買取価格1000万円!?50円札の価値と種類一覧

買取価格1000万円!?50円札の価値と種類一覧

50円札の価値は歴代の種類によって大きく異なりますが、中には1000万円を超える買取価格になるものもあります。古銭収集家の間でも注目される50円札は、一覧で見てもその多様性が魅力。歴代の50円札が持つ特徴や背景、実際に50円札はいくらで取引されているのか?など気になる情報を詳しく解説していきます!

そのお札、本当に50円札?50銭札との見分け方

弊社に50円札の鑑定・査定をご依頼いただく際に、紙幣を確認すると「実は50銭札だった!」ということが多いので、まずは50円札と50銭札を見分けるポイントを紹介していきます。

そのお札、本当に50円札?50銭札との見分け方

そのお札、本当に50円札?50銭札との見分け方

弊社へ「昭和13年や昭和18年、昭和20年の50円札ですが・・・」、「鳥居が描かれた50円札の査定を・・・」などのお問い合わせをよくいただきます。

おそらく50円札と50銭札を混同してしまっているのかと思いますので、かんたんな見分け方をお伝えすると、額面を示す「五拾(ごじゅう)」の後ろの文字が「銭(せん)」か「圓(円)」かです。

もちろん上記の図で、デザインで見分けることもかんたんかと思いますので、まずはお手元の紙幣が50円札なのか、50銭札なのかで価値は異なりますので特定をお願いいたします。

参考:50銭札の価値

50円札はぜんぶで3種類!

これまでに製造・発行された50円札は以下の3種類です。

50円札はぜんぶで3種類!

50円札はぜんぶで3種類!

下の表には、3種類の50円札についてまとめました。裏白50円札については実際に作られたものの流通することはありませんでした。また、高橋50円札に関しては最も最近発行されたものであり、現在でも法律上有効な紙幣となります。

種類 製造・発行年 市場に出回ったか 現在の紙幣としての利用可否
明治通宝50円札

1872年(明治5年)

裏白50円札

1927年(昭和2年)

高橋50円札

1951年(昭和26年)

古銭の専門家として、古銭鑑定士兼株式会社アンティーリンク代表取締役社長の渡邉博のコメント

明治通宝50円札と裏白50円札は持っていたらお宝級の紙幣となります!

明治通宝50円札

寸法 縦159mmx107mm
デザイン
  • 表面:鳳凰・龍
  • 裏面:青海波・蜻蛉・千鳥・帆立貝・孔雀
特徴
  • 偽造防止のために日本で開発された朱・青・緑の3種類の特殊インクを使用
  • 紙幣用紙の原料は麻と亜麻
  • 透かしは入っていない

参考:明治通宝の偽物が見つかった

明治通宝は、1872年(明治5年)に発行された政府紙幣です。

百円券から十銭券までの9種類が発行されました。

縦型の券面やデザインは、江戸時代から流通していた藩札や、明治政府により発行された旧来の太政官札・民部省札などの流れを受けているとされています。

紙幣としては珍しい縦長の紙幣で、明治通宝の縦の長さは、現在の1万円札の横の長さと同じくらいです。

横の長さは、現在の千円札の1枚と4分の一程度と捉えると分かりやすいでしょう。

当時の価値

明治通宝50円札が発行されたのは、1872年(明治5年)です。当時の価値を図る際には、日本銀行では企業物価指数から判断すると良いとされています。

しかしながら、企業物価指数は1872年(明治5年)時のデータがないため、米価を参考に確認してみましょう。

当時の米価は、1石(=約150 kg)が4円~7円でした。(※)

また、農林水産省のデータによると2024年9月時点の玄米60kgの値段は22,700円です。これが150kg分になると56,750円で、1石4円と見積もっても、約14000倍です。

当時の1円が、今の14,000円くらいの価値を持つことを考えると、明治通宝50円は70万円程の価値になります。70万円もあれば、2人でちょっと贅沢な海外旅行ができてしまうくらいの価値があると言えるでしょう。

