10万円金貨のデザインを解説!2種類の特徴の違いや、偽物を見抜くシークレットマークとは?

10万円金貨のデザインを解説!2種類の特徴の違いや価値とは

日本の記念硬貨の中で最高額面を誇る10万円金貨。その希少性と美しさは多くの人気を集めています。皇室の重要な節目を記念して発行された10万円金貨のデザインやその特徴、偽物を見抜くシークレットマークについて詳しく解説します。
10万円金貨を持っている人や、それぞれの種類でどんな違いがあるのかを知りたい人はぜひ最後まで読んでみてください。

10万円金貨のデザイン

吹き出し女性

10万円金貨はどんなデザインですか?

吹き出し男性

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨は表面に鳩と水、裏面に菊花紋章きくかもんしょうが描かれています。

天皇陛下御即位記念10万円金貨は表面に鳳凰と瑞雲ずいうん、裏面は中央に菊花紋章、まわりに桐と唐草のモチーフが描かれています。

御在位60年記念10万円金貨

御在位60年記念10万円金貨

御即位記念10万円金貨

御即位記念10万円金貨

日本で発行された10万円金貨には、主に2種類のデザインがあります。それぞれの金貨は、異なる記念事業を祝して製造されており、デザインや重量に違いがあります。

これらの金貨は、日本の伝統と技術の粋を集めて作られた芸術品とも言えるでしょう。その繊細なデザインと高品質な仕上がりは、世界的にも高く評価されています。

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨(20g)

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨(20g)のデザインには興味深い話があります。

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨(20g)
天皇陛下御在位60年記念10万円金貨(20g)

近代の日本では硬貨に人物像が描かれた例がありませんでした。しかし実は、この10万円金貨では、昭和天皇の肖像案の採用が最後まで検討されていたのです。結果として、昭和天皇の肖像案は採用されませんでしたが、代わりに、日本画家の平山郁夫による瑞祥画(ずいしょうが)が最終的に選ばれました。

ちなみに、瑞祥画(ずいしょうが)は、中国や日本の伝統的な絵画の一つで、「おめでたいこと」や「良いことが起こる前兆」を象徴的に描いた絵のことです。

表面には鳩と水が描かれています。

鳩が描かれた天皇陛下御在位60年記念10万円金貨(20g)

裏には菊花の紋章が描かれています。

天皇陛下御在位60年記念10万円金貨(20g)

年号としては、「昭和六十一年」または「昭和六十二年」が刻まれています。

昭和61年の10万円金貨

昭和61年の10万円金貨

昭和62年の10万円金貨

昭和62年の10万円金貨

平山郁夫の瑞祥画は、日本の文化と芸術を見事に表現していると言えるでしょう。

  • 直径:30.0mm
  • 重さ:20.0g
  • 品位:純金

そして、この10万円金貨の素材には、最高品位の純金が使用されています。品位(※).9999の純金で製造されており、その純度の高さは世界的にも稀少な硬貨です。
※品位(ひんい)= 貨幣に含まれている金や銀など、金属の割合のこと。

また、昭和62年の御在位60年10万円金貨には、プルーフ加工版があります。

写真左がプルーフ版で、右が通常版です。

昭和62年の御在位60年10万円金貨のプルーフ加工版

(左)昭和62年の御在位60年10万円金貨のプルーフ加工版

プルーフ加工とは、金貨の表面全体を鏡のように磨き上げ、模様の部分のみ艶を消した状態で仕上げる技法です。
この特殊な加工技術により、模様が際立ち、浮き上がって見える効果が生まれます。通常の硬貨にはない輝きとプルーフ加工による立体感は、この記念金貨の大きな特徴です。

プルーフ版は下の画像のように専用の外箱もあります。

御在位60年10万円金貨のプルーフ版の付属品
御在位60年10万円金貨のプルーフ版の外箱

参考:天皇陛下御在位60年記念10万円金貨の買取価格

天皇陛下御即位記念10万円金貨(30g)

1990年に発行された天皇陛下御即位記念10万円金貨は、その美しいデザインで多くの収集家を魅了しています。

金貨の表面には、鳳凰と瑞雲(ずいうん)が精巧に描かれています。

即位10万円金貨の鳳凰

即位10万円金貨の鳳凰

即位10万円金貨の瑞雲

即位10万円金貨の瑞雲

鳳凰は日本古来の伝説上の不死鳥です。強い印象を抱くデザインになっています。この図柄は、即位という慶祝すべき出来事を象徴的に表現しています。

裏面には、菊の御紋章と「日本国」の文字と、「平成2年」の年号が刻まれています。

御即位10万円金貨の裏面

御即位10万円金貨の裏面

桐と唐草のモチーフが美しくデザインされており、日本の伝統美を表現しています。

  • 直径:33.0mm
  • 重さ:30.0g
  • 品位:純金

この金貨は、重量30グラム、直径33ミリメートルの純金製で、芸術的価値の高さから国内だけではなく、海外のコレクターにも人気があります。デザインの細部には、日本の伝統的な文様が織り込まれ、美しさと歴史的な価値の両方を備えた金貨です。

