旧二十圓(20円)金貨の真贋の見分け方解説!高いのは何年?
この間、すごくピカピカの金貨を見たんです。大きい龍と、確か二十園と書いてありました。
旧二十圓(20円)金貨のことでしょうね。
旧?と言うことは、新もあるんでしょうか?旧20円金貨でも売れますか?
では今回はその辺について、旧二十圓金貨の解説をしましょう。
目次
旧20円金貨はいつの貨幣?
この期間中、4回に分けて旧20円金貨が発行されました。
基本情報
表面は、中央に大きく「龍図」が彫られています。
その周囲を「二十圓」、「大日本」、「製造年」の文字が囲んでいます。
裏に描かれているのは「日章」、「日月旗」、「菊紋」、「桐紋」、「桐枝」、「八稜鏡」です。
金の品位は900、つまり90%が金でできています。
金貨としての質がかなり高く、現在も人気のある古銭のひとつです。
大きさ/重さ/品位
- 直径:3.506cm
- 重さ:33.33g
- 品位:金900/銅100
- 発行年:1870年(明治3年)
本当は天皇の肖像になるはずだった?
当時、外国の硬貨の多くが人物の肖像を使っていました。
特にその国の元首である人物を彫っているものが多かったのです。
そのため、日本でも「新しい金貨には天皇の肖像を使うべき」という意見があがりました。
しかし天皇の肖像を使うことは、あまりにおそれ多いという考えもあったようです。
そこで天皇の肖像の代わりに使われたのが、表面の竜図でした。
※金貨の中には肖像は使われていませんが、天皇陛下に関する金貨も多数あります。
例:天皇陛下御在位60年記念10万円金貨 買取価格
それは、竜図には天子(※)の象徴という意味合いがあるからです。
※天子…天下を治める者の意、日本では天皇にあたる。
そのため、天子を象徴する竜図が、天皇の肖像の代わりになったのです。
プルーフ仕上げの試作品
プルーフ加工が施されたものは、鏡面のように光沢感が強くなっています。
当時、海外ではプルーフ加工されたコインが作られていました。
それにならい、日本もプルーフ加工を取り入れるようになったのがこの頃でした。
明治3年に製造された旧20円金貨はほとんどプルーフ加工がされていません。
これは、流通用に大量発行されたものだからです。
ただし明治3年製で贈呈用に作られた、プルーフ加工済みの旧20円金貨は存在します。
明治9年、明治10年、明治13年は博覧会への展示や贈答を目的に作られていました。
そのため、これらの年代はプルーフ加工済みのものがほとんどです。
旧20円金貨は、新たな技術を実践してみる試作品でもあったのです。
旧20円金貨の買取価格はいくら?
旧20円金貨の現在の買取価格は以下の通りです。
未使用 | 美品 | |
---|---|---|
明治3年 |
650万円 |
450万円 |
明治9年 |
査定次第 |
800万円 |
明治10年 |
査定次第 |
3,000万円 |
明治13年 |
査定次第 |
1,500万円 |
製造された年数によって、買取価格に大きく差がありますね?
製造年数によって買取価格に差が出るのは以下の理由です。
明治10年や明治13年が高い理由
この2種類の買取価格が高いのは、プレミア価値がついているからです。
これほどのプレミア価値が付いた理由は、極端に製造枚数が少ないことにあります。
明治10年の製造枚数はたったの29枚、明治13年も103枚しか作られていません。
これらは流通を目的としていなかったため、極端に少なかったのです。
そのため、現在の古銭買取市場でも滅多にお目にかかれない珍品となっています。
明治13年の美品で1,500万円、明治10年なら3,000万という超高額商品です。
明治9年の製造枚数は?
明治9年の旧20円金貨は、954枚が製造されました。
明治10年や明治13年に比べると多いように思えてしまいますね。
ですが、硬貨の発行枚数としてはやはり少ない数です。
これも流通の補助というよりは、贈答品としての意味合いが強かったのでしょう。
プレミア価値もついているので、買取価格は高くなっています。
状態の良い美品であれば800万円ですが、未使用品であればもっと高い値段が期待できます。
出回っているのは明治3年
世の中に出回っている旧20円金貨のほとんどが明治3年製のものです。
この年は流通を目的として発行されたため、46,139枚が製造されています。
製造された旧20円金貨のうち、約98%が明治3年製です。
とは言え、46,139枚は硬貨の製造枚数としては決して多くありません。
充分なプレミア価値がついており、未使用なら600万円という立派な高額商品です。
旧20円金貨の買取価格と発行枚数まとめ
買取価格(美品) | 発行枚数 | |
---|---|---|
明治3年 |
450万円 |
46,139枚 |
明治9年 |
800万円 |
954枚 |
明治10年 |
3,000万円 |
29枚 |
明治13年 |
1,500万円 |
103枚 |
旧20円金貨は、純度の高い大きな金貨であることから「近代金貨の王様」とも呼ばれます。
日本国内だけにとどまらず、海外でも人気のある古銭です。
新20円金貨との違いは?
