中国紙幣でプレミア価値が付くものはある?

中国の紙幣は、その歴史的背景や希少性から高額で取引されるものが存在します。
特に「プレミア紙幣」と呼ばれる紙幣は、発行枚数の少なさ、歴史的価値、デザインの美しさ、保存状態の良さなどが評価され、市場で高い価格がつくことがあります。
本記事では、中国の代表的なプレミア紙幣について紹介します。
目次
プレミア価値が付く中国紙幣「第一套人民幣」
第一套人民幣は、1955年に大部分が回収され、市場から消えました。
そのため、現存数が少なく、希少価値が非常に高いです。

その中でも、ラクダが描かれている1万元の紙幣は数千万円もの価値が付くこともあります。
ちなみに、第一套人民幣とは、日本語でいうと「第1版 中国紙幣」という意味合いのもので、現在の中国紙幣は第五套人民幣(第5版 中国紙幣)となります。
中国紙幣1版から5版までの種類や見分け方、それぞれの価値については下記「中国の旧紙幣一覧」の記事をご確認ください。
価値の高い古い中国紙幣「袁世凱シリーズ」
袁世凱紙幣は、1912年から1916年にかけて発行された紙幣であり、中国の近代貨幣史において重要な位置を占めています。
現在、この紙幣は古銭・古紙幣市場で高い人気を誇っているのですが、その背景にはいくつかの要因があります。
第一に、歴史的価値の高さが挙げられるでしょう。


彼の統治期間中、中国では貨幣制度の近代化が進められ、それまで地域ごとに異なっていた貨幣が統一される流れが生まれました。
この時期に発行された紙幣は、中国の貨幣制度が大きく転換した時代を象徴するものであり、歴史的な重要性が高いと考えられています。


袁世凱紙幣は、西洋の印刷技術を採用し、高度な印刷技術と精巧なデザインが施されています。
紙質や図案の精密さも当時としては先進的であり、こうした視覚的な価値の高さがコレクター市場での人気を後押ししている背景となっているようです。
もちろん、希少性も大きな要因となっています。


特に保存状態の良いものなどは希少価値が高まり、市場相場での価値はかなり高いです。
さらに、国内外のコレクターの関心も人気を支える要因となります。
中国では、近年アンティーク紙幣の収集が活発になっており、歴史的に重要な紙幣は投資対象としても注目されています。
また、海外の貨幣コレクターの間でも、中国の近代史に関連する紙幣の需要は高く、袁世凱紙幣はその代表的な存在となっています。
加えて、袁世凱の肖像が描かれた「袁大頭」と呼ばれる、袁世凱一円銀貨が広く流通していたことも、紙幣の人気を後押ししています。
銀貨と紙幣の両方が発行されたことで、コレクターの間では一連のコレクションとしての価値が認識され、取引の活発化につながっているとも考えられています。
以上のように、袁世凱紙幣がコレクター市場で高く評価されている背景には、歴史的価値、デザインの美しさ、希少性、国内外の需要、袁世凱一円銀貨との関連性といった、さまざまな要因が存在するのです。
この紙幣は、中国の貨幣制度の近代化を象徴するものであり、今後も収集価値の高い紙幣として注目されていて数万円以上の価格がつくことがほとんどです。
戸部官票は、数百万円の価値がつくことも
戸部官票は、中国・清朝時代に発行された政府の紙幣です。
発行を担当した「戸部」は、今でいう財務省のような役割を持つ役所でした。

当時の銀貨と同じ価値があるとされていました。
しかし、清朝政府の財政が悪化すると、「銀と交換できる」と言いながら実際には交換ができないことが増え、人々の信用を失い、価値がどんどん下がっていきました。
現在では、歴史的に貴重な紙幣としてコレクターに人気があり、保存状態が良いものは数万円から数百万円の価値がつくこともあります。
世界最大の紙幣 大明宝鈔
大明宝鈔は、明朝初期の洪武帝(朱元璋)の治世に発行された世界最大の紙幣(縦34cm×横22cm)であり、紙質は桑と藁を素材にしてできています。

