

大様・・・約23㎜
中様・・・約22㎜
小様・・・約20㎜
美品 11,000円(税込)
美品 15,000円(税込)
美品 24,000円(税込)
大様・・・約23㎜
中様・・・約22㎜
小様・・・約20㎜
この記事では、今から200年以上前に仙台で実際に使われていた貨幣「仙台通宝」についてご紹介します。
なぜ高い価値が付くのか、そして売却する際の注意点などを、わかりやすく解説していきます。
目次
仙台通宝は、その名の通り、江戸時代後期(1784~1788年)の仙台藩内で流通した「地方貨幣」の一種です。
江戸時代を通じて、幕府は全国的な通貨政策の統一を目指していましたが、諸藩の財政状況や地域経済の発展に応じて、地方貨幣が発行されることは珍しくありませんでした。
現在、仙台通宝はどのくらいの価値があるのでしょうか?
残念ながら、仙台通宝の多くは高い価値がつくことは基本的にありません。
状態にもよりますが、相場は数円~数百円程度が一般的です。
その理由として、当時の発行枚数が非常に多かったこと(3億800万枚)に加え、材質が鉄であるため錆びやすく、現存しているものの多くが状態の悪い点が挙げられます。そのため、価値が付きにくい傾向にあります。
ただし、仙台通宝の“母銭”と呼ばれるものには、高い価値が付くことがあります。。
仙台通宝には、「母銭(ぼせん)」と「子銭(しせん)」という種類があります。
当時はまず見本となる貨幣を作り、その型を取って溶かした金属を流し込むことで貨幣が製造されました。
この見本となる貨幣が「母銭」です。
その後、母銭の型を使って作られた貨幣が「子銭」と呼ばれ、実際に流通していたのはこの子銭です。
それぞれのデザインについては、母銭をもとに子銭が作られるためほぼ同じです。
しかし、この2つには大きな違いがあります。
まず、材質が異なります。
仙台通宝の母銭は銅で作られていますが、子銭は鉄で作られています。
また、母銭は型として使うため、仕上げが丁寧で精度が高く、流通したわけではないため、状態が良いものが多いです。
一方、子銭は鉄で作られていたため、錆びやすく、耐久性が非常に低いです。そのため、現存するものは状態が悪いものが多くなっています。
実際、当時の仙台藩内でも品質の悪さから不満が多く、仙台通宝は嫌われていました。
その結果、仙台通宝自体の価値が下がり、インフレを引き起こす原因となりました。
また、仙台通宝には大きさの違う3つの種類があります。
それぞれ
と呼ばれ分類されています。
基本的には「小様」より「中様」、「中様」より「大様」の方が価値が高くなる傾向にあります。
それぞれの見分け方としては、まず大きさがあります。
大様 | 約23㎜ |
---|---|
中様 | 約22㎜ |
小様 | 約20㎜ |
それぞれ大きさが僅かに異なるため、ノギスなどで図ることである程度判別可能です。
また、大様については「通」の字を見ることで判別が可能です。
上の画像のように、「通」の字の上部がカタカナの「マ」のような形になっている場合は、大様と見分けることができます。
ちなみにこのようなカタカナの「マ」のようになっている「通」をマ頭通と呼ばれ、「ユ」のようになっているものをユ頭通と呼ばれています。
また、小様と中様は「寶」の字の位置で判断できます。穴の縁と「寶」の字がくっついていれば小様、離れていれば中様です。
過去数年間に遡ってのヤフオクにおける取引状況を見てみると、以下のようになります。
小様 | 中様 | 大様 | |
---|---|---|---|
2024~2025年 | 15,968円 | 26,370円 | 45,900円 |
3年前 | 13,950円 | 16,200円 | 16,200円 |
5年前 | 販売無し | 17,110円 | 5,699円 |
10年前 | 23,652円 | 31,500円 | 22,500円 |
※価格は、ヤフオクの手数料(10%)を差し引いた金額となっております
また、販売されていた数は以下のようになります。
小様 | 中様 | 大様 | |
---|---|---|---|
2024~2025年 | 8件 | 1件 | 1件 |
3年前 | 2件 | 1件 | 1件 |
5年前 | 販売無し | 4件 | 3件 |
10年前 | 8件 | 1件 | 1件 |
※仙台通宝の単品で鑑定書無しのものを集計したデータとなります
数的には小様が圧倒的に多くなっており、中様と大様は比較的少ない出品数となっておりました。
また、本来大様が一番高い価値をもっていますが、偽物や画像が真贋不明のものが多く出品されている影響から、価格が思うように上がっていない印象です。
