天保小判金の買取価格を紹介!本物と偽物の見分け方も教えます!

こちらの天保小判は、75万円で買取させていただきました。

(買取実績:2023/12/07)

75万円!?とても価値が高い小判なんですね。

この天保小判はとくに高い価値が付けられる、ある特徴があるんです。今回は、天保小判の価値と高額の買取価格の理由を解説していきます。

天保小判はどんな貨幣?

天保小判
天保小判
日本の江戸時代では大判や小判といった金貨が使われていました。
そのなかで、1837年(天保8年)から発行された小判を天保小判と呼びます。

天保小判のデザイン

表面にはたがねでつけた「ござ目」があり、上下に「扇形の桐紋」が彫られています。
そのそばに打たれているのは、額面を意味する「壹两」の文字、製造者責任者「光次」の花押(サインのようなもの)の極印です。

裏面も中央に「花押」が刻まれているほか、左下には製造に関わった小判師と吹所の「験極印」も打たれています。
右上には、時代を示すために天保の「保」の字の極印があり、そのことから天保小判は「保字金」とも呼ばれます。

天保小判の基本情報

  • 重さ:11.20g
  • 品位:金568/銀432
  • 寸法:約59mm×横32mm
  • 発行年:1819年(文政2年)

天保小判を見分けるにはどこを見る?

天保小判を見分け方
小判には多くの種類がありますが、天保小判を見分けるのは簡単です。
上でも紹介したように、天保小判は裏面に時代印の「保」の字があります。
この時代印が確認できれば、天保小判と思って問題ありません。

より小型化が進んだ小判

天保小判は、それ以前の小判と比べるとサイズが小さくなっています。
このサイズ変更には、金の含有量を上げるという狙いがありました。天保以前の小判は、財政難を理由に徐々に金の品位が下げていました。
それはつまり、小判自体の価値が落ちていることになります。
当然のことながら、人々は小判への信用を失っていきました。
そのせいで小判の流通量も減っていたようです。
幕府は、小判の金品位を上げて人気を取り戻そうとします。
しかし、ただ金の使用料を増やせば財政を圧迫するだけです。そこで金の使用量を変えずに、小判を小さくするという手段にでました。
全体の質量が変わるので、使用量を増やすことなく小判の品位を上げる、という算段です。

実際のところ金品位の上昇量は微々たるものでしたが、天保小判から製造方法が変わった影響もあり、天保小判は美しい金貨に仕上がりました。

小判の大きさ比較

一番左の慶長小判(けいちょうこばん)は、1601年(慶長6年)に発行されました。
そして一番右の万延小判(まんえんこばん)は1860年(万延元年)に発行されています。

約250年かけて、歴史とともに小判が縮小されていっているのがわかるかと思います。

小判大きさ比較

小判の大きさを比較してみました。天保小判は約59mmです。

ローラーの採用で美しい金貨に

ローラー
小判はもともと、金塊を叩くことで薄く延ばすという製法で作られていました。
手作業で伸ばしていたために、表面には凹凸があります。
しかし、天保小判からは金塊を伸ばすためのローラーが採用されました。
そのおかげで、表面のしあがりが平坦かつ、厚みも一定になったのです。
また、小判は金色を綺麗に見せるために「色揚げ」という加工が行われています。
幕府は色揚げにかける経費を増やし、より見た目を綺麗にするよう指示を出しました。
その甲斐あって天保小判は、金の使用量は決して多くないのにとても美しい金貨となったのです。
美しい小判

それでは、天保小判の価値・買取価格について紹介していきます。

天保小判の買取価格

天保小判には金がおよそ6.3g含まれているので、素材としての価値だけでも7~8万円ほどとなります。そこに、希少価値などが加わり、下記のような買取価格が設定されます。

本日の買取価格
極美品 鑑定書あり 極美品 鑑定書なし 美品

14万円

13万5,000円

12万5,000円

当時の価値はどれぐらい?

小判は1枚で1両にあたる貨幣として使われ、天保小判も1両硬貨でした。
しかし、1両と言われてもどれぐらいの価値があるかピンときませんよね。古い文献では、1両あれば大工23人の日当を支払えたという話があります。ここでは仮に、大工の日当を1万円程度と仮定してみましょう。
すると、1万円×23人ですから1両は23万円ということになります。
1枚で23万円の貨幣なんて現代では想像もつかないスケールの話ですね。
実は、その感覚は江戸時代でもさほど変わらず、小判のような高額貨幣は庶民では目にする機会も少ないものだったそうです。

極印次第で買取価格アップ!

