寛永通宝の偽物を発見!真贋レポートをあげます
お客さまの古銭を鑑定・査定しているときに、寛永通宝の偽物を発見しましたので、真贋レポートをあげたいと思います。
問題の古銭はこちら。
下田管内刻印銭の偽物と思われる
下田管内刻印銭とは、寛永通宝(新寛永)の1種で、「下田管内通用銭」「下田銭」「下田刻印銭」などと呼ばれています。
明治4年(1871年)、今の静岡県にあたる伊豆国下田町で作られたと考えられています。
なぜ下田管内刻印銭が作られたのか?
明治時代に入ると日本の貨幣制度(お金の仕組み)が大きく変わりました。でも、それまで使われていた「寛永通宝」というお金もまだ使われていました。ところが、新しいお金「円」と交換するときのルールが変わるたびに、寛永通宝をたくさん持っていた人々は困ってしまいました。
そこで下田の人たちはどうしたかというと、 自分たちの地域でだけ使えるルールを作り、お金を今までどおり使えるようにしたのです。さらに、他の地域のお金と区別するために、地元のお金にはオリジナルの刻印を打つことにしました。
オリジナルの「夕」刻印とは?
下田の人々は、地元の寛永通宝に対して「夕」の字の刻印を打つことにしました。
それがこちらです。こちらは本物の下田管内刻印銭です。
下田管内刻印銭の偽物の見分け方
今回の場合、もっとも分かりやすいポイントは「タ」刻印の形状です。
本物と偽物を横に並べてみると一目瞭然ではないでしょうか。偽物のほうが刻印が明らかに不自然な仕上がりとなっています。
また、今回のような特徴を持った偽物はこれまでにも少なくとも3枚は確認できています。共通しているのは、この夕刻印の左下が繋がっているという点です。
「寛永通宝って価値がある?画像付きでレアな種類、母銭の見分け方を教えます!」もぜひご覧ください。
寛永通宝 下田管内刻印銭の価値
寛永通宝の下田刻印銭の価値としては、本物であれば1万円以上の価値がつけられます。
株式会社アンティーリンクでも、1万円で買取させていただいた実績がありますが、偽物が多く出回っているので要注意です。
やはり、数万円の価値が付けられるものには偽物がでてきてしまうというのが残念なところ・・・。