500円玉はいつから?歴代デザインの違いや進化する技術を紹介

500円玉はいつから?歴代デザインの違いや進化する技術を紹介

500円玉がいつからあるか知っていますか?令和に入り新しいデザインも発行されている500円玉。その歴史を紐解くと日本の技術や文化がつまっていることがわかります。

どの500円玉がそれぞれいつからあったのか、デザインや技術を比較しながら解説します。

500円玉の誕生と歴史

500円玉の誕生と歴史

日常で便利な500円玉、皆さんはいつからあったか知っていますか?
実は1982年4月1日に初めて流通しました。

なぜ500円札から変わったかというと、高度経済成長期の物価上昇が大きな理由でした。
500円の価値がどんどん下がっていって、それまであった500円札の紙幣だとすぐにボロボロになってしまう。
それに、偽造のリスクも高まっていました。そこで登場したのが500円玉です。

普段何気なく使っている硬貨にも、こんな歴史があることを知ると面白いですね。

昭和から令和までの歴代500円玉のデザイン比較

昭和から令和までの歴代500円玉のデザイン比較

500円玉のデザインは、時代とともに変化してきました。
昭和、平成、令和と元号が変わるにつれ、500円玉も新しいデザインになってきたのです。

500円紙幣の廃止

最初に500円硬貨が登場する前、実は500円札があったんです。

表には岩倉具視という明治時代の政治家の肖像が、裏には富士山と桜が描かれていました。しかし、1982年7月1日をもってこの紙幣は使えなくなりました。

※参考:岩倉具視500円札の価値は?全4種類の見分け方も解説

紙幣から硬貨への移行は、耐久性を高めて偽造を防ぐのが主な目的でした。
今では500円札を知らない人も多いかもしれません。

昭和時代の500円玉

昭和時代の500円玉は、1982年に初めて登場しました。

500円白銅貨表
500円白銅貨裏

この硬貨は桐の花が表面に描かれています。
桐の花はとても高貴な花とされており、中国最古の詩編『詩経』では鳳凰が羽根を休める木とされています。

裏面には竹と橘が描かれています。
120年に1度しか花を付けない竹の実は、鳳凰の唯一の食べ物とされ、こちらも高貴な植物です。橘は奥ゆかしく人徳のある人の象徴とされています。

縁にはギザギザではなく、「NIPPON」の文字が刻まれていました。
昭和時代の500円玉にあるデザイン要素は、日本の文化や伝統、縁起の良い象徴を組み合わせたものでした。

平成時代の500円玉

平成時代に入ると、500円玉は大きな変化を遂げました。

500円ニッケル黄銅貨表
500円ニッケル黄銅貨裏

平成12年に発行された新しい500円硬貨は、偽造防止技術の向上を目的として銅とニッケルを減らし、亜鉛を加えて旧硬貨と電気抵抗値を変えたのが特徴です。
表裏の象徴はそのままでしたが、縁にはギザギザが刻まれ、偽造防止や視覚障害のある方にわかりやすくなりました。

平成時代の500円玉は、偽造防止のためだけじゃなく、視覚障害のある方にも分かりやすくする工夫もされていた硬貨だったのです。

令和時代の500円玉

令和時代の新500円硬貨は、2021年11月から造幣局で製造が開始され、2023年4月から順次発行されています。この新硬貨は、最新の偽造防止技術を駆使した画期的なデザインが特徴です。

500円バイカラー・クラッド貨幣表
500円バイカラー・クラッド貨幣裏

新500円硬貨の特徴はその高度な偽造防止技術。バイカラー技術とクラッド技術が使用されています。

縁には細かい文字や模様が刻まれていて、表面にも特殊な加工が施されています。「異形(いけい)斜めギザ」と呼ばれるもので、斜めギザの1部を他のギザとは異なる形状にしたものです。

手に取ってよく見てみると、これまでの500円玉とは違う、精巧な作りになっているのが分かりますよ。

500円玉の素材と規格の変化

500円玉の素材と規格の変化

500円玉は、誕生から現在まで素材や規格に様々な変更がされてきました。
どんな風に変わってきたのか、詳しく見ていきましょう。

初期の500円玉の素材

1982年に登場した初期の500円玉は、ニッケル黄銅製でした。

これは、銅にニッケルと亜鉛を混ぜた、耐久性の高い素材です。ニッケル黄銅は、当時の高額硬貨にふさわしい素材として選ばれました。

この素材選択により、500円玉は長期間の使用に耐える丈夫な硬貨となりました。

バイカラー硬貨への移行

2021年に登場した新500円硬貨は、バイカラー硬貨となりました。

外側はニッケル黄銅のままですが、内側は白銅という別の合金を使っています。この二色構造、実は偽造防止が主な目的なんです。
“よく似た韓国の500ウォン玉を日本の500円玉として自販機でご認識させる”という変造事件もありましたが、詳しくは「韓国の500ウォンと日本の500円玉はそっくり?違いや見分け方、偽造防止との関連性も解説」をご覧ください。

また、偽造が困難になっただけでなく、視覚障害者の方々にも触感で識別しやすくなりました。

この変更により、500円玉の安全性と信頼性が大幅に向上しました。

500円玉のサイズと重さの変化

500円玉のサイズと重さも、時代とともに微妙な変化を遂げています。

最初の500円玉は直径26.5mm、重さ7.2gでした。今のバイカラー硬貨は、直径は同じですが、重さが7.0gと少し軽くなっています。

500円玉 直径 重さ
初代・1982年~ 26.5mm 7.2g
2代目・2000年~ 26.5mm 7.0g
バイカラー・2021年~ 26.5mm 7.1g

この微妙な調整で原材料のコストを抑えつつ、古い硬貨との互換性も保っているんです。

これまでに発行されたレア500円玉と記念硬貨

500円玉には、通常のデザイン以外にも、特別な記念硬貨が発行されてきました。これらの記念硬貨は、歴史的な出来事や文化的な祝賀を記念して製造されたものです。

例えば、1985年に発行された「国際科学技術博覧会記念500円硬貨」。科学技術の発展を祝して作られた特別な500円玉です。
また、1993年には「皇太子殿下御成婚記念500円硬貨」も発行されました。

これらの記念硬貨は、デザインが特別なだけでなく数も限られているんです。そのため、中には発行時の額面以上の価値がつくものもあります。

また、製造過程でエラーが生じた「エラーコイン」も、レア硬貨として注目されています。
例えば、打刻ミスや素材の混入などで生まれた珍しい硬貨は、意外と価値があったりするんです。

詳しくは、こちらの記事もご覧ください。

まとめ:500円玉はいつからどう変わったか

まとめ:500円玉はいつからどう変わったか
ここまで500円玉の歴史を振り返ってきましたが、いかがでしたか?

1982年に生まれた500円玉は、私たちの生活と共に進化を続けてきました。
500円玉の歴史は、日本の経済発展や技術革新の歴史でもあります。これからも時代のニーズに合わせて変化し続ける500円玉に、注目していく価値はあるでしょう。

もし手持ちの500円玉に古いものがあったら、ぜひアンティーリンクまでお問い合わせください。