

- 縦約17mm、横約10.3mm
- 重量は約2.0~3.0g程度
小字・美品 100,000円(税込)
目次
但馬南鐐銀(たじまなんりょうぎん)は、江戸時代の初期から中期にかけて、現在の兵庫県朝来市にある但馬生野銀山周辺で発行・使用されていた地方貨幣です。
但馬地方で製造されていたことから、その名がつけられました。
南鐐(なんりょう) とは、銀の精製度を示す言葉で、比較的高純度の銀を使用した貨幣に使われます。
但馬南鐐銀もこの一種で、銀の含有量が高く、品質が良いとされています。
また、但馬南鐐銀は一分銀として機能し、当時は4枚で小判1枚分の価値がありました。
但馬南鐐銀は、藩の財政を支えるために発行されたものの一つで、主に銀山で働く鉱夫への賃金支払いを目的として鋳造されたものです。
但馬南鐐銀は長方形の銀貨で、表面に「但馬」、裏面に「南鐐」と刻まれているのが特徴です
但馬南鐐銀(小字)
一見、一分銀に似ていますが、「但馬」と書かれたものは但馬南鐐銀だけなので、状態が悪くて文字が見えなくなっていなければ、かんたんに見分けることができるかと思います。
但馬南鐐銀は、刻まれている文字の大きさや書体によって、以下の種類に分類されます。
それぞれ字の大きさや、書体による違いがあり、評価や価値も異なります。
4種類の但馬南鐐銀
基本的には文字の大きさで大中小を見分けますが、「小字」の【但】の文字には、刀で切ったような傷があるのが特徴で、それによって判別することができます。
また、通常とは異なる字体や配置を持つものは「異書」と呼ばれています。
但馬南鐐銀は江戸時代に発行された地方貨幣で、全国的には流通していませんでした。
そのため発行枚数が少なく、さらに長い年月が経過していることから、現存数はごくわずかです。
こうした希少性から、但馬南鐐銀は市場で高値で取引されており、直近のヤフオクでの取引額は以下のとおりです。
弊社での買取だと、小字と中字が多いのですが、小字の出品がなかったのが意外でした。また、とにかく偽物が多いので、このあと偽物の見分け方をお伝えしていきます。
前述のとおり、但馬南鐐銀には複数の種類があり、字体の異なる「異書」と呼ばれるものも存在するため、真贋の判別は非常に難しくなっています。
また、本来一分銀は重量が一定に定められているものが多いのですが、但馬南鐐銀は非常に小さな銀貨のため、重量にばらつきがあります。そのため、重量だけで真贋を判断するのは難しいとされています。
しかし、たとえば「小字」タイプなのに特有の傷がないものや、本来使用されていない書体が使われている場合などは、偽物を見分ける手がかりとなります。
傷があるのは小字の但馬南鐐銀のみです
ここ10年ほどのオークションサイトなどにおける取引動向を見る限り、但馬南鐐銀の相場に大きな変動はなく、今後大幅な価値上昇は期待しにくい状況です。
また、今後はコインブームを支えた世代の高齢化・減少により、古銭収集の人気自体が徐々に低下していくと考えられます。
そのため、長期的には価値が下落する可能性もあることから、できるだけ早めに売却を検討されることをおすすめいたします。
現在、但馬南鐐銀をお持ちで売却をお考えの場合、一つの手段としてヤフオクやフリマサイトでの個人販売があります。
出品にあたっては、商品の撮影や説明文の作成、出品設定、売却後の梱包・発送などの手間がかかり、さらに販売価格の約10%前後の手数料が必要になります。
とはいえ、思わぬ高値が付く可能性がある一方で、期待した価格に届かないこともあるため、こうした取引のプロセスを楽しめる方には向いている方法です。
ただし、注意が必要なのは、但馬南鐐銀のように価値のある古銭を出品する際、知らずに偽物を販売してしまうリスクがある点です。
自分では本物と思っていても、実際には贋作であった場合、購入者との間でトラブルに発展する恐れがありますので、十分にご注意ください。
また、個人販売以外の選択肢として買取業者に依頼する場合にも、いくつか注意点があります。
但馬南鐐銀は知名度の高い古銭ではないため、業者によっては取り扱いを断られるケースもあります。
さらに、偽物が多く流通していることから、「真贋に不安があるので安くしか買えない」といった理由で、相場よりも低い価格を提示されることも考えられます。
そのため、査定を依頼する際には、「但馬南鐐銀は価値が高いと聞いたのですが……」と一言添えることで、安易な査定を防ぐ助けになります。
不安がある方や確実に適正価格で売却したい方には、日本貨幣商協同組合など、信頼性の高い団体に加盟している専門の古銭買取業者を利用するのがおすすめです。
たとえば、アンティーリンクでは全古銭の買取価格を公式サイトで公開しており、日本貨幣商協同組合にも加盟していますので、安心してご相談・ご売却いただけます。
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