銀の量で取引をしたいと考える商人も多かったようです。とくに、これまで小判と丁銀の交換で儲けていた両替商にとっては、南鐐二朱銀は困った問題だったようです。
寛政南鐐二朱銀
古南鐐二朱銀のなかでも改良品として作られたのが寛政南鐐二朱銀です。明和南鐐二朱銀は商人や両替商にはあまり人気がなくて、抵抗されました。そこで幕府は、南鐐二朱銀を使う人たちに特別な待遇をしたり、無利子の貸し付けをするなど、いろいろな工夫をしました。
それでも、この新しいお金は西日本ではなかなか普及せず、銀の価値が上がってしまいました。このため、幕府は寛政12年(1800年)に再び南鐐二朱銀の鋳造を始めました。この時作られた南鐐二朱銀は、外見が後に出た新南鐐二朱銀に似ていて、寛政南鐐二朱銀と呼ばれます。
明和南鐐二朱銀と寛政南鐐二朱銀を合わせて、古南鐐二朱銀という名前で呼ばれることもあります。
文政南鐐二朱銀(新南鐐二朱銀)
幕府は、この新しい銀貨を作ることで、流通をスムーズにしようとしたんですが、本当の目的は財政を立て直すことでした。
当時の幕府はお金に困っていて、新しい銀貨を作ることでお金を増やそうとしていました。しかし、これは日本が鎖国している間だけ上手くいく政策で、開国すると金の流出等の問題が起きる原因にもなりました。
南鐐二朱銀の偽物の見分け方
南鐐二朱銀には、残念ながら偽物も多く存在していますので、かんたんな見分け方をご紹介していきます。
チェックポイントとしては、「見た目」「重さ」「銀含有量」の3つです。
見た目で見分ける
南鐐二朱銀は、古いものと新しいもので外観に微妙な違いがあります。特に、刻印の深さや文字の形状などが違います。
これらのポイントを確認することで、南鐐二朱銀の細かい種類を判別できるでしょう。
ただし、専門家の意見を仰ぐことも重要です。
重さで見分ける
南鐐二朱銀を重さで見分けるためには、古南鐐二朱銀と新南鐐二朱銀の重さを比較します。
- 古南鐐二朱銀:10.19g
- 新南鐐二朱銀:約7.4g~7.52g
このように、重さを確認することで、古いものと新しいものを見分けられるでしょう。
銀の含有量で見分ける
南鐐二朱銀に銀がどれほど含まれているのか、その量を測るためには、正確に測定するための専門機器が必要です。
こうした機器で、銀の純度を調べるときには、主に3つの分析方法があります。
- 電気をどれだけ通すか測る(電気伝導率測定)
- 熱がどれだけ通るか測る(熱伝導率測定)
- 水にどれだけ沈むか測る(密度測定)
南鐐二朱銀と同時代に使われた古銭
南鐐二朱銀と同時代(江戸時代1772年~1868年ごろ)に使われた古銭をいくつかご紹介していきます。
この時期は、さまざまな種類のお金が流通していましたが、代表的なものを取り上げます。
文政丁銀
銀と名の付く通り、素材は銀で、長方形の板状の銀貨になります。「秤量貨幣」と呼ばれる重さで価値を量るタイプのお金です。
また、画像の文政丁銀の刻印をご覧になると分かる通り、これまでにない新しい文字スタイルで刻印されているため、「新文字丁銀」や「草文丁銀」とも呼ばれていました。
文政丁銀 |
10,000円〜30,000円 |
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天保丁銀
このお金は、天保8年の1837年に作り始められ、翌年の1838年から使われるようになりました。
文政丁銀とはまた異なるスタイルの文字で刻印されており、「保字丁銀」とも呼ばれています。
天保丁銀 |
15,000円〜20,000円 |
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天保一分銀
このお金は、重さで価値を測るのではなく、書かれた「一分」という額面で価値が決まるタイプのお金でした。
後に、安政時代(1854年 – 1860年)にも同じような一分銀が発行されたため、天保一分銀は、その後「古一分銀」とも呼ばれるようになりました。
天保一分銀 |
美品:1,200円 |
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安政一分銀
その後、外国の大使たちが小判を手に入れるために、銀の一分銀に交換したいという要求が増え、貿易港の周りでは一分銀が足りなくなりました。
そのため、政府に一分銀をもっと作るように要求が出され、安政一分銀が作られました。ちなみに、安政一分銀は、海外の銀で作られました。
安政一分銀 |
美品:1,200円 |
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寛永通宝
裏面を見て、波模様があるかどうかで当時の価値が変わりました。波模様があるものは4文の価値、ないものは1文の価値となっていました。
また、96文をまとめて「銭通し」という紐で結ぶと、100文として使えたのですが、これは「九六銭(くろくせん)」と呼ばれる慣習でした。
寛永通宝 |
1gあたり3.5円(重さでの買取) |
