福耳って何?1万円札のエラーの見分け方や買取相場を紹介
目次
日本における1万円札の位置づけ
日本で使われている紙幣の中で最高額面なのが「1万円札」です。
現行使える紙幣の中でもっとも多く発行されている紙幣であり、私たちも普段から目にする機会の多い紙幣ともいえます。
1万円札の歴史は古く、日本で初めて発行されたのは1958年(昭和33年)12月1日からです。1万円札に描かれている最初の肖像画は「聖徳太子」となっています。
そこから何度か全体のデザインや肖像画が変更になり、2024年7月3日から「渋沢栄一」が肖像画となった新しい1万円札が発行開始になりました。
1万円札のエラーの種類と価格相場
1万円札は日本でもっとも多く発行されている紙幣でもあるため、エラー紙幣が発見されるケースが多い傾向にあります。1万円札のエラーにはどういった種類があるでしょうか。
- 福耳エラー
- 表と裏の図柄が重なるエラー
- 印刷ズレによるエラー
- 裁断ミスによるエラー
それぞれのエラーごとに特徴があり、またエラーが生まれる要因も異なります。
ここでは、1万円札のエラーの種類を詳しく解説し、買取価格の相場についても見ていきましょう。
福耳エラー
福耳エラーとは、裁断する際に紙幣の角のいずれかに余分な紙片が残った状態です。
通常だと紙幣はすべて同じ形に裁断されますが、検査の段階で本来取り除かれるはずの紙片が何らかの要因によって残ってしまっています。
この福耳は大きければ大きいほど希少価値が高いです。
紙幣の保存状態や福耳の大きさにもよりますが、福沢諭吉が描かれた福耳つき旧1万円札の買取価格の相場としては「額面の数十倍」となっています。
表と裏の図柄が重なるエラー
1万円札は表と裏の図面が違っており、問題のない通常の紙幣であれば片側の図面が透けて見えることはありません。
しかし、ごく稀に「表と裏の図柄が重なったエラー紙幣」が見つかるケースがあります。
特に2007年までに発行されていた1万円札に多く、裏の図柄がくっきりと表に浮き出ているエラー紙幣はプレミア価格がつけられました。
存在自体がかなりレアなエラー紙幣であり、浮き出ている図柄がはっきりしているほど高価買取が期待できます。
印刷ズレによるエラー
印刷ズレによるエラーとは、印刷する機械の不具合、もしくはインクが乾いていない間についたキズが原因で生まれたエラーです。
エラー紙幣の事例としては、旧1万円札に描かれた福沢諭吉の顔に印刷ミスがあったものがあり、こちらはその希少性の高さから「20万円」で買い取られています。(※2024年10月9日時点)
他にも印刷ズレによって1万円札の上下や左右に空白ができているもの、片面しか印刷されておらず裏面が真っ白で超希少なエラー紙幣も発見されており、比較的「福沢諭吉が描かれた旧1万円札」でエラー紙幣が多く見つかっているようです。
裁断ミスによるエラー
既にご紹介した紙幣に余分な部分が残る「福耳」や、紙幣の上下・左右に空白があるものは紙幣の裁断ミスによって生まれるエラー紙幣です。
紙幣は大きな紙へまとめて印刷し、その紙を定型サイズに裁断して製造します。その裁断を行う際に何らかの要因によってミスやズレが発生し、検査でも取り除かれずに流通した結果、エラー紙幣となってしまうのです。
程度にもよりますが、裁断ミスによるエラー紙幣の買取価格は「額面の2~3倍」が相場となっています。
複数のエラー
ここまでに紹介したエラーが複数重なった1万円札は、かなり希少価値が高くなります。
- 福耳付きで紙幣が左右いずれかに寄って印刷されている
- 肖像画に印刷ミスがあり、かつ図柄が上下反転している
いくつか例として挙げましたが、エラーが1箇所見つかるだけでもすごいため、複数のエラーが重なった紙幣というのはほとんど事例がありません。
もちろんほとんど事例がないというだけなので、実際にそういったエラー紙幣が存在している可能性は大いにあります。
もしそういったエラー紙幣が見つかれば、考えられないほどのプレミア価格で買い取ってもらえるのは間違いないでしょう。
新旧1万円札のエラーの違い
2024年には渋沢栄一の肖像が描かれた新1万円札の発行が開始されました。
これで1万円札に描かれた人物は「聖徳太子」「福沢諭吉」「渋沢栄一」の3人となります。
新旧1万円札は肖像画はもちろん、紙幣全体のデザインも違っているため、それぞれエラー内容も異なっているのが特徴です。
福沢諭吉1万円札のエラーの特徴
福沢諭吉の旧1万円札は、エラー紙幣が比較的多く発見されている紙幣といえるでしょう。
ここではそのエラーの特徴をいくつかご紹介します。
- 印刷がズレて全体的に上寄せになっている
- 福沢諭吉の襟の部分に長めの印刷エラー
- 福沢諭吉の額部分に目のような印刷エラー
- 紙幣の右下角に福耳がついている
- 偽造防止のホログラムが入っていない
特に2007年以前に発行された福沢諭吉の旧1万円札は印刷エラーが多い傾向にあり、印刷技術が成熟していなかった可能性も考えられます。
渋沢栄一1万円札のエラーの特徴
では2024年から発行されるようになった渋沢栄一の新1万円札だと、どのようなエラー紙幣が発見されているでしょうか。
- 紙幣の表面と裏面それぞれに印刷ミス
- 透かしの上にインクが浮き出ている
- 透かし部分に印刷ズレがある
発行開始されてからまだ年月が浅いため、渋沢栄一新1万円札のエラー紙幣は発見された数自体が少ないです。
今後発行枚数が増えてくると、印刷ミスのほかに裁断ミスや福耳などのエラー紙幣が見つかる可能性があります。
1万円札のエラーの見分け方
1万円札のエラーは見分けにくいものもあるため、いくつか見分けるポイントをご紹介します。
- 印刷ズレや印刷ミスがないか
- 透かしは入っているか
- 片側の面に浮き出ていないか
- 記番号(紙幣ごとの固有番号)は同じ番号が印字されているか
- 余分な紙が付いたままになってないか
これらは誰が見てもわかりやすいポイントですが、中にはエラー紙幣に関する深い知識がないと気付けないエラーも存在しています。
そういったパッと見でわからない細かい部分については、買取専門店で鑑定してもらうのがおすすめです。
製造ミスが価値に!1万円札エラーの魅力
エラー紙幣とはいわば「紙幣の製造ミス」によるものです。本来なら造幣局の検査で取り除かれるはずだった紙幣が市場に流通したため、希少性が高いのは言うまでもありません。
本来であれば製造ミスで破棄されるものが間違いで流通し、希少価値が高いために高価買い取りされるものはエラー紙幣ぐらいではないでしょうか。
しかし、エラー紙幣はどれぐらいの価値があるのか判定しづらいといった特徴があります。
エラー紙幣の適正買取価格を知りたいのであれば、プロの買取専門店へ鑑定を依頼するのがおすすめです。
アンティーリンクでは1万円札エラー紙幣の買取実績も豊富ですので、ぜひ郵送買取や出張買取をご利用ください。