そのままでも十分高額な天保小判ですが、裏面の極印次第で価値が跳ね上がり、買取価格が上がることがあります。

裏面の極印のなかでも、注目すべきは左下の「験極印」です。
これは、製造に携わった小判師が誰なのか、どこの製造所で作られたのかを示しています。

この文字の組み合わせ次第では、非常に縁起のいい言葉ができあがるのです。
こうした縁起物の天保小判は昔も今も人気があり、収集家からも注目されています。

では、実際にどのような組み合わせだと高くなるのかを解説していきますね。

献上大吉

献上大吉
まずは、小判師の印が「大」、吹所の印が「吉」で作られる「大吉」です。
天保小判では、大吉の組み合わせを意図的に作って献上品としていました。
そのため、「献上大吉小判」と呼ばれるのです。献上品としてしか作られていないこともあり、残存数も多くありません。
数の少ない縁起物として現在でも非常に高値がついています。

この記事の冒頭で紹介された75万円の価値がついた天保小判は、まさにこの”献上大吉”でしたね。

 

七福小判

縁起の良い組み合わせは「大吉」だけではありません。
そのほかに「小吉」、「堺長」、「久長」、「馬神」、「守神」、「久吉」の6つがあります。
これらは、それぞれ七福神の一柱を意味する言葉であり、「七福小判」と呼ばれます。

  • 大吉=大黒天
  • 小吉=恵比寿
  • 堺長=毘沙門天
  • 久長=布袋和尚
  • 馬神=弁財天
  • 守神=寿老人
  • 久吉=福禄寿
久長
七福神信仰は、江戸時代の元文の頃から広まっていきました。
広まり始めてまだ間もない七福神は、江戸の民にとってトレンドのひとつだったのです。
そのため、当時から七福小判を収集する人は絶えず、今も人気の商品になっています。

逆打

表と裏の極印の上下が反転してしまっているものは「逆打」と呼ばれます。
大吉や七福とは違って縁起物ではありませんが、プレミア価値は高い品物です。

小判の逆打は滅多にお目にかかれない代物です。
古銭取引の市場にもなかなかでてきません。
もし出品されれば、驚くほどの価格がつくでしょう。

小判の偽物の見分け方

天保小判には偽物が存在し、市場にもかなり出回っています。

偽物の見分け方を踏まえておかないと思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
では、小判の偽物を見破るためにはどこに注意すればいいのでしょうか?

それは以下の4点です。

  • 重さを量る
  • 極印の数を確認する
  • ござ目をチェックする
  • 刻印を精査する

重さを量る

古銭の偽物を確かめるためには、まず重さの情報が重要になります。小判は1枚に使う金属の量を定めているため、重さもほぼ均一です。
ですから、重さの違いで偽物を見分けられます。天保小判の重さは11.20gです。
もし、この数値から1g以上の誤差があればそれは偽物といえます。金貨のレプリカは高い金の使用を避け、他の金属を使ったものがほとんどです。
違う金属を使えば当然重さも変わるため、これで偽物を判別できます。
本物の重さ
偽物の重さ

こちらは、天保小判の本物と偽物の重さを比べた写真です。

極印の数を確認する

次に小判に刻まれた極印の数を確認します。
どれかひとつでも足りないものは偽物の可能性が高いです。天保小判は、表面に「扇形の桐紋」がふたつ、上には「壹两」、下には「光次」の極印があります。
裏面中央に「花押」、左下の「験極印」は必ずふたつセットで、右上の時代印は「保」です。極印は、その小判が正式に作られたものである証拠です。
つまり、これらが欠けたものが出回ることは本来ありえません。
このうちどれかひとつでも欠けているようであれば偽物と言えます。

赤い丸の箇所を確認してみてください。

ござ目をチェックする

ござ目 槌目 つちめ
表面に刻まれた「ござ目」も偽物を判別するのに役立ちます。
槌でつけられた跡なので「槌目(つちめ)」とも呼ばれるものです。これは手作業でつけられていました。
なので、あまり深くは掘られず、完全に均等にはつけられません。

実際に本物と偽物の差を見比べてみましょう。

本物のござ目
偽物のござ目

レプリカ品のござ目は均等で掘りも深くなっています。
一見すると綺麗に見えますが、ここまで機械的な模様は偽物の証拠です。

極印を精査する

最後に、極印の精度を確認してみましょう。

本物の極印は線の太さが均一ではなく、文字の払いや跳ねも表現されています。
対して、偽物の極印は線の太さが一定なせいで模様や文字がつぶれがちです。

ここも本物と偽物を比べてみましょう。

比較用-本物
比較用-偽物

こうして見比べてみると、偽物の極印はどれも形がはっきりしませんね。
ですが、遠目で見るとなかなか気付けないポイントです。

お手元の小判をチェックする際は、ルーペの使用をおすすめします。

天保小判の買取実績

アンティーリンクの天保小判の買取実績をいくつかご紹介します。ご紹介してきた通り、状態や鑑定書の有無、極印の組み合わせによって価値が変わり、買取価格も変わることになります。

天保小判の買取実績
買取日 買取価格
天保小判 並品

2023/8/12

130,000円

天保小判 献上大吉

2023/12/7

750,000円

天保小判 傷・汚れ有

2023/12/7

110,000円

天保小判 鑑定書付き

2024/2/22

170,000円

みなさん天保小判ほどの高額な小判になると、LINEやメール査定で一度写真を送っていただくことが多いです。

お気軽にLINEやメール、お電話にてご相談いただければと思います。

天保小判を高く売るためには?

