100円札の価値一覧表をご紹介!全16種類の見分け方
聖徳太子100円札と板垣退助100円札は知っていましたが、そんなにも種類が多いんですね!
古銭鑑定士の私が、100円札の見分け方とそれぞれの価値について解説いたします!
[監修/執筆:渡邉 博]
目次
100円札の価値一覧表
まずはこちらの一覧表から人物とデザインを見ながら、お持ちの旧百円札を見つけてください。見分けるポイントもお伝えするのでご安心を。実際の取引相場価格も載せていますので、いくらで売れるか値段の参考にしてみてくださいね。
状態によって価値は異なりますが、未使用(ピン札)の値段を載せています。
板垣退助100円札 最初期
100円札のなかで、板垣退助が描かれるのは3種類(最初期版、前期版、後期版)あります。
その3種類のなかで、どの種類かを見分けるポイントは、記番号と呼ばれる紙幣の番号が印刷されたところです。記番号の最初のアルファベットが1つだけだったら、その板垣100円札は最初期に作られたものです。
市場価格
最初期 3,000円
造幣局の正式名称は「B号券100円札」といいますが、分かりやすい言い方で「板垣退助100円札」と呼ばれています。
表面のデザインは板垣退助、裏面は国会議事堂が描かれています。
日本で最後に発行された100円札で、1967年に百円白銅貨になり紙幣から硬貨に移行しました。
板垣退助100円札は3種類あって、こちらは一番最初に発行されたもの。
3種類のなかで最も価値が高い板垣退助100円札です。
また、帯付きの100枚束と1000枚束はさらにプレミアが付きます。
100枚帯封と1000枚完封の解説についても後ほど解説しておりますので最後までお読みいただければと思います。
板垣退助100円札 前期
板垣退助100円札は最初期のほかに、前期と後期の2つに分かれます。記番号の最初のアルファベットが2桁だったら、その板垣100円札は前期or後期となります。
また、後期のものと比較すると分かりやすいのですが、前期と後期の見分けるポイントは記番号の書き出しの位置です。
前期は後期の板垣100円と比べて、左寄り、中央近くに記番号の印字が始まっているという特徴があります。
市場価格
前期 110円
板垣退助100円札は、発行された時期によって価値が変わるため、われわれ古銭買取業者の間では種類を分けています。
3種類の板垣退助100円札のなかでも前期は2番目に価値が高いです。
板垣退助100円札 後期
板垣退助100円札の後期は、前期と比べて記番号の書き出しが右寄りになっています。
ほかにも見分けるポイントとしてはあるのですが、一番分かりやすいポイントがこのポイントとなります。
市場価格
後期 100円
板垣退助100円札のなかでも最も後、つまり最も最近作られたものです。現存枚数も多く、プレミア価値は付かないのですが、法律的にはまだ現行貨幣となりますので、銀行や郵便局に行けば100円と両替することができます。
聖徳太子 1次100円札(乙号券)
100円札のなかで、聖徳太子が描かれたものはなんと8種類もありますが、大きく分けると一般的に使われた紙幣として4種類、軍が占領地等で使った紙幣(軍票)として4種類の計8種類となります。
一般的に使われた紙幣4種から順番に見ていきますが、まずは聖徳太子 1次100円札(乙号券)。この特徴としては、下の写真のとおり、「日本銀行兌換券」の文字が曲がったように表記されているという点です。
本日の買取価格
1次百円 8,000円
聖徳太子100円札のなかでも3番目に価値が高いです。
現金として使われた聖徳太子のデザインの紙幣は4種類あり、造幣局の正式名称と通称はそれぞれ以下のようになります。
乙号券100円札 → 1次百円
い号券100円札 → 2次百円
ろ号券100円札 → 3次百円
A号券100円札 → 4次百円
1927年(昭和2年)に起きた関東大震災の影響で、それまで使われていた兌換券(いつでも同じ価値の金や銀と交換できる紙幣のこと)が失われたために「兌換銀行券整理法」という法律ができ、新しい紙幣を発行することになりました。その結果、この聖徳太子 1次100円札(乙号券)が作られました。
ちなみにこの紙幣は、見た目も非常に凝ったデザインになっていて、当時の最高の技術で作られたそうで、そのため、歴代の日本の紙幣の中でも特に精巧で美しいと言われて人気の高い紙幣の1つです。
聖徳太子 2次100円札(い号券)