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天保通宝
主に銅で作られていましたが、鉛や錫など他の金属も混ざった合金で作られています。
明和期(1764~1772年)以降、寛永通宝の大量発行により、お金の価値がどんどん下がっていきましたが、天保通宝の大量発行でさらに価値が下がることになりました。幕府は、一両を6,500文とする法律を出しましたが、価値の下落は止まりませんでした。
天保通宝 |
美品:400円 |
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南鐐二朱銀を高く売る方法は以下のとおりです。
- メルカリ、ヤフオクで販売する
- 買取業者に買い取ってもらう
- アンティーリンクが高く買い取れる理由
上記の方法を把握しておくと、南鐐二朱銀をより高額で買い取ってもらえる可能性が高まります。
メルカリ、ヤフオクで販売する
高品質な画像:古銭の鮮明な画像を撮影しましょう。光の反射を最小限に抑え、細部まで鮮明に写るようにしましょう。
付属品の同梱:古銭に付属する箱や証明書などがあれば、それらも一緒に写真に収めることで、古銭の価値を高められます。
タイトルと説明文:販売タイトルや説明文には、古銭の情報(年号、鋳造年、素材など)を正確に記載し、詳細な説明を加えることが重要です。
出品タイミング:メルカリでは日常の生活が一段落した21時以降に出品すると効果的です。
上記のポイントを実践すると、メルカリやヤフオクで高額の買い取りをしてもらいやすくなります。
買取業者に買い取ってもらう
鑑定書の有無:古銭の中には鑑定書が付属しているものもあります。鑑定書がある場合は、その鑑定書を提示することで信頼性が高まり、査定額に影響する可能性があります。
保存状態:古銭の保存状態は非常に重要です。傷や錆などがあると査定額が下がることがあります。可能であれば保存状態の良い古銭を買取業者に提供すると良いでしょう。
稀少性:特定の年号や鋳造数が少ないものは、希少価値が高くなることがあります。希少価値の高い古銭は高額で買い取ってもらえる可能性が上がるでしょう。
アンティーリンクが高く買い取れる理由
無料鑑定で高く買い取ってくれるため、スムーズに取引できるでしょう。公安委員会から商許可を得て事業を行なっているため、査定額も信頼できます。
事前に買い取り依頼する古銭の価格も検索できる点も安心です。査定だけの依頼もできるため、ぜひ利用してみてください。
少しでも高く売るための注意点
古銭を少しでも高く売るための注意点は以下のとおりです。
- ケースやファイルに入れて保管する
- 綺麗にする必要は無し!そのままの状態でOK!
上記の注意点を把握しておくと、古銭を高く売れる可能性が高まります。
また、古銭を触る際には素手で触らず、皮脂が付着して酸化によって状態が悪くなる可能性があるため、手袋を着用しましょう。
古銭は歴史的な部分に価値があり、汚れをなくしてしまうと価値が下がる可能性があるためです。古銭を綺麗にする際には専門家のアドバイスを求めてからにしましょう。
買取までの手順
アンティーリンク買い取りまでの手順は以下のとおりです。
- アプリ「LINE」で無料鑑定!電話、メールでもOK!!
- 梱包する(必要書類の準備)
- 郵送する(おすすめの郵送方法)
上記の手順でアンティーリンクに鑑定と買い取りを依頼できます。
①アプリ「LINE」で無料鑑定!電話、メールでもOK
ほかにもアンティーリンクは問い合わせフォームや電話(03-6709-1306)からも申し込みできます。
②梱包する(必要書類の準備)
鑑定の依頼ができたら梱包して古銭を配送します。途中でトラブルがあっても対応できないため、確実な方法を選択してください。また、配送料は着払いです。買い取り価格が1万円以上の場合は弊社負担、1万円未満の場合は配送料を差し引いた額が振り込まれます。
書面で買い取り申し込みの場合、書類が届いてから記入のうえで梱包しましょう。また、古物営業法にもとづいた身分証の提示も必要なため、必ずコピーして同梱してください。
③郵送する(おすすめの郵送方法)
東京都豊島区南池袋3丁目18−35 OKビル 501
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南鐐二朱銀は、江戸時代に流通した秤量貨幣の一種であり、古銭の中でも価値のあるものの一つです。南鐐二朱銀は金貨の通貨単位を担う計数貨幣として金代わり通用の銀とされており、希少性があります。したがって、南鐐二朱銀の価値は高くなる傾向があります。
ただし、買取価格は市況や在庫状況によって変動するため、最新の価格については買取店に直接お問い合わせすることをお勧めします。
ボロボロの1南鐐二朱銀でも買い取ってくれますか?
ボロボロの南鐐二朱銀でも買い取ってもらえる可能性があります。
南鐐二朱銀は古銭の一種であり、買取価格はその状態や希少価値によって変動するため、ボロボロでも買い取ってもらえるケースもあります。