天保小判金の本物と偽物(レプリカ)の見分け方

天保小判真贋

こちらの天保小判は、75万円で買取させていただきました。

(買取実績:2023/12/07)

75万円!?とても価値が高い小判なんですね。

この天保小判はとくに高い価値が付けられますが、その反面、偽物も多く出回っているんです。
今回は、天保小判金の本物と偽物(レプリカ)の見分け方を解説していきます。

天保小判金には偽物が存在し、市場にもかなり出回っています。
実際に、明治14年・15年の「貨幣偽造犯捕獲表」によると、保字小判(天保小判金)の偽造犯が逮捕された記録が見つかります。

金銀貨偽造 保字小判 明治十五年六月 鳥取懸 白金職 …

出典:貨幣偽造犯捕獲表(1.76Mb)

偽物の見分け方を踏まえておかないと思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
では、天保小判金の偽物を見破るためにはどこに注意すればいいのでしょうか?

それは以下の3点です。

  • 重さを量る
  • 極印を確認
  • ゴザ目を確認

重さを量る

まずは重さを量ります。
重さの軽量は真贋確認の基本です。
今回はサンプルに加え、貨幣商協同組合鑑定書付きの本物も用意しました。

小判は1枚に使う金属の量を定めているため、重さもほぼ均一です。
ですから、重さの違いで偽物を見分けられます。
天保小判金の重さは11.20gです。

天保小判金重さ比較

およそ11.15〜11.25gの範囲であれば本物だと判断できます。

本物は11.25gで、本物の範囲内に入っています。
サンプルは11.98gと本物に比べて重いため、偽物だと判断できます。

金貨のレプリカは高い金の使用を避け、他の金属を使ったものがほとんどです。
違う金属を使えば当然重さも変わるため、これで偽物を判別できます。

極印を確認

次の方法は極印ごくいんによる真贋判定です。

極印の数を確認する

次に小判に刻まれた極印の数を確認します。
どれかひとつでも足りないものは偽物の可能性が高いです。

表面に「扇形の桐紋」がふたつ・上には「壹两」・下には「光次」の極印があります。
裏面中央に「花押」、左下の「験極印」は必ずふたつセットで、右上の時代印は「保」です。

極印は、その小判が正式に作られたものである証拠です。
つまり、これらが欠けたものが出回ることは本来ありえません。
このうちどれかひとつでも欠けているようであれば偽物といえます。

天保小判極印の数

赤い丸の箇所を確認してみてください。

極印を精度を見る

次に、極印の精度を確認してみましょう。

天保小判金刻印本物
天保小判金刻印偽物

本物の極印は線の太さが均一ではなく、文字の払いや跳ねも表現されています。
対して、偽物の極印は線の太さが一定なせいで模様や文字が潰れ気味です。

見比べてみると、偽物の極印はどれも形がはっきりしない印象です。

さらに天保小判の特徴でもある「保」の刻印に注目します。

天保小判極印「保」比較

本物はトメやハネがしっかりとして、つくりの下部分がカタカナの「ホ」に見えます。
天保小判の「保」は、つくりの下部分がカタカナの「ホ」のようになっているのが特徴です。

偽物はトメやハネがありますが、太く潰れています。
つくりの下部分は漢字の「木」に見えます。

お手元の小判をチェックする際は、ルーペの使用をおすすめします。

ゴザ目を確認

天保小判金ゴザ目
表面に刻まれた「ゴザ目」も偽物を判別するのに役立ちます。
槌でつけられた跡なので「槌目つちめ」とも呼ばれるものです。
これは手作業でつけられていたため、あまり深くは掘られず完全に均等にはつけられません

実際に本物と偽物の差を見比べてみましょう。

天保小判ゴザ目本物
天保小判ゴザ目偽物

さらに拡大して見てみましょう。

本物のゴザ目は、滑らかで小判らしさを感じます。
槌目は長さが不揃いで細い印象です。

偽物のゴザ目は、ごわついて滑らかさがありません。
槌目は太く均一です。

レプリカ品のゴザ目は均等で掘りも深くなっています。
一見すると綺麗に見えますが、ここまで機械的な模様は偽物の証拠です。

まとめ

以上が天保小判の価値と本物の見分け方でした。

  • 重さを量る
  • 極印を確認
  • ゴザ目を確認

残念ながら天保小判は価値が高いため、偽物が多く出回っています。
熟練の鑑定士でも判断が難しい偽物も数多く存在します。

天保小判の真贋について専門家の鑑定が必要な際はお気軽にご相談ください。