聖徳太子100円札のなかでも2次100円と4次100円は表面がそっくりなので、ひっくり返して裏を確認しましょう。
裏面が赤かったら聖徳太子 2次100円札です。
本日の買取価格
2次百円 12,000円
聖徳太子100円札のなかで最も価値が高いのが2次100円札です。
2次100円は1944年の戦争真っ只中に発行されたもので、当時は資材などが戦争に駆り出されていたので、1次100円より印刷の品質が劣っているため、綺麗な状態で残っているものはかなり珍しく、高い価値が付けられます。
聖徳太子 3次100円札(ろ号券)
聖徳太子100円札のなかでも最も見分けやすいのがこちら。聖徳太子の肖像が、中央に描かれていたら聖徳太子 3次100円札です。
本日の買取価格
3次百円 10,000円
3次100円札は、聖徳太子100円札のなかで2番目に高い価値があります。
3次100円は終戦直前の敗色濃厚の時に、資源や製造機が乏しい状況で作成され1945年に発行されました。そのため、聖徳太子の肖像などが不鮮明なものが多く出回っています。
聖徳太子 4次100円札(A号券)
聖徳太子 2次100円札のところで説明したとおり、2次100円と4次100円は表面がそっくりなので、裏面を確認しましょう。
裏面が青色の場合は聖徳太子 4次100円札です。
本日の買取価格
4次百円 500円
額面が100円の聖徳太子の紙幣(軍票含む)のなかでは、4番目に価値が高い種類となります。
こちらの4次100円は終戦直後のインフレ対策で1946年に発行された紙幣です。
全ての聖徳太子100円の裏面は聖徳太子が建てたといわれる法隆寺が描かれています。
続いては、紙幣に「軍用手表」と書かれている軍票についてです。
軍票の100円札 4種
本日の買取価格
1枚10円から
軍票とは「軍用手表(ぐんようしゅひょう)」の略で日本政府が戦時中に勢力下で発行した貨幣です。
大量に印刷されましたので、希少性が低く相場もかなり安いのが特徴です。
紙幣中央に軍用手表と印刷されているものが多いです。
軍票の100円札は4種類ございます。
裏紫100円札 万葉記号・アラビア記号
本日の買取価格
万葉記号 90万円
アラビア記号 20万円
造幣局の正式名称は「甲号券100円札」といいますが、紙幣の中でこの紙幣だけ裏面が紫色なので、分かりやすい言い方で「裏紫100円札」と呼ばれています。
表面のデザインは中央に藤原鎌足と左側に藤原鎌足を祭っている、奈良県の談山神社(たんざんじんじゃ)が描かれています。裏面は1896年に建てられた東京都中央区にある日本銀行券本店が描かれています。
裏紫100円札は2種類ございます。
めがね100円札
本日の買取価格
1000万円以上
造幣局の正式名称は「改造券100円札」といいますが、表のデザインがメガネのような形なので分かりやすい言い方で「めがね100円札」と呼ばれています。
当時のこの100円はかなりの高額紙幣なので、主に銀行間の支払いに使われていて、一般にはほとんど流通しませんでした。
紙幣切り替え時にめがね100円を銀行中の全て回収した結果、93枚が未回収となりました。おそらく一部が民間に流通してしまったり、造幣局内で両替した人や、消失が考えられます。
ですので、消失などを考えると現存枚数は数枚といわれている大変珍しい紙幣です。
大黒100円札
本日の買取価格
1000万円以上
造幣局の正式名称は「旧兌換(だかん)銀行券」といいますが、表のデザインの肖像が大黒天で「大黒100円札」と呼ばれています。
当時のこの100円札は先ほどのめがね100円よりも高額な紙幣なので、こちらもまた主に銀行間の支払いに使われていて、一般にはほとんど流通しませんでした。
紙幣切り替え時に大黒100円を回収した結果、27枚が未回収となりました。おそらく一部が民間に流通してしまったり、造幣局内で両替した人や、消失が考えられます。
また、強度を高めるために素材の中にコンニャク粉が入っているので、ネズミなどに食べられたりしたものもあるようです。
ですので、消失などを考えると現存枚数は1枚か2枚といわれている大変珍しい紙幣です。
明治通宝100円札
本日の買取価格
1000万円以上
明治時代初期に発行された日本史上初めての「円」の紙幣で「明治通宝100円札」と呼ばれています。
日本が印刷技術に乏しい頃にドイツの工場で作ったため、日本で発行された他の紙幣と比べると、デザインが西欧っぽいデザインとなっています。