やはり、一番気になるのは小判が高く売れるかどうかですよね?
ここからは、天保小判を少しでも高く売るために注意すべきポイントを紹介します。

そのポイントは以下の3つです。

POINT

  1. 貨幣を絶対に磨かない
  2. 古銭の酸化を防ぐ
  3. 試金石は厳禁

貨幣を絶対に磨かない

硬貨の磨きは、古銭取引においてタブーといえる行為です。
見た目は綺麗にできますが、評価は間違いなく落ちてしまいます。骨董品は、自然な状態のまま残っているということが重要です。
そのため、硬貨を綺麗に見せるために磨くのは真逆の行為と言えます。
結果的には、その古銭は手を加えられた品物として価値が下がります。また、洗剤を使用した洗浄方法はさらなる変色を招きかねません。
古銭の状態を悪化させてしまうこともあるのです。
ですから、古銭は磨くことなくそのままの状態で保管してください。

古銭の酸化を防ぐ

古銭の状態劣化は酸化が主な原因となっています。
酸化を防ぐためには、空気に触れさせないのが一番です。ブリスターパックやアルバムなど、保存方法にも色々あります。
今であれば、ネットショップから簡単に入手可能です。もっとお手軽な方法がいいという人にはジップロックをおすすめします。
近所で手に入れやすく、しっかりと空気を遮断できるアイテムです。古銭を中にいれたら、まず中の空気を吸い出すか絞り出しましょう。
中の空気が抜けたらそのままジッパーを閉じてください。
これで、古銭を空気に触れさせずに保管できるようになりました。あとは、直射日光による日焼けも防ぐために暗所に置きましょう。

試金石は厳禁

試金石イラスト
金貨の素材を調べるために試金石を使うという方法があります。
ですが、これは古銭の価値を下げてしまうやり方です。この方法は、金より硬い金属で傷をつけないといけません。
傷がつけば価値が落ちるのは当然の話ですよね?
ですので、素材がわかったところで損をするだけです。小判を傷つける調べ方は絶対にやめておきましょう。

天保小判以外の価値については、小判や大判の買取価格一覧表をご確認ください。

天保小判を売るならどこがお得?

天保小判を売るにあたっては、以下の3つの方法があります。

POINT

  1. ネットオークション(ヤフオクなど)
  2. フリマアプリ(メルカリなど)
  3. 古銭専門の買取業者

では、それぞれのメリット・デメリットを解説していきましょう。

ネットオークション(ヤフオクなど)

ネットオークションサイトは古銭コレクターも御用達です。
コレクターから注目されれば、思わぬ高額落札もあり得ます。
天保小判は見た目が綺麗なことから人気のある小判です。
状態がしっかりとわかる鮮明な写真があれば注目されやすいでしょう。注意すべきは、落札価格から手数料が引かれるという点です。
例に挙げたヤフオクであっても、最低8.8%の落札手数料が差し引かれます。
つまり、落札価格が高ければ高いほど手数料で取られる分も多くなります。天保小判も10万円以上の価値がある商品です。
手数料で1万円以上取られてしまうことも多いでしょう。

フリマアプリ(メルカリなど)

手数料がかかるという点はフリマアプリでも変わりません。
ただ、こちらは値段を自分で設定できるところがメリットです。
手数料も踏まえて利益が出る価格に設定すれば、損をすることはありません。ただし、その分相場よりは高い設定が必要になります。
となると、なかなか買い手がつきにくいというところが難点です。ですから、フリマアプリですぐに利益を得るのは難しいでしょう。

古銭専門の買取業者

最後に、古銭専門の業者への買取依頼です。
この方法であれば、迅速かつ相場通りの利益が得られます。買取業者は、商品を発送するだけで査定から買取まですべて任せられます。
自分で真贋の確認をしなくていいのでリスクもありません。古銭専門の買取業者であれば、古銭の鑑定士が所属しています。プロの鑑定士が査定してくれれば相場とのズレもありません。
古銭買取において、一番手間もリスクもかからない売却方法です。

天保小判を売るなら買取業者がおすすめ

天保小判の解説は以上となります。
天保小判は10万円を超える商品なので、個人での取引はとてもリスキーです。
よほどの自信がない限りはプロの鑑定士を頼りましょう。

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