それは、1897年(明治30年)に製造開始した新20円金貨です。
旧20円金貨は直径3.506cm、重さ33.33gでしたが、新20円金貨は直径2.878cm、重さ16.67gです。
とても小型化していますね。
総発行枚数は約5,080万枚と発表されており、現在もかなりの枚数が残っています。
そのため、買取価格は他の金貨と比べると低めになっています。
大きさ/重さ/品位
- 直径:2.878cm
- 重さ:16.67g
- 品位:金900/銅100
- 発行年:1897年(明治30年)
新20円金貨と旧20円金貨の見分け方は簡単です。
このふたつは明確にデザインが異なっているため、見た目で判別できます。
以下の画像は、旧20円金貨と新20円金貨を並べた画像です。
こうしてみると、全くデザインが異なるのがわかりますね。特に、表面のデザインは明確に違っていますね。
旧20円金貨は中央に「竜」が描かれているのに対して、新20円金貨に竜は描かれていませんね。
これを覚えておくだけでも、20円金貨の新旧は簡単に見分けられます。
旧20円金貨の本物と偽物の見分け方
旧20円金貨は大変高価な古銭であり、贋作の標的にされてきました。
そのため、今も古銭市場には旧20円金貨の偽物が出回っています。
取引をするにあたって、真贋を見分けられるかどうかが重要です。
旧20円金貨の偽物を見分ける方法は以下になります。
- 大きさを計る
- 重さを計る
- デザインを確認する
- 磁石に近づけてみる
大きさを計る
旧20円金貨の直径は3.506cmです。
近代の硬貨は型通りに製造をしています。つまり、大きさは間違いなく均一です。
少しでも大きかったり、小さかったりするなら偽物です。
定規やメジャーでも計れますが、ノギスを使うとより正確に計れます。
重さを計る
同じ素材を使い、同じ大きさに作ったなら重さも同じになります。
旧20円金貨の重さは33.33gです。
これより1g以上の誤差があるなら、まず偽物と言えます。
なぜ偽物に重さの違いが出るかというと、それは素材に違いがあるからです。
偽物の硬貨を作る際、同じ量の貴金属を使うことはありません。
違う金属を使えば、その分重さに違いが出てきます。
金は特に重い金属なので、他の金属を使った偽物は軽くなる傾向があります。
以下の画像は、実際に旧20円金貨の偽物を計測してみたものです。
どちらも1gどころではない誤差が出ていますね。
金貨の偽物はこのように軽すぎることがほとんどです。
デザインを見る
下の画像は表面を比較したもので、左が本物で右が偽物です。
表面の「圓」の字に注目してみましょう。
本物は「圓」の「員」部分の幅が細いですが、偽物は「員」の幅が太くなっています。
囲みとの隙間を比べてみるとわかりやすいですね。
偽物の硬貨は、こうした細かなデザインを再現できないものがほとんどです。
次は、裏面のデザインを見比べてみましょう。
画像は、左が本物で右が偽物です。
本物の旧20円金貨は、日月旗の竿や桐の枝が丁寧に彫り込まれています。
偽物の方は、細かいところを省略しており、枝がただの針金のようになっています。
このように、偽物は見比べれば一目でわかるような簡略化がなされているのです。
ただし、比較もなしに1枚だけを見て判断するのは危険です。
この確認方法は比較対象となる本物が手元にある場合のみにしましょう。
磁石に近づけてみる
どちらも磁石には反応しない金属です。
つまり、磁石に近づけても反応しません。
ですが、偽物は鉄のような卑金属を使っていることがあります。
そのせいで、磁石に反応するようになってしまうのです。
旧20円金貨に磁石を近づけて反応するようであれば、それは間違いなく偽物です。
旧20円金貨を高く売るためのポイント
旧20円金貨を少しでも高く売るために、いくつか気を付けるべきポイントがあります。
それは以下の3つです。
- 金貨を磨かない
- 酸化しない保存方法
- 素材確認はしない
では、なぜこれらのポイントが重要なのでしょうか?
