中世ヨーロッパの銀貨の当時と現在それぞれの価値を解説します
アンティークコインには高い価値があるといわれているため、西暦500〜1500年頃に発行されていた中世ヨーロッパ銀貨の価値が気になる方もいるでしょう。
本記事では、中世ヨーロッパ銀貨の当時・現在の価値と、1枚いくらなのかを解説しています。
中世ヨーロッパ銀貨の価値が気になる方や、今後価値が上がるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
中世ヨーロッパ銀貨の当時の価値
まず、中世ヨーロッパの銀貨で有名なものは、次のとおりです。
イギリス
大型銀貨 グロート
小型銀貨 ペニー
中世イングランドでは、ペニー銀貨1枚で以下のようなものを購入できました。
- チーズ900g程度
- 卵2ダース(24個)
- 鶏2
- 枕1つ
フランス
大型銀貨 グロ
小型銀貨 ソル
中世フランスでは、ソル銀貨1枚で以下のようなものを購入できました。
- 数個のパン
- 1~2羽の鳥(鶏など)
- 普通のワインを数リットル
- 靴一足
- 資格のない労働者の1日分の賃金
- 簡素な宿の数日分の宿泊費
ドイツ
大型銀貨 グロッツェン
小型銀貨 ペニヒ、ディナール
中世ドイツでは、ペニヒ銀貨1枚で以下のようなものを購入できました。
- パン1個
- ビール1~2リットル
- 居酒屋での簡単な食事
イタリア
大型銀貨 グロッソ
小型銀貨 ペニヒ、ディナール
中世イタリアでは、デナロ銀貨1枚で以下のようなものを購入できました。
- パン1個
- 少しのチーズ
- 安いワイン1杯
- いくつかの卵
- 公衆浴場の入場料
- 簡単な髪のカット
- 橋を渡るための通行料
なお、大型銀貨は小型銀貨の4〜60倍の価値があったといわれています。
銀貨の重さや品位は発行者によりたびたび変更されており、小型銀貨は1g前後、大型銀貨は1.6〜5.7gほどです。
銀の含有率は時代や国の政策により左右されていたため、銀の含有率が低いときは銀貨の価値も下がっていました。
中世では、銀貨に代わる信頼性の高い通貨として金貨も発行されています。
しかし、中世の金貨は希少性が高く、主に国際貿易や王族の資産としてしか使用されていません。
庶民が金貨を持つことは難しかったため、流通用の貨幣としては銀貨が主流でした。
なお、中世ヨーロッパにおける金貨と銀貨の価値比率は、1(金貨):10〜12(銀貨)ほどです。
最近では、ドイツで中世の銀貨が1,600枚見つかったというニュースもありましたね。
ドイツ南西シュトゥットガルト地方グロッタータ村から、中世(14世紀)の銀貨が1600枚見つかったそうです!
1320年にブライザッハ、ツォフィンゲン、フライブルクの造幣局で鋳造された直径1㎝程度の大きさの硬貨で、当時の価値で羊約150頭相当だとか!
お宝発掘は夢ありますね!https://t.co/GREmMfXniL pic.twitter.com/0B6PMoTC25— tenpurasoba (@tenpurasoba4) August 26, 2024
「外国銀貨の買取価格一覧表」や「地金型の外国金貨、銀貨、メダルの買取価格一覧表」もご確認ください。
中世ヨーロッパ銀貨の現在の価値は?
中世ヨーロッパ銀貨の現在の価値は、主に次の要素で決定されます。
- その日の銀価格、銀の含有量
- 希少性によるプレミア価格
- 状態
現代では、毎日の銀価格により銀貨の価値が変動するため、まずはその日の銀1gあたりの価格を確認します。
次に銀の含有量と純度を調べ、銀貨1枚でいくらになるのかを算出するケースが一般的です。
なお、銀の純度が高く含有量が多いほど高値が付きます。
100年以上前に発行された銀貨は希少性が高いため、銀価格以上の価値が付くケースも少なくありません。
希少性がある銀貨には、銀としての価値に加えて希少価値が付き、プレミア価格で取引されます。
当時のまま綺麗な状態で残っているほど高値で取引されるため、状態の良い中世ヨーロッパ銀貨を持っている場合は、プレミア価格が付く可能性が高いでしょう。
中世ヨーロッパ銀貨の取引相場価格
中世のヨーロッパ銀貨の取引相場をまとめておりますので、現在の価値を確認するうえでの1つの指標としてご活用ください。
買取価格 | |
---|---|
大型銀貨グロート |
5,000~95,000円 |
小型銀貨ペニー |
10,000~110,000円 |
買取価格 | |
---|---|
大型銀貨グロ |
1,500~26,000円 |
小型銀貨ソル |
1,000~4,500円 |
買取価格 | |
---|---|
大型銀貨グロッツェン |
3,000~10,000円 |
小型銀貨ディナール、ペニヒ |
8,000~46,000円 |
買取価格 | |
---|---|
大型銀貨グロッソ |
1,000~55,000円 |
小型銀貨デナロ |
500~3,000円 |
いずれも状態の良い物には高値が付いており、イギリスの銀貨はとくに高値で取引されていました。
イタリアの銀貨に関しては他のコインとのまとめ売りしかなかったため、単品では高値が付きにくいと予想できます。
中世ヨーロッパ銀貨の査定はアンティークコイン専門業者へ