現存枚数は数枚といわれている大変珍しい紙幣です。
板垣退助100円札の見分け方(最初期・前期・後期)
板垣退助が描かれた100円札は、最初期・前期・後期の3種類に区別することができます。
まず最初期の簡単な見分け方としては、
- 記番号(紙幣に印刷された番号)を確認する。
- 最初の記番号のアルファベットが、1個だけだったら最初期のもの
- もし以下のようにアルファベットが2桁ですと前期もしくは後期になります。
詳しい見分け方については画像付きで「板垣退助100円札の種類ごとの価値と見分け方」で紹介しています。
聖徳太子100円札の1次から4次の見分け方
聖徳太子100円札は4種類ありますが、裏面を見ていただくと簡単に見分けることができます。
デザインはそれぞれ違いますが、裏面に描かれているのは全て法隆寺です。
聖徳太子100円札は1930年から1956年にかけて発行されましたが、この期間中に下記4種類のデザインや仕様に段階的に変更されていきました。
<聖徳太子100円札の種類と簡単な見分け方>
- 1次:兌換券100円(裏面の中央が茶色、周りが淡い緑色)
- 2次:不換紙幣100円(裏面が全体的に赤っぽい)
- 3次:改正不換紙幣100円(裏面が全体的に緑色)
- 4次:日本銀行券A号100円(裏面が全体的に青色)
このように、裏面の色とデザインを見ていただくのが最も簡単に区別をする方法です。
4種類の聖徳太子100円札の見分け方については画像付きで、こちら「聖徳太子100円札4種類(1次〜4次)の見分け方」の記事で紹介しています。
裏紫100円札の見分け方
裏紫100円札は、正式には「甲号兌換銀行券100円」と呼ばれる日本のお札で、1900年から1939年まで発行されていました。このお札の表面には藤原鎌足の肖像画と談山神社が描かれており、裏面には日本銀行本店の建物がデザインされています。特に裏面には紫色が多く使われていることから、「紫100円」や「裏紫100円」と呼ばれるようになりました。
このお札には二つの種類があり、記番号が漢字で書かれている「万葉記号」と、数字で書かれている「アラビア記号」があります。万葉記号の方が希少性が高く、アラビア記号よりも価値が高いとされています。
裏紫100円札の見分け方については甲号兌換銀行券100円札(裏紫100円札)の買取価格をご覧ください。
軍票の100円札 4種類の見分け方
軍用手票の100円札は1939~1945年に発行され、全4種類あります。
軍用手票100円札 4種類の価値・見分け方をわかりやすく解説!をご確認ください。
- 丙号異式100円札
- 丙号100円札
- 乙号100円札
- 戊号100円札
1937年、日華事変(盧溝橋事件とも呼ばれ、日中戦争の始まり)が起き、事実上全面的な戦争が始まり、1938年(中華民国27年)11月には、華中や華北(中国の中部や北部)で日本軍が使う「軍用票」が定められました。日本軍は戦争の状況に応じて多くの種類の軍票を発行し、その種類は100円の軍票に限らず非常に多様でした。
100円札の帯付きは価値が高い?
板垣退助100円札は発行枚数も現存枚数も多く、1枚1枚には額面を超える価値は付きません。しかし、帯付きのものとなると高いプレミア価値が付けられます。
また、帯付きのなかでもさらにいくつか種類があって、価値も異なってくるので1つ1つ解説していきます。
板垣100円札の100枚帯封と1000枚完封
板垣100円札の中には以下のような帯付きの100枚帯封と1000枚完封がございます。
厚みがありますのですぐに見分けが付きますね。
また、紙幣の記番号は連番になっています。
板垣退助100円札 100枚帯封
市場価格
帯封最初期 300,000円
帯封前期 11,000円
帯封後期 10,000円
記番号は連番になっていますので、めくって確認してみてください。
たまに後から帯を付けたためにバラバラの通し番号になっていることがあります。
その場合はプレミアが付かないのでご注意ください。
板垣退助100円札 1000枚完封
市場価格
完封最初期 3,000,000円
完封前期 120,000円
完封後期 110,000円
記番号は連番になっています。
100枚帯封が10個入っていて造幣局のビニールで密閉されています。
そのままの状態でプレミアが付きますので、剥がさずに保管しましょう。
ピン札の100円札は価値が高い?
