天保通宝の価値ランキング ベスト9をご紹介します!
今回は、価値の高い天保通宝のランキングをご紹介いたします。
アンティーリンクで実際に買取したことがあるものとなりますので、幻級のお宝は除いたものに絞っております。
それでは早速ご紹介していきます。
目次
第9位 天保通宝 本座 広郭
本座 広郭
本座とは“国(政府)が作っていたお金”という意味になります。
数ある天保通宝の種類のなかでも最も基本的な書体で、全くと言って良いほど癖がありません。
まさにお手本の書体です。
天保通宝の7割ほどがこの本座広郭に分類されます。
こちらの国が作った本物の天保通宝は約4億8500万枚でしたが、後で明治政府が集めた天保銭の数は5億8674万枚もあったのです。
つまり、当時使われていた天保銭の約17%が偽物だったということです。
実は現在の天保通宝市場では偽物の方が高いというおもしろいことになっています。
こちらの本座の書体さえ完全に覚えてしまえばこれから紹介していく“天保通宝の本座と違う違和感”に直ぐに気付けると思います。
第8位 天保通宝 秋田高長郭
秋田高長郭は、秋田藩が密かに偽物として作ったお金のひとつです。
天保通宝は先ほど説明したとおり、国が公式に作ったもの以外に、日本全国のさまざまな地域で“偽物”が作られました。
そうした偽物の天保通宝はどの地域や藩で作られたものなのか、研究が進められていますが、なかなか確定できていないというのが実状です。
しかし、こちらの秋田藩で作られた天保通宝は、秋田藩で作られたということがほぼ確定できている、数少ない物です。
特徴としては、全体的に赤色をしている、花印「裏面の下」の刻印が全体的に大きく、表面のしんにょうの最後のはらいも上に長いです。
オークションでも値が上がりやすく、現代でも人気の天保通宝の1つといえます。
状態によっては、7000円以上の価値が付く場合もあります。
POINT
- 全体的に赤色
- 花印「裏面の下」の刻印が全体的に大きい
- 表面のしんにょうの最後のはらいが上に長い
第7位 天保通宝 玉塚天保
玉塚天保
玉塚栄次郎(1870~1946年)は、一代で成功を収めた実業家です。
現代では彼を知る人は少ないかもしれませんが、彼は東京ディズニーランドの「チキルーム」を提供した中堅証券会社、新光証券の創業者です。
また、ユニクロの前社長は玉塚塚次郎の四代後の子孫です。
明治時代の初め、玉塚栄次郎は、丁稚(でっち:商店などで働く見習い)として働いていました。
仕事を頑張るたびに、主人からお駄賃として「天保銭」をもらっていたそうです。
栄次郎は天保銭を貯め、努力を続けた結果、成功して「玉塚証券」という会社の基礎を作りました。
そして、丁稚時代の気持ちを忘れないようにと、天保銭に「天保銭は吾が鏡」や「天保銭は人の鏡」といった言葉を刻んだ特別な天保銭を300枚作り、知り合いに配ったそうです。
この天保銭は、個人の記念のために作られたものでしたが、玉塚栄次郎の成功と彼の人生哲学から、古銭収集家たちに「縁起の良いコイン」として大切にされてきました。
天保銭に彼の名前や屋号が刻まれているものもあるそうです。
玉塚証券は後に他の会社と合併し、現在の「みずほ証券」になっています。
状態のいいものだと、1万円以上の価値がつくこともあります。
第6位 天保通宝 萩 曳尾
萩 曳尾
萩藩(現在の山口県)で作られた天保通宝です。
この萩藩の曳尾と呼ばれる種類のなかでも、およそ100種類あり、それぞれ文字の形が大きく異なり、同じ書体がないほどですが、どれも一目で「本座の天保通宝ではない」とわかります。
とくに「通」の字が非常に個性的な書体をしています。
花印「裏面の下刻印」も特徴的で本座と比べると明らかに異なります。
また、本座と比較すると、全体的に造りの品質が低いことも特徴です。
本座の天保通宝は滑らかで綺麗な造りであるのに対し、萩藩のものはザラザラ、ごつごつとしています。
この萩藩の天保通宝も、よく見かけるわりにはオークション等で価格が吊り上がりやすいため、非常に人気のある天保通宝であるといえます。
綺麗なものだと、13,000円を超える価値が付く場合もあります。
表面
裏面
POINT
- 造りの品質が低く、ザラザラしている
- 「通」の字が個性的な書体
- 花印が本座と明らかに違う
第5位 天保通宝 会津濶縁(正字)
会津濶縁(正字)
濶縁(正字)は、現在の福島県で作られた天保通宝です。
書体は本座と似ていますが、全体的にボツボツしていて、赤銅系の色をしていることが多いです。
会津藩は幕末の戊辰戦争で幕府側の主要な勢力でした。
そのため、幕府は会津藩が行っていた天保銭の偽金作りを厳しく取り締まることができなかったと言われております。
保存状態の良いものだと、価値が20,000円を超えることもあります。
POINT
- 書体は本座と似ている
- 全体的にボツボツしており、赤銅系の色が多い
第4位 天保通宝 福岡藩
福岡藩
福岡藩で作られていた天保通宝です。
本座と比べると穴が小さいです。
「保」と「通」が穴から少し離れていて、裏面の「百」の部分がやや右上がりになり、「百」の日の字が狭くなるのも特徴です。
こちらも状態が綺麗な場合には、価値が20,000円を超えることもあります。
表面
裏面
POINT
- 本座と比べると四角い穴が小さい
- 「保」と「通」が穴から少し離れている
- 「百」の部分がやや右上がり
- 「百」の「日」の字が狭い
第3位 天保通宝 南部大字
南部大字
南部盛岡藩で密かに鋳造されたお金が、昭和49年に民家の解体中に大量に発見され、市場に出回りました。
南部大字もまた独特な字をしており、しんにょうに爪のような物が見られます。
全体的に文字も大きく、花印「裏面の下の刻印」が特大です。
POINT
- しんにょうに爪のような物が見られる
- 花印が特大
第2位 天保通宝 仙台超足宝
仙台超足宝
仙台藩で作られた天保通宝です。
この天保通宝は仙台藩が作っていたという明確な裏付ける資料はほとんど残っていません。
ですが有力な根拠として仙台が作った「寛永通宝」と肌のブツブツなど作り方が似ているからです。
全体的にぶつぶつしており、裏面の穴の上と横に反りが見られます。
綺麗な状態なものだと、10万円以上の値が付けられることもあります。
POINT
- 全体的にぶつぶつしている
- 裏面の穴の上と横に反りが見られる
第1位 天保通宝 水戸遒勁(シュウケイ)
水戸遒勁(シュウケイ)
水戸で作られた天保通宝の中でも、明らかに異質な書体をしています。
通の字の一画目が三日月の形をしており、しんにょうのはらいも上に上がっています。
天保通宝の中でも超人気品でオークションでも度々見かけますが、偽物も多く存在しているため要注意です。
30万円近くの価値がつけられることもあります。
浄法寺村飛鳥部落で鋳造されたと推定されることから、浄法寺飛鳥銭といわれることがあります。
POINT
- 「通」のしんにょう一画目が三日月のような形
- しんにょうのはらいが上がっている
以上、価値ある天保通宝ランキングでした。
このほかにも、珍しいもので高額の価値が付けられるものも数多くありますが、あくまでアンティーリンクで買取させていただいたものの中からランキング形式でご紹介させていただきました。
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