参考:東京大学附属図書館

現在の価値

明治通宝50円札は、1000万円を超える買取価格となります。ドイツ製造分として23,261枚、発行されたという記録がありますが、現存枚数は極めて少ないため、高い価値で取引されることになります。

明治通宝は、明治時代初期に発行された政府紙幣です。百円券から十銭券までの9種類の券種が製造され、50円札については1872年~1899年まで利用されてきました。発行当初は、当時の日本は印刷技術が乏しかったため、ドイツの工場で印刷されていましたが、1874年(明治7年)からは国産化に成功し、国内で製造されました。

参考:明治通宝50円札の買取価格

裏白50円札

寸法 縦63mmx113mm
デザイン
  • 表面:彩紋・兌換文言
  • 裏面:印刷なし
特徴
  • 表面は既存の証券類等のありあわせの彩紋模様を組み合わせた
  • アラビア数字での額面金額の表示がない
  • 日本銀行行章と「銀」の文字の白透かしによるちらし透かしが入っている

裏白50円札(日本銀行兌換券50円:甲号券50円札)は、1927年(昭和2年)に製造された紙幣です。

ただ、製造のみで実際には発行されず、市場には出回らなかった紙幣でした。

表面デザインにある彩紋(さいもん)は、お札のデザインに使われる独特の幾何学模様です。

偽造防止と装飾という2つの機能を併せ持っており、近代紙幣に欠かせないデザイン要素です。

紙幣以外に債券や株券などの証券印刷物に使われるケースがあります。

表面デザインにある兌換文言(だかんぶんごん)は、銀行券や政府紙幣を正貨と引き換える意味を持っています。

日本銀行兌換券50円(甲号券50円札)のサイズは、ユーロ圏の5ユーロ札(縦62mm×横120mm)に比較的近いサイズと言えるでしょう。

当時の価値

日本銀行兌換券50円(裏白50円)が発行されたのは、1927年です。企業物価指数で見比べてみましょう。

1927年の企業物価指数 1.099
2023年の企業物価指数 876.3

参考:日本銀行

上記から計算すると約797倍です。1927年の1円は、2023年の797円相当になるので、日本銀行兌換券50円はその50倍になるので、約4万円近くになります。そうなると、ゲーム機が手に届くくらいの価値になると言えるでしょう。

現在の価値

裏白50円札(甲50円券)は、1927年(昭和2年)4月に製造された紙幣です。甲50円券は、昭和金融恐慌が原因で発生した取り付け騒ぎの沈静化のために製造されました。しかしながら、騒ぎが収まったため発行には至りませんでした。

発行枚数の少なさもあり、かなり貴重な紙幣と言え、数百万円もの価値が付けられます。

参考:日本銀行兌換券50円(裏白50円) の買取価格

高橋50円札

寸法 縦68mmx144mm
デザイン
  • 表面:高橋是清
  • 裏面:日本銀行本店本館
特徴
  • 「50」の数字に透かしが入っている
  • 日本銀行行章の図柄の不定位置に「ちらし透かし」
  • 紙幣用紙の素材は木材パルプに少量の三椏とマニラ麻を混合したものを利用

高橋50円札(日本銀行 B号券)は、1951年(昭和26年)から7年間、発行された紙幣です。

表面のデザインは、大蔵大臣や総理大臣を務めた高橋是清が、裏面は高橋是清に因んで日本銀行本店本館が描かれています。

日本銀行本店本館は、金貨を鋳造する金座の長を代々務めていた後藤家の屋敷跡に、1896年(明治29年)2月に完成しました。

日本で2番目にエレベーターが設置された建物で、地上3階、地下1階の造りとなっています。

上空から建物を見ると「円」の字になっているのですが、これは特に意図されたものではなく、偶然であると、日本銀行側から声明が出ていました。

また、日本銀行 B号券の大きさは、現在の千円札(縦76mm×横150mm)より一回り小さいくらいを想定するとイメージしやすいでしょう。

当時の価値

日本銀行 B号券が発行されたのは、1951年です。

1951年の企業物価指数 342.5
2023年の企業物価指数 876.3

上記から計算すると約2.5倍程になるので、日本銀行 B号券50円の価値は、約127円程度になります。ペットボトルの水が買えるくらいの価値程度と捉えておくと良いでしょう。