中世ヨーロッパ銀貨は非常に古い時代の物で、アンティークコインに分類されます。
アンティークコインの正確な査定は、普通の買取業者では難しい傾向にあるため、アンティークコイン専門の買取業者に依頼しましょう。
アンティークコイン専門の買取業者は、知識が豊富なだけでなくコインの査定にも慣れており、適切な買取価格を提示してくれます。
希少性が非常に高く状態の良い銀貨であれば、1枚で数十万円から数百万円の価値が付く可能性もゼロではありません。
中世ヨーロッパ銀貨の現在の買取価格
ここからは、中世ヨーロッパ銀貨の現在の買取価格を調査した結果を紹介します。
買取業者・ヤフオク・メルカリ、それぞれの買取価格を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
買取業者での買取価格
中世ヨーロッパの銀貨に分類される、直近のアンティーリンクでの買取実績をご紹介します。
- 2024/06/07 イギリス クヌート ペニー銀貨 65,000円
- 2024/08/01 イギリス エドワード3世 1/2グロート銀貨 6,400円
- 2024/09/22 フランス フィリップ4世 グロ・トゥルヌワ銀貨 15,800円
ヤフオクでの落札価格
ヤフオクで直近50件の中世銀貨の落札価格を調査した結果、数千円から4万8,000円前後まで幅広い価格で取引されており、真贋の怪しいものから珍しいものまでさまざまなものが取引されている印象です。
やはり、鑑定済みの物や真正品保証のある物が適正な価格に落ち着いている傾向にありました。
ただ、中世の銀貨は真贋や価値の判断が難しく、適正価格で落札されることはほかのコインと比較すると簡単ではありません。
これは入札する側も真贋の判断が難しいためです。
実際の価値よりも安く落札されることを防ぐためにも、できればアンティークコイン専門の買取業者に査定してもらったほうが安心でしょう。
メルカリでの買取価格
メルカリでの直近の購入ページを調査した結果、中世の銀貨は2,430〜30,000円で購入されていました。
中世ヨーロッパ銀貨は5,000〜30,000円、中世アジア銀貨は2,430〜17,000円で購入されています。
こちらもヤフオク同様で、基本的には鑑定済みの物が高値で購入されるため、鑑定に出してから出品した方が良いでしょう。
鑑定に出すことが面倒な場合や、適正価格で出品できるか不安な場合は、アンティークコイン専門の業者に買取してもらうことも一つの選択肢です。
中世ヨーロッパ銀貨の価値は今後上がる?
古い銀貨にはプレミア価格が付くため、時代が進むにつれて中世ヨーロッパ銀貨の価値が上がる可能性はあります。
金属の埋蔵量には限りがあり、銀の供給量は今後確実に減少することも踏まえると、長期的には価値が上がると考えて良いでしょう。
また、近年は投資先として、日本でもアンティークコインが注目されているので、こちらも価値を高める一つの要因になると予想されます。
もちろん、金属の価値は経済状況に影響されやすく、一時的に価値が大きく下がる可能性もあります。
中世ヨーロッパの銀貨を投資目的で購入したいと考えている方は、タイミングを慎重に見極めましょう。
経済状況が不安定なときに金属の価値は上昇し、安定化した際に暴落しやすい傾向があるため、一つの目安にしてみてください。
中世ヨーロッパ銀貨に偽物はある?
中世ヨーロッパ銀貨の偽物が出回っている可能性はあるため、未鑑定の物を購入する際は十分注意してください。
しかし、アンティークコインは古い物ほど本物と偽物の鑑定が難しく、画像だけでの判断は極めて困難です。
アンティークコインの偽物
実際、アンティークコインの偽物は非常に多く、弊社でもこれだけの偽物が見つかっています。
上記の画像を見ただけで、偽物のアンティークコインだとわかる方は少ないのではないでしょうか。
このように画像での判断は非常に難しいため、オークションやフリマアプリで購入する際は、鑑定済み・真正品保証ありの物に絞ることをおすすめします。
それでも不安な場合は、信頼できるアンティークコイン専門店で購入した方が良いでしょう。
中世ヨーロッパ銀貨の保存方法
中世ヨーロッパ銀貨を保存する際は、次のポイントを押さえておきましょう。
- 自分で銀貨を磨かない・洗わない
- 銀貨を触る際は手袋を使用する
- 硬貨専用ケースに入れて保管する
- 直射日光の当たらない場所で保管する
銀貨を自分で磨いたり洗ったりしてはいけない理由は、素人が自己判断でお手入れをすると銀貨を劣化させてしまう恐れがあるからです。
どうしても汚れが気になる場合は、乾いた柔らかい布で優しく拭く程度に留めておきましょう。
まとめ
中世の銀貨は、現在ではアンティークコインに分類されます。
状態が良い中世の銀貨をお持ちの場合、銀価格以上の価値が付く可能性があるため、一度アンティークコイン専門の買取業者に査定してもらうと良いでしょう。
中世の銀貨以外にも、相場以上の価値が付く銀貨は多数あります。
日本の銀貨で額面以上の価値があるものが気になる方は、次の記事もご覧ください。
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