万延小判 価値と本物の見分け方

この記事では、小判の中でも特に問い合わせの多い、万延小判をとりあげます。
アンティーリンクでは、これまで数多くの小判の査定を扱ってきました。
その実績をもとに、市場価値に基づいた買取金額本物の見分け方を公開いたします。

[監修:渡邉 博/執筆:増田 英明

万延小判の基本情報

万延小判は、万延元(1860)年〜慶応3(1867)年にかけて発行された小判です。
基本情報は、以下の通りです。

重 さ:3.30g
品 位:金574/銀426
鋳造量:625,050両
特 徴:「雛小判」と呼ばれ、他に比べて小さい

万延小判の価値

ここでは、万延小判の価値に基づいた買取価格を公開します。

極美品 7万円
大五 15万円(極美品)
献上大吉 30万円(極美品)

万延小判はどの小判よりも小さいため、種類を見分けることが容易です。
量目を減らしたため極小サイズですが、金の品位は以前の天保小判とあまり変わりません。
また献上品として作られたものは、槌目が細目のものと荒目のものがあります。

万延小判の状態は、未使用/準未使用/極美品/美品/並品/劣品に分けられます。
市場では極美品のものが価値があるため、極美品の価格を掲載しています。

万延小判は鋳造量が少なく、状態の良いものほど市場価値が高いです。
そして裏面の刻印の組み合わせ(大五、大吉など)によっても、価値が変わります。
しかし価値があるため、偽物も多く出回っています。

次の項目では、本物の見分け方を解説します。

万延小判の真贋 本物の見分け方

万延小判の本物と偽物を見分けるポイントは3つです。

POINT

  • 重さを計る
  • 肌(表面)を見る
  • 刻印を見る

この3つを押さえれば、万延小判の本物を見分けられるようになります。
では実際に、3つのポイントを順に検証してみましょう。

重さを計る

まずは重さを計ります。本物と偽物を見分ける基本ですね。
今回はサンプルと貨幣商協同組合鑑定書付きの本物で比較していきます。

それでは重さを計ってみましょう。

本物の重さは3.30gとなっています。
重さについては3.25〜3.35gの範囲であれば、本物だと判断できます。

本物は3.30gです。公称値とぴったりですね。
サンプルは3.20gと本物の範囲から外れています。これだけで、偽物だと判断できますね。

それでは次に、万延小判の肌(表面)を見ていきましょう。

肌(表面)を見る

次に、小判の肌(表面)を見比べてみましょう。
業界では、表面のことを「肌」と言うことがあります。

それでは、本物とサンプルの肌を比較します。

本物の肌は、細かな傷はありますが、金独特の艶があります。槌目が力強く、彫った感じが出ています。
偽物の肌は、拡大写真右側の方をよく見ると、金が剥げています。また槌目は浅く、間隔もまばらです。

以上のように、小判の肌(表面)を観察することで、本物と偽物を見分けることも可能です。

最後に、刻印をチェックしてみましょう。

刻印を見る

最後にチェックするのは刻印です。

小判にはオモテ面、ウラ面に様々な印が打たれています。これが刻印です。
今回の万延小判では桐紋に注目します。

本物は桐紋が力強く、凹凸がはっきりしています。
偽物は桐紋が浅くのっぺりとして、平面的です。本物と比べると、デフォルメされている感じもありますね。
桐紋に限らずその他の刻印も、同じような傾向になっています。

このように、刻印に注目することで、本物と偽物を見分けることができます。

万延小判の価値と本物の見分け方 要点まとめ

以上が万延小判の価値と本物の見分け方でした。
記事の重要ポイントを要約します。

  • 万延小判は小判の中で最も小さい。
  • 万延小判は状態・刻印の組み合わせで価値が変わる。
  • 万延小判の真贋は3ポイントで判別できる。

そんな万延小判ですが、その鋳造量が少ないため偽物が多く出回っています。
弊社では郵送買取のほか、LINEによる無料査定も行なっています。
万延小判の真贋については、お気軽にご相談ください。
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