100円銀貨のデザインを解説!歴史から各種類の概要まで

しかも昭和の一定期間しか発行されていない希少な硬貨となっています。本記事では、そんな100円銀貨の歴史や各デザインの概要を解説します。
目次
100円銀貨のデザイン
ここでは100円銀貨のデザインをそれぞれ詳しく見ていきます。
デザインとともに寸法や重さなど様々な観点から、詳細に確認していきましょう。
なお、今回紹介する素材は、銀60%、銅30%、亜鉛10%とどれも同じであることを念頭に置き、詳細を見ていきましょう。
鳳凰
はじめに紹介するのは、鳳凰のデザインです。詳細は以下の表の通りです。
発行年 | 1957年(昭和32年)~1958年(昭和33年) |
---|---|
直径 | 22.6mm |
重さ | 4.8g |
図柄 | 表面:鳳凰 裏面:日章、桜花 |
4.8gの重さは、現行の100円硬貨と同じ重さです。
鳳凰は中国で古くから伝説の鳥とされ、平和と幸福・不老長寿などを象徴する縁起の良い鳥です。
それだけに、戦後からの復活を象徴しているデザインと言えるでしょう。
稲穂
次に紹介するのは稲穂のデザインです。詳細は以下の表の通りです。
発行年 | 1959年(昭和34年)~1966年(昭和41年) |
---|---|
直径 | 22.6mm |
重さ | 4.8g |
図柄 | 表面:稲穂 裏面:分銅 |
稲穂のデザインは、公募で選ばれた図柄ですが、稲は日本が歴史的に米作主体であったことなどが影響していると考えられます。
現行の5円硬貨にも用いられるモチーフのため、日本の象徴のひとつと言えます。
五輪
最後に紹介するのは、五輪(オリンピック記念貨幣)デザインです。詳細は以下の表の通りです。
発行年 | 1964年(昭和39年) |
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直径 | 22.6mm |
重さ | 4.8g |
図柄 | 表面:聖火台上に五輪マークがある 裏面:太陽に算用数字100が書かれている |
前述の2つの銀貨と違い、東京オリンピック記念100円銀貨幣は記念貨幣です。
デザインは公募で選ばれました。
表面には輝かしい未来を示す太陽をあしらっているので、当時の東京オリンピックの盛り上がりや期待が伝わってきます。
裏面に刻印される製造年は、同時期に製造された稲穂100円銀貨が漢数字であるのに対し、アラビア数字を用いた刻印になっています。
よくある質問
最後によくある質問について解説します。
デザインに関わる質問もあるので、しっかり確認していきましょう。
なぜ100円銀貨のデザインは変更されたの?
通常貨幣である100円銀貨のデザインは、1回だけ鳳凰から稲穂に変更された歴史があります。
デザインが変更された公式の文章は、残念ながら存在していません。
しかしながら、財務省の回答によるとデザインの変更は、偽造されたお金が出回らないようにするためと回答がありました。
安心して使っていただくために最も重要なのは、偽造されたお金が出回らないようにすることです。
そのため、当時のデザインが変更されたのも、偽造を防ぐためというのが理由の一つであると推察できます。
価値はあるの?
100円銀貨の価値は額面の100円以上あります。
貨幣自体の重さが4.8g、100円銀貨に含まれる銀の含有率は60%のため、単純計算でも2.88gは銀が含まれている計算です。
2024年11月1日時点の銀の価格は、田中貴金属工業が出しているもので銀1g:173.36円になります。
すでに100円の額面金額を超えていますね。上記から十分な価値があると言えます。
ただし、100円銀貨を溶かして、素材(銀)だけ取り出すのは法律(貨幣損傷等取締法)で禁止されています。
これは、100円銀貨がまだ法律的には普通に使える流通貨幣だからです。
そのため、実質的には銀としての価値があるけど、銀としての取引はできず、あくまで売買が行われるときにはコレクターとしての価値で取引されているという、古銭業界としてもちょっと特殊なコインのひとつだったりします。
また、100円銀貨で気を付ける点があります。
100円銀貨は旧100円玉のため、銀行で現行の硬貨と交換してもらえますが、銀相場やコレクター的な価値を加味しない額面どおりの100円玉との交換になってしまいます。
買取業者であれば、銀相場やコレクター的な価値を付与した100円以上の価格を付けるところが多いので、
100円銀貨を入手した際は、保管しておくか、買取業者に売却するとよいでしょう。
100円銀貨に偽物はある?
100円銀貨にも偽物がある可能性は十分に考えられます。
見分ける際は、重さや磁石への吸着の有無などで見分けることができます。
ご自身で判断するのが不安・自信がない方は、遠慮なく買取業者に相談してみましょう。
買取業者であれば、鑑定のプロなので、皆さんが持っている貨幣が本物か確実に見分けてくれます。
100円銀貨の歴史
100円銀貨は1957年に発行され、1966年に製造終了した旧100円玉です。
発行されていたのはわずか10年少々のみという貴重な貨幣となっています。
100円銀貨の歴史上の主な出来事は以下の表の通りです。
年 | 出来事 |
---|---|
1957年(昭和32年) | 鳳凰デザインで発行開始 |
1959年(昭和34年) | 稲穂デザインに変更 |
1964年(昭和39年) | 東京オリンピック記念貨幣(五輪デザイン)が発行 |
1966年(昭和41年) | 製造終了 |
ここでは100円銀貨の歴史を発行の経緯などから見ていきましょう。
発行の経緯
100円銀貨は、戦後昭和30年代になり経済が安定してきた時期に発行された旧100円玉です。
この頃景気が良くなり50円紙幣が硬貨になると、次は100円も紙幣であったものを硬貨にしてほしいという声が高まりました。
それにより、材料の銀の確保や様々な関係機関との調整を経て、1957年(昭和32年)に発行が開始されたというのが発行の経緯です。
1957年の時点では、500円硬貨が存在していなかったので、発行された当時の最大額面のコインでした。
今まで3種類発行された
100円銀貨は今まで3種類発行されてきました。
発行された3種類の銀貨のデザインは以下の通りです。
- 鳳凰
- 稲穂
- オリンピック記念硬貨(五輪)
100円銀貨が発行された当初は鳳凰のデザインでしたが、わずか2年で発行終了しました。
変更後のデザインは稲穂で、一般公募により選ばれました。
また1964年には我が国初の記念硬貨であるオリンピックデザインが発行され、当時の国民からは歓迎されていた模様です。
銀の高騰により素材が変わる
このまま高度経済成長と自動販売機の普及とともに100円銀貨が大量に必要となった矢先、世界中で銀の不足が目立つようになりました。
これにより世界各国で銀貨の製造が止まってきていました。
日本でも同様に銀貨の大量生産が厳しくなったため、外国でも高額貨幣として使っていた白銅を素材にした100円硬貨への変更を決定。
1966年には100円銀貨の製造が終了し、1967年より現在でも利用されている100円白銅貨の利用がスタートしました。
まとめ
本記事では、100円銀貨のデザインを紹介しました。
鳳凰・稲穂・五輪の3種のみでわずか10年少々しか生産されていない貨幣です。
デザインについても公募されているものが2種類あり、大変興味深い貨幣と言えます。
銀の含有量が多く、1枚自体の価値もそれなりにある100円銀貨ですが、興味がある方は入手を検討してみてはいかがでしょうか?
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