「南鐐二朱銀」は8枚で1両の価値!相場などをわかりやすく解説!

「南鐐二朱銀」は8枚で1両の価値!相場などをわかりやすく解説!

南鐐二朱銀の当時の相場やその価値などについて、わかりやすく解説します。

南鐐二朱銀の当時の価値は?

「南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)」8枚で1両の価値となります。

1両の価値ですが、江戸時代の貨幣の価値の換算方法には「お米」「大工の賃金」「そばの代金」があり、仮に米価から換算した1両の価値を年代ごとに書きますと

  • 江戸時代初期の頃‥1両 ⇒ 約10万円
  • 江戸時代中~後期‥1両 ⇒ 約3~5万円
  • 江戸時代幕末頃‥‥1両 ⇒ 約3~4千円

ということになるようです。

南鐐二朱銀はその8分の1ですから、

  • 江戸時代初期の頃‥1両 ⇒ 約12,500円
  • 江戸時代中~後期‥1両 ⇒ 約3,750円~6,250円
  • 江戸時代幕末頃‥‥1両 ⇒ 約375円~500円

くらいになりますね。

ちなみに「一朱銀」は16枚で1両の価値となります。

「南鐐二朱銀」の意味

「南鐐」とは質の良い銀という意味です。「南挺」とも呼ばれています。
「二朱銀」は銀貨という意味です。

つまり「質の良い銀貨」「純銀」という意味になります。
実際に「南鐐二朱銀」は純度は97.81%と高い物だったそうです。

「以南鐐八片換小判一兩」の意味

「南鐐二朱銀」の表に書いてある「以南鐐八片換小判一兩」の読み方は、「なんりょうはっぺんをもってこばんいちりょうとかえる」と読みます。

意味はこの南鐐銀8枚を以て、一両小判と換えますよ、という意味です。

「定常是銀座」の意味

「南鐐二朱銀」の裏に書いてある「定常是銀座」という文字ですが、かんたんに言えば銀座役人の世襲名です。

「常是」は「じょうぜ」と読みます。
「常是」というのは江戸時代の銀座役人の世襲名です。
また「常是役所(じょうぜやくしょ)」にて銀貨の鋳造、極印打および包封が行われました。
「常是」は江戸時代の銀貨幣発行所である銀座の俗称であり、銀座発行の銀貨幣の極印に用いられました。

「銀座(ぎんざ)」は銀地金の買売、および銀地金への極印打つまり貨幣の鋳造を担った場所に与えられた呼称です。
もともとは大阪に堺、京都の銀吹屋20人が集められ「常是座(じょうぜざ)」が設けられたのが始まりです。

「南鐐二朱銀」は「常是」と「銀座」が刻印を打ち「銀座常是」となり、これは「銀座包」と言われています。

南鐐二朱銀の現在の買取価格は?

南鐐二朱銀の現在の買取価格は下記のページにそれぞれ記載しております。
価格は変動いたしますのでご確認のうえお問い合わせください。

買取価格一覧表:古南鐐二朱銀 の買取価格
買取価格一覧表:新南鐐二朱銀 の買取価格

なぜ南鐐二朱銀は8枚で1両なの?

「南鐐二朱銀」は金貨と銀貨のレートを固定することを目的に発行されました。
もともとは「明和五匁銀」を発行し、銀貨を金貨の代用貨幣にしようとしたのですが失敗しました。

1両分の価値がある「南鐐二朱銀」8枚の重さは約79.36gですが、
1両分の価値がある「元文銀」の重さは約104gです。

これにより通貨発行益を得ることができ、それが田沼政権の狙いであった、という説があります。

ですがこれを金と比べますと、

「南鐐二朱銀」8枚で約79.36gに対して、小判1枚の金は15.49g

になるわけですので金:銀の比価は1:5.12 となって矛盾が生じ、インフレの原因となってしまいました。

まとめ

南鐐二朱銀は江戸時代の重要な貨幣であり、8枚で1両の価値がありました。
その特徴や歴史を知ることで、当時の経済状況や貨幣の流通状況について理解を深めることができます。

現代においても、南鐐二朱銀は収集家の間で高い人気があり、その価値や相場はさまざまな要素によって変動します。
南鐐二朱銀の魅力を感じることで、日本の貨幣史や文化についてより深く学ぶことができるでしょう。