紙幣の状態は貨幣学において、劣品・並品・美品・極美品・準未使用品・未使用品(ピン札)に分類できます。
状態によって大幅に価格が変わり、例えば裏紫100円札の弊社の買取金額を見てみますと一目瞭然です。
劣品以下では13万円以下ですが、未使用ですと70万円に上がります。
詳しい専門的な分類方法はこちらの記事に分かりやすく記載していますので、ぜひご覧になってください。
また、状態ごとの紙幣の価格はこちらの買取価格一覧表で確認できますので、ぜひご覧になってください。
珍しい番号の100円札は価値が高い!
紙幣全般に言えることですが、100円札も記番号という紙幣に書かれた番号がゾロ目等珍しい番号ですとプレミア価値が付けられます。
珍しい番号の紙幣は珍番号と呼ばれ、貨幣収集市場では高い人気があります。
たとえば、板垣100円札の記番号は写真の赤枠で確認してみましょう。
ここの記番号が以下ですとプレミアが付きます。
「ゾロ目」
111111 から 888888
紙幣の記番号は900000が最終なので999999は存在しません。
「キリ番」
100000,200000など
キリ番の中でも900000は最終の番号なのでより価値が高いです。
「ナンバーワン」
000001
「階段」
123456 と 654321の階段
「サンドイッチ番号」
A-A、ZZ-Z、CC-Cなど
先頭と末尾のアルファベットが同じですとプレミアがつきます。
さらに紙幣の種類で価格が違います。
例えば板垣退助100円札の1のゾロ目は5万円ですが、聖徳太子100円札は20万円以上します。
珍番号の他にもエラー紙幣だと価値が高い!
100円札にはエラー紙幣と呼ばれるものも数多く確認されておりますが、エラーのある100円札は価値が跳ね上がることになります。
エラー紙幣を簡単に説明すると、紙幣を作っている最中になんらかのトラブルが発生して、通常とは異なる仕様の紙幣というものになります。
100円札で確認されているエラー紙幣について「【高額】100円札のエラー紙幣はコレだ!写真付きで解説!」の記事で詳しく説明しておりますのでぜひご覧ください。
100円札は現在でも使えるのか?
財務省が「現在、発行されていないお金で、現在も使用できるもの」として公開している紙幣のなかに板垣100円札(B百円券)と聖徳太子100円札(A百円券)がある通り、現在でも法律的にはコンビニ等での買い物でも使うことができます。
現在でも使える100円札は、以下の聖徳太子100円(4次100円)と板垣退助100円です。
コンビニでこの聖徳太子100円札(4次100円)を使ってみた人の話をご紹介いたします。
レジで100円札を使ったみたところ、店員さんが今も使えるものと分からず店長に相談したようです。物珍しそうにお金かどうか悩んでいましたが、渋々お金として認めてくれたようです。このやり取りで10分ほどかかってしまい、忙しいコンビニの店員さんに迷惑がかかってしまったようです。
確かにお店の方々からしたら、まず見たことがないため、お金かどうか分かりませんよね。さらに4次100円は買い物で使えますが、デザインが激似の1次100円から3次100円は現在使えないので、紙幣に詳しくない一般の方が判断つけることは難しいと思います。
ですので、お店で使うと迷惑が掛かってしまいますので、売却などで現在使っている現金に変えるのが最善です。
そもそも4次100円のピン札ですと相場は500円しますので使うのはもったいないですよね。
最後に売却方法はどのようなものがあるかみていきましょう。
100円札は複数の売却方法で価格が違う
お持ちの紙幣を現金に変えるにはどうすれば良いでしょうか?
売却方法としては
・銀行で換金
・ネットオークション
・フリマアプリ
・買取業者に依頼
の主に4種類あります。
銀行で両替する場合は注意が必要です。額面よりもプレミアが付く場合は損をしてしまいますので、交換するより売却を検討しましょう。
ネットオークションとフリマアプリでの出品に慣れている方はこちらで売却するのが良いと思います。ただし、思ったより安く値段を付けて売ってしまったり、品物のコンディションが悪くクレームが来てしまったりなどのデメリットもございます。また、現行貨幣であることから出品を運営側のルールにより取り消しされる場合もございます。
買取業者に依頼する場合はそのようなデメリットはなく、その他の売却方法と比べてスピーディーに最短で売却できるメリットもございます。
しかし、買取業者に依頼する場合は複数の見積もりを出すことをお勧めします。中には相場の半額で買取している買取業者もいるため少なくとも2社は見積もりを出してからの買い取りをお勧めします。
弊社での100円札の買取価格は業界最高値でございますので、ぜひ検討して見てください。
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TEL:03-6709-1306 (営業時間 11:00〜18:00)
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