

年代: 延暦15年
西暦: 796年
素材: 銅
※皇朝銭は状態や書体、組合鑑定書の有無によって買取金額が大きく変動いたします。
美品 20,000円(税込)
年代: 延暦15年
西暦: 796年
素材: 銅
※皇朝銭は状態や書体、組合鑑定書の有無によって買取金額が大きく変動いたします。
目次
隆平永宝は、奈良時代から平安時代にかけて日本で発行された12種類の公式貨幣「皇朝十二銭」の中で、4番目に発行された銅銭です。
隆平永宝が発行されたのは、794年の平安京遷都からわずか2年後のこと。この遷都事業には莫大な費用が必要でした。
隆平永宝の発行は、新しい都の建設費用を賄うという、国家財政上の重要な目的があったと言われています。
また、当時流通していた旧銭(和同開珎など)に対して10倍の価値を持つと定められ、経済の刷新を図る狙いもありましたが、この政策は混乱を招き、思うように流通しなかったことも記録に残っています。
合わせて読みたい
隆平永宝は、現存数が比較的少なく、古銭としての価値は高値で取引される傾向にあります。
保存状態が良ければ数万円、中には十数万円の値がつくことも珍しくありません。
さらに、隆平永宝は書体の違いによっていくつかの種類に分類されますが、とくに「二水永」と呼ばれる希少なタイプは、「永」の字が、「水」という文字の上に「二」の文字が乗っかるように書かれたタイプのものは、状態次第で100万円を超える価格で取引されることもある、非常に価値の高い古銭です。
では、この1200年以上前の古銭は、一体どのような金属で作られているのでしょうか。今回、専門的な蛍光X線分析装置を使い、その成分を調査しました。
装置が示した驚きの分析結果がこちらです。
隆平永宝の成分
この結果には、歴史の事実を裏付ける数値と、科学的な常識では考えられない「ありえない数値」が混在していました。
まず注目すべきは、銅(Cu)が約65%を占める主成分である一方、鉛(Pb)が4.70%と比較的多く含まれている点です。
皇朝十二銭は、時代が下るにつれて材料である銅の産出量が減少し、それを補うために安価な鉛を多く混ぜるようになり、品質が低下していったことが知られています。
この隆平永宝が、初期の和同開珎などと比べて多くの鉛を含んでいることは、まさにこの歴史的な事実を裏付けるものと言えるでしょう。
一方で、誰もが首をかしげるのがオスミウム(Os)22.1%、イリジウム(Ir)3.72%という驚異的な数値です。
オスミウムやイリジウムは、プラチナや金よりも希少で高価なレアメタルで、その特徴は、
平安時代の技術で、これほど高融点の金属を意図的に合金にすることは不可能です。また、後世の偽造品と考えるにしても、本物よりはるかに高価で加工困難な材料を使うメリットは全くありません。
結論として、この異常な数値は、測定器の「測定誤差(バグ)」である可能性が極めて高いと言えます。
蛍光X線分析では、銅や鉛が非常に多い合金を分析する際に、それらの元素が発する強い信号が干渉し合い、実際には含まれていない元素が検出されたように誤認してしまう「ピーク干渉」という現象が起こることがあります。
今回の結果は、歴史的な大発見ではなく、銅と鉛を多く含む古代の遺物を科学的に分析する際の難しさと奥深さを示す、非常に興味深い事例と言えるでしょう。
2025.07.24
【買取価格改定のお知らせ】 平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。 このたび、市場相場の変動に伴い、下記の通り「天保通宝」の買取価格を改定させていただくこととなりました。 ■・・・
2025.04.01
門倉 知宏(かどくら ともひろ) [店舗運営部/鑑定士] 【鑑定分野】 古銭(日本近代銀貨・古金銀)/ブランド品/食器 【好きな近代銀貨】 旧1円銀貨(欠貝圓) 【経 歴】 鹿児・・・
2025.03.25
日頃よりご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 2025年4月1日以降、以下の通り、買取価格を改定いたしましたのでお知らせいたします。 種類・年代 旧価格 2025/4/1・・・
2025.09.04
【デナリウス銀貨】トラヤヌス(在位98年~117年) このコインは古代ローマの小額の銀貨で、デナリウス銀貨と呼ばれるコインの一種です。このコインに描かれているのは、ローマ帝国の皇帝「トラヤヌス」です・・・
2025.09.04
弊社は古銭買取の専門店ですが、ご利用いただくお客様の多くは、かつて熱心にコインを収集されていた方々です。生前整理としてコインを売却されるケースも少なくありませんが、実際にはまだまだお元気な方が多くいら・・・
2025.08.12
東京で記念硬貨を持ち込みで売却したいのだけど、銀行やリサイクルショップ、買取店などたくさん候補があるのでどこにもっていけばいいかわからない... 記念硬貨の持ち込・・・