その理由を順番に解説していきます。
金貨を磨かない
古銭は磨くことで価値を下げてしまう商品なんです。
状態が良いもののほうが高く売れるというのは確かです。
そのせいか、古銭の磨き方を調べる方もいらっしゃいます。
しかし、磨いてキレイになったとしても、その古銭はもう美品ではありません。
なぜなら、古銭における状態の良さとは、製造時の状態を保っているかで判断します。
磨いてしまった時点で加工を加えてしまったのと変わりません。
そのため、買取価格が下がってしまうのです。
古銭の取引に慣れている人であれば、画像を見ただけでも磨きの有無はわかります。
間違いなく価値を下げてしまうので、古銭を磨くのだけはやめましょう。
酸化しない保存方法
空気に触れている以上は酸化を防ぐ方法はありません。
ですから、空気に触れさせないような保存方法を選ぶ必要があります。
多くの収集家は、アルバムやカプセルを使って古銭を保管します。
コイン用のブリスターパックを使う方も多くいらっしゃいます。
もっと手軽な方法としては、ジップロックを使った方法がおすすめです。
中の空気をしっかりと抜いて閉じておけば、空気にほとんど触れません。
あとは、直射日光の当たらない暗所に保管しておきましょう。
素材確認はしない
試金石とは金より硬い金属のことを言います。
金に試金石をこすりつけると傷ができ、その傷を見て金メッキかどうかを判断します。
傷をつけずに確認する方法がないため、必ず買取価格が下がります。
真贋の確認方法は、記事内で紹介した方法だけで充分です。
金貨に傷をつけてまで素材を確認するのはやめておきましょう。
旧20円金貨を売るならどこがおすすめ?
旧20円金貨を取引するにあたって、売却方法はいくつかあります。
大きく分けると以下の3つです。
- ネットオークション(ヤフオクなど)
- フリマアプリ(メルカリなど)
- 古銭専門の買取業者
ネットオークション(ヤフオクなど)
ネットオークションでも古銭の取引は盛んに行われています。
旧20円金貨のようなプレミア商品は注目されやすい商品です。
コレクターが競ってくれれば、思いがけない高額落札もあり得ます。
ですが、情報が確かでなかったり、画像が不明瞭だとさすがに入札されません。
入札する価値がある商品だと思ってもらうには、知識や技術も必要です。
そのうえで、適正なスタート価格を設定しなくてはいけません。
また、オークションサイトで注意しておきたいのが落札手数料です。
ヤフオクを例にすると、落札価格の8.8%が手数料として差し引かれます。
落札後から発送まで、落札者とのやり取りが必要であったり手間が多いのもネックです。
また、落札価格から手数料が引かれるという点も忘れてはいけません。
ヤフオクであれば最低でも落札価格の8.8%が引かれます。
20円金貨は、プレミア価値が低い明治3年の美品でも450万円する高額商品です。
その8.8%ですから、手数料として39万6,000円も差し引かれてしまいます。
高額商品を扱う際には、手数料のことも計算に入れておきましょう。
フリマアプリ(メルカリなど)
値段を最初から自分で決められるのがメリットです。
競りの結果を待つことなく、希望した価格での取引ができます。
ただし、その分価格設定は慎重に行いましょう。
相場よりも安いと損をするだけですし、高すぎればいつまでも売れません。
また、フリマアプリでも販売手数料がかかることを考慮しておきましょう。
メルカリでは10%が差し引かれるので、その分も踏まえた価格にしたいところです。
そう考えると、相場より少し高めな値段にしたくなりますよね。
こうした事情から、価格設定の難易度はオークションサイトよりも難しいと言えます。
古銭専門の買取業者
買取業者に依頼すれば、厳正な査定のもと適正な価格を提示してもらえます。
買取業者を選ぶ際は、古銭を専門に取り扱っている業者を選びましょう。
専門の業者であれば、古銭に詳しい鑑定士が必ず所属しています。
そのため、査定の精度も上がりますし、相場とのズレもありません。
古銭の種類や数が多くても、まとめて買い取ってもらえるのもメリットです。
個人間での取引で面倒になる部分をすべて任せられるので手間もリスクもかかりません。
旧20円金貨を売るなら買取業者がおすすめ
旧20円金貨に関する解説は以上となります。
かなり高額な商品だけに、個人間での取引はかなりリスキーです。
鑑定や取引に慣れている人でなければ買取業者の利用をおすすめします。
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旧20円金貨以外にも売りたい古銭があれば、査定も買取も一括でお引き受けします。
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TEL:03-6709-1306 (営業時間 11:00〜18:00)
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