現在の価値

髙橋是清50円札は、現在でも法律上は使える昔のお金となりますので、取引相場価格としては最低でも50円は保証されています。ただ、保存状態の良いものだと数千円の価値が付いたり、「A-A」や「C-J」、「T-F」など特殊なアルファベットの髙橋是清50円札だと10万円もの価値が付けられることもあります。

詳しくは「高橋是清50円札の価値」をご覧ください。

50円札に関してお客さまからいただくご質問

古銭をお持ち込みいただいて、お品物を査定する際に、いろいろお話をさせていただくなかで、50円札に関してお客様からいただくご質問をいくつかご紹介します。

50円札はどこで手に入れられる?

現在、50円札はどれも流通していませんので、コンビニや金融機関のATM等で入手できるということはまずあり得ないでしょう。入手するなら、ヤフオクやメリカリなどの個人間取引が最も身近でしょう。ただ、偽物などのリスクを考えると古銭の通販サイトや東京コインショーなど古銭業者が集まるイベントでの購入が安全です。

50円札の偽物はある?

やはり高額なものであればあるほど偽物がよく確認されます。50円札でいうと、裏白50円札や明治通宝50円札の偽物はとくに多いので注意が必要です。

ただ、現在の紙幣に偽造防止技術があるように、昔のお札に関しても偽造防止技術は採用されています。

50円札に共通している偽造防止技術の一つに「透かし」があります。「透かし」は、1885年(明治18年)に発行された「旧十円券」(通称「大黒札」)から採用されてきました。

この透かし技術は年々発展しており、日本のすき入れ技術は世界でもナンバーワンと言われています。

50円札はいつまで発行されていたのですか?

50円札がいつまで発行されたかというと、最後の50円札である日本銀行 B号券が正式に発行されて使われていたのは、1951年~1958年の7年のみです。

1958年以降は、50円札の発行がされていないので、1958年までとなります。

50円札が発行されなくなったのはなぜ?

50円札がなぜ発行されなくなったのかというと、1955年(昭和30年)頃、同じ価値を持つ50円硬貨の製造が開始されました。これにより、紙幣の需要が急減したことが原因と言われています。

紙幣と比べて使い勝手が良かったのが影響したのかもしれませんね。

買取業者に売った場合の価格は?

各50円札の2024年12月現在の買取業者での買取金額は以下表の通りです。

種類 価格
明治通宝50円

1000万円以上

甲50円券

200万円以上

日本銀行 B号券(高橋50円札)
  • 未使用:2,500円
  • 準未使用:1,500円
  • 極美品:500円
  • 美品:300円
  • 並品:100円
  • 劣品:額面通り

参考:近代紙幣の買取価格一覧表

どの紙幣も額面金額以上に買取できる可能性があります。

もし自宅などに該当の紙幣があると思ったら、買取業者に連絡して、鑑定してもらうことをおすすめします。

50円札の買取なら古銭専門業者アンティーリンクへ!

50円札にはいくつかの種類があり、場合によっては1000万円以上の買取金額となるプレミア紙幣もあります。古銭専門業者アンティーリンクであれば、大量の紙幣をまとめて査定のご依頼をいただいても、1枚1枚確認して、適切な価値で査定させていただきます。事前に種類ごとに仕分けたほうがいい?といったご質問もいただきますが、弊社はそういったご準備も不要ですので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。