また、御即位記念金貨にも通常版と異なり、プルーフ版が存在しています。

参考:天皇陛下御即位記念10万円金貨の買取価格

2種類の10万円金貨

昭和天皇の在位60年を記念して発行された10万円金貨と、明仁天皇の即位を記念して発行された10万円金貨

10万円金貨は、日本の記念硬貨の中でも特に高額で注目を集める存在です。

この金貨は、皇室の重要な節目を記念して発行されましたが、

大きく分けると、昭和天皇の在位60年を記念して発行された10万円金貨と、明仁天皇の即位を記念して発行された10万円金貨、この2種類があります。

昭和天皇の在位60年記念10万円金貨

10万円金貨の歴史は、1986年(昭和61年)にさかのぼります。
この年、昭和天皇の御在位60年を記念して、初めての10万円金貨が発行されました。非常に人気が高かったため、1987年(昭和62年)にも同じ10万円金貨が製造されました。

参考:10万円金貨(20g)の買取価格

明仁天皇の即位記念10万円金貨

その後、1990年には平成(明仁)天皇の御即位を祝して2種類目の10万円金貨が製造されたのです。

このように10万円金貨は、日本の皇室の歴史的な瞬間を記念する貴重な品となっています。

参考:10万円金貨(30g)の価値・相場・高価買取

「10万円」である理由

10万円という高額な額面になったのはなぜでしょうか。それにはいくつかの理由があります。

まず、金貨の素材である純金の価値を反映させる必要があったことです。
また、記念硬貨としての特別感や希少性を表現するためにも、高額な額面が適していると判断されたと考えられています。

10万円という額面の設定により、10万円金貨は通常の流通貨幣とは一線を画す特別な存在となりました。

本物?偽物?10万円金貨の見分け方

本物?偽物?10万円金貨の見分け方

10万円金貨の真贋を見分けるには、以下のようなポイントがあります。

  • 重量と寸法
  • デザイン
  • 表面の質感
  • シークレットマーク

まず、重量と寸法が正確であることを確認しましょう。次に、デザインの細部、特に文字や模様の鮮明さをチェックします。
また、金貨の表面の質感も重要な判断材料となります。

ただし、最近の偽造技術の進歩により、素人目では判別が困難なケースも増えています。
重要な取引や高額な購入を検討する際は、信頼できる専門店や鑑定機関での鑑定を受けることがおすすめです。

 

また、御在位60年10万円金貨は大量の偽物が出回ってしまったため、御即位10万円金貨にはシークレットマークが作られました。

シークレットマークとは、偽造防止のために作られた、本物の目印のようなものです。

御即位10万円金貨の下図の部分をルーペなどの拡大できるものでよーく観察してみてください。

御即位10万円金貨の下図の部分をルーペなどの拡大できるものでよーく観察してみてください

すると、本物であれば、どこか2か所の点だけが、周囲の点よりも大きいはずです。

御即位10万円金貨のシークレットマーク
御即位10万円金貨のシークレットマーク

上の2つは、それぞれ別の御即位10万円金貨です。つまり、シークレットマークの位置は金貨によって異なるということです。必ずしも、上図の位置にシークレットマークがあるわけではありませんのでご注意ください。

参考:10万円金貨の重さは何グラム?

10万円金貨の価値は約2~4倍!専門店で鑑定しましょう

10万円金貨の価値は約2倍!専門店で鑑定しましょう

10万円金貨は、発行から現在までの間に価値が約2~4倍にも上昇しています。この値上がりは、金相場の高騰によるもので、いつまでこの高騰が続くのかは分かりません。

参考:【価値280%増】10万円金貨が未曾有の価格上昇!

高額で売却するためのポイントについて解説した記事も用意しているので、ぜひ参考になさってください。

少なく見積もっても20万円は超える品物となりますので、もし買取をしてほしいという場合は、必ず信頼できる専門店での鑑定・査定の申し込みをしましょう。

アンティーリンクでは、古銭鑑定の専門家による鑑定を行っています。お持ちの10万円金貨の高額買取には自信を持っておりますのでぜひともお問い合わせ頂ければ幸いです。