発行当初は銀や銅銭との兌換が可能でしたが、政府の財政難により、銀との交換が停止。
さらに印刷技術の未熟さから偽造紙幣が大量に出回り、過剰発行によるインフレの進行が経済混乱を招いた結果、次第に市場では信用を失ってしまいます。
そして、16世紀には完全に流通が停止しました。
明朝の貨幣経済は銀本位制へと戻ったものの現存数が極めて少ないことから、現在では歴史的価値の高い希少な紙幣として、博物館やコレクター市場では数万以上の高値で取引されています。
中国のプレミア紙幣は日本に残っていることが多い
日本では多くの中国の古銭、古紙幣が取引されています。
その背景には歴史的な政変や、戦争による貨幣の流出、日本の収集文化の発展、戦後の市場需要の高まりなどさまざまな要因があります。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、中国では太平天国の乱、日清戦争、義和団事件、辛亥革命などの政変が続き、貨幣制度が混乱したことで、多くの中国銭が国外へ流出し、日本にも大量に持ち込まれました。
さらに、日中戦争(1937~1945年)の期間には、日本軍や商人が中国から大量の銀貨や銅銭を持ち帰り、特に清朝の銀貨「袁大頭(袁世凱1円銀貨)」や地方政府発行の紙幣が日本国内に持ち込まれたことが記録されています。
また、1960年代の文化大革命時には、古銭や骨董品が「封建的な遺物」として破棄・売却されることが多く、その結果、多くの中国古銭が海外市場に流れ、日本のコレクター市場でも取引されるようになりました。
一方で、日本では江戸時代から貨幣収集の文化があり、大名や豪商が古銭をコレクションする伝統があったことから、戦後の経済成長とともに清朝や中華民国時代の貨幣が投資やコレクションの対象として人気を集めるようになり、1970年代以降は中国古銭の取引が急増しました。
こうした歴史的背景と市場の需要が重なった結果、日本には中国の古銭が多く残ることとなり、近年では中国国内のコレクターによる買い戻しの動きも活発化し、日本市場での取引価格が上昇しています。
中国紙幣の価格が高騰している理由
近年、中国の古銭や銀貨、金貨、さらには古紙幣の市場価格が上昇しています。
その背景には、さまざまな要因が絡み合っています。ここからは、その理由を解説していきます。
国内外の需要増加
中国の経済成長に伴い、富裕層や投資家が資産保全のために古銭や古紙幣を購入する傾向が強まっています。
また、海外のコレクターや投資家の関心も高まっており、中国貨幣の市場価値を押し上げています。
オークション市場の活性化
北京保利や嘉徳といった中国の有名なオークションでは、歴史的貨幣が高額で落札されるケースが増えています。
特に「大清銀幣」「袁世凱銀元」などの人気銭種や、清朝および中華民国時代の紙幣は、競争が激しく価格が高騰しています。
政府の政策と規制緩和
中国政府は文化財の保護と市場の活性化を目的に、古銭や古紙幣の取引の自由化を進めています。
一部の貨幣や紙幣は海外流出を防ぐため、国内市場での需要が増し、価格上昇の一因となっています。
コレクション・投資ブーム
中国国内では、富裕層や企業が歴史的価値のある貨幣や紙幣を資産として保有する動きが加速しています。
また、SNSやオンライン市場の発展により、個人間取引が活発になり、市場価格が上昇しています。
もし中国のプレミア紙幣を見つけたら?
中国のプレミア紙幣は人気と高額な価値があるため、近年偽物が大量に出回っています。
透かし入りの精巧な偽物もあり、経験豊富なコレクターでも見抜けないことがあります。
- 紙質の違い
- インクの色の微妙な差
しかし、普段紙幣を見慣れていない方には判別は不可能と言っていいでしょう。
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今回はプレミア価値のある中国紙幣について解説しました。
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