仙台通宝の価格は、今後上がっていくのでしょうか。
ヤフオクでの取引推移を見る限り、この10年間で価値は大きく変動していないようです。
一部で高額な取引が見られることもありますが、それは出品数の少なさや、たまたま保存状態の良いものが高値で落札されたことが要因であり、仙台通宝自体の市場価値が大幅に上昇しているわけではありません。
ただし、小様に関してはやや下落傾向にあります。
また、仙台通宝は銅製であるため、地金価格の変動による影響もほとんどありません。
このような点から考えると、今後、仙台通宝の価値が大きく上がる可能性はあまり高くないと言えるでしょう。
上で解説したとおり、仙台通宝の母銭には高い価値があるため、市場には多くの偽物が出回っています。
下の写真に写っているものも仙台通宝の偽物ですが、非常に精巧に作られており、専門家でも真贋の判定が難しいレベルです。
造り自体はほぼ完璧に近い仕上がりでしたが、銅の色味や劣化の具合から比較的近年に製造されたものであることが判明し、江戸時代当時のものではないと判断されました。
通常の古銭では、サイズや重さが真贋判定の手がかりとなりますが、仙台通宝の場合は個体差が大きく、これらの要素だけでは判断が難しいとされています。
そのほかにも、書体のわずかな違いや表面加工の痕跡なども重要な判断材料となりますが、正確な鑑定には専門的な知識と豊富な経験が不可欠です。
また、仙台通宝にはデザインが異なるものが存在します。
表面は通常の仙台通宝と同じ「仙臺通寳」の文字が刻まれており、裏面には「富銀一匁」と記載されています。
形状は通常のもの比べ、やや縦長の形状となっています。
当時、銀一匁に変えて通用させることを目的に作られた「試鋳貨幣」とされています。
しかし、これらは本物の試鋳貨幣ではなく「絵銭」と呼ばれる、縁起物やお守り、記念品として作られた工芸品のようなものです。
本物の富銀一匁の現存数は数枚程度とされており、価値は非常に高いものになっております。
※そもそも富銀一匁の本物はないという説もあります
では、仙台通宝のような古銭を売却したい場合、どういった方法があるでしょうか。
主な方法としては、「フリマサイトなどに自分で出品して売る方法」と「買取業者に依頼して買い取ってもらう方法」の2つがあります。
フリマサイトで売却する場合は、自分で価格を設定できる点が大きなメリットです。納得のいく価格で取引できる可能性があるため、時間に余裕があり、売却に慣れている方には向いています。
また、ヤフオクのようなオークション形式の場合は、入札が盛り上がることで、相場よりもかなり高値で取引されることがあります。
一方で、買取業者に依頼する場合は、査定から売却までの流れがスムーズで、すぐに現金化できる点が最大のメリットです。急いで売却したい場合や、真贋の判断に不安がある場合は、専門の買取業者に依頼する方法をおすすめします。
アンティーリンクでの仙台通宝の買取価格(状態:美品評価)は以下のようになっております。
小様 | 中様 | 大様 |
---|---|---|
11,000円 | 15,000円 | 24,000円 |
※状態が良いものだと、上記以上の買取価格となります。
ヤフオクと比べると、買取金額はやや見劣りするかもしれません。
しかし、ヤフオクと異なり、購入者とのトラブルが発生するリスクがないのは大きなメリットです。
また、仙台通宝は真贋の判別が難しいため、個人売買では誤って偽物を販売してしまう可能性もあります。
さらに、「真偽不明」や「本物?」といった記載があると、相場通りの価格で売るのが難しくなり、大幅な値下げを余儀なくされることもあります。
実際、仙台通宝の場合も「真偽不明」で出品されたものは、買取平均価格が約7,400円まで下がっていました。
その為、真贋に自信がある方や、個人取引に慣れている人はヤフオクなどフリマサイトがおすすめです。
一方で、真贋に自信がない方や、梱包や発送、購入者とのやり取りが面倒な人は買取業者がおすすめです。
仙台通宝に限らず、古銭は磨いたりしないようにしましょう。
古い貨幣などは、汚れなどが気になる場合もあると思います。
しかし、磨くことで表面が傷ついたり、本来の風合いが失われて価値が大きく下がることがあります。
そのため、売却をする際はそのままの状態で売却するのがおすすめです。
弊社アンティーリンクでは、従来の買取業者に対する「不透明さ」や「不安感」を取り除きたいと考えております。
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