中国の旧紙幣一覧:種類別に歴史と特徴を徹底解説!

中国の紙幣と聞いて、カラフルなデザインと毛沢東の肖像画を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、毛沢東の肖像画が紙幣に採用されたのは2000年頃と比較的最近のことです。
中国の紙幣は、発行時期によって第一版から第五版まで分類され、古いものほど収集価値が高くなる傾向があります。
この記事では、中国の紙幣の歴史と特徴を分かりやすく解説していきます。
目次
第5版 中国紙幣一覧

中国では、”第五套人民幣”と呼ばれる人民元の紙幣となります。
1999年、中華人民共和国成立50周年を記念し、100元紙幣に毛沢東の肖像が採用されました。
そこから徐々に、他の額面の紙幣も毛沢東の肖像に変更されていきました。
しかし、アメリカと同様に、中国でも紙幣の偽造が多発し、信頼性が大きく揺らぎました。

この事態を受け、政府は紙幣の偽造防止策を強化し、何度か改良を重ねていますが、デザインは一貫して毛沢東が採用され続けています。
1999年、2005年、2015年、2019年、2020年などの年号が印字された中国紙幣は、第5版です!
第4版 中国紙幣一覧

中国では、”第四套人民幣”と呼ばれる人民元の紙幣となります。
この第4版は、改革開放政策(1978年に中国が始めた経済を豊かにするための改革)が進む中で、新しい経済体制に適応するために設計され、偽造防止技術の向上とデザインの近代化が図られました。
この紙幣の大きな特徴は、各額面ごとに異なる人物肖像が描かれている点です。
額面 | 表のデザイン |
---|---|
1角 | 労働者の肖像 |
2角 | 少数民族の肖像 |
5角 | 少数民族の肖像 |
1元 | 漢民族の若者 |
2元 | 朝鮮族の若者 |
5元 | チベット族・回族 |
10元 | 満州族・蒙古族 |
50元 | 工場労働者・知識人・農民 |
100元 | 毛沢東・周恩来・劉少奇・朱徳 人民大会堂 |
時代が進み偽物が多く出回ることによって、1999年には、より高度な偽造防止技術を備えた第五套人民幣(現在の人民元=第5版)が発行され、次第に第四套人民幣は市場から姿を消していきました。
2018年5月1日には、中国人民銀行が第四套人民幣の大部分の紙幣(100元、50元、10元、5元、2元、1元、2角、5角)の流通停止を正式に発表し、現在は1角紙幣のみが法定通貨として使用可能となっています。
この流通停止により、第四套人民幣は市場での取引が終了しました。
1980年、1990年などの年号が印字された中国紙幣は、第4版です!
第3版 中国紙幣一覧

このシリーズは、これまでの紙幣と比べて大きく変わり、中国独自のデザインや技術が取り入れられた初めての人民元として知られています。
この紙幣のデザインには、当時の中国が目指していた「社会主義の発展」の考え方が表れています。
例えば、紙幣には以下のような働く人々や工業施設が描かれました。
・農業だけでなく、工業や科学技術も重視
それまでは農民の姿が多かったが、このシリーズでは工場で働く労働者や科学技術の発展を示すデザインも登場
・社会主義の理想を表現
中国は当時、経済を発展させるために工業を発展させることを重要視していた。紙幣にもその姿勢が反映された
額面 | 表のデザイン |
---|---|
1角 | 少数民族の肖像 |
2角 | 少数民族の肖像 |
5角 | 少数民族の肖像 |
1元 | トラクターに乗る女性 |
2元 | 工場労働者 |
5元 | 工場で働く男性 |
10元 | 工業建設の様子 |
最終的に、2000年7月1日に中国人民銀行が正式に流通停止を発表し、第三套人民幣は完全に使用不可となりましたが、古銭市場では価値が上昇しており、特に未使用の紙幣や特定のシリアル番号を持つ紙幣にはプレミア価値がつくこともあります。
1960年、1962年、1965年、1972年などの年号が印字された中国紙幣は、第3版です!
第2版 中国紙幣一覧
第2版の中国紙幣(第二套人民幣)は、中国人民銀行が1955年に発行を開始し、1999年に正式に流通停止となった紙幣シリーズです。
この紙幣は、中国初のデノミネーション(通貨切り替え)とともに導入され、当時の経済安定と貨幣制度の強化を目的として発行されました。

この問題を解決するため、政府は1新元=1万圓という大規模なデノミを実施し、新たな紙幣として第二套人民幣を発行しました。
これにより、通貨の価値を安定させ、経済の発展を支える基盤を築くことが目的とされました。
1953年、1956年などの年号が印字された中国紙幣は、第2版です!
第1版 中国紙幣一覧
第1版の中国紙幣(第一套人民幣)は、中国人民銀行が1948年12月1日に発行を開始した、中国初の全国統一通貨です。
それまでの中国では、国民党政府が発行する法幣や、各地の地方銀行が独自に発行する貨幣が混在し、経済の混乱を招いていました。
特に、日中戦争や国共内戦の影響によって急激なインフレが発生し、既存の貨幣の信用が大きく低下していました。
このような状況の中で、共産党は経済の安定と社会主義国家の基盤を築くために、新たな統一通貨として第一套人民幣を導入しました。
この紙幣は、共産党が支配する地域を中心に流通し、1949年の中華人民共和国成立後は全国に広がりました。
第一套人民幣の最大の特徴は、発行された種類の多さです。
合計60種類以上のデザインが存在し、これは中国紙幣の歴史の中で最多となります。
1948年、1949年、1950年などの年号が印字された中国紙幣は、第1版です!
中国のお金の歴史と社会の関係
中国の紙幣(お札)は、ただの「お金」ではなく、その時代の社会や国の考え方を反映しています。
お札のデザインを見れば、その時代に国が何を大切にしていたのかが分かります。
まるで、お札が「歴史の鏡」になっているようです。
1962年発行(第三套人民幣) 工業化と社会主義の時代
1962年に発行されたお札は、中国が「社会主義の国」として成長しようとしていた時代を映しています。
中国は毛沢東のもとで、「大躍進政策」や「文化大革命」という政策を進め、工業や農業を発展させることを目指していました。
このため、お札のデザインには働く人々や機械がたくさん登場しました。
例えば
このようなデザインは、「労働は素晴らしい」という社会主義の考え方を強く示しています。
1987年発行(第四套人民幣)— 経済発展と民族の団結
1987年に発行されたお札のデザインは、前の時代とは少し変わりました。
この頃、中国は 「改革開放」 という経済政策を始めており、経済が発展するにつれて国内の安定も重要になっていました。
そのため、お札には 中国に住むさまざまな民族の顔が描かれました。
また、裏面には 中国各地の名所 もデザインされ、国全体の多様性と団結を表していました。
この時代、中国は外国との関係を強める一方で、国内の一体感を大切にしようとしていました。お札のデザインは、その方針をはっきりと示しています。
1999年発行(第五套人民幣)— 国家の安定と強さ
1999年になると、お札のデザインは大きく統一されました。
それまでいろいろなデザインだったものが、すべて毛沢東の肖像に統一され、全体的にシンプルなデザインになりました。
この時代、中国はすでに世界の経済で重要な役割を果たし、政治的にも安定していました。
そのため、お札のデザインも国の安定と強さを象徴するものになったと考えられます。
毛沢東の肖像が使われたのも、中国共産党の影響力を強調するためだったのでしょう。
以上です。
TEL:03-6709-1306 (営業時間 11:00~18:00)
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-18-35 OKビル501